ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする   作:デンスケ(土気色堂)

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105話 復活のCと凶暴戦士!

 チルドは地獄一武道会に参加するため、独房から出された。そしてパンブーキンやトテッポを下して決勝戦まで勝ち進むが、スーパーサイヤ人となったベジータ王によって敗北した。

 その直後、チルドは長年閉じ込められていた独房に自ら閉じこもった。それを、殆どの者はベジータ王への、伝説のスーパーサイヤ人への恐怖から逃れるためだと考えた。

 

(奴らはエネルギー……戦闘力をコントロールして戦っていた)

 だが、独房の中でチルドは考え続けていた。彼は独房に逃げ込んだのではなく、誰にも邪魔される事無く思考に耽り、試す場として独房を利用していたのだ。

 

(考えてみれば、大会で戦っていたサイヤ人共の動きは妙だった。手を抜いている様子はないのに余裕があり、実際に実力を隠していた。

 そうか、サイヤ人共自身が言っていた。奴らは戦闘民族だと。奴らは格下相手でも戦闘を楽しむため、意図的に自身の戦闘力を抑えて戦う内に、戦闘力のコントロール技術を手に入れた種族だったんだ!)

 

 ただ、情報収集を行わず自身が見聞きした事のみで思考を組み立てているので、事実とは異なっていた。地獄のサイヤ人達が気の制御能力を習得しているのは、この世との交流戦で習得したベジータ王とバーダックチームが広めたからだ。

 生きていた頃のサイヤ人は、戦闘力(気)の操作は出来なかった。

 

(つまり、あのスーパーサイヤ人と言う姿も、戦闘力をコントロールし、爆発的に高めた結果に違いない!)

 だが、そうした事はチルドにとってどうでもよかった。彼にとって肝心なのは、二度の敗北を拭うための手段だ。

 

「なら、このチルド様もやってやろうじゃないか。戦闘力のコントロール、そして爆発的に高める変身をね。

 クックック、ボクは今までトレーニングをした事が無かった。必要なかったからね。そのボクが地道なトレーニングとやらをしたらどれほど強くなるのか……楽しみに待っているがいい、サイヤ人共め!」

 

 そして、危険人物として隔離されているため刑罰を受けて罪を償う機会が無い事を利用し、瞑想やイメージトレーニング、狭い独房内でもできる基礎的な筋力トレーニングを積む事約五か月。チルドはついに、戦闘力のコントロールを習得した。戦闘力を爆発的に高め、変身する事も出来るという確信も得た。

 

「チルド、聞いているか?」

 そんな時だった、彼の独房にベジータ王が訪ねてきたのは。

「……なんだ? また武道大会でもやるのかい?」

 だとしたら、復讐の機会だ。そう思ったが、ベジータ王の用件は違った。

 

「武道大会ではない。近々、この世との交流試合をするのだがチームに一人空きがあるのでな。貴様に参加しないかと声を掛けに来たのだ」

「なんだと? この世とは……まさか化けて出るとでも言うのかい? バカバカしい」

「フッ、そうでもない。良い事を教えてやろう」

 

 ベジータ王はチルドに毎年行っているこの世との交流試合について説明し、自分に従いチームに加わるなら一日だけこの世へ連れて行ってやろうと伝えた。

「それは面白そうだね。是非ボクも連れて行ってもらおうか」

 そして、チルドはベジータ王の誘いに素直に応じたように装った。もちろん、ただこの世に行きたかっただけではない。ある陰謀を思いついたからだ。

 

 閻魔大王や大界王星で修行する戦士達が手出しできない、この世でベジータ王を倒す。そして、地獄に戻って自衛戦力を失った閻魔大王をも倒し、生死の法則を崩壊させる。そして荒くれ者を引き連れてこの世に戻り再び宇宙海賊として君臨するのだ。

 

「それはなによりだ。貴様がチームに加われば心強い」

(決勝戦での敗退直後、こいつの目を見たが力を失ってはいなかった。やはり何か企んでいたか)

 だが、ベジータ王もチルドに対して警戒していなかったわけではない。むしろ逆で、彼が何か企んでいた場合、自分が地獄からいなくなる交流試合中に何か起こすかもしれないと警戒し、敢えて彼をチームに誘ったのである。

 

 そして、占い婆に先導されてこの世に着いたチルドは、最も再会したくない相手との再会を果たしてしまった。

「何故この世に貴様がいる!? お前はこいつの祖先じゃなかったのか!?」

 数千年以上昔に自身を殺したサイヤ人、バーダックを指さして絶叫するチルド。

 

「おい、俺が誰の祖先だって? ベジータ王、そいつに何て説明したんだ?」

「知らん。こいつの勘違いだ。……いや、バーダック、貴様は確か歴史改変者と言うタイムトラベラーに操られていたな。まさか、操られている間に過去に連れていかれて、そこで女を抱いたりはしていないだろうな?」

 

「なんて事を思い付きやがる! そんな訳があるか!」

 ベジータ王が閃いた恐ろしい可能性に、バーダックが血相を変えて怒鳴り返した。

「念のために言っておくが、バーダックやベジータ王子の細胞を分析したが、二人に血縁関係は無い」

 

「お、驚かせやがって」

「ああ、これ以上親戚が増えたら堪らん」

 儂が断言している背後で、ベジータ王子とラディッツはほっと安堵し、ギネはベジータ王に「何馬鹿なことを言ってるのさ!」と怒っていた。

 

