ご了承ください
あれからブレイズに変身した男から話を聞く為に俺達はその後を追った。
その先は路地裏であり、余り誰も通っていないのか、あまり整備されておらず、道にはゴミが辺り一面に散らかっていた。
「ここならば良いだろ」
そう言った男はそのままこちらに振り向く。
「なぁ、教えてくれよ。
さっきの奴は一体なんなんだ、それになんで昨日までこんな街がなかったはずだろ。
それにこの本は一体「一度にそんなに質問するな、ちゃんと答える」わっ悪い」
俺は気になった事が沢山あり、思わず詰め寄るように質問する。
だが、いきなりすぎた事もあって、男は少し嫌な顔をしながら遮った。
さすがに、これはこちらが完全に悪かったので、俺はすぐに下がると、男はため息を吐きながら懐から先程までブレイズに変身していた本を取り出す。
「これはワンダーライドブック。
ここには世界の様々な物語の力が宿っている。
その種類は未だに分からないが主に3種類大まかに分かっている。
神話や想像の中にしか存在しないとされている生物達の事について描かれた『神獣』
現実に存在する生き物達の事について記載されている『動物』
人々の歩みや象徴についてを描かれている『物語』だ」
「あぁなるほど」
そう考えれば、ブレイズドラゴンは確かにドラゴンだから神獣、男が変身していたブレイズも聞いただけだとライオンだから動物、そしてソードアートオンラインは人の活躍を描いていたから物語。
そうして分けてみたら、確かに納得する。
「あの、それよりもあなたの名前は?」
「そうか、悪かったな。
僕の名前は新堂倫太郎、ソードロゴスに所属する剣士だ」
「ソードロゴス?」
一つ知れば、また別の謎が現れるのだけど。
「その説明は追々にする。
次に先程まで戦っていたディビエルについてだな。
それは、そのソードアートオンラインから生まれた怪物だ」
「えっソードアートオンラインから!?」
その言葉に俺は思わず驚いてしまう。
その説明からして、まさか俺が原因で
「一応言うが、奴が生まれたのはお前のせいではない。
ディビエルは本来の存在から外れた存在だからな」
「本来の存在から?」
そう言い、疑問に思い尋ねる。
「桃太郎という例に出そう。
この桃太郎は本来ならば敵役である鬼と戦い、勝利する。
だが、その戦いがもしも桃太郎の敗北に終わったら、どうなる?」
「どうなるって、そういう物語に変わるんじゃないのか?」
「そうだ、本来の物語から外れた展開。
そういう奴らが現実に姿を現したのがディビエルという奴らだ」
「それって、あいつは本来ならばソードアートオンラインで負けるはずだった敵キャラが現実に来て、怪物になった姿という事ですか!?」
それを聞けば、どれだけ大変な事がよく分かる。
「そうだ、奴らディビエルのような存在から人々を守るのが僕達、ソードロゴスの使命だ」
「なるほど。
つまりは、この現象はそのディビエルの仕業という訳?」
「少し違うな。
奴らが世界の融合の原因にもなっているが、直接行っている訳ではない」
「???」
先程から話が見えてこない。
戦っていた敵の正体の事は分かった。
それでも原因ではない。
ますます謎が膨らむ。
「なぁ、その原因って」
そう俺が訪ねようとした時だった。
ポケットの中に入っていたスマホが鳴り響き、俺は慌てて取り出す。
「もしもし」
『もしもしじゃないわよ!
あんた、学校どうしたの!!』
「あっやべぇ!!」
あまりの事で気にしていなかったが、スマホの時計を見ればもうすぐ12時になりそうだ。
「ごめん、すぐに学校に行くから!?」
俺はそう言って、電話の向こうの相手に断ると共に、すぐに切る。
「響、学校学校!」
「そっそうだった!?
というよりも学校が無くなっていなかったの!?」
「そうみたい!?」
その事に気付いた俺達は慌てて走り出した。
「それじゃあ、俺達すぐに行かないといけないから!!」
「新堂さん、また会いましょう!!」
その言葉と共に俺達は慌てて学校へと向かった。
「まったく、まだ話は終わっていないのに」
そう言った新堂さんから見えなくなり、俺達はすぐに学校に向かった。
辿り着いた時には既に昼休みに入っており、俺達はすぐに職員室に向かった。
勿論、さぼっていたのと同様だったので、勿論怒られた。
「うぅ、酷い目にあった」
「まったく、あんた達は何をしているの」
そう言いながら、冷たい目で話しかけるクラスメイトに俺は思わず振り返る。
「少しトラブルに巻き込まれました。
うぅ」
そう言いながら、詳しい事を言えない事もあって、少し悔しい。
「はぁ、まぁあんたと立花の事だからまたお節介だけど、そういうのあんまりそういうのに手を出さない事ね」
「あぁ、分かっているよ」
「本当かしら」
呆れた様子で返してきたクラスメイトはそのまま次の授業の準備を始めようとしていた。
「そう言えば、アミュスフィアって知っている?」
そう言うと何やら珍しく驚いた様子だった。
「どうして?」
「いや、少し気になってな。
こう、VRだから実際にファンタジーの世界に入り込めるかなって」
「・・・そうね、確かにあんたが書いている小説のような世界だったらあるかもね」
そう言いながら、クラスメイトはバックの中にある本をこちらに渡す。
「幼女戦記、最初はタイトルだけでどんな話かと思ったけど、以外と好みだったわ」
「そうか?
だったら良かったぜ」
そう言い、俺は本を受け取りながら目の前のクラスメイトの顔を見る。
待て、誰だ、こいつ?
何気なく話していたし、特に違和感なかった。
本だって、貸した記憶はあるけど、なんというか違和感がある。
「どうしたのよ」
「いっいや、なんでもないよ朝田」
待て、なんで俺、名前を言えたんだ。
朝田詩乃。
確かに彼女の名前だ。
「何よ、私の顔に何かついているの」
「眼鏡」
「殴るわよ」
「冗談だよ、冗談」
そう言いながら、俺は冷や汗をかきながら答える。
知らないはずなのに、名前を知っているクラスメイト。
彼女は一体何者なんだ。