聖なる刃と物語   作:ボルメテウスさん

57 / 74
サウザンベース 強襲

なんとか、俺は元の世界に戻ってきて、これまでの経緯についてを皆に話していた。

 

その中でも特に大きかったのは、これまで活動していたカリバーと、皆と仲間だった頃のカリバーが別人だという事を知った時の皆の反応だった。

 

「そうか、あの人は裏切った訳じゃなかったんだ」

 

それと共に大秦寺さんと尾上さんは複雑な表情だった。

 

「お二人とも、海堂さんと同じ時期に剣士になりましたからね」

 

「二人からしたら、自分達が知っているカリバーが仲間だった事を嬉しくもあるけど、同時に」

 

「あぁ」

 

もう2度と帰ってくる事のない故人だという事実。

 

それは悲しいだろう。

 

「にしても本格的にサウザンベースの奴らも攻めてくるね。

結局、どうするの」

 

そう言いながら緋道は俺の方を見る。

 

確かに今回の件でサウザンベースが本格的に攻撃を仕掛けてきた。

 

それを含めて考えても

 

「事態は彼を封印するだけで解決するとは思いません。

セイバー」

 

「はい」

 

そう話していた時、ソフィアさんはこちらに話しかけると

 

「彼は、プリミティブドラゴンを使用したのは本当なんですね」

 

「あぁ、確かそうだったけど」

 

「プリミティブドラゴン、それはやはり」

 

「えぇ、ソードオブロゴスが封印している禁書の一つです。

そのあまりにも強すぎる力と世界を災いになる事もあり、サウザンベースとノーザンベース、それぞれに力を分け、封印されている二冊の内の一冊」

 

「二冊?」

 

「えぇ、ですが、その使用は堅く禁じられているはず」

 

「それ程飛羽真の力を危険視しているという訳だが」

 

「幾ら何でも可笑しすぎる!」

 

そう言いながら、新堂は叫んだ。

 

「ソードオブロゴスは世界を守る為の組織です!

それを、組織自体がその世界を危機を招くような真似をするなんて」

 

「裏切り者か」

 

富加宮のその一言で、その場の全員が驚きを隠せなかった。

 

「カリバーを始めとした裏切り者の剣士。

彼らの活動は5人だけで行っているとは考えられない」

 

「ディビエルとかもどうやって操っていたのか未だに分からないしな」

 

「ワンダーライドブックを管理しているソードオブロゴス自体にいると考えても良いだろう」

 

「組織に裏切り者が」

 

その言葉に新堂は少なくとも動揺を隠せなかった。

 

それは生まれ、育ててくれた組織を疑う事に他ならないから。

 

「新堂」

 

「組織に裏切り者なんて」

 

「新堂、まだいるとは分からない。

でもだからと言って、そこで止まっちゃ駄目なんだ」

 

「飛羽真君」

 

そう言いながら、俺はゆっくりと息を吸う。

 

「俺自身の力もまだ危ないかもしれない。

だけど、このまま封印されて、それだけで解決だとは思えない。

もしも、封印されるとしても、その理由をしっかりと知りたい」

 

「飛羽真君」

 

「まぁ、封印されたいとは全然思わないけどな」

 

「当たり前だ。

自己犠牲なんて、くだらない事を考えるんじゃないぞ」

 

そう言いながら、全員が立ち上がりながら

 

「未だに疑問が多すぎるからな」

 

「疑問って、そんなにあるのか?」

 

「あぁ、その事についてあなたに聞きたい」

 

そう言いながら、会話にこれまで入ってきてない最光に対して、全員が目を向ける。

 

「聞きたい事か?」

 

「あなたは飛羽真の中から出てきたと言っていたが、あなたはそもそも何者なんですか?」

 

「俺は光の聖剣、そのもの。

そして飛羽真の中にいたのは、偶然としか言えないな」

 

「偶然?」

 

その言葉に全員が首を傾げる。

 