「だが、お前らは揃って髪が金色になった姿に変身を……まさか、血筋に関係なくサイヤ人はあの変身が可能なのか……!?」

「供え物の手紙に書いてあったが、バーダック、貴様も成れたとはな。これであの姿になるのに王族の血筋は関係ないとはっきりしたな」

 

「何を笑っていやがる。そのフリーザモドキと他の連中について説明しろ!」

「いいだろう、とは言っても儂よりバーダックやゲロの方が詳しいと思うがな」

 そしてチルドや狂暴戦士達に関して説明が行われた。

 

「それにしても、俺達の代わりがこいつらとは思わなかったぜ」

「ボクはこの世で君達の顔を見る事になるとは思わなかったけどね。どうやって生き返ったんだい?」

「ベジータ王、お前こいつに何の説明もせずにつれて来たな? バーダックの事はまだしも、ドラゴンボールや人造人間の事も話してねぇな」

 

「フッ、仲良く話すような間柄ではないからな。独房に引き籠っていなければ、自然と耳に挟むことができる程度の事は、話さんでもいいと思っただけだ」

 ベジータ王がチルドに意図的に話さなかったのは明らかだが、彼は舌打ちをするだけで済ませた。生き返る方法には興味がわいたが、当初の企み通りベジータ王を、そしてバーダックを含めたこの場にいる連中を倒せば、この世に蘇る事が出来ると考えているからだ。

 

(ボクは強くなったんだ。不愉快だったが、トレーニングをした意味はあった。あの時とは違う!)

 

「こいつら狂暴戦士は、お前らバーダックチームが生き返った後に声を掛けたら、自警団へ参加したのだ。特に貴様等への恨みなどはないそうだから安心しろ」

「そうかい。ってお前、こいつらと話せるのか!?」

「いや、こいつらは普段話さないだけで、しゃべれないわけでは無いぞ。そうだろう、エビフリャー?」

 

「そうだ、俺は言葉を話せる。バーダックチームと、あそこの髭とアックマンと戦いたい」

 ベジータ王に話すよう促されたエビフリャーは、淡々とした口調でそう答えた。劇場版ではコーチンの言葉をそのまま話していただけだったようだが、発声する事が出来る以上自分の意思で話せても不思議はない。コーチンの命令を理解する知能はあったようだし。

 

「会話できるのは分かったが、本当に恨んでいないのか? 私の事までしっかり覚えているようだが」

「まあ、確かに恨みつらみと言う程ドロドロした悪意は感じないが……」

 指名された桃白白とアックマンが顔を引きつらせる。同じようにキシーメは亀仙人と鶴仙人に、ミソカッツンはターレスとタイツに視線を向けてキヒヒグフフと哄笑を浮かべる。

 

「恨んでいないというのは本当だろう。こいつらは貴様等に殺された事を恨むほど、自分の命に価値を感じていなかった。サイバイマンのようなものだ」

 ベジータ王の言葉に、儂はなるほどと頷いた。ウィローとコーチンによって作り出された狂暴戦士達の主な役割は、ウィローが欲していた「この世で最も強い肉体」の持ち主の力を測る事。つまり、エビフリャー達は最終的に敗北する事を期待されていた。

 

 命令を理解するために必要な知能、戦闘で必要な自己防衛本能は与えられていても、高度な自我や広い知識、豊かな情緒は与えられていなかったし、自力で獲得する機会も時間も無かっただろう。

 そのため、自身の命にそこまで価値を見出していない。痛覚はあるから殴られれば怒りを覚えるし、反撃を考える。しかし、それは短期的な感情であり、死後何年も恨み続ける程持続しない。

 

「つまり、一度敗北したから今度は勝ちたい、と言う程度か。ベジータ王、彼らに試合のルールは教え込んだのだろうな?」

 ただ、狂暴戦士達は自身の命に価値を見出していなかったのと同様に、他者の命にも価値を見出していない可能性が高い。試合中に相手の命を奪う事を、「ちょっとしたマナー違反。あとで謝ればいいか」という程度の感覚でやってしまうかもしれない。

 

「儂の宮殿での試合のルールは、天下一武道会と同様。殺し、ダウンした相手と相手の急所への攻撃、武器の使用禁止じゃ。分かっておるな?」

「無論だ。分かっているなエビフリャー、チルド?」

「命令には、従う」

「フンッ」

 

 占い婆とベジータ王に釘を刺された狂暴戦士達は素直に頷き、チルドは鼻を鳴らしたが何も言わなかった。

 そして試合が始まると、まずは約三年前の『この世で一番強いヤツ』事件当時と同じ組み合わせでの戦闘が始まった。

 

「へへ、悪いがリベンジはさせないぜ。こっちはお前を倒してから五年分の修行をしているんだからな」

「精神と時の部屋の二年分があるからね。今からでも一対一にしてもいいわよ?」

「グフ? たしかに、女の方にも尻尾が生えている。それがトレーニングの成果、か?」

「違うわよっ! トレーニングで尻尾が生えるわけないでしょ!」

 

 まずはターレス&タイツ対ミソカッツンだ。ターレスの戦闘力は3万以上、タイツの戦闘力も2万5千以上。しかも、それぞれスピリットブーストや巨大化などで気や力を倍増する事が出来る。

 以前と比べると二人の方が有利であるため、勝負はすぐに決まると思われた。

 

