聖なる刃と物語   作:ボルメテウスさん

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忍び寄る悪夢

「それにして、このEDENというのは凄いな」

 

その言葉と共に俺達は周りを見渡す。

 

今回の情報収集を行う為にまず尋ねたのは朝田の元だった。

 

「まぁね。

アミュスフィアの技術を使ったシステムだから、多くの企業が参加しているしているから」

 

そう言いながら、朝田にここに来る前に簡単な説明を受けていたのを思い出す。

 

カミシロ・エンタープライズが運営する商用最大手ネットスペース。

 

画面上でのやりとりではなく、バーチャルリアリティーでWebの情報を感覚的に体感することができ、その事もあって、アミュスフィアをEDEN使用目的で購入する人も多いらしい。

 

「うわぁ、凄いな!

ここって、本当に電脳空間なのか!」

 

「確かにこれは、むっ、この店のクーポン!?」

 

「二人共騒ぎすぎって、これって絶版されている本じゃないか!」

 

「あんたもよ、馬鹿飛羽真。

さっさと情報を集めるんでしょ」

 

初めてのEDENという事で俺達は周りを見ている中で朝田に連れられ、その場を離れた。

 

未だに興奮を隠せないこの空間の中で

 

「本当に凄い。

けど皮肉だよな」

 

カリバーが事件を起こしたせいで、多くの人々が傷ついてしまった。

 

けど、それのおかげでこうして現実ではあり得ない光景を見る事ができ、朝田や新堂のような友達ができた。

 

「だけど、それだと俺の元の記憶ってなんだろうな」

 

鋼の錬金術師ワンダーライドブックを代価に払った記憶。

 

そこに広がっている光景は、一体どんな物だったんだろうか。

 

「んっ、何、イベント?」

 

「イベント?」

 

朝田が何か気になったのか、見てみると、そこは何やら人が集まっている。

 

あれは

 

「グラトニー・ディビエル!?」

 

そこにいたのはグラトニー・ディビエルだった。

 

まさか、ここでも

 

「二人とも」

 

「えぇ」

 

「分かっているよ」

 

俺達はすぐにワンダーライドブックを取り出し、構える。

 

「「「変身!」」」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

俺達は同時に各々が構えながら、変身するとそのままグラトニー・ディビエルに向かっていく。

 

以前と同様に無数に分裂しながら襲い掛かってくるグラトニー・ディビエルに対して、俺達は各々で剣で対処しながら、戦っていく。

 

だが、分裂する数は多い。

 

「多すぎるって、うわぁ!?」

 

「飛羽真君っぐっ!」

 

そうしていると俺と新堂が吹き飛ばされ、同時にワンダーライドブックも吹き飛ぶ。

 

同時に俺の元には新堂の、新堂の元には俺のワンダーライドブックが

 

「やってみるしかないか」

 

そう言い、俺は新堂のワンダーライドブックである鬼滅の刃を起動させる。

 

【かつて鬼になった妹を元に戻す為に鬼と戦った心優しき少年がいた】

 

「飛羽真君、これを借りますね」

 

そう言った新堂もまた、ダンボール戦機ワンダーライドブックを起動させ、ベルトに挿入する。

 

【とある小さなロボットから始まる、小さな戦場の物語】

 

同時に俺達はすぐにワンダーライドブックをドライバーに装填し、引き抜く。

 

【【二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!】】

 

聞こえてくる音と共に、俺の手に持っている火炎剣烈火の炎の勢いがさらに高まる。

 

「これは」

 

「いけるかもしれません」

 

そう言った新堂の手には二つの水勢剣流水があり、そのままグラトニー・ディビエルに向かっていく。

 

流れるような攻撃を次々と食らわせながら、身体を瞬時に小さくさせ、その攻撃を避けながら、グラトニー・ディビエルを切り裂いていく。

 

同時にワンダーライドブックを通して伝わる動きが染みこんでいき、火炎剣烈火をベルトに収める。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!鬼滅の刃!二冊斬り!】

 

「ふぅ」

 

流れてくる記憶と同じように迫り来るグラトニー・ディビエルを切り裂く。

 

「ヒノカミ神楽円舞!」

 

その言葉と共に迫り来るグラトニー・ディビエルに対して俺はそのまま次の動きを行う。

 

「碧羅の天 烈日紅鏡 灼骨炎陽 陽華突」

 

