「んっ、ここは」
俺はゆっくりと起き上がる。
周りを見ると、部屋は散らかっており、見るだけで昔からよくある探偵事務所のように見えるが
「どうやら、起きたようだね」
そんな俺に向けて誰かが話しかけてきたので、見てみると、そこには胸元を大きく開いたシャツ一枚とホットパンツ、ストール一枚を巻いてる女性が
「てっ!?」
そのあまりにも大胆過ぎる格好に俺は思わず再びこけてしまう。
「誰!?」
「まぁ突然周りの景色が変わって、驚くのは無理はないがとりあえず落ち着きたまえ。
私は君の敵ではないから」
そう言いながら、女性は特に気にした様子もなく、そのままコーヒーをこちらに差し出す。
「まぁ、コーヒーでも飲んで落ち着きたまえ」
「はっはぁ」
俺はゆっくりとコーヒーをそのまま口元に運ぶが
「んっぐっ!?」
襲い掛かったのは強烈な苦みだった。
同時に何を入れたら、こんな味になるのか分からないコーヒーに驚きを隠せなかった。
「どうかね、私としてはなかなかの自信作なんだが。
ふむ、こうして飲んでみるとなかなかに美味しいじゃないか」
それと共に目の前にあるコーヒーを飲む。
見ると、俺が飲んでいるコーヒーと同じ色をしているので、本気で疑ってしまう。
「さて、まぁコーヒーを楽しんだ所で自己紹介だ。
私の名前はアルファモン、本来は別の姿があるが、話をするならばこちらの方が良いと思ってね」
「アルファモン?」
聞いた事のないが
「そうだね、こことは別の世界、デジタルワールドと呼ばれる世界に住むデジモン。
私はその一体で、とある理由でこちらの世界に来たんだ」
「デジモンって」
まさか目の前にいる女性が人間ではない別の存在だとは、俺は驚きを隠せないが、アルファモンはそのまま話を続ける。
「さて、私がこの世界に来た理由としては、この世界に奇妙な現象が起きているからだ。
以前、私も似た現象を見た事があってね、気になって、見に来たんだ」
「似た現象ですか」
「あぁ、世界の融合。
以前、私の世界デジタルワールドと君とは違う別の人間界と融合しそうになった現象をね」
「えっ?!」
それを聞いて、俺は思わず目を見開く。
まさか、俺達の世界と同じ現象がまさか起きているとは。
「あぁ、それで来てみればなかなかに厄介な事でね。
それで状況を観察していたら、君がやられそうだったからね。
こうして助けて、看病した訳だ」
「そうなんですか、ありがとうございます」
どうやらあの状況を救ってくれたのはこの人らしい。
「気にしないでくれ。
私としても、助手によく似た君を助けたかっただけだから」
「助手ですか?」
その言葉に俺は思わず首を傾げるが
「あぁ、大切な助手だ。
さて、そんな君に渡さないといけない物がある」
そう言い、俺に投げ渡したのは
「これって、ワンダーライドブック?
だけど、少し形が違うようだけど」
「あぁ、君の持つワンダーライドブックだったか?
悪いと思ったが、少し確認したが、どうやら力は同じだが、本質は大きく異なっている物らしい」
「まさかアルターワンダーライドブック。
あの、これって、どこで」
「なに、私の偽物がいたのでね。
腕しか出せなかったが、どうやら私が思っていたよりも簡単に倒せた」
この人、俺が考えていたよりもとんでもない人物かもしれない。
改めて俺はそのままアルファモンを見つめる。
「さて、ここまで情報を言ったが、君には少し頼みがある」
そう言い彼女が取り出したのはワンダーライドブックだった。
それも俺も見た事のないワンダーライドブックだったが
「君には私の偽物を倒して欲しい。
その為の力も渡しておく」
「偽物って、倒したんじゃないのですか?」
「あぁ倒した。
だが厄介な事に、奴はそのまま身体を再生させ、そのままどこかへ飛んでいった。
おそらくはEDENのどこかに潜んでいる。
次に再生した所を見つけても、片手だけの私では倒せないから、君に頼むしかない」
そう言い、そのまま彼女は数冊のワンダーライドブックをこちらに渡した。
「一応、君達に合わせて作らせて貰った。
3種類という事でなかなかに苦戦したが、力になるだろ」
「ありがとうございます。
ここまでしてもらって」
「気にしないでくれ。
私も君のような人間を好ましく思っているから、手助けするのは当然さ」
そう言い、アルファモンはそのまま手を出すと、その先には光の輪が作り出された。
「その先に元の世界へと戻れるはずだ。
だから、よろしく頼むよ」
「・・・はい、勿論です」
そう言い、俺はそのまま光の輪へと飛び込もうとしたが
「あぁ、それと一つアドバイスだ」
「へっ?」
アルファモンから声が聞こえ、俺は振り返る。
「君にはこれから信じられないような現実が来るだろう。
けど、そこで大事して欲しい事は君の心を決して忘れないでくれ」
「心を?」
「あぁ、君自身がこれまで体験した事が全て偽りだとしても、そこで感じた君の心がきっっと君を導くさ。
少しロマンチックすぎるかもしれないが」
「いえ、ありがとうございます!」
その言葉がどういう意味か分からないけど、それでも、俺はそれが間違っていないと思えた。
その言葉を聞き、そのまま元の世界へと戻っていった。
「さて、彼はどんな活躍をするのか、楽しみに待っているとするか」
今回のデジモンは『デジモンストーリーサイバートゥルース』となっております。
作者本人としても、アニメデジモンシリーズと同じぐらいに好きなゲームという事もあって、思わず書いてしまいました。
勿論、原作のアニメシリーズもワンダーライドブックから登場しますので、お楽しみに