「グハハハ!」

 だが、なんとミソカッツンは二人の予想を超えて強くなっていたのだ。

「なんだ、こいつっ!? 俺達より強くなってやがる!?」

 スピリットブーストを使用した戦闘力を7万近くまで引き上げたターレスの攻撃を、ミソカッツンはゴムのように柔軟な身体で容易く弾き飛ばした。

 

 ターレスが場外に落ちる前に受け止めたタイツは、思わずベジータ王に向かって叫んだ。

「ちょっとベジータ王さん、地獄でこいつにどんなトレーニングをさせたの!?」

「我々サイヤ人がしているのと同じだ。地獄でウィローに生きていた頃の十倍の強さに再改造された後に、だがな」

 

「そう言えばセリパ達が言ってたわね。地獄でウィローが反乱を起こした時、狂暴戦士を改造して戦力にしていたって。すっかり忘れてた」

「これだから科学者って奴は……」

 ミソカッツンが予想以上に強くなっていた事を理解したターレスとタイツは、スピードを瞬間移動で補って善戦した。

 

 しかし、ミソカッツンの打撃や気弾を跳ね返す柔軟な肉体を攻めきれず、粘ったが負けてしまった。

「グハハハハハ! 勝った、勝った!」

「悔しぃ~、クリリン君に気円斬を教えてもらえばよかった~」

「おいおい、あんな殺傷力の高い技、試合で使えるわけないだろうが」

 

「試合なら、萬國驚天掌の方がいいんじゃないかい? それか、トーマ君のフレイムバレットとか」

 勝ち誇るミソカッツンを見上げて呻く二人に、珍しい事にブリーフがそうアドバイスしていた。気の性質を電撃に変化させる萬國驚天掌や、炎に変化させるフレイムバレットならミソカッツンにも通用したかもしれない。

 

「うん、そうね。……そう言えば、あたしってミソカッツンみたいな敵に妙に縁があるしね。パパの言う通り、新しく技を覚えよう」

「そうするか。……ネイルから界王拳の技を盗めてりゃあ、勝てたんだがな」

 

 続いての二試合目は、亀仙人&鶴仙人、そして助っ人のナッパVSキシーメの試合だ。鶴仙人は約1万6千、亀仙人は1万9千まで戦闘力が上がっていたが――。

「こいつは厳しいわい! これでは同じ手は通じんじゃろうしな」

「これだけ強くなっていてはな。むしろ、電撃をくらったら儂等が全滅するわい」

 

「キヒヒヒヒ!」

 キシーメの力はなんと戦闘力で10万7千相当にまで上がっていた。その差はターレス達とミソカッツン以上に離れており、キシーメが本気で動くと目では動きが追えない程だ。

 

「一緒に酒を飲んだよしみでこのナッパ様が前に出てやるぜ! 爺さん達は援護に徹しな!」

 ナッパが前に立っていなければ、瞬く間にキシーメの勝利で試合は終わっていただろう。

「ぐおおおっ、す、すばしっこい野郎だぜ!」

 だが、そのナッパもキシーメの動きについていけていない。じわじわと追い詰められていく。

 

「今じゃっ!」

 その時、鶴仙人がキシーメに対して無謀な突進を行った。

「おい、爺さん!?」

「キヒヒ!」

 驚いて引き留めようとするナッパと、この好機を逃す物かと鶴仙人に攻撃を繰り出すキシーメ。

 

「目を瞑れ、ナッパ!」

「太陽拳!」

 鶴仙人が太陽拳を放つのと、ナッパが背後から聞こえた鶴仙人の声に応じて目を閉じるのはほぼ同時だった。

 

「ギヒ!?」

「かはっ!」

 閃光で視覚を封じられたキシーメだったが、気配を頼りに腕を振るい鶴仙人に触手を叩きつけてその身を消滅させる。

 

「キ?」

 だが、その手応えの無さに驚き疑問を覚えた。咄嗟とはいえ手加減した。肋骨は折るかもしれないが、体を消し飛ばすほどの威力はない。

 

「今じゃっ! スーパーどどん波―っ!」

「かめはめ波!」

「なるほどなっ! デラックスボンバー!」

 

 そして、戸惑いで動きが止まったキシーメに、本物の鶴仙人が号令をかけ一斉に必殺技を放った。太陽拳を放ちキシーメに消滅させられた鶴仙人は、四身の拳で作られた分身だったのだ。

 原作でナッパの倍の戦闘力がある悟空でも「まともに食らえば危なかった」と評したナッパの口から放つデラックスボンバーに両仙人の技を受け、キシーメは悲鳴を挙げる間もなく爆発に飲み込まれた。

 

「カーッ!」

 だが、煙を裂くようにして飛び出したキシーメが、ナッパに向かって飛び掛かる。鞭のようにしなる触手ではなく拳と蹴りを使った接近戦を展開し、気を放った直後のナッパを叩きのめす。

 

「こりゃいかんっ!」

 慌ててナッパを援護しようとする両仙人だったが、キシーメがそれまでの戦法を変えてナッパの超近距離で戦闘をしているため、すぐに対応できない。

 

「グオォッ!?」

 そしてナッパを地上に吹き飛ばしたキシーメは、そのまま一気に亀仙人と鶴仙人を電撃の餌食にして倒してしまった。

 

「す、少しは年寄りを労わらんかい……」

「労わる、ってなんだ?」

 電撃を受けた亀仙人がばったりと倒れる。

 

