ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする   作:デンスケ(土気色堂)

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120話 ラピスと人食い瓢箪。いざ御前試合! ジャガーVS天龍

 その日、ラピスが一人でランファ村と言う村に向かったのは、双子の姉のラズリとクリリンが二人きりで過ごす時間を作るためだった。

「あいつも意地っ張りだからな。俺が近くに居たら本音は口にしないはずだ」

 人造人間への改造手術や手術の間眠り続ける事に不安を覚えていないラピスは、ラズリの相談相手には向いていない。言い合いになって、どちらかが「もういい」と言って会話を打ち切ってしまうのが予想できる。

 

 そのため、ラピスは相談相手としてクリリンの名前を出して薦めた。同時に名前を出したヨンやタイツよりも、ラズリが悩みを打ち明ける相手には、クリリンが向いていると彼は思っていた。

 そして、自分はゲロに面白そうな用事はないかとねだったら、植物のサンプルを採集するお使いを頼まれた。

 

 お使いとしては、危険のない仕事だったはずだ。ランファ村は、以前ウーロンや兎人参化に恐喝されていた村のように都市から離れた辺境に存在する村で、近くに村の名の由来となったランファの木の群生地となっている。

 数年前まで金角と銀角と言う二人組のならず者に恐喝を受けていたが、GCGの隊員達によって退治され、周辺の治安も回復して村は平和になったはずだった。

 

 そこでランファの木のサンプルを手に入れて来るのがお使いの内容だ。知り合いに似た名前だなと言う以外の感想は覚えなかった。ラズリの傍から離れる口実を探していなければ、まずやらないだろう退屈な仕事だ。

「キャーっ!」

「悲鳴? やれやれ……」

 そのはずだったのだが、森の上空を飛んでいると悲鳴が耳に入った。様子を見に行くと少女がトラに襲われているところだった。

 

「ガルルル!」

「悪いが、他の獲物を探してくれ」

 少女とトラの間に割って入ったラピスは、軽く殺気を込めてトラを睨んだ。

 

「っ!?」

 それだけでトラはラピスが手を出してはいけない相手だと悟り、慌てて逃げ出した。それを見送った彼は、助けた少女に声をかけた。

 

「大丈夫か?」

「は、はい。危ないところをありがとうございます」

 黒い髪をおさげにして両肩に流した可愛らしい、十代前半の少女は頬を赤くしてラピスを見つめる。

 

「どんな事情があるのかは知らないが、森を歩く時は気を付けた方がいい。いくらGCGがならず者を退治したと言っても、野生動物は専門外だからな」

「GCG? あなた、GCGの隊員なの!?」

 

「隊員じゃないが、関係者ではあるな。俺の顔を見た事ないのか?」

「……? ごめんなさい、うちの村はテレビが無いの。有名な人なの?」

「そうか。いや、気にしないでくれ」

「それよりも聞いて! 私はランファ村のチャオ、ちょうどGCGの人を雇う為に町へ向かっていたの!」

 

 チャオが言うには、ランファ村は最近まで平和だった。

 しかし、数年前にGCGの隊員に成敗された後は更生したはずの元ならず者兄弟の金角と銀角が、突然悪さを始めた。以前も村の大人達では手も足も出なかった強さだったのに、不思議な瓢箪まで手に入れて村人達を脅し、金目の物や食べ物を脅し取っているのだという。

 

「瓢箪?」

「ただの瓢箪じゃないわ。その瓢箪を持って名前を呼ぶと、名前を呼ばれた人が返事をしないと瓢箪に吸い込まれてしまうのよ。

 金角が言うには、吸い込んだ人間を生きたまま溶かして酒にしてしまう、『人食い瓢箪』だって」

 

「……名前を呼ばれる前に不意を突いて倒せば良さそうだな。よし、ついでに俺が退治してやろう」

「えっ!? でも金角と銀角は本当に強いのよ! GCGの隊員じゃないなら、止めておいた方がいいわ!」

「心配いらないさ。GCGで俺より強いのは、二人だけだからな」

 

 十六歳の少年であるラピスだが、その戦闘力は2860。平均的なGCGの隊員の十倍を軽く上回る数値だ。彼より強いのは隊長のチューボと、ナムぐらいだ。

 