そう、言葉を紡ぎながら、迫り来るグラトニー・ディビエルを切り裂きながら、俺の手に持った火炎剣烈火の炎の威力は強くなっていく。

 

同時に切り裂いたグラトニー・ディビエルはすぐに逃げだそうとしたが

 

【魔法が使えない少年が、反魔法の力を宿す魔剣を手に、魔道士の頂点を目指す物語】

 

「おいおい、逃げるなよ!!」

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

その声と共に緋道が両手で一体化した黒い巨大な剣でグラトニー・ディビエルの動きを止めた

 

規格外の大きさを誇るその剣によって強制的に止められたグラトニー・ディビエルに対して、俺はそのまま

 

「炎舞!!」

 

火炎剣烈火を両腕で握り振り下ろした後、素早く振り上げる、

 

それによって、溢れ出る炎がそのままグラトニー・ディビエルを燃やし尽くした。

 

「うわぁ、凄い威力だね!!」

 

「えぇ、これは」

 

「威力は凄いけど、これ凄く疲れる。

新堂の時とは違うような」

 

「ワンダーライドブックは使用者によって、性質を変えますからね。

同じワンダーライドブックでも相性によっては形が変わりますからね」

 

「そうなんだよ。

けど、凄いね、まさか再生能力があるディビエルをあそこまで一瞬で燃やすなんて

 

「んっ?」

 

そうして、俺達はディビエルを倒し終えると、後ろから聞こえた声に俺達は振り向く。

 

緑のベリーショートに垂れ目が印象的な女性だが

 

「ディビエルの事を、知っている?」

 

「・・・」

 

「構えろ、飛羽真」

 

そう言った二人の様子はピリピリとした雰囲気が伝わってくる。

 

「嫌だなぁ、そこまで敵意を剥き出しで見つめないでくれよ。

僕はこう見えても、争いはあまり好まない性格なんだよ」

 

「カリバーと一緒に裏切って、何を言っているんですか」

 

「裏切りって、どういう事?」

 

その言葉に驚きを隠せない俺は思わず二人を見るが

 

「裏切りってどういう事?」

 

「こいつは元々、僕達と同じソードオブロゴスだった。

だけど、カリバーと一緒に裏切った5人の剣士の一人だ」

 

「初めましてだね、新しい剣士君。

僕の名前は静鞠 朋絵だよ」

 

そう言い、彼女が取り出したのは一冊のワンダーライドブックだった。

 

【とある一匹の飼い犬の物語、今は亡き飼い主を待ち続ける彼の結末は…】

 

そのワンダーライドブックが起動すると共に、手に持った剣にそのまま読み込ませる。

 

【カースリード】

 

その音声が鳴り響き、そのまま腰にあるベルトに彼女はワンダーライドブックを差し込むと

 

「変身」

 

その一言と共に、剣でベルトを押す。

 

【怨呪剣呪詛…!】【簒奪!斬奪!救済! 忠犬ハッチー!】

【呪詛詠唱(のろいえいしょう)! 忠犬と怨呪剣呪詛が交わりし時、救済を騙る簒奪劇が幕を開ける!!】

 

ベルトにあるワンダーライドブックが開くと、紫色の犬が飛び出し、吠えるながら、彼女の姿は徐々に変わっていく。

 

紫色と黒を基調とした鎧を身に纏い、これまで見てきたライダーとは少し違う印象があった。

 

「はあぁ!!」

 

変身を完了した彼女を見ると同時に剣斬が一瞬で彼女に迫る。

 

それに対して、軽々と手に持った剣で受け止める。

 

「おいおい、剣斬。

私はまだ自己紹介していないんだよ、彼が名前が分からなくて困っているじゃないか」

 

「そんなの、ここで倒せば聞かなくても良いだろ」

 

「おいおい、言っただろ。

私は争いが好きじゃないと」

 

そう言い、彼女の手に持っている剣に紫色のオーラが身に纏った。

 

「争いは同レベル同士が起こる事だ。

君程度と同じレベルだと思われるのは心外だからね」

 

「うわぁ!?」

 

その言葉と共にオーラはそのまま剣斬を吹き飛ばした。

 

「あれは」

 

「彼女の持つ能力です。

強烈な負の感情を自在に操る事ができる能力」

 