「チクショーッ! やりやがったなーっ!」

 その直後にナッパがめり込んでいた舞台の破片をまき散らしながら立ち上がるが、彼が逆転するのは難しかった。キシーメも実は相当なダメージを受けていたが、何度も彼の攻撃を受けたナッパもそれは同様だ。あとは地力の差がものをいい、キシーメの辛勝となった。

 

 そして三戦目、桃白白&アックマン、そして助っ人のラディッツ。

「ふう……勝てる気がせん」

「我々は、足手まといにならないようにするのが精いっぱいではないか?」

「お前ら、情けないぞ。試合が始まる前から何を言っている。一度は奴に勝ったのだろう?」

 

「確かに勝ったが……あの時は試合ではなく殺し合いだったのだ。カッチン鋼でコーティングした刀は、試合では使えん」

「アクマイト光線もな」

 

 三年前に比べれば桃白白もアックマンも、だいぶ強くなっている。桃白白は2万3千、アックマンは約1万5千。だが、エビフリャーは、11万8千。

 当時も辛勝だったのに、更に力の差が開いた状態では勝ち目は薄い。

 

「チッ、仕方ないか。俺を援護してもらうぞ」

 そして始まった試合だが、エビフリャーは氷結拳を生前やウィローの反乱時よりも巧みに操りラディッツを苦しめた。

 

 弾ければ消える気弾と違い、氷がその場に残る氷結拳の特性を使って即席の障害物を作り、大量の氷の欠片をまき散らす事で煙幕の代わりにし、自身は気を消して隠れる。目以外でも気を探る事で相手の位置を把握する事が出来るようになったラディッツは、エビフリャーの戦略に翻弄されてしまった。

 

「チィ! 小賢しい真似を! なら……ダブルサンデー!」

 苛立ちを抑えられなくなったラディッツは、両掌から気を放射する技で周囲の氷の柱を一度に破壊する。

「隙、あり!」

 だが、エビフリャーはラディッツが技を放った隙を突いて彼に向かって接近し、氷結拳を放つ。

 

 氷に半身を包まれてしまったラディッツが、「しまった!」と叫ぶ。

「気円斬!」

 だが、高速回転する円形の刃が即座に氷を切断してラディッツを自由の身にした。

 

「氷を斬るだけなら、試合でも問題ない!」

「アックショット連打! 当たっても痛くもかゆくもないだろうが、氷を砕くには十分だ!」

 桃白白は氷を斬るためだけに気円斬を使用し、アックマンが威力を弱めたアックショットで氷を砕き始めたのだ。

 

「っ!」

「いい援護だ! 行くぞ!」

 そして数の力で氷を使う事を封じられたエビフリャーに、ラディッツが逆襲する。連続で拳をエビフリャーの胴体に叩き込み、天高く蹴り上げる。

 

「ギャリック砲!」

 そして、態勢を立て直す隙を与えずギャリック砲で止めを刺した。爆発に飲み込まれ、地面に落ちたエビフリャーは意識を失い、審判の幽霊がカウントを取り終わるまで動く事が出来なかったのだ。

 

 これで試合は一勝二敗。首の皮一枚つながっただけだ。

「フフフ、それでボクの相手は誰かな? 何なら、希望者全員相手をしてやっても構わないよ? もちろん、君もね」

 そしてあの世チームの副将チルドは、バーダックをそう挑発した。

 

「悪いが、お前を叩きのめすのは遠慮させてもらうぜ。俺は試合が終わった後、改めてベジータ王とやるんでな」

「それは残念。じゃあ、ボクの相手はあのデブかい? だとしたら、試合はボク達の勝ちで決まりだと思うけどね?」

 

「言ってくれるじゃねぇか! よし、ならお言葉に甘えようぜ、トテッポ!」

「おう!」

 そして始まった第四試合、パンブーキン&トテッポ対チルドの戦いは……開始からチルドが劣勢に陥った。

 

「馬鹿なっ!? お前達、なんでこんなに強くなっている!? たった数か月で別人のようじゃないか!」

 チルドの戦闘力は50万。現代の宇宙でも、スラッグやフリーザ等一部の規格外の強者と遭遇しなければ、宇宙海賊として悪名を轟かせることができる強さだ。

 

「へっ! お褒め頂き光栄だぜ! 礼に拳と蹴りを好きなだけくれてやる!」

「そう言うお前は、地獄で戦った時と全く変わらないな」

 しかし、この世に生き返り精神と時の部屋で修行したパンブーキンとトテッポの戦闘力は、地獄一武道会でチルドと戦った時の三倍近くに跳ね上がっている。

 

 パンブーキンは約43万、トテッポは約48万で、チルドとの差はかなり縮められている。それでも一対一ならチルドの方に分があっただろうが――。

 

「オラオラオラ!」

「ちょ、調子に乗るな、猿共がーっ!」

 パンブーキンが前に出て肉弾戦を行い、トテッポが中距離から気弾を放って援護する。チルドがパンブーキンに対して強引に反撃に転じれば、その隙をトテッポが突いてダメージを負わせる。

 

「アングリーボンバーっ!」

「ぐぎゃっ!? くっ……ま、参った!」

 二対一では勝ち目が薄い。その事を悟ったチルドは、プライドが傷つくのに耐えながら二人に降伏した。

 

(これ以上こいつら相手に体力を消費するのは拙い。本気を出せば、こいつらを殺すのは造作もない。だけど、それじゃあボクの作戦が台無しだ! 今は屈辱に耐えてやる。つかの間の勝利に酔うがいい!)