「その代わり、ランファの木に案内してくれ」

「あなた、ランファの花を見に来たの? 村の近くにはランファの花の名所があるのよ! ランファの花が集まってトンネルになっている、『夢見の並木道』って呼ばれて村の女の子の憧れなの!」

 

「そうなのか。花には興味はなかったが、そこまで言われると見たくなってくるな」

 よほど思い入れがあるのか、瞳をきらめかせて自慢げに語るチャオの様子を見て、ラピスもランファの花に興味を持った。しかし、チャオは肩を落としてため息をついた。

 

「でも、このところ日照りが続いているせいでランファの木が枯れてしまって、今は『夢見の並木道』どころか『悲しみの並木道』になってしまったわ」

「そっちの方がならず者より困るな。持って帰るサンプルは枯れ木でもいいのか?」

 ならず者は殴り倒せばいいが、雨はどうにもできない。川か湖まで飛んで行って水を汲み、持って帰って撒けばいいのか? そうしばらく頭を捻ったラピスだが、「後で考えよう」と切り替える事にした。

 

「日照りがしばらく続くのはどうにもできないが、ならず者は一日も早く退治してしまった方がいいだろうしな。花の事は後で考えよう。

 よし、背負ってやるから村まで案内してくれ」

 

「案内はするけど、自分で歩けるからいいわ」

「普段なら一緒に村まで歩いても良いんだが、悪党退治は早く済ませるに限るからな。捕まっていろよ」

 ラピスは誘いを断って歩き出そうとするチャオを引き留めて両腕で抱き上げ、そのまま舞空術で飛び上がった。

 

「きゃっ!? きゃ~っ!? 飛んでる!?」

「俺が空を飛んできたのに気が付かなかったのか?」

「トラから逃げるのに夢中で見てなかったわよ!」

 驚いていたチャオだったが、自分が歩くより何倍も早く村に近づいている事に気が付くと落ち着いて来た。

 

「凄い、何日も歩いて来たのにあっという間に村につきそう」

 チャオがそう言った通り、ほんの数分で彼女の故郷であるランファ村に到着した。しかし、村の様子がおかしい。

 

 村人達は一列に並ばされ、モヒカン頭の巨漢と長髪で瘦身の男に脅されている。

「脱走は許さないと言ったはずだっ! 見せしめにその赤ん坊を酒にしてやろう、チェンシーっ!」

 そして、モヒカン頭の巨漢……金角が瓢箪を構えて叫ぶ、すると、瓢箪の口から噴き出した煙が、母親に抱かれた赤ん坊に迫る。

 

「危ないっ!」

 急いで降り立ったラピスが煙を蹴りで散らそうとする。しかし、煙は発生した衝撃波だけで丸太も切断するラピスの蹴りを受けても散る事はなく、赤ん坊を包んでしまう。

 

「そんなっ、あの子はまだ生まれたばかりなのに! 名前を呼ばれても返事なんてできる訳がない!」

「へっ、チャオ! お前が村から逃げ出したのが悪いんだ! 今更戻って来ても、もう遅いっ、あの赤ん坊はすぐに酒になっちまうぞ!」

 

 悲鳴を上げるチャオに、長髪で痩身の男、銀角が笑いながらそう答える。

「なら、その前にお前らを叩きのめして瓢箪を渡してもらおうか」

 ラピスはチャオを素早く降ろすと、その銀角と間合いを詰めると素早く首の後ろに手刀の一撃を入れる。

 

「貴様っ!? よくも弟を!」

 得物の銃を構える間もなく白目を剥いた銀角に代わって、金角が剣を抜いてラピスに切りかかる。その動きは中々素早いものだったが。常人としては、だが。

 

 ラピスは金角の懐に入り込むと、彼の瓢箪を持っている方の腕を取って締め上げた。

「ぐ、ぐわーっ! お、折れる!」

 そして瓢箪をもぎ取った。事態の急変を見ている事しかできなかった村人達が、歓声を上げる。

 

「それで、吸い込まれた赤ん坊を中から出すにはどうするんだ? 素直に吐かないと、このまま腕をへし折るぞ」

「そ、それは――」

「そこまでだ」

 