「説明ありがとう、新堂君。

うん、君と戦うのもあまり好きじゃないが、その性格はなかなか好ましいから、嫌いじゃないよ。

さて、解説してくれた通り、私は負の感情を自在に操れる剣士、仮面ライダーデスルクだ」

 

そう言いながら、デスルクはそのまま俺を見つめる。

 

「さて、私の能力は知っての通り、負の感情を自在に操る事ができる。

この能力は結構気に入っているが、いかんせん、なかなかに相性の良いワンダーライドブックがなくて困っているんだ」

 

「何が言いたい」

 

何やら悩ましげな表情で俺を見つめるが

 

「単刀直入に言おう。

セイバー君、君、僕の仲間にならないか」

 

「はぁ」

 

その一言に俺は思わず叫んでしまう。

 

「何を言っているんですか」

 

「そうかね?

セイバーの能力は聞けばワンダーライドブックを作り出す能力じゃないか。

こちらがわざわざディビエルを作り出して、ようやくアルダーワンダーライドブックにワンダーライドブックを手に入れる事ができる能力を、君は簡単に作り出す事ができる」

 

「っ!?」

 

まさか、知っているのか。

 

いや、確かにこれまで気にせず言っていたから伝わる可能性はあったけど

 

「だからこそ、僕はぜひとも手に入れたい。

君がワンダーライドブックを作りだし、僕と最高に相性の良いワンダーライドブックを手に入れれば、この世を支配する事ができる。

これはなんとも甘美とは思わないか」

 

「全然思わない。

俺は誰かを不幸にさせる物語を作るつもりはない」

 

「そんなのは他人が勝手に決める事だ。

万人に受ける物語など、この世には存在しないし、多少質が悪ければ容易に人は低く評価する。

そんな誰とも知らない奴らの為なんかよりも、君と僕の二人だけで頂点を目指さないか」

 

「断る!」

 

「・・・そうか、残念だ」

 

そう言いデスルクは肩を落とし

 

「できれば、君には気分良く協力してくれたら、質の良いワンダーライドブックが手に入ると思ったが、この際は徹底的に調教するしかないようだね」

 

「飛羽真君。

構えてください」

 

「あぁ」

 

一気に雰囲気が変わった事に気づいた俺達はすぐに剣を構えるが

 

【カースひぐらしリード】

 

聞こえてきた音声と共にデスルクはその剣に巨大なオーラを身に纏うと共に

 

「はぁ!!」

 

「っ新堂!」

 

その一撃を受けたらやばい。

 

全身から警報が鳴り止まない一撃に対して、俺はすぐに新堂に叫び、同時にその場を離れた。

 

だが、その光は俺に向かって真っ直ぐと飛んでいき

 

「がはぁ?!」

 

直撃してしまう。

 

「飛羽真君!」

 

新堂の声が聞こえる。

 

だが、それ以上に俺の耳に聞こえるのは悲鳴だった。

 

「なっなんだっ」

 

「言っただろ、僕は負の感情を操ると。

このひぐらし鳴く頃は僕の能力と相性は良いけど、精神攻撃のみでこういうのに無縁な奴にはあまり効果ないんだ。

まぁ、今の君を説得するには丁度良いかもしれないね」

 

「なっ」

 

何か喋っているが、俺は周りからの罵倒、悲鳴など、何もかも入り交じった声で俺はそれ所じゃなかった。

 

このままじゃ

 

「ふむ、しばらく見ているつもりだったが、そうもいかないようだね」

 

「えっ」「むっ?」

 

そう、どこからともなく聞こえてきた声、同時に俺の目の前に巨大な穴が開き、そこから巨大な黒い腕が現れ、俺を掴む。

 

「ぐっ」

 

それに対して、何の抵抗する事ができずに吸い込まれる。

 

「飛羽真君!

くそっ、まさかここまで」

 

「残念ながら、僕ではないよ。

なるほど、なるほど」

 

「何が面白い」

 

「なに、ディビエルを出しても、いなくなった訳だよ。

なるほどなるほど、あれ程の巨大な存在が既に倒していた訳か。

そして、それを引き寄せる飛羽真君。

また、今度、じっくりと説得するとしようか」

 

「まっ」




今回出てきたオリジナルライダーはオストラヴァさんの仮面ライダーデスルクでした。
ダークライダーに関しては残り4枠残っていますので、興味がある方はぜひ、お願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249538&uid=45956
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