不死身の蜘蛛
あの戦いから一週間、その間に何か変化が起きたかと言うと、特にはなかった。
朝田を初めとして、以前までこの世界にはなかった物はそのまま存在していた。
「あんまり変わらなかったな」
「っ!!」
「朝田さんも飛羽真もどうしたの?」
特に問題なく過ごしていた事もあって、あの時が最後の別れになると思っていた朝田は顔を赤くさせながらしばらく俺の顔を見る事ができなかった。
それは俺も同じだったので、あまり顔を合わす事ができなかった。
「それにしても、あれから会えないね、新堂さん」
「あぁ」
そう、俺と朝田が目を覚ました時点では既に新堂さんとも会う事ができない。
「それにしても、結局、本については謎だらけね」
そう言いながら、俺は鞄から取り出したのはソードアートオンラインを初めとしたワンダーランドブック。
あの日から家に帰った俺はすぐに他の本がワンダーランドブックを作る事ができないかどうか試してみた。
その結果、何冊かがワンダーランドブックにする事ができた。
人目がつかない所でワンダーライドブックの能力を試してみた。
そこから分かった事が2つあった。
一つ目はベルトに挿入できるワンダーライドブックの数は3つ、各々に挿入できるワンダーライドブックの種類は決まっている。
それが新堂さんから教えて貰った種類だという事。
二つ目はベルトに挿入できるワンダーライドブックの数。
変身にできるワンダーライドブック『ブレイブドラゴン』以外に動物と物語しか挿入できない。
しかも、それぞれ一個しか挿入できないので一度の戦いで二個しか使えない。
「だけど、本当に私が持っていて良いの?」
「まぁすぐに取り出せる訳じゃないからね」
実際、この前の戦いでまだソードアートオンラインの一冊だけだからなんとかできたが、本当に戦う事になると選んでいる暇はないだろう。
「それにしても戦うと言っても、ディビエルなんて早々」
「・・・響、それって小説で言う所のフラグじゃ」
朝田の言葉と共に聞こえてくる雄叫び、見るとそこに立っているのは
「ふぅん、今の人間はこんな感じなんだ」
その言葉と共に見えたのは蜘蛛だった。
真っ白の白い着物を身に纏っている蜘蛛の顔をした怪物がそこに立っていた。
その着物の隙間から僅かに見えるのは、ワンダーライドブックであり、以前倒したデスガン・ディビエルと同じ形をしていた。
「お前、ディビエルっ」
「そうらしいね。
まぁ、僕には関係ないけど」
そう言って、ディビエルはその手を真っ直ぐとこちらに向けて、糸を吐いてきた。
俺はすぐに懐から火炎剣烈火を取り出し、そのまま腰に巻く。
【ブレイブドラゴン】
「変身!」
【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】
ベルトから現れた炎によって、迫り来る糸を全て燃やし尽くし、そのまま
次々と糸を放っていくが、相性が良いのか、
「炎を纏った剣、苛つくね」
その言葉と共に手の中に赤い糸を集めると、こちらに向けて放つ。
「っ」
【ドラゴン・ワンダー】
瞬間、
「ふっ」
それに合わせるように奴もこちらに向けて竜巻を思わせる一撃が激突する。
互いの一撃が激突しながら、そのまま勢いが増した
「っ!!」
「勝ったの?」
相性は明らかにこちらが有利なはずだ。
だが、どうしてか、目の前にいるディビエルは余裕の笑みを浮かべていた。
「その程度じゃ、僕は倒せないよ」
「っ!!」
その言葉と共に、徐々にその身体は修復された。
「再生能力持ちっ」
どうやら予想以上にとんでもない能力を持っているようだ。
「どうすれば「逃げるぞ」うわっ?!」
同時に見えたのは
「えっ新堂さん!?」
「今の状態では勝てない。
とにかく、逃げるぞ」
「わっ分かった」
状況が分からないが、
「さすがにあいつと戦うのは面倒だね。
しばらくは隠れるとするか」
そうしている間に