 金角が痛みに耐えかねて話そうとした時、聞き覚えの無い声がした。次の瞬間、金角から禍々しい気があふれ出る。

『ミラの旦那! 旦那が来てくれりゃあ百人力だ! うおりゃあああっ!』

 金角は金角ダークになると、ラピスを強引に振りほどいた。

 

「くっ!」

『はっはぁ! いただきだっ!』

 そして、白目を剥いていたはずの銀角も銀角ダークとなり、ラピスに向かって銃を撃つ。その銃口から飛び出したのは、銃弾ではなくなんとエネルギー弾だ。

 

「どういう仕組みだ!?」

 後ろにいるチャオに当たらないよう、エネルギー弾を弾き返すラピス。

 金角ダークと銀角ダークは、彼では直ぐに倒せない程度には強化されている。そうでなくても、ミラが攻撃を仕掛けてきたら……それが遠くから軽く拳を振るうだけだったとしても、ラピスも背後のチャオや村人達も跡形もなく消し飛ばされてしまうだろう。

 

「……」

 しかし、金角達に旦那と呼ばれ、明らかに彼らの黒幕であるはずのミラはラピスに攻撃するそぶりを見せる事もなく、周囲の様子を伺っている。

 

「やっと来たか」

 そして、誰にともなくつぶやいたと思った瞬間、姿が掻き消えた。どこに消えたのかとラピスが気を探ると、村の上空で彼では「とてつもなく巨大」としか評せない二つの気がぶつかり合っていた。

 

『悪いが、そいつらは君に任せます! よろしく!』

「タイムパトロールか。助かった」

 これで後は、時間がかかってもこの二人を倒せばいい。そう思ったラピスだったが、事態はそう上手く行かなかった。

 

『おいっ、あんまり時間をかけると中の赤ん坊が溶けて酒に成っちまうぜ! いや、もう溺れてるかもな! 誰か中で支えてやらないとヤバいだろうな!』

 金角がラピスに向かって右手に構えた剣を振るいながら、怒鳴りだした。そして、左手に構えた瓢箪を向ける。

 

『どうする、チャオ!?』

「っ! おいっ、返事をしろ!」

 そう叫びながら金角の左腕を蹴り折ろうとするラピスだったが、そうはさせないと銀角が銃からエネルギー弾を彼に向かって連射する。

 

「ごめんなさいっ、でも私のせいだから!」

 そして、チャオは返事しなかった。ラピスにそう言いながら瓢箪の口から噴き出た煙に巻き込まれ、吸い込まれていく。

 

「ちっ!」

 だが、ラピスはなんとそのチャオの手を掴み、そのまま一緒に瓢箪の中へ吸い込まれていった。

 

『ん? 吸い込んだチャオを人質に瓢箪に入るよう脅すつもりだったが、手間が省けたな』

『ははははっ! 馬鹿な奴だ! ……それで、どうします、兄貴? 旦那に加勢します?』

『馬鹿を言え、俺達じゃあ近づいただけでお陀仏だ』

 戦う相手がいなくなった金角ダークと銀角ダークだったが、そのままミラの助太刀に行くほど無謀ではなかった。

 

 

 

「なんであなたまでついてきちゃうの!? あなたが助けてくれるかもしれないから、それまでチェンシーを私が守ろうって思ってたのに!」

「この瓢箪がどれくらいの時間で人を溶かすのか分からなかったからな。それに、助けならそのうち来る」

 

 人食い瓢箪の中では、瓢箪に溜まった酒の上に舞空術で浮いたラピスが、チェンシーを抱いたチャオをさらに抱き上げていた。

「あのミラって奴と戦っていた奴と、俺の爺さんが知り合いだ。あいつらが爺さんに連絡を入れてくれるだろう。……そのうちな」

 

「そのうちって……あなた、いつまで浮かんでいられるの?」

「一日中でも浮いていられる。だが、いつまでもこんな所に居たら赤ん坊がもたないな」

 ラピスとチャオは飲まず食わずでも一日ぐらいなら生きていられるが、乳飲み子は拙い。

 

