「グラトニーって、一体なんですか?」
そう言いながら、俺達はあの場にいたお爺さんと話せる場所に移動した場所にて、話を聞いていた。
「見た目はかなり変わっていたが、あの特徴的な顔は忘れもしない」
「そもそも、あなたは一体何者なんですか?」
「儂か?
昔、錬金術が使えただけのただの爺さんじゃよ」
「それって、お爺さんって、昔錬金術師だったんですか!」
その一言に驚いて、響は思わず大声で聞いてしまう。
「まぁな、けど今はそれも使えないがな」
「使えないって、なんで」
「色々あったんじゃよ。
けど、後悔はないよ」
そう言い、特に気にしていないのか、からからと笑っていた。
「今はそれよりもグラトニーの事についてだよ。
あいつは一体何者なんですか?」
「あいつはホムンクルスと呼ばれており、賢者の石を核に瞬く間に再生する奴だ。
だが、あんな姿は」
ホムンクルスの事についてを知る事ができたが、どうやら既にお爺さんですら予想外な姿だったらしい。
「ホムンクルスに対抗する為にはどうしたら」
以前の鬼よりも倒す可能性は高いが、、それでも弱点である賢者の石探し出すのは困難だ。
「一つ、名案があります」
「名案?」
新堂は何か気になったのか、俺を見つめる。
「飛羽真君のワンダーライドブックを作り出す能力ですが、あれは作り出す能力ではないと思います」
「作り出す能力じゃないって、どういう事。
それに、今はそれが関係しているの?」
「えぇ、大いに関係あります」
そう言い、取り出したのは、鬼滅の刃ワンダーライドブックだった。
「これを手に入れた時も、飛羽真君が持っていたワンダーライドブックが元で作られました。
ソードアートオンラインも、鬼滅の刃も融合した世界の能力を備えたワンダーライドブックです」
「まぁ確かに」
「なるほどな、そういう事か。
どうやらセイバーの能力は思って以上にとんでもないようだな」
そう言い出てきたのは仮面ライダーバスターに変身していた人物である尾上亮が頷いた。
「どういう事なんだ?」
未だについて行く事ができない俺と響を見て、新堂は鬼滅の刃ワンダーライドブック、そして俺が持っているソードアートオンラインワンダーライドブックを見せる。
「飛羽真君が作り出すワンダーライドブック。
それは、その世界の物語なんです。
つまりは、ワンダーライドブックを作り出すのではなく、ワンダーライドブックを通して、その世界の力を再現する能力だったんです」
「それって、つまり」
「えぇ、あのディビエル。
グラトニー・ディビエルを倒す為にはお爺さんの物語が必要になります」
「でも、ワンダーライドブックを作り出す方法なんて、夢を見るぐらいしかないけど」
「なるほど、では」
「えっ」
それを聞くと共に尾上さんがなぜか土豪剣激土を構えていた。
「あの、それは一体「行ってこい新人!」あぐぅ」
その一言と共に俺の頭に強い衝撃が襲い掛かった。
一瞬で目の前が暗くなる。
暗くなりながら、ゆっくりと目の前に広がるのは、どこかの家の地下だった。
「これが、お爺さんの過去」
いきなり過去を見る事になって、失礼だと思いながら、ゆっくりと見渡す。
金髪の二人の子供がおり、何やら魔方陣のような何かが置かれていた。
疑問に思っている間に、魔方陣が光り輝き始め、同時に見えたのは
「はっ?!」
そこに広がっていたのはまさに悪夢というべき光景だった。
突然現れた黒い手、それによって二人の子供は瞬く間に吸い込まれ、片方の男の子は完全にいなくなり、もう一人の子は右腕と左足が無くなっていた。
そして、魔方陣の中央には、人間だとは思えない何かがそこにいた。
それを見た男の子は目を見開き、驚く事しかできなかった。
「ちくしょおっ!持って行かれたぁ!!」
「っ!!」
その光景を見て、俺は喉から込み上がっている感覚が襲う。
だが、現実の世界ではないのか、俺の口からは何も出てこなかった。
未だに終わりが見えず、その男の子は近くにあった鎧に手を伸ばす。
何かの魔方陣だった。
「返せよ、たった一人の弟なんだよ!!」
それと共に鎧はまるで意思が宿ったように、動き始め、男の子に近づく。
「一体、何があるんだっこの先でっ」
これが、お爺さんにとっての物語の始まりだ。
俺がこれまで見てきた中でも悲劇的な出来事なのに、これが未だに始まりに過ぎないならば、これから何が起きるんだ。
「ぐっ」
そこから何十、何百という景色が通り過ぎた。
兄弟達は、その後、元の身体を取り戻す為の旅。
それは心躍るような冒険などではなかった。
犬の身体に少女の魂を無理矢理閉じ込めさせたキメラ、賢者の石の正体は人の魂を集めた凶器の代物、そしてその賢者の石を元に作られたホムンクルス達。
その中には俺達が戦ったグラトニーの姿もあった。
「へぇ、こいつの記憶を見る奴がいると思ったら、奇妙な奴だな」
その言葉と共に振り返ると、そこに立っていたのは白い人の何かだった。
「お前は」
「オレはおまえ達が"世界"と呼ぶ存在
あるいは"宇宙"、あるいは"神"、あるいは"真理"
あるいは"全"、あるいは"一"
だけど、本来ならばオレはお前だが、今回はあいつがお前に見せたかったらしいからな。
あえて、名乗るとしたら、オレはエドワード・エルリックの真理だ」
「真理」
その言葉に、俺は疑問に思うしかなかった。