「気にする事ない。
これも俺の仕事だから」
そう言いながら、大秦寺はこれから訪れるだろうバラゴ・ディビエルに備えていた。
「あの子、神山飛羽真と言ったかしら?
戦い方を見させて貰ったけど、あまり戦い慣れしていないようだけど」
「あぁ、あいつが仮面ライダーになったのは一年にも満たない。
それも、平凡な高校生だったからな」
「ソードロゴスというのは随分と人手が足りないようね」
その言葉を聞きながら、大秦寺も頷くしかなかった。
「ディビエルは本来の役割から逸れた存在だからな。
それがどのように造られたのか、未だに分からない謎の存在だからな」
「ディビエルねぇ、それってどういう意味なのかしら?」
「元々はデビエーション、「逸脱」や「脱線」した意味を持っており、そこから世界を破壊する悪魔が重なった」
「デビル、つまりは」
「世界から逸脱した悪魔。
昔、誰かがそれを合わせて付けたらしい。
そこから違和感なく、私達は使っている」
そう言いながら、大秦寺はこれまで以上に集中するように目を閉じる。
「けど、迷っているように見えるけど?」
「迷い?」
その言葉に大秦寺はマリアの方へ向く。
「あなた、あの子を巻き込んでいる事に対しての迷っているのかしら?」
「・・・それは、正直に言うと分からない」
「分からない事だらけね」
「あぁ、私は生まれてからずっとソードオブロゴスとしての使命で戦っており、それに対して今も迷いはない。
だが、これまで多くの若い剣士よりも長く生き、彼らの剣を最善にしていたつもりだった。
それでも、死なせたり、彼らを間違った道へと進ませてしまった」
その言葉と共に思い浮かぶのは今はカリバーと共に行動しているライダーの姿だった。
彼らとの交流もあり、共に戦ってきたが、止める事ができなかった。
尾上のように割り切った考えができず、誰よりも聖剣と関わりを持っていた大秦寺はそれに悩んでいた。
「だったら、その経験があるあなたが導かなければならないんじゃない?」
「私が?」
そう言い、首を傾げる。
「私も教師を初めて、まだまだだけど、それでも私の多くの経験で今のあの子達を助ける事ができたと思うわ。
あなたが長年の経験も、今は誰よりも近くにいるあの子が必要にしているんじゃないかしら?」
「あぁ、そうだな。
この後悔した気持ちも間違った彼らの姿も私は見ていた。
だからこそ、彼を間違えないように導く」
「少しは良い顔になったじゃない」
そう言いながら、大秦寺は立ち上がる。
「この音」
「出たのね」
「あぁ」
そう言い、大秦寺は走りだそうとする。
「感謝する、少し迷いが晴れた気がする」
そう言い、大秦寺はそのままワンダーライドブックを取り出し、音があった方向へと導く。
「導くね、なぜかしら、私も何か忘れているような気がするのはね」
そう言いながら、他に何か起きるか分からない為に、自身の武器を取り出す。
その手に握られた剣を見ながら
「アガートラーム、私の心。
でも何か違うと思うのはなぜかしらね」
あの戦いの翌日、俺と大秦寺さんは試合中に何時でも駆けつけるように、観客席から少し離れた場所で待機している。
「ふぅ」
「えっと、こっちだったかしら?」
「んっ?」
俺は周りを見渡していると、女性の声が聞こえて来たので、見ると何やら慌てた様子の女子生徒がいたが
「どうしたんだ?」
「あっ実はこの近くで行われている七星剣武祭の会場に行こうとしているんですけど、なぜかたどり着けなくて」
そう言いながら、スマホを見ながら迷っているようだが
「迷うって、んっ」
その言葉に一瞬だけ疑問に思ったが、見てみると、周りの様子が可笑しい。
俺は片手にブラック・クローバーを起動させる。
「会場はあっちだ」
「えっ、あれ、本当!