「チャオ、俺に抱き着いてくれ」

「えっ!? そ、そんな、ダメよ。諦めないでっ、きっと助けは来るわっ!」

「抱き着いてくれないと、利き手が使えない。何なら、背中に移動してくれてもいいぞ」

「それなら、そう説明してよね!」

 

 世を儚んだラピスが、これで最期だから……と言う展開を想像してしまったチャオは、照れ隠しに文句を言いながらチェンシーをラピスの左手に預け、彼女自身は両腕を彼の背中に回してしっかりと抱き着く。

「よし、そのまましっかり摑まっていてくれ。どどん波!」

 ラピスの右手の人差し指から、輝く気功波が放たれ瓢箪の壁面に突き刺さった。しかし、壁面は穴が空くどころか焦げ目がついただけだった。

 

「チッ、なら……フォトンウェイブ!」

 今度は指ではなく、掌からより激しい輝きを放つ気功波が放たれる。しかし、それでも瓢箪の壁面に穴は開かなかった。

 

「す、すごい。あなた、仙人か何かなの?」

「これぐらいなら、最近の警備員は誰だってできるさ。ただ、穴を開けられないとは想定外だったな」

 驚いているチャオと、音と光に泣き出すチェンシー。

「よしよし、驚かせて悪かった。こんな時、俺も瞬間移動が出来ればよかったんだがな。仕方ない、助けを呼ぶか」

 

「呼ぶって……呼べるなら何でもっと早く呼ばなかったの?」

「お使いの途中だったからだ。俺にも、プライドってものがある」

 そう言いながら、ラピスはスカウターを取り出した。

「もっとも、この妙な瓢箪の中から外に通信できるかは、分からないが」

 

 

 

「なるほど、そう言う訳だったか」

 つい、慌てて瞬間移動したため全身が酒でぬれてしまった儂は、ラピスから手短に受けた説明を聞いて、一連の出来事について思い出した。

 

 チャオ、そして金角銀角はドラゴンボールのアニメオリジナルエピソードの登場人物だ。占い婆編の後に相当するから、原作アニメでは今の一年前にあるはずの時期の出来事だ。

 とはいえ、我が社のGCGが金角と銀角を退治していたようだが。

 

 しかし、それを歴史改変者のミラが態々起こすとは……いったい何故? キリを稼ぐためだったとしても、起こした事件の規模が小さすぎる気がする。将来17号になるラピスの殺害を狙ったという可能性は考えられん。ラピスがこの事件に関わったのは偶然じゃ。

 

「だが、まずは外に出るか」

「ああ、頼む」

 儂はラピスの手を取ると、外に瞬間移動した。驚く金角らしいモヒカン頭の巨漢と、銀角らしい長髪で痩身の男の姿が見える。

 

『お前ら、どうやって瓢箪の中から!? それに爺、テメェはまさか!?』

「すごいっ、やっぱり仙人様だ!」

「ただの超能力も使える天才科学者じゃよ」

 

 金角とチャオにそう答える儂の横を、ラピスが駆け抜けていく。

「こいつらの相手は俺がやるっ!」

 そしてまだ狼狽えていた銀角の腹に拳を叩き込み、衝撃で前のめりになった彼の後頭部に両手を組んでスレッジハンマーを振り下ろして地面に沈める。

 

『こ、こいつっ! チェ――』

「どどん波!」

 チャオが抱いている赤ん坊の名を叫ぼうとした金角に、どどん波を叩き込む。気を溜めていなかったから一撃で倒すには至らなかったが、彼の口から出たのは赤ん坊の名前から呻き声に変わった。

 

「うん、これなら心配いらんな」

 ラピスは普段は冷静だが、実は負けず嫌いじゃからな。他にも意外とノリが良いところもある。

「そちらはどうですかな?」

『ゲロ? こっちはもうミラに逃げられたから撤収したわ。トランクスが来て戦い出したと思ったら、すぐに消えちゃったのよ、あいつ』

 

 肝心の歴史改変者の方はどうなったかと思い時の界王神様に問い合わせたら、なんとミラはラピスが瓢箪に吸い込まれていた間にもう撤退していた。

『たいしたキリも稼げていないでしょうに。あいつ、いったい何がしたかったのかしら?』

「さて、ミラだけでも歴史改変を起こせるか試したのか、他に狙いがあるのか……今回の一件だけでは分かりませんな」

 

