突然の再会から数時間、飛羽真達はすぐにその場から離れ、近くの公園へと来ていた。
「それで聞きたい事ってなんですか?」
少し落ち着きながら、まず聞くべき事を確認するように飛羽真は話を切り出した。
「君達があの時、ボスになった理由は分からないけど、もしかしたらオーディナル・スケールに関係していると想定しての話だけど、ELダイバーについて、何か知らないか?」
「ELダイバー?」
その事に一番初めに疑問に思ったのか大秦寺が首を傾げた。
「あぁ、大秦寺さんは知らなかったか。
まぁ簡単に言うとELダイバーといのはGBNというゲームに存在する電子生命体の事だよ。
本物の人間と変わりない命という事でGBNが有名な理由の一つだよ」
「ほぅ、電子生命体か、それは興味深いな」
話を聞いた大秦寺はその話を聞いて納得すると共に
「実は最近になって何人かのELダイバーが攫われる事件が起きたんだ」
「えっ、それって確かELダイバーがガンプラに入って、別の場所に行ったのとは違うのか?」
それに対して、ヒロトは首を横に振り、否定する。
「運営が調べた結果、ガンプラにログインした形跡はない。
それどころか、プレイヤーの目の前で突然消えた報告が多くあった」
「それって、本当に攫われた感じだな」
それには驚きを隠せずに聞く。
「それと同時期に始まったオーディナル・スケール。
そして」
そこから少し戸惑いを見せたキリトだが、すぐに決意を秘めたように話を切り出す。
「俺達、SAOプレイヤーの記憶が奪われる事件が起きた」
「SAOプレイヤー」
それを聞き、飛羽真も戸惑いを隠せなかった。
これまでの戦いの中で、SAOワンダーライドブックには助けられた。
だからその事には驚かなかったが、それよりも
「記憶を奪われたって、キリトさんも?」
「いや、俺は取られていないけど、既に被害が出ている」
その話を聞けば、多少納得するように飛羽真も頷くが
「でも、話を聞いていると、なんだか二人の事件はまるで関係ないように見えるが?」
「それが、そうでもないんだ」
そう言い、ヒロトが取り出したのは、タブレットを見せる。
そこにはオーディナル・スケールで有名になったAIユナだった。
「なんで、ユナが?」
「それが、このユナからはELダイバーと全く同じ反応が出ているんだ」
「ELダイバーと!?」
その言葉に飛羽真達は思わず声を出してしまう。
「原因は分からない。
けど、オーディナル・スケールに出てきたユナから、ELダイバーによく似た反応が出ていた事が分かった。
そこから考えてもユナはELダイバーの技術を使って作り出された存在」
それだけ聞けば、ある程度の推理は行えたのか、朝田も頷く。
「ELダイバーは多くのプレイヤーの思いが重なった事で誕生した存在だから、SAOプレイヤーの記憶を奪って作られていると考えても良いのね」
その言葉と共に俺達は恐ろしい推察が重なった。
「なぁ、それって、何を目的にしているんだ」
「分からない。
だからこそ、何か知っているのかと思ったのだが」
「残念ながら、俺達はほとんど知らない」
「そうなのか」
「だけど」
それとは別に飛羽真達が思い浮かんだのは、あの時邪魔したサーベラの事だった。
突然現れたサーベラが飛羽真達を倒そうとした時、飛羽真達とは違い、味方キャラとして認識された。
それはつまり、オーディナル・スケールの運営は確実に敵だという事。
「俺達で協力できる事ならば、協力する。
幸い、変身した姿でも十分に戦えるようだからな」
「そうか、だったら」
そう言い、キリトが表示させたのはユナのライブだった。
「近日、行われるらしい。
だから、考える限りでは」
「そこで何かが起きる訳か」
「あぁ、頼めるか」
そう真剣に飛羽真達を見つめるキリトに対して、飛羽真は迷う事なく
「勿論」
その一言を出した。