 

「ん? ……まあ、降参するなら仕方ねぇか」

 チルドが降伏するとは思っていなかったパンブーキン達は胡乱気な視線を彼に向けたが、試合のルール上降参した相手と戦い続ける訳にはいかない。

 

「おい、バーダック。チルドの野郎、何か企んでやがるぜ」

「だろうな。ベジータ王は気が付いてねぇようだが」

「いや、気が付いているはずだ」

 試合を終えて戻って来たパンブーキンに耳打ちされたバーダックは、その内容には驚かなかった。しかし、トテッポの言葉には驚いた。

 

「……俺がいない間に、随分ベジータ王の事を買うようになったじゃねぇか。トーマの奴もそうだが……よっぽどの事があったんだな」

「まあな」

 そうバーダック達が話している間に、あの世チームに戻ったチルドはベジータ王から形ばかりのねぎらいの言葉を受け、舌打ちをしていた。

 

「ん? なんだい君は? ボクに断りもなく近づくなんて、いい度胸じゃないか」

「失礼しました。治療をするので、じっとしていてもらえますか?」

 そして、いつの間にかあの世チーム側に居た4号に気が付いて睨みつけるが、彼の申し出に思わず目を見開いた。

 

「治療? 君がボクを?」

「ええ。試合後の選手はチームに関わらず、全員治療しています。では、始めます」

 自分に翳された4号の手が淡く輝き、体の痛みや体力が回復していく事にチルドは驚いた。

 

「そう言えば、負けたはずのサイヤ人のガキや地球人の爺が回復している。それもキミの仕業か」

 チルドはターゲットであるベジータ王とバーダック以外にあまり関心が無く、試合は見ていたがその後の選手達には同じチームの狂暴戦士達の様子も見ていなかった。そのため、4号達の治療に気が付かなかったようだ。

 

「私とツムーリさんが治療しました」

「フン、いいのかい? 敵チームのボクを治療して。後悔する事になるよ」

「構いませんよ。この交流試合の趣旨は、お互いに競い合い技を高め合うためのものですから。当初は、占い婆さんの白熱した戦いが見たい、と言う希望を叶えるための物でしたが」

 

 そうしている間に、舞台の上ではベジータ王とベジータ王子、二人のベジータが対峙していた。

「フッ……」

「何がおかしい?」

「たいしたことではない。死ぬ前はお前に技を教えるどころか、訓練に付き合う事もしなかった事を思い出しただけだ」

 

「……サイヤ人なら珍しい事ではないだろう」

 ベジータ王子は、『ドラゴンボール超』でも言っていた通り、親であるベジータ王にも技を教えられた事はなかった。師がいなくても、戦闘の天才である彼は実戦を重ねれば重ねるだけ強くなる事が出来たからだ。

 

 さらに、この歴史のベジータ王子はラディッツやナッパとトレーニングを行い、力を伸ばし続けている。親である王に訓練をつけられた事が無い事を、不満に思う事はなかった。

 

「その通りだ。そして、サイヤ人をそうしてしまったのが儂の過ちの一つでもある」

「過ちだと……!? チッ、今の貴様と話していると気味が悪いぜ。試合をする気があるなら、さっさと始めろ!」

「いいだろう。さあ来い、息子よ!」

 

 審判の幽霊が試合開始を宣言して、即座に舞台上から逃げ出す。それと同時に、王子と王は間合いを詰めると激しい肉弾戦を始めた。

「フハハハ! いい動きだ、ナッパやバーダックの倅は良い組手相手になったようだな!」

「フンッ、奴らを俺につけた事には礼を言ってやる!」

 

 途切れることなく拳や蹴りが空気を裂く音やぶつかり合う音が響く。儂は目で追うのがやっとの激戦だが、ベジータ王にとっては小手調べでしかない。

 ベジータ王子の戦闘力は15万5千で、全力で戦っている。だがベジータ王の戦闘力はその三倍近い44万5千ある。ベジータ王が手加減していなければ、ベジータ王子は既に負けている。

 

「フッ! 悪くない。だが、その程度では工夫が足りんな」

「調子に乗るなよ! 貴様に出来る事は息子の俺にもできると言う事を教えてやる!」

 ベジータ王子はそう啖呵を切りながら、右手に気を集中させ気弾を放った。空に向かって。

 

「弾けて、混ざれ!」

 パワーボールを放って人工の満月を作り出したベジータ王子は、それを直視する。そして全身に力が漲り、気が膨れ上がるが……肉体に大きな変化はない。

 

「ほう、大猿化せずに気のみ十倍にしたか」

「フッ、例の目薬をつけている貴様にはできまい!」

 儂が保存しておいた映像資料から、肉体を変化させず気のみを十倍にするベジータ王の映像を見たのだろう。いつの間にか、儂の補助装備も使わずに習得していたようだ。

 

 たしかに、ベジータ王子は天才のようだ。これで彼の戦闘力は155万。フリーザの第二形態をも上回り、ベジータ王の戦闘力の三倍以上になった。

「ハッ!」

 それを思い知らせるように、ベジータ王子は目にも止まらぬスピードで間合いを詰めると、軽いパンチを繰り出した。

 

 ベジータ王は両腕を交差させて王子の拳を受け止めたが、その場に留まる事が出来ず後ろに大きく吹っ飛び、舞台に足を踏ん張ってなんとか場外に落ちる前に止まる事が出来た。

「……どうした? 早くスーパーサイヤ人に成れ。それとも、スーパーサイヤ人とは髪が金色になって派手になるだけで、この形態と同じ程度の強さでしかないのか?」

 