 そう話している間に、ラピスが金角の剣を気円斬で斬り飛ばし、得物を失ったショックで動揺した彼をフォトンウェイブで吹き飛ばして勝利した。

 そして、キリによる強化が解けると同時に、金角が持っていた瓢箪は消えてしまった。どうやら、あの瓢箪はミラが他の歴史から持って来た物だったようだ。

 

 ……この歴史にも人食いの瓢箪が存在するのか、後で調べねばならんな。

 

「お、俺はなんて事を……本当に悪かった! この通りだ!」

「すみませんでしたーっ!」

 そして、正気に戻った金角と銀角は自分達がやったことを村人達に土下座して謝罪した。どうやら、彼らは本当に更生していたらしい。

 

 顔に施していた蝙蝠をモチーフにしたメイクを落とし、すっかり普通の人に戻った二人に村人達はほっとしていたが、ラピスは困惑を隠せない。

「お前ら、さっきまでと別人じゃないよな?」

 

「あの格好は、俺達がならず者だった頃にしていたもので……お恥ずかしい限りです」

「あの頃俺達兄弟は無敵だと思ってましたが、GCGの皆さんに捕まって、目が覚めたんです。俺達は、そんな強くないって」

 

 金角と銀角は、確かに村人達が束になっても敵わない程度には強かった。しかし、その戦闘力は6に届くか届かないか程度で、常人の域から出ていなかった。そのため、GCGの隊員にあっさり負けた事で心が折れたらしい。

 そして、迷惑をかけていたにもかかわらず「真面目にやり直すのなら」と受け入れてくれた(被害を肉体労働で弁済させるため、住み込みで働かせたともいうかもしれない)ランファ村の村人達に感謝して、更生した。

 

 だが、真面目に畑を耕して暮らしていた彼らの前に、妙な男が現れ……そこから記憶がないのだそうだ。

「正気に戻ってくれて良かった」

「ちょっとしか見ていないが、あの変な男のせいだったんだろう? 幸い、このラピスさんと社長さんのお陰でチェンシーもチャオも無事だ」

 

「今は会長じゃよ。ふむ……今回の事件を解決したお礼と言う事で、この村にテレビと電話を置かせてもらって構いませんかな?」

 村の寄り合い所的な場所に大型テレビと、非常事態に直ぐ連絡可能な電話を置けば、この前の「地球丸ごと超決戦」事件のような事が起きた時、スムーズに避難を呼びかけられるようになる。

 

「あなた、本当に有名人だったのね。仙人様とその弟子かと思ったわ」

「それも微妙に間違っちゃいないけどな。

 ところで爺さん、肝心のランファの木が日照りで枯れて困っているんだ。雨を降らせないか?」

 

「ラピス、そんな気軽に天候を操作できる訳が……」

「なんだ、天才科学者のあんたでも出来ないのか?」

「出来るに決まっているじゃろう。4号を呼ぶからちょっと待て」

 

 儂は昔、ドクター・ウィローとコーチンの研究を盗んだ男だ。コーチンの優れた気象学の技術を模倣するぐらい訳はない。それに、コーチンが持っていない科学の産物も発明している。

「この辺り一帯に雨を降らせればいいんですね?」

「ああ、無茶を言って悪いな、ヨン」

 

 神力増幅装置を装着した4号は、ラピスに笑い返した。

「大丈夫ですよ、この装置の扱いは性能テストで分かっていますから。……皆、雨具の準備をしてください」

 4号が神力増幅装置を起動し、空に向かって手を向ける。すると、俄かに空が暗くなり、雲に覆われ、雨が降り始めた。

 

「す、すごいっ、やっぱりあなた達って仙人様なの!?」

「いや、科学で神の力を再現しただけじゃよ」

「面白い爺さんだろ?」

 喜びに沸く村人達に呼応するように、立ち枯れていたランファの木々が雨を浴びて次々に蘇り、花をつけて「夢見の並木道」は復活したのだった。

 

 

 

 

 

 