「世界を融合されたあの日、俺自身の封印にも綻びが起きた。

カリバー自身も予想していなかったが、その時の俺は封印が解けた直前で力がほとんど失われ時空の狭間を彷徨っていた。

そこで偶然出会ったのが気絶した神山飛羽真だ」

 

「俺に?」

 

「あぁ、本に対する愛、世界を知りたいという好奇心。

そんな人一倍の思いが引き寄せられ、俺はそのまま君と一体化し、その力を少しずつ回復していた」

 

「それじゃあ、俺の中でずっと一緒に戦っていたんですか」

 

「あぁ、俺自身の力と君の中にある思いが重なり、俺の想像を遙かに超えたワンダーライドブックを作り出す能力、そして聖剣に選ばれる程の素質へと成長させた」

 

「それじゃあ、こいつがセイバーとして戦えたのは、お前のおかげだった訳か」

 

「あぁ、マーリンもその事に気づいていたはずだがな。

まぁそういうのは隠したがる奴だからな」

 

そう言いながら、本を読み続ける最光に対して

 

「それじゃ、お前が飛羽真を戦いに巻き込んだのか」

 

「富加宮」

 

そう言いながら、最光に近づく。

 

「お前が飛羽真の中にいたせいで、今、飛羽真はソードオブロゴスから狙われている事になっているんだぞ!」

 

「おい、落ち着け!」

 

「そうだよ、今更どうにもならないんだから」

 

「だけど」

 

最光に向けて、怒りを隠せない富加宮。

 

だが

 

「確かに俺のせいでソードオブロゴスから狙われる事になった。

だが、正義を貫く為には力が必要だ。

今の君達の成長も神山飛羽真がいなければ無かったのではないか?」

 

「それはっ」

 

その事に対して、富加宮は反論する事はできなかった。

 

「それにどうやら、その討論の時間もないようだ」

 

「これはっ」

 

最光の言葉がきっかけにソフィアさんは手に持った本を開く。

 

そこにはノーザンベースの周りを囲むように見たことのな人物が数十人が囲んでいた。

 

「とにかく、今は彼らの対処を」

 

その言葉に対して、頷くと、俺達はすぐに外に出る。

 

そこに

 

「ノーザンベースの諸君。

こちらはサウザンベースの使者です。

これより、神山飛羽真の封印を行うので、ノーザンベースは直ちに神山飛羽真をこちら引き渡してくれませんか?」

 

「まさか、あんたが出てくるとはな」

 

「知っているのか?」

 

その人物に心当たりがあったのか、尾上さんは苦い顔をしているが

 

「おや。貴方とは初対面ですねぇ。私サウザンベースで最優を名乗らせて頂いておりますアウグストと申します。以後、お見知りおきを」

 

「アウグストさん。

悪いけど、俺は今は封印される訳にはいかない、だから」

 

「なるほど、抵抗する訳ですか。

ならば」

 

「誰もそんな事を!」

 

「こちらの要求を拒否するならば、そういう事です。

だから、悲しいですが、ここで制圧させて貰います」

 

【とある人形の王子が少女の為に恐るべき怪物と戦う戦争の物語】

 

そう、アウグストさんを合図に周りにいる人達の懐からワンダーライドブックを取り出す。

 

【それは名も無き騎士達の戦いの物語】

 

「変身」

 

アウグストさんはそのまま腰にあるベルトにワンダーライドブックを装填し、そのまま抜く。

 

【抜刀!ブリキ王子とラットキング!進軍!神機妙算な采配が大勢を征する】

 

アウグストさんの身体はそのまま歯車に囲まれ、その姿を変えた。

 

カリカチュアしたように軍服を模した深緑の装甲。右胸に勲章があり、背中にはマントを背負っている。

 

マスクは右半分にだけ横一線に斬撃のような誇張が入っている。

 

そして、周りにいる人々も、腰にある小型のナイフを思わせる武器にワンダーライドブックを装填し、そのまま引き抜く。

 

【抜刀!】

 

同時にその姿は俺達の変身している姿と比べると、何も飾りのない黒い姿であり、騎士を思わせる兜が異様に目立っていた。

 