「ほう、儂がスーパーサイヤ人に成れる事を聞いていたのか」

 

「ああ、昨日この世に来たサイヤ人達が話していたぜ。秘密にでもしておきたかったのか?」

「そうか。口止めをしていたわけでは無いから構わん。むしろ、知ったのは昨日か? 一か月もあればブルマなりラズリなりランファンなりから聞けただろうに」

 

「フンッ、トレーニングで忙しかったからな。世間話に興じる暇は……おい! 出した名前が偏っているのはどういう意味だ!?」

「ハハハ! 教えられなければ分からんとはまだまだ青いな、倅よ! いいだろう、お前がいずれ至る伝説をその目に見せてやろう! はぁぁぁ……はぁ!!」

 

 ベジータ王が力を全身に漲らせ、一際大きく叫んだ瞬間、彼の髪と発せられるオーラが金色に輝く。大猿化を遥かに上回る気の高まりに、観戦している儂等もプレッシャーを覚えた。

「これが……伝説のスーパーサイヤ人!」

 ベジータ王子は、父親が伝説を体現した姿を目にして、瞳に憧れと怒りを浮かべた。

 

「うおおおおっ! ビックバン、アターク!」

 そして、それを言葉ではなく技に乗せて放った。巨大な気弾がベジータ王に迫る。

「いい思い切りだ。だが――!」

 しかし、ベジータ王は息子の必殺技を避けようとはせず正面から突っ込んだ。そして容易く突き抜けると、ベジータ王子の懐に潜り込み、鳩尾を軽く突く。

 

 それだけでベジータ王子は「かはっ!?」と息を吐き、意識を失った事で気も元の大きさに戻ってしまった。

「ふん!」

 そして、ベジータ王は王子を即座に起こした。

 

「っ!? チッ、俺の負けか。

 ……生きている間にその強さを得ていれば、スーパーサイヤ人に成ってさえいれば、フリーザの小間使いに成り下がり、都合が悪くなれば星ごと始末されるような事にはならなかったはずだ! 何故だ!?」

 

 意識を取り戻したベジータ王子は自身の敗北を理解すると同時に、悔しさと苛立ち、そして僅かばかりの憧れが混じった複雑な目で父親を睨み、怒鳴った。

 惑星ベジータが消滅したと聞いても、父の死を悼む事はなかったベジータ王子だが、最初から父に対して情が無かったわけでは無い。より幼い頃には、尊敬と憧れを抱いていた時期もあった。

 

 だからこそ、父が伝説のスーパーサイヤ人に至った事を喜び、幼き日の尊敬と憧れを思い出した。

 だからこそ、何故それを惑星ベジータが健在だった頃から出来なかったのかと、怒りが募った。

 先ほどのビックバンアタックは、乱れた感情を整理できず激高するまま放ったものだった。

 

「すまなかったな、ベジータ。我が息子よ」

 息子の感情を受け止めたベジータ王は、その瞳をただただ真っすぐ見つめたまま詫びた。

 

「なっ!?」

 詫びる。ただそれだけの事で驚き言葉を無くす息子の様子に、ベジータ王は自嘲的な笑みを浮かべた。

「全ては儂が野心と傲慢さを抑える事が……抑える必要がある事にも気が付かなかった失敗故だ。

 惑星サダラが滅び、ツフル星に移住した後、ツフル人を滅ぼして惑星ベジータと名を変え、他の惑星の侵略を始めた。儂はその過程で冷酷に振る舞い、力と恐怖でサイヤ人の王として君臨した。故に、恐怖で押さえつける以外の方法で自らの権勢を維持する事が出来なくなっていた」

 

「……それの何が悪い。どこに問題がある?」

「フンッ、問題だらけだ。部下の忠言を聞くどころか、反乱を恐れて信用も出来ん。周りに敵ばかり作り、隙を見せたら王座を奪われるのではないかと常に気を張らねばならなかった。

 そして、井の中の蛙である事に……当時の儂より強い者はこの宇宙にはいくらでもいる事に気が付かず暴れまわった挙句、フリーザ軍と名ばかりの同盟を結んであの始末だ」

 

 ベジータ王も馬鹿ではない。今更後悔しても遅いとは言え、生前の自分を顧みて何が間違っていたのかと考えた事は何度もある。地球でのサイヤ人復興が現実味を帯びてきた最近は、特に。

 おそらく、しくじりの始まりはツフル人を滅ぼした事だろう。あのままツフル王の支配下で奴隷のようにこき使われていればよかったとは、思わない。だが、思い返してみればサイヤ人に友好的なツフル人もいなかったわけではなかった。

 

(あの時、サイヤ人に味方をするツフル人を増やし、奴らと組んでツフル王を追い落としていれば、我々サイヤ人の運命も変わっていただろう。だが、今更だ)

「息子よ、貴様は儂と違いまだ生き方を変えられる。儂に構う事無く、貴様なりの戦闘民族サイヤ人の王族としての生き方を見つけろ。儂を反面教師にしてな」

 

「……生き返るつもりはないのか? ナメック星のドラゴンボールを使えば、すぐにでも復活できるはずだ。今の親父なら、精神と時の部屋に入ればフリーザを倒す事も夢ではない」

「フッ、フリーザを倒すのはお前達に任せる。儂はこうして年に一度この世に来るだけで充分だ」

 

 以前なら自分が生き返る事に対して執着があった。だが、今のベジータ王にはこの世に対する未練は殆どない。むしろ、自分が生き返ってフリーザを倒したところで、サイヤ人のためにはならないだろうと考えていた。