 儂が物理的に酒浸りになった事件以外にも、トワ一味が暗躍した事件が起きていた。

 それは、意中の少女がライバルとデートする事になって傷心気味のジャガーが向かった、ワンタン王国での事だ。

「陳家星極流拳法、陳大拳。参る!」

「チャパ王の代理、ジャガー・バッタ、参る!」

 

 道場で口髭を貯えた壮年の武道家と、ジャガーが試合をしていた。

「はぁっ!」

 陳大拳と名乗った武道家は、果敢に攻めに出た。その動きは早く、常人の域をはるかに超えていた。戦闘力に換算して、500は軽く超えているだろう。前回の天下一武道会に出場した当時のジャガーだったら、確実に負けていただろう。

 

「っ!」

 ジャガーが反撃に放った拳が、陳大拳の体をすり抜けた。今だとばかりに、陳大拳はジャガーの側面から蹴りを放つ。

「ぐわ~っ!」

 しかし、ジャガーは蹴りを受け止めると掴み返し、陳大拳を放り投げた。そして、立ち上がろうとした彼の眼前に拳を突き付ける。

 

「参った。流石、チャパ王殿の代理で来られた方だ」

「いや、あんたも凄ぇ使い手だ。初撃で決めるつもりだったのに。あれが、幻星拳か」

 ジャガーが拳を開いて差し伸べた手を握って、立ち上がる大拳。彼は十年以上前からチャパ王と交流があった。

 

 当時、天下一武道会でアックマンに敗れて優勝を逃したチャパ王は敗北から学んで各地を巡って修行をやり直していた。そしてこのワンタン王国に立ち寄り、当時から優れた武道家だった陳大拳に試合を申し込んだのだ。

 試合はなんと、陳大拳の方が優勢だった。「星の光は目には見えども、既に実体はそこに在らず」と言う理念を具現化した陳家星極流の極意、幻星拳はチャパ王も初見で見破る事は出来なかったのだ。

 

 しかし、彼は当時肺を病んでおり、試合中に発作が起きた事で結果的にチャパ王が勝利した。

 

 だが、勝利したはずのチャパ王は勝ち誇る事も無く「都に優れた病院がある。そこで養生してはどうか?」と大拳に療養を勧めた。医療費は、「稽古をつけてもらった謝礼として出させてもらう」と渋る大拳に押し付けた。

 そして、陳大拳は我がGCコーポレーションの再生医療を受け、健康な肺を取り戻して武道家として完全復活したのだった。

 

「父さんは凄いんだ! あのチャパ王さんにだって、病気じゃなかったら勝ってたんだぞ!」

 そう元気よく主張する十歳ほどの少年は、大拳の一人息子の陳小拳だ。

「今では一撃を入れる事も出来ないがな。それに、ジャガーさんはGCコーポレーションの会長のお弟子さんだ。父さんの恩人でもある、失礼な事を言ってはいけないぞ」

 

「いや、俺なんかまだまだジャックと豆の木……若輩者で、修行が足りねぇ」

「それはお互い様だ。私もまだまだ若輩者で、修行が足りない。武の道に終わりはない。

 明日の御前試合でも、見ごたえのある戦いが出来ればいいのだが」

 

 グルメス公国のように地球国から自治を認められたワンタン王国では、ワンタン王とハルマキ王妃の前で技を競い合う御前試合が行われる。ジャガーは、その御前試合のゲストとして招かれたチャパ王の代わりに観戦するため訪れたのだった。

 

「そりゃあ、相手の実力次第でねぇか? 並みの相手なら、あっさり勝負が決まっちまう」

「それならば心配無用。相手は豹牙流拳法の豹牙天龍、才能に恵まれた若者で、GCGに入隊して腕を磨いて来たと聞いている。ジャガー殿もご存じでは?」

 

「あ、あのおかっぱ頭の! あいつ、この国の生まれだったのか」

 ジャガーが思い出したのは、おかっぱ頭で痩身のGCGの隊員だった。二十代の若者だが、十代の頃からGCGに入隊し、今ではGCG隊長のチューボと若手のエースのナムに次ぐ実力の持ち主とされている。……ナムとの間には大きな差があるが、人を指揮するのに慣れていて、指導者として鶴仙人も頼りにしている。

 