ありがとう」
「気をつけて」
そう言いながら、少女はそのまま去って行った。
「ブラック・クローバーの魔法解除能力が効いた。
という事は」
その言葉と共に現れたのはバラゴ・ディビエルだった。
「結界を破壊するとはな。
極上の獲物だったが、まぁ良い」
そう言って、バラゴ・ディビエルはそのまま手に持った斧をこちらに向ける。
「貴様の魂を喰らい、完全な復活を遂げる」
「その復活の前に俺に殺されるがな!!」
その言葉と共にバラゴに襲い掛かる人影が一つ、それはダインスだった。
「ダインス」
「貴様か、邪魔だな」
そう言いながら、バラゴ・ディビエルとダインスの戦いが始まる。
「始まってしまったけど」
そう言うと周りの事を気にせず、戦いが始まった。
「邪魔をするな」
「チャージ」
そんな俺の前に立ちはだかったのはチャージだった。
「これは奴に与えられた試練だ。
過去を乗り越える事で奴はより強くなる」
「試練だと」
俺はそう言いながら、チャージを睨むが
「あぁ、過去にあのディビエルによって大切な人を殺され、その復讐の為に強くなった。
その力は確かに強く、きっと世界を守るのに相応しいだろう」
「その為に、周りの奴らを犠牲にすると言うのか」
「弱者を守る必要など、どこにある?」
そうチャージは言うが
「あるな。
少なくとも、俺はこの力は誰かを守る為に使いたい」
そう、響達から教えられた。
「ならば、その強さを俺に教えてみろ」
そう言いながら構えるが
「その必要はない」
それを遮るように大秦寺さんがスラッシュに変身した状態で俺の前に来ていた。
「スラッシュっ」
「行け!!」
「ありがとうございます!!」
同時に俺はブレイブドラゴンとシンフォギア、ソードアートオンラインを装填し、バラゴ・ディビエルに向かっていく。
「変身!!」
セイバーに変身すると共に、俺はバラゴ・ディビエルに向けて拳を振り上げる。
「ちっ」
「吹き飛べぇ!!」
その言葉と共に、俺はバラゴ・ディビエルと共にその場から遠く離れた無人のビルへと突撃する。
戦闘を行う時にマリアさんから教えて貰ったスポットへと一直線へと突っ込むと共に、俺はすぐに確認する。
「やっぱり、ソルスブライト・ドラゴンにはなれないか」
確認したが、その姿はソルスブライト・ドラゴンではなかった。
あの姿になるにはやはり響と朝田の二人の協力が必要だが、今はそれを考えている場合じゃない。
「はあぁ!!」
襲い掛かる斧、それに対して、二つの剣で対抗していく。
シンフォギアワンダーライドブックのおかげなのか身体が軽い、それ以上に
「誰にも見られず、咲く花は無償の愛」
自然と口から出てくる歌、それを紡ぐ度に、その力が強くなっていく。
「ほぅ、まだまだか」
そう言いながら、迫り来る斧、それに対して、俺は言葉を発せず、歌い続ける。
少しでも途切れたら勝機を失う。
一瞬も油断ができない状況の中で、少しでも勝機に近づく為に
「邪魔だっ」
「っ!!」
それと共に後ろから襲い掛かってきた一撃、俺はその場を避けた。
見るとダインスがその手に持った武器をバラゴ・ディビエルに向けて放っていた。
「ぐっ」
その一撃を食らい、バラゴ・ディビエルはその手に持った斧を盾にして受け止めていた。
「死ねぇ!!」
「温い!」
その一言と共にバラゴ・ディビエルは斧の代わりに持ったのは剣だった。
剣から放たれた赤い炎は瞬く間に俺達を襲い、吹き飛ばす。
「「がぁ!!」」
「っ、セイバー!」
吹き飛ばされた先では大秦寺さんとチャージが戦っており、近くに倒れた俺を助ける為に大秦寺さんが駆け寄った。
「ダインスは、まだ倒していないか」
対してチャージはダインスを助ける様子もなく、バラゴ・ディビエルを見つめる。
「散々邪魔してくれたな、ただで死ねると思うな」
その一言と共にバラゴ・ディビエルはそのままダインスに向けて振り下ろす。
「がぁ!!」
「っ!!」
そこではなんとバラゴ・ディビエルがダインスの身体に攻撃する。
致命傷にならないように少しずつ、苦しめるように。
「ぐっ」
「無茶だ」
俺はすぐに立ち上がり、助けに入ろうとしたが、大秦寺さんが止める。
「無茶でもなんでらも守らなきゃいけません!