「聖剣の量産は既に行われいたのか!」

 

「彼らは僕達、サウザンベースに所属する騎士、ナイツだ。

忠実な騎士達の力はなかなかだよ」

 

そう言いながら、ナイツ達はその手に持ったナイフを手に持つと、すぐに一本の剣へと変わりこちらに向ける。

 

「どうやら戦闘は避けられないようだな。

だったら、やるしかないか」

 

「あくまでも戦闘意欲を下げるだけで良い。

ワンダーライドブックを取り上げるぞ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に俺達6人はすぐにワンダーライドブックを取り出し、そのまま彼らに向かって走り出す。

 

「変身!」

 

その言葉共に俺達はすぐに戦闘を始めた。

 

数で攻めてくるナイツに対して、殺さないように、狙いはワンダーライドブックに向けるように攻撃を攻めてくる。

 

戦ってみると、一人一人はこれまで戦ってきたディビエルと比べても少し弱い程度だ。

 

だが、数での連携はかなり上手く、しかもこちらの狙いがワンダーライドブックだと分かっているので、それを防ぐように戦う。

 

「さて、私も」

 

そうして戦っている間にアウグストさんも動き出した。

 

連携で戦っているナイツの合間を通り過ぎて、新堂、富加宮、大秦寺さんへと近づき、切り裂く。

 

「っしまった!」

 

「ふふっ」

 

【COATING!】

 

それと共にアウグストさんの横に本が現れ、そこから出てきたのはなんと3人とまるで同じ姿のライダーだった。

 

「なっ」

 

「ジェネラル、まさか噂で聞いた程度だったが、ライダー達の姿を模倣して作り出す事ができるとは」

 

「そう、そして、私の忠実な下僕です」

 

その言葉と共に俺を取り囲んでいたナイツは引き、代わりに作り出した三人が一気に俺を襲い掛かった。

 

「ぐっ」

 

襲い掛かる三人の剣を受け止め、俺は後ろへと後ずさる。

 

流れるような剣、見えないスピード、地面を揺るがす程の力。

 

そのどれもが本物と間違いそうなぐらいの再現度だった。

 

「飛羽真っ」

 

「くっ」

 

すぐにこちらへと向かおうとするが、ナイツ達の妨害があって、すぐに来れそうにない。

 

「さて、彼を拘束してから、君達の処罰も決めますが」

 

「ぐっ」

 

本物と間違う程の戦闘能力に押され気味になり、吹き飛ばされる。

 

その中でバスターの一撃がこちらに迫ろうとした時だった。

 

「何をしている」

 

「っ!」

 

そうしていると、最光の声が聞こえ、見るとバスターの剣を受け止めた最光がその場にいた。

 

「最光」

 

「こいつらはただ似ているだけの存在。

そんな奴らに負けるのか?」

 

「そんな訳ないだろ!」

 

俺はそう言い、そのままバスターを蹴り上げ、最光を手に取る。

 

「例え何もかも似ていても、負けるつもりはない!」

 

「勝てるのかね、君が信頼していた仲間を」

 

そう言いながら、襲い掛かる3人。

 

「仲間の力を知っている。

だからこそ」

 

そう言いながら、最光に目を向ける。

 

「ふむ、なるほど、試してみるか」

 

「あぁ!!」

 

俺はそう言い、そのままバスターの元へと近づく。

 

こちらに振り下ろされる剣。

 

それに対して、俺は火炎剣烈火で受け止め、受け流しながら、伸ばしたのは玄武神話。

 

「なに?」

 

【玄武神話】

 

「力を借ります、尾上さん!」

 

そう言い、俺は最光に玄武神話を差し込む。

 

そうする事によって、最光の姿は代わり、バスターの持つ土豪剣激土へと変わる。

 

同時に俺はこちらに向かっていたブレイズとエスパーダを地面に叩きつけると共にワンダーライドブックを取り上げる。

 

「新堂!富加宮!」

 

