豪快な父
「今朝のニュースです。
アメストリスの歴史に関する貴重な資料を多く展示される展覧会が近く開催予定となっております。
アメストリスは現在では失われた技術として錬金術に関する貴重な資料もあり」
「・・・アメストリスに錬金術って、これって、確実に」
今朝、俺はいつものように朝飯を食べている時に聞いた内容。
幾ら勉強していない俺でも、ここまで大きな国だったら、俺だって知っているはずだ。
「それにしても錬金術って、なんだ?」
そう言いながら、俺は取り出したスマホで錬金術についてを検索した。
どうやら、昔から存在している技術だけど、一般的に知られている錬金術は原子配列そのものを組み替える行為ではなく、既存の物体の形を変えたり、化学反応を起こしたりすることを主としているらしい。
しかも、アメストリスでは、地下のマグマの地殻エネルギーを使用して行われており、現在はそのエネルギーも枯渇してしまった為、昔のような錬金術は使えないようだ。
その為、俺の知っているのでは、むしろファンタジー世界の部類に入るだろう。
「なんか、気になるな」
俺はそう言い、簡単な身支度を終えると
「飛羽真!
行くんだよね!!」
「響、その反応からして」
「いやぁ、そりゃあ、あんだけ宣伝されていたら」
どうやら響もアメストリスの事について気になっていたらしい。
「それじゃあ、行くか。
えっと、確かここから電車ですぐだったな」
そう言い、俺達は一緒に目的地に向かう。
目的地に辿り着くと、既に多くの人がいるようで、入り口前は人で溢れかえっていた。
「なんというか、凄い人の数だな」
「なんでも、アメストリスの錬金術をモチーフにした小説が結構あるらしいよ。
三国志とか、そういうのに似たジャンルで描かれているらしいよ」
「まぁ、調べる限りだと、錬金術って、ファンタジーだからな」
それを考えれば確かに小説のネタには困らないだろう。
「なんだか、凄い事になったのぅ」
「んっ?」
どこからか声が聞こえ、見てみるとそこには老人が一人いた。
かなり歳をとっているようで、車椅子でその光景を見つめており、薄い白髪が見える。
見れば、周りには家族だと思われる人物がいないようだが
「えっと、大丈夫ですか?
家族ともしかしてはぐれてしまいましたか?」
「えっ響!?」
その事で心配になったのか、響がお爺さんに話しかけた。
「ははぁ、大丈夫じゃよ、お嬢さん。
儂はここには一人で来たからのぅ」
「一人でですか?」
それは俺も疑問に思った。
言っては悪いが、確実に介護が必要な人なのだが
「これでも経験は豊富じゃからな。
心配してくれて、ありがとうね」
そう言って、お爺さんはすぐに返事してくれた。
そうしている間に何か大きな騒ぎが起きた。
「えっなに」
「っ!!」
見ると、巨大な怪物が見えた。
いくら何でも可笑しい状況なので、見ると真っ白でグロテスクなサンショウウオのような醜い怪物だった。
「っ響、悪いけど、その人を頼む」
俺はすぐにその怪物に向かおうとしたが
「今のお前では手に負えないぞ、新人」
「えっ?」
突然聞こえてきた声。それと共に現れたのは巨大な岩を思わせる鎧を身に纏い、その背中にはその巨体に見合った巨大な剣を手に持っていた。
背中だけ見れば、その剣に埋め込まれていたのはワンダーライドブックだった。
「あれはワンダーライドブック。という事はもしかして、あんたもライダー!?」
俺は思わず叫んでしまうが、そのライダーはその手に持ったワンダーライドブックをそのまま剣に読み込ませる。
――玄武神話!ドゴーン!会心の激土乱読擊!ドゴーン!
その音声と共に、その手に持った巨大な剣を覆うように地面から幾つもの岩石が吸い込まれ、そのまま巨大な剣へと変わる。
「はあぁ!!」
怪物に向けて放たれた一撃によって、怪物の胴体が簡単に切り裂かれた。
「がっがああぁぁ!!」
真っ二つに切り裂かれたが、怪物はそのまま近くのマンホールを吹き飛ばし、そのまま怪物はそのマンホールの中へと入り込む。
「っ危ない!!」
吹き飛ばされたマンホールの先には子供がいた。
それを見て、俺はすぐに手に持った
「ふぅ、大丈夫かい?」
「はい!
うん、ありがとう!!」
そう言い、子供はそのまま向かったのは先程の怪物を切り飛ばしたライダーの向かっていく。
「父上!!」
「「ちっ父上!?」」
俺と響は思わず叫んでしまう。
まさか、偶然助けた子供の父親が、今さっき怪物を斬ったライダーだとは。
「がははは、助かったぞ後輩。
息子を助けてくれて、感謝する」
「いっいえ」
そのまま豪快に笑いながら、その人に肩を叩かれながら、俺は思わず頷く。
まさか、こんな偶然があるとは。
「さっきのは、まさかグラトニー」
先程の怪物を見て、驚きを隠せない爺さんに俺は思わず見つめてしまう。
「爺さん、知っているのか!!」
「・・・あぁ、奴はホムンクルスだ」
「ホムンクルス?
それって、確かファンタジーとかにある人造人間の事だよな」
まさか、前回の鬼に引き続き、とんでもない奴が出てきたな。