アヴァロン
「ここがアヴァロン」
周りを見渡す限り、広がっている謎の花畑。
未だに分からない事が多いこのアヴァロンでゆっくりと歩く。
「って、ゆっくりと歩いている暇はなかった!
カリバーが何を目的にしているか分からないけど、急がないと」
「その必要はない」
「その声は」
後ろを見ると、そこに立っていたのはカリバーだった。
「カリバーっ」
「お前一人か、ならばここでブレイブドラゴンと火炎剣烈火を頂く」
「簡単に渡すかよって」
そう言いながら、俺はすぐに聖剣ドライバーを取り出すが、手元にあるのはブレイブドラゴンだけだった。
ここに来る前にアヴァロンに持っているワンダーライドブックと一緒に他のワンダーライドブックも置いてきてしまった。
だからと言って、今は逃げる訳にはいかない。
「変身!」
【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】
その音声と共に、変身すると共に構える。
「どうやら、他のワンダーライドブックは持ってきてないようだな。
ならば、楽で良い」
「くっ」
その言葉と共にカリバーはその手に持った剣で攻撃を仕掛けてくる。
それに対して、俺はすぐに剣でその攻撃を受け止めるが、その攻撃を先読みしていたように蹴り上げる。
「やっぱりっ」
これまでの戦いでは、俺は数多くのワンダーライドブックを使い分けて戦ってきた。
戦いを乗り越えてきたが、それでも未だにカリバーの技量に届かず、勝てるビジョンが浮かばない。
「貴様は厄介だからな、ここで始末させて貰う」
【必殺リード!月闇必殺撃!習得三閃!】
「っ!!」
俺はすぐに剣を聖剣ドライバーに装填し、そのままトリガーを一回押す。
【必殺読破!ドラゴン一冊撃!ファイヤー!】
「はあぁぁ!!」
俺はそのまま身に纏った炎と共に迫り来る一撃に対応するように放つ。
だが、威力の違いもあり、俺はそのまま吹き飛ばされる。
「がっ」
俺はそのまま地面に倒れ、変身が解除される。
「さて、頂くとするか」
そう言い、カリバーの声が聞こえるが
「そういう訳にはいかないよ。
彼は僕のお客さんだから」
「っ!!」
その言葉と共に、周りに咲き誇っていた花は舞い散り、カリバーの姿が消えた。
「えっカリバーは!?」
「いやぁ、間一髪だったね」
そう言いながら、こちらに話しかける声が聞こえ、見る。
そこには白いローブを被っている人物がいるが
「あなたは」
「僕かい?
僕はこの世界の管理人でもあるお姉さんだよ」
そう言いながらフードを外して、その顔が見えた。
腰まで伸びた白い髪でエルフを思わせる耳、この世とは思えない妖艶さを持っているが、彼女は一体
「自己紹介がまだだったね。
僕の名前はマーリン、よろしく頼むよ、セイバー君」
「まっマーリン!?」
その名前は俺でも知っている。
確かアーサー王伝説で出てくる魔法使いじゃないか!
「だったら、このアヴァロンというのはアーサー王伝説に出てくる所なのか!」
「少し違うね」
そう言うとマーリンさんは笑みを浮かべながら言う。
「違う?」
「あぁ、ここはアヴァロンでもあるが同時にもう一つ役割を持っている。
君も既にここには二度、来ているが、まぁ覚えていなくても無理はない」
「二度って、どういう事ですか?」
そう言いながら、マーリンさんが杖を振ると共に映し出されたのは、俺が鋼の錬金術師ワンダーライドブックを手に入れた時の光景だった。
「これは、確かあの時にワンダーライドブックを手に入れた時の」
「そう、ここは君があのワンダーライドブックを手に入れた場所でもあるんだ」
「それって、つまりは真理の扉」
「まぁ、呼び方は色々とあるけどね」
そう言いながら、マーリンさんは目の前に机と椅子を作り出した。
「その辺も含めて、ゆっくりと話そうではないか」
「いや、でもカリバーが」
「彼に関しては安心したまえ。
この場所が見つかる事はない。
それに、奴は目的の方を優先するだろうし、それはこちらにある」
そう言って、マーリンさんがワンダーライドブックを取り出したが
「まぁ交換条件だ。
君に知ってもらいたい事を知って貰う代わりに、このワンダーライドブックを渡そう」
「それで良いんですか」
俺としても、知りたい事があるのだからありがたいが、どうして。
「なに、それが僕の目的でもあるからね。
さぁ、座りたまえ」
その言葉に従うように俺もまた座る。
「さて、まずはこの場所についてだね」
「そうだった、ここって、結局どういう場所なんですか?」
アヴァロンと聞いていたが、実際に俺は二度ここに来た事があるらしい。
一つは鋼の錬金術師ワンダーライドブックの件だと分かったが、もう一つって
「まぁね。
そうだね、呼び方は色々とあるけど、まぁ最も呼ばれている名としては」
そうため込むように笑みを浮かべると
「根源だね」
そう意味深に言うが
「根源って、なんですか?」
俺は思わず呟いてしまう。