「えぇ!!」「任せた!」「行け!」

 

俺の言葉に応えるように3人はすぐにジェネラルの近くにいるナイツ達を吹き飛ばす。

 

同時に俺は取り上げたライオン戦機とランプドアランジーナを聖剣ドライバーに装填し、火炎剣烈火を抜く。

 

【烈火抜刀!三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!】

 

その音声と共に俺の身体にはブレイズ、エスパーダの二人の力が宿る。

 

同時に走り抜けながら、ジェネラルに向けて、剣を振り下ろす。

 

「まさかっ、私の分体を逆に利用するとは、驚きましたがっ!!」

 

そう言い、ジェネラルはすぐに対応するように剣を振り上げ、そのまま自身のベルトに剣を納める。

 

【必殺読破!抜刀!ブリキ一冊斬り!スタチュー!】

 

「ズィーベン・グレイツァイティッヒ」

 

「飛羽真!」

 

「あぁ!!」

 

それに合わせるように俺は最光から溢れる光と共にワンダーライドブックから湧き上がる炎、水、雷、土、光。

 

5つの属性を纏め、振り下ろす。

 

「はああぁぁ!!

 

同時に放たれた攻撃によって、ジェネラルの必殺技とぶつかり合う。

 

互いの攻撃がぶつかり、その高い威力で、俺達は吹き飛ばされる。

 

「ぐっ、まさかここまでとはな、だが」

 

「なっ」

 

すぐ後ろにいたナイツ達が俺の腕を押さえる。

 

反撃しようとしたが、今度は俺の聖剣ドライバーからワンダーライドブックを取り上げ、変身を解除させる。

 

「変身を解除すれば、良いだけの話」

 

「お前っ」

 

その行為に新堂達もすぐに駆けつけようとしたが

 

【必殺読破!ナイツ 一閃!】

 

その音声と共に、ナイツ達は新堂達の前にあった大地を斬り、大きな溝を作り出す。

 

「これで邪魔者はなし。

さて、あとは封印ですね」

 

そう言い取り出したのは少し大きめのワンダーライドブックだった。

 

「ぐっがああぁぁ!!」

 

それと同時にワンダーライドブックに徐々に俺の身体が吸い込まれる感じがした。

 

「ぐっ、これは」

 

それは最光も同じだったのか、身動きが取れず、吸い込まれ、力が抜けていく。

 

「世界の平和の為、ここで封印する」

 

「辞めろ!!」

 

叫ぶ富加宮、だが、その前にはナイツ達が立ちはだかり、進む事ができない。

 

このままでは、そう思った時だった。

 

【噛み砕け!激化!過激化!化石化!化石剣異化!!】

 

【銀河顕現!!罪に購え!!過ちを正せ!!我らが放浪の騎士!!

償いを求める騎士の力が銀河に宿る時、正義が今試される…!】

 

「っ!」

 

聞こえてきた音、同時に地面は大きく割れる。

 

「なっ、まさかお前達っ」

 

同時に俺を抱える人影。

 

それは瞬く間に富加宮達の元へと向かい、俺を降ろす。

 

「どういう事ですか?

なぜ、貴方達がそちら側に付いているのでしょうか。

アガートラム、クシーフォス」

 

それと共に見えたのは見たことのないライダーだが

 

「誰?」

 

俺はそう言いながら、疑問に思いながら、見上げる。

 

「お前ら、サウザンベースの仮面ライダーじゃないのか?」

 

尾上さんはそう言いながら二人に尋ねるが

 

「えぇ、確かにその通り。

だけど、今はサウザンベースとしてではなく、ソードオブロゴスのライダーとして、この戦いを止めに来ました」

 

「どういう事なんだ、それは」

 

「とにかく、今は逃げる。

これ」

 

そう言い、取り出したのはワンダーライドブックだったが

 

「これは、あぁ、分かった。

大秦寺!」

 

「分かった」

 

そう言い、二人は急いでその場から離れた。

 

この状況、どういう事なんだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。