「天龍は元々豹牙流拳法の後継者として今頃は道場を継ぐはずだった。その頃から無敗を誇る優れた技の持ち主だったが……それ故に増長していた。

 だが、当時この国に立ち寄ったチャパ王殿に試合を挑んで敗北し、心を入れ替えたのだ」

 

 人生で初めての敗北が効いたのか、天龍は「私はまだまだ未熟だった」と思い知り、道場を弟の昇龍に任せて修行の旅に出た。そして、旅先で警備員の一団が瞬く間に盗賊を壊滅させるのを目撃した事がきっかけで、その警備員達が勤める会社……GCコーポレーションに入社。

 

 そして、鶴仙人の指導を受けて技を磨いてきたのだ。

「あいつにそんな過去が……人にレンズありだな」

「それ、人に歴史ありの間違いじゃない?」

「ゴホン。明日の御前試合は、その天龍が数年ぶりに出場すると都中の話題となっている。今頃は、彼も明日に備えている事だろう」

 

「なら、明日の試合は見応えばっちりに決まってる。だが……どっちの応援をしたもんか?」

「どっちの応援をしたとしても、勝つのは父さんに決まってる!」

 この日は、父の勝利を信じて疑わない小拳の料理にジャガーは舌鼓を打った。彼は武道家としてはまだまだだが、料理人としてならすぐにでも世に名を響かせられるだろう腕の持ち主だったのだ。

 

 この日は肺を完治させた大拳は前日の稽古で体調を崩すことなく、小拳も父が御前試合に出る事が決まっているため客人に下剤を盛るような事もしない、平和な一日となった。

 そして御前試合当日、豹牙天龍と弟の昇龍は陳大拳にやや遅れて現れた。

 

「しけた会場ね。まあ、天下一武道会と田舎の試合会場を比べるのが間違いなんでしょうけど」

 後ろに青い肌をした銀髪の女、トワを引き連れて。

「ん? あの女は……」

「歴史改変者、悪の宇宙人だ! なんであいつがこんな所に!?」

 

「な、なんと! 悪の宇宙人だと!? 衛兵っ! 民を避難させろ! 誰か、王立国防軍に連絡を!」

 来賓であるジャガーの声を聴いたワンタン王が急いで動き出すが、トワは彼に視線も向けずに言い放った。

「さあ、あなた達の野望を叶えなさい!」

 

『言われなくても。この御前試合に勝利し、陳家星極流拳法の道場を叩き潰す!』

『そして、豹牙流拳法道場こそがこの都唯一の道場となるのだ!』

 トワの呼びかけに応えて、天龍と昇龍の体から禍々しい気が立ち上った。その言葉を聞いたジャガーは、驚愕のあまり叫んだ。

 

「まさか、この国の御前試合が地球のラーメンと刺身する事件だったなんて!」

「いや、別にこの国の御前試合がどうなっても、地球の命運を左右するなんてことはないけどね」

「そ、そうなの?」

 しかし、トワに否定されて思わず気の抜けた声で聞き返したが、それ以上彼女が答える事はなかった。

 

「何はともあれ、御前試合で戦う事に変わりはない。天龍、今正気に戻してやる。小拳、お前は皆と一緒に避難していろ」

 陳大拳が舞台に上がり、天龍と昇龍に向かって構えを取ったからだ。

「試合は一対一だったはずだ、俺も加勢させてもらう!」

 

『好きにしろ! 誰が相手でも、豹牙流拳法が最強であり、この俺に負けはない!』

『何人相手でも捻り潰してやる!』

「待てっ! そいつらは我々の偽者だ!」

 だが、そこにおかっぱ頭の痩身と巨漢の兄弟が姿を現した。

 

「なにっ!? 天龍と昇龍が二人!?」

「あの気は本物の天龍だ! 間違いねぇ! あの禍々しいのはコットン騎士から連れて来られた別の天龍達だ!」

「そうよ。私が異なる歴史から連れて来たのよ」

 思わずジャガーの言葉を訂正するトワ。

 

「細かい事は分からないが……我々から見て本物の天龍達と協力して、あの天龍達を倒せばいいんだな!? 行くぞ!」

「おうっ!」

『お前達の相手はこの俺だ!』

 