(儂はあまりに悪行を重ね過ぎた。その儂がフリーザを倒したところで、宇宙は新たな悪の帝王が誕生したとしか考えんだろう。新しい世代のサイヤ人達にいらん業を背負わせたくはない)

 

「代わりに、宇宙に轟かせたサイヤ人の悪名は全て貰っていくぞ。お前が背負っている分もな。儂が生き返るとしたら、どうしてもサイヤ人に復讐したいという奴が現れた時だけだな。もっとも、お前達の手に負えない程強い奴はそうそう現れんだろうが」

「チッ、格好を……つけやがって……」

 

 ベジータ王子がよろけて王に向かって倒れる。ベジータ王は彼を抱き留めて言った。

「思えば、訓練に付き合うだけではなく、お前を抱いてやった事も――」

 その時、禍々しい気が一気に膨れ上がった。

 

「キエェェェ!」

 紫色の強力なエネルギー波が、ベジータ王と王子を飲み込んだ。王を背後から不意打ちしたのは、チルドだった。

「クックック、良かったですねぇ、親子ともども死ぬことが出来て。いや、ベジータ王の方は元々死んでいたんでしたね」

 

 その姿は、一瞬で大きく変わっていた。地球人の成人男性と比べてだいぶ小柄だった体は、手足が伸びて筋肉が発達し、二メートル程の巨漢へと変化している。

 まるでフリーザの第二形態か、コルド大王の色違いだ。

 

「さて、残る邪魔者は君だけだよ、バーダック。ああ、他の連中はボクに忠誠を誓うなら、新生チルド海賊団に入れてやってもいいよ。ボクはこう見えても優しいからね」

 そして、体だけではなく戦闘力も大きくなっている。50万ほどだったチルドの気は、今は200万……なんと、フリーザの第三形態と同じぐらいになっていた。

 

「あー、そうかい」

「ふーむ、予想以上に強くなってはいるが、予想通りの展開じゃな」

「なんていうか……凄いんだけど、凄くないわね」

 それを見た儂等は、色々な意味で言葉を失った。名指しされたバーダックも、笑えばいいのか呆れればいいのか分からないと言った様子で頭をかいている。

 

「な、なんだ、その態度は!? ボクは貴様等サイヤ人がスーパーサイヤ人と呼ぶあの姿を上回る力を手に入れたんだぞ!?」

 儂等の態度に苛立ち、狼狽えるチルド。確かに、今のチルドはおそらく彼を殺した当時のバーダックより強いだろう。

 

 『エピソードオブバーダック』と同じ経緯なら、当時のバーダックの素の戦闘力は1万以上2万以下ぐらい。スーパーサイヤ人に成っても、50万から100万程度だ。

 しかし――。

 

「フン、やはりまだ戦闘力の感知は出来ないようだな。儂が今の貴様よりどれほど強いか、理解できなかったと見える」

 チルドが放ったエネルギー波の爆発が治まると、ベジータ王子を庇ってなお無傷で姿を現したベジータ王の戦闘力は、スーパーサイヤ人に成った事で約2千2百万。今のチルドの十一倍である。

 

「なっ……!? そ、そんな、馬鹿な……!?」

「とはいえ、大した強さだ。ただ独房に引き籠っている訳ではないと思ったが、驚いたぞ。

 さて……占い婆! 試合は我々あの世チームの負けで構わんな!」

 

「な、なんじゃと!?」

 突然話を振られた占い婆は驚いた様子で聞き返すが、すぐにベジータ王が言いたい事を理解した。

「まあ、そうじゃな。試合終了を宣言する前に、あの世チームのチルドが乱入したのじゃから、ベジータ王の反則負け。三対二でこの世チームの勝利じゃ!」

 

「ふ、ふざけるな! こんな形で勝っても……!」

「慌てるな、息子よ。貴様は早く傷を治療して来い。のんびりしていると出遅れるぞ」

「何……?」

 

 訳が分からないという顔でベジータ王子が見上げ、事態を把握できず愕然として立ち尽くしたままのチルドが見つめるベジータ王の顔は、残虐非道のサイヤ人そのものだった。

 

「チルド、試合が終わったら何が始まるか分かるか? そう、次の試合だ」

「なっ!? ま、まさか……!?」

 

「貴様の弱点は気を感知する事が出来ず、自身と相手の力の差を測る能力が欠如している事。それ以上に、同格や格上の相手との戦闘経験が、あまりにも乏しい事だ! だが、感謝するがいい。貴様が弱点を克服できるよう、実戦的なトレーニングに付き合ってくれるもの好きが、ここにはいくらでもいるぞ!」

 

「ヒッ……!?」

 ベジータ王の言葉にひきつった悲鳴を上げるチルド。

 

「態々名指しで指名されたんだ。無視するのも悪いってもんだ」

「地獄一武道会じゃ、当たらなかったからな。俺にも稽古をつけてくれるよな、チルド様よ?」

「バーダック、トーマ、手加減してやりなよ。……あたしの分がなくなるからね」

「哀れだとは思うが、甘やかすのは彼のためにならないか」

「ネイルさんがやるなら、あたしもいいですか? ちょっと試したい技があるんです!」

「じゃあ、あたしもー!」

 