あいつが苦しんでいるのに」
そう言いながら、俺はゆっくりと立ち上がる。
「まだ、あいつを説得する手立てもありませんが、これ以上、もう誰も死なせたくない。
そう誓ったから」
紅のような悲劇を繰り返させない。
それだけが、今の俺の身体を動かす。
「無茶をする。
だが、それを助けるのも先に進んでいた者の役目か」
「大秦寺さん?」
見つめると、大秦寺さんは目を瞑っていた。
「立てるか」
そう言った大秦寺さんはこちらに手を出す。
それに対して、俺は
「はい!」
答えるように握り、立ち上がる。
それと同時に、俺のベルトに装填されていたシンフォギアワンダーライドブックが光り輝く。
「これはそういう事かぁ!!」
その言葉と共に見つめたのはシンフォギアワンダーライドブックだった。
それは以前は調ちゃんや切歌ちゃんは描かれており、それに追加されるようにマリアさんが追加されていた。
それと同時に大秦寺さんの懐にあったワンダーライドブックが一つになっていた。
「一体、何が起きているんだ?」
ワンダーライドブックが開くと共に
『ヘンゼルナッツとグレーテル』『SHOWBYROCK!!』『BanG_Dream!』
その音声と共に3つのワンダーライドブックが一つの巨大なワンダーライドブックへと変わる。
「シンフォギアワンダーライドブック。
まさか、他のワンダーライドブックを合わせるとは。
まぁ、その条件はあるが、今はありがたい」
そう言った大秦寺さんはそのまま新たなワンダーライドブックを開く。
【フェスティバルステージ!
少女達が奏でる音楽が、その場に賑やかな祭りを生み出す。
さあ、新たなステージの始まりへ、ミュージック、スタート♪】
「ふんっ」
そのまま新たなフェスティバルステージワンダーライドブックをセットし、大秦寺さんは構えると、そのまま開かれる。
【銃剣撃弾!銃でGO!GO!否!剣でいくぞ!音銃剣錫音! New Stage Show Time!】
響き渡る音と共にスラッシュの身体に装着されたのはDJを思わせるターンテーブルやギターなど音楽で使われる数々の機材を思わせる装備がスラッシュに装着される。
「姿は変わったようだが、それでどうするというんだ!」
そう言いながらダインスは叫ぶが
「音楽は人を変える事ができる。
それを証明するだけの話」
その言葉と共に腕に装着されているスピーカーとギターが一体化した籠手、音響籠手サウンダーにシンフォギアワンダーライドブックを装填する。
それと共に流れ出る音楽は俺を包み込む。
「これは」
聞こえてくるのは、マリアさんの歌声だった。
力強い声と共に出てきたのは牙狼ワンダーライドブックとキングオブアーサーワンダーライドブックの二つがそのまま聖剣ドライバーに装填される。
そこにはこれまで見た事のないような黄金の輝きを放っており、ボロボロで動けないはずの身体に力が入る。
「セイバー!」
「あぁ」
それに答えるように、俺は火炎剣烈火を引き抜く。
【烈火抜刀!三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!
ワンダーライダー!ドラゴン!牙狼!キングオブアーサー!三属性の力を宿した、強靭な剣が今ここに!】
その音声が響くと共に、俺の身体には二つのワンダーライドブックの力を宿るが、それと共に大きな変化が起きる。
普段は赤色のはずのブレイブドラゴンも、キングオブアーサーも黄金へと変わり、火炎剣烈火は巨大な黄金の刀身が追加される。
同時に背中にはマントが現れると共に、後ろには巨大な紋章が現れる。
「牙狼!」
そうして大きく姿が変わった俺を見つめて、先程まで斬り刻んでいたチャージを放り投げて、俺の方へと向かって来る。
それに対して、俺はゆっくりと手に持った火炎剣烈火でバラゴ・ディビエルの一撃を防ぎ、そのまま殴る。
「ぐっはあぁぁ!!」
バラゴ・ディビエルは全身から赤い炎を灯しながら、こちらに近づく。
「物語の結末は、俺が決める」
同時に牙狼ワンダーライドブックを取り出し、火炎剣烈火に翳す。
【牙狼!ふむふむ!習得一閃!】
その音声と共にこれまで赤い炎だった火炎剣烈火の色は緑色に変わり、ゆっくりと俺は構える。
「はあああぁぁ!!」
バラゴ・ディビエルはそのままこちらに向かってくるのに対して、俺はそのまま手に持った火炎剣烈火をバラゴ・ディビエルに向けて一閃切り裂く。
「がっ!?」
バラゴ・ディビエルは一瞬だけよろめきながら、傷口が徐々に光り始める。
「牙狼!!」
そう叫びながら、ゆっくりとこちらに向けて手を伸ばしながら、バラゴ・ディビエルはそのまま爆散する。
「・・・」
ゆっくりと全てが終わるのを確認するが、後ろから襲い掛かる何かに対して、俺は火炎剣烈火を構える。
「貴様貴様ぁ!!」
そこにいたのは先程までボロボロだったはずのダインスだった。
「どういうつもりだ」
「貴様っよくも俺の仇を倒したな!!
