「なんというか、ここは本当に何もないな」
俺はそう言いながら、周りを見渡すが、その島には多くの木々や既に廃れている村しかなかった。
メイビスから聞いた話だと、5年前に起きた事件によって、この村にはメイビス除いた全ての住人が虐殺されたらしい。
それからはたった一人だけの生活らしいが、その事について違和感を覚えた。
元々、記憶に自身があったメイビスだからこそ、自身の生活の中から感じた違和感や思わず行ってしまった癖、そういった細かい所から自分は一人ではない事に気づいた。
そして、それは自分よりも年上と一緒に暮らしている感触ではなかった事、そして何よりも自分が小さな頃から求めていた物だと思った。
「変ですか?」
「・・・うぅん、全然」
それを聞いて、俺はメイビスの事を否定する事はできなかった。
さっき再会したばかりで、記憶もないはずの富加宮との会話。
そこにはメイビスが言うように理屈ではなく、本当に心から友達と思えた。
「だから、探そう、メイビスの友達を」
「えぇ、勿論です」
そう言いながら、俺達は島を探し始める。
「そう言えば、富加宮はどこにいるんだろう」
ふと気づくと、姿を消していた富加宮。
「・・・」
「気配?」
ふと後ろから気配を感じて、見てみると、そこには見た事のない茶髪の女の子が立っていた。
「これ以上、メイビスをっ」
そう、悲しそうな声を絞り出しながら、少女が取り出したのはアルターライドブックだった。
同時にその身体が光に包まれる。
「くそ、厄介な事になったな!!」
状況が掴めないまま、俺はすぐにブレイズドラゴンと火炎剣烈火を取り出す。
―――
「飛羽真」
久しぶりに再会した親友。
まだ、ソードロゴスに所属する前にできた友人がセイバーとなったと聞いた時には驚きを隠せなかった。
当時はディビエルとの戦いもあって、すぐに駆けつける事ができなかったが、戦いを終わった時に駆けつけた時には、カリバーとの戦いでこの物語の世界に入った時には驚きを隠せなかった。
「それにしても、まさか過去の世界とは」
この世界に入る前に調べた物語、『Fairy Tail 』が舞台になった時期よりも遙か過去の世界。
物語の世界に入る場合は、その物語の舞台、そして物語が行われている間しか活動できない。
長い歴史を誇るソードロゴスでも、このような現象は富加宮自身も驚きを隠せなかった。
「やはり、飛羽真の力と関係しているのか」
飛羽真自身が他の世界を物語にして、ワンダーライドブックにする力。
それは普通では考えられない力であり、世界を大きく揺るがすのには十分な力だ。
だが
「中学の時の飛羽真にそんな力はなかったはずだ」
読書好きという事で、色々な本を読んでおり、感想を言い合った記憶はある。
だが、自分で本を書いている事、ましてやあのような事をしているなど聞いた事ない。
「そして、何よりも響」
本部に戻った際に飛羽真の友人だと言った彼女。
高校に入った頃に出会った友人だと思っていた。
だが、幼馴染み。
「飛羽真に幼馴染みはいなかったはずだ」
中学時代で別々の学校に通っていたと聞いた事もない。
偶然なのか、そのような疑問が頭の中で巡っていると
「あれはっ」
そんな考えを吹き飛ぶように、強烈な揺れ。
同時に見えたのは飛羽真が変身した姿であるセイバーと巨大な骸骨の蜥蜴が戦っている風景だった。
「考え事は後にするか」
その言葉と共に、懐からワンダーライドブックを取り出す。
【とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった】
その音声と共に、俺は手に持ったランプドアランジーナをそのまま聖剣ドライバーに装填する。
そして、もう一冊、ここに来る前に手に入れたワンダーライドブックも作動させる。
【この恐るべき毒針が新たに記す火星にて繰り広げられた人類の希望と威信を掛けた生存競争、その戦いの歴史】
その音声と共に、テラフォーマーズワンダーライドブックをそのままセットし
「変身!」
【黄雷二冊!雷の力によって驚異的な力をもって貫く針を纏う】
その音声と共に、俺は仮面ライダーエスパーダーへと代わり、左腕にランプを思わせる鎧を身に纏う。
それと共に身体は黄色い蜂の巣を思わせる鎧を身に纏う。
「ふぅ」
ゆっくりと息を整え、背中には半透明な翼を生やし、飛び上がる。
「まさか、ここまですぐにディビエルが出てくるとは」
そう言いながら、身体から出てくる蜂形のミサイルを次々とディビエルに放っていく。
「富加宮か」
「あぁ、それにしてもまさかここまで巨大だとは」
「そうだ。
だけど、結構厄介な事になっている」
「どういう事?」
「多分、あの子だと思う。
メイビスの友達は」
そう言いながら、飛羽真の言葉と共に構える。