 バーダック、トーマ、セリパ、ネイル、そしてランチにマロンまで舞台に上がり、チルドに向かって好戦的な笑みを浮かべる。

「では、これより昼食まで乱取り稽古を行う。はじめ!」

 そして、占い婆の号令と同時にチルドの悲鳴が響き渡ったのだった。

 

 




〇戦闘力推移

・ベジータ王:35万 → 44万5千 大猿時で445万、スーパーサイヤ人1時で2225万。自警団のメンバーには元フリーザ(コルド)軍の兵士やスラッグ一味の幹部、狂暴戦士等も加えており、地獄の悪人達の間で覇権を握りつつある。

 ただし、ナメック星人の潜在能力解放や精神と時の部屋での修行を経ていないため、パンプーキンやトテッポに追い越されてしまった。

・ミソカッツン:7万 → 9万7千 

・キシーメ:8万 → 10万7千

・エビフリャー:8万5千 → 11万8千 ウィローが反乱に失敗して捕まり、狂暴戦士をコントロールできないようになった事で、予期せず自由の身になってしまった。単に暴れられれば良かったので、何も考えずに流れに身を任せていたら自警団に入っていた。

 各々を倒した相手には、怨念と言う程強い憎しみは無いが、戦ってやり返してやりたいとは思っている。
 戦闘力が上昇したのは、再々改造を受けたからではなく、トレーニングの結果生身の部分が強くなったため。

 なお、コーチンが彼らの存在を知って再びコントロールしようとしても、地獄でウィローに改造されているせいで生前の彼等とは仕様が異なっているため不可能。コントロールするには、彼らを一度調べて新たなコントロール装置を開発する必要がある。


・チルド:50万 → 50万(通常時) → 200万(気の解放時) 地獄一武道大会の決勝戦でスーパーサイヤ人化したベジータ王に敗北し、トラウマを刺激されたために独房に自ら引き籠った……と見せかけて、ひそかに力を蓄えていた。

 そしてベジータ王が交流試合のメンバーに加わらないかと声をかけてきたのを利用して、閻魔大王の目が届かないこの世で彼等を消滅させ、地獄に戻って反乱を起こし自衛戦力を失った閻魔大王を倒そうともくろんでいた。
 とはいえ、気の制御能力は上がったが、感知能力はなかったためベジータ王に勝てない事に気が付いていなかったのでバーダック達がいなくても彼の目論見は失敗しただろう。

 気を解放するとフリーザの第二形態やコルド大王に似た、全身の筋肉が発達した巨漢になり戦闘力が四倍になる。しかし、フリーザやクウラの変身とは違い、気を解放して出力を上昇させている状態であるため消耗が激しく、時間が経過するごとに戦闘力が低下していく。当然、長時間は持たない。



〇ベジータ王のターニングポイント

 個人的にはツフル人を滅ぼしたところから、歯止めが効かない状態になったのではないかと考えています。
 ツフル王がトップに居た頃は、他の惑星を侵略するビジネスをしなくても生活できていたと考えられるからです。

 また、サイヤ人は『サイヤ人絶滅計画』によると、その繁殖力で数を増やしていったそうなので、本来は地球人と同じかそれ以上に高い繁殖力を持つ種族だと思われますが、惑星ベジータ時代では五千人ぐらいしかいなかったという設定もあったそうです。

 高度な文明を誇ったツフル人を滅ぼした事で、惑星ベジータの資源だけでは生産が回らなくなり、他の惑星の侵略を始めたら同じビジネスをしていたフリーザ軍(当時はコルド軍)に目をつけられて名ばかりの同盟を組まされ、先兵にされてしまった。と言うのが滅亡までの流れなのではないかと思いました。

 『サイヤ人絶滅計画』の回想シーンではサイヤ人に友好的層に見えるツフル人も描写されていたので、ツフル人にはサイヤ人に対して差別的な者から友好的な者までいた事が考えられる。ベジータ王がサイヤ人に友好的なツフル人を増やしつつ、差別的なツフル人を追い落とす方向で共存する事が出来ていれば、他の星を侵略するために宇宙に進出してフリーザ軍に目をつけられる事もなかったのではないか、と思います。

 そうなれば、第六宇宙のサイヤ人(キャベ達)のようになれたかもしれません。もっとも、宇宙に進出して荒らしまわった場合よりも発見される可能性は小さくなるとは言え、結局フリーザ軍に見つかれば滅ぼされるか、支配下に置かれるかの二択になると思われます。

 さらに、そうなった場合は悟空が地球に飛ばされないので、地球はレッドリボン軍に支配されるか、ピラフ大王が封印を解いて復活したピッコロ大魔王に人間が滅ぼされるか、ルシフェルやガーリックJrによって魔族の楽園にされてしまったか、ウィローとコーチンに全人類が改造されたか……碌な事にならなかったと思います。

 また、地球に封印されていた魔人ブウが復活したら、フリーザやクウラにどうにか出来るはずもないので、宇宙全体が存亡の危機に陥っていたでしょう。

 ……まあ、悟空やベジータ、孫悟飯(子)が地球に居ないので、バビディ達もブウを復活させるエネルギーを手に入れるのに苦労させられると思いますが。それまでの間に界王神がビルスを起こすなり、ナメック星のドラゴンボールでパイクーハン達大界王星で修行している戦士達を生き返すなりできれば、ダーブラを倒して復活を防げるかもしれません。



 佐藤東沙様、excite様、コダマ様、にぼし蔵様、変わり者様、ダイ⑨様、ヴァイト様、名無しの過負荷様、excite様、KJA様、gsころりん様、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。
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