俺が倒さなくちゃいけなかったのに、よくもぉ!!」
そう言いながら、ダインスはそのまま叩き込むが、それに対して俺は両手に持ちながら、そのまま武器を切り払うと
「お前の仇なんて知るか。
あいつが、人を襲うならば、俺はそれを止める為にこの剣を使う」
「黙れ、俺のこの剣は復讐の為にぃ「その復讐は」あぁ」
「その復讐は誰の為なんだ。
お前自身の為か、それとも他の誰かの為なのか」
「誰の為、そんなの決まっている!
これはあいつの為の復讐だぁ!!」
「だったら、お前はお前と同じように苦しむ人を増やしたいのか」
「っ!!」
そう言いながら、俺は睨みながら、近づく。
「お前の過去に何があって、復讐を求めるのか、俺は知らない。
けどな、俺の目の前で誰かを傷つけるならば、俺は絶対に止める。
お前のその復讐がどんなに正しくてもな」
「くっぐぅっ」
そう言いながら、ダインスは立ち上がるが
「どうやら、あいつが言っていたように厄介な奴らしいな、セイバー」
そう言いながら、チャージはダインスに近づく。
「退くぞ、あいつに勝つためには、今、ここでは駄目だ」
そのチャージの言葉に従うようにダインスは頷くと共に
「次に会った時こそ、決着をつけるぞ、セイバー!!」
その叫び声と共に二人の姿は消した。
「勝てたのか?」
「一応はな」
それと共に、俺は脱力するように倒れ、そのままワンダーライドブックも外れる。
「痛っ」
「無理をするな。
あの姿で一時的に君の身体を強化させたに過ぎないからな」
そう言いながら、大秦寺さんも座る。
「このシンフォギアワンダーライドブックというのは未だに謎だ。
特定の人物に反応し、力と共に複数のワンダーライドブックを一つにする力を持っている」
「それって、確か俺のソルスブライト・ドラゴンとかですか」
「あぁ、カリバーが最初に行い、融合させた世界もシンフォギア。
なぜ、最初に融合させたのか、未だに分からないが、世界を融合させてもバランスを取らせる何かが、その世界にあったのだろう」
そう言いながら、大秦寺さんは話を続ける。
「そして響を中心に君の言う切歌、調、それに続いて今回はマリア。
彼女達は元々は融合する前のシンフォギアの世界の住人かもしれない」
「それじゃあ、カリバー達が狙っているのはバラバラに分かれた住人を狙って」
「おそらくは中心人物。
そして本を見る限り残りは二人」
「それじゃあ、今後はそれも中心に動かないと」
そう言いながら、立ち上がろうとするが
「君はしばらく休息だ。
学業にもそろそろ支障が出るぞ」
「いや、そう言っても」
「言う事を聞け。
何時終わる分からない戦いでも、この社会で生きるならば学業も大切な事だ。
何よりも、学友との思い出はきっと君の力になる」
「・・・そうですね、分かりました」
その言葉に納得するように俺も寝転がる。
戦いが終わるのは何時か分からないが、とりあえず今は休息を
「そう言えば、電話が鳴っているぞ」
「・・・はい、もしもし」
しばらくは説教を聞きながら、休息を取るしかなさそうだ。
今回、途中で出てくる歌詞は「ALMIGHTY~仮面の約束」です。
また、活動報告において、新たなライダーを募集しておりますので、興味がある方はぜひ参加をお願いします。
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