 天龍と昇龍の前に、昇龍ダークが立ちはだかる。兄を上回る巨漢の昇龍ダークは、見かけ通り凄まじいパワーで二人を圧倒した。

『俺達に既に一度負けている軟弱なこの歴史の奴が、俺に勝てるわけがない!』

 トワは御前試合に出場するために道場から出発しようとしていた天龍と昇龍の前に、突然現れた。

 

 そして、他の歴史から連れて来た天龍ダークと昇龍ダークを彼らにけしかけたのだ。

「野郎ッ! 不意打ちをしたクセに偉そうに!」

「貴様等のような者を、我が豹牙流拳法の代表だと認める事が出来るものか!」

 

 そしてこの歴史の天龍達は敗北した。しかし、拳法家としてプライドを守るため、傷を負った体で再び立ち上がってここまで来たのである。

『なんだと!? 俺達に負けた分際で文句を言うつもりか!』

 昇龍ダークの剛力は凄まじい。拳が直撃すれば、骨が折れ臓腑が潰れかねない。しかも、力だけではなく豹牙流拳法の技に則って繰り出される拳は、ただの力自慢が振るう暴力とは一線を画している。

 

「当たり前だ! そんな力任せで技の無い攻撃、道場に入門したばかりの小僧でも避けられるぞ!」

 しかし、昇龍は昇龍ダークの拳を紙一重で回避していた。彼も天龍がチャパ王に敗北した時驕りを捨てて心を入れ替え、豹牙流拳法の修行を一からやり直してきたのだ。その上、大拳と同じくブリーフ博士のトレーニングスーツや、コリー博士が開発したバイオサプリメントのモニターも務める契約を交わす事で、それらの提供を受けている。また、時折帰ってくる兄からGCG……つまり鶴亀仙流の修行の手ほどきも受けた。

 

 そして、これまでの御前試合で陳大拳と対戦を重ねて来たこの歴史の彼の動きには、昇龍ダークよりも高度な技があった。

『うるせぇっ! くらえっ!』

 だが、昇龍ダークが放った気弾を避け切れず、「ぐおっ!?」と悲鳴を上げて吹き飛ばされてしまう。

 

「昇龍っ!?」

「お、俺の事はいいっ! あいつを止めてくれ!」

「分かったっ!」

 天龍は立ち上がれずにいる弟の分も奮戦するが、その動きは徐々に精彩を欠いていった。

 

『ふはははっ! もう一度負けるがいい!』

 この歴史の天龍の戦闘力は1千、昇龍は5百。しかし、昇龍ダークの戦闘力は1050。しかも、天龍と昇龍は一度敗北しており、その時の傷と消耗から回復しないまま戦っているのだ。

 

「くっ、体さえ動けば……!」

「天龍、口を開けろ!」

 その時、響いたジャガーの声に反射的に応えて開いた天龍の口の中に、豆が飛び込んできた。ゴクリと飲み込むと、その瞬間体が軽くなって傷の痛みが消えた。

 

「これは仙豆? ジャガー殿、恩に着るぞ!」

『いくら回復しても、また叩きのめしてやればいいだけの事! くらえ!』

 回復した天龍に向かって、昇龍ダークが気弾を放った。

 

「どどん波!」

 だが、天龍は気弾を避けるのではなくどどん波で撃ち落としてそのまま直進。昇龍ダークとの間合いを詰める。

「受けてみろっ、豹牙旋風脚!」

 そして、豹牙流拳法の奥義である豹牙旋風脚を昇龍に叩き込んだ。

 

『がっ!?』

 堪らずよろめく昇龍ダークだが、まだ倒れない。そんな彼に向かって、天龍はさらに拳を繰り出した。

「八手拳モドキ!」

 連続で繰り出される高速拳。まるで腕が八本に増えたかのような動きを昇龍ダークは見切れず、全てまともに受けてしまった。

 

『ば、馬鹿な……豹牙流拳法以外の技に頼るなんて……』

「貴様も武道家なら、敗北から学ぶがいい。我々のようにな」

 そう言い残して倒れる異なる歴史の弟に、天龍はかつての自分自身を重ね合わせて、そう助言した。

 

「ダイナマイトアターック!」

『勢いしか能のない、下らん技だ!』

 一方、ジャガーと陳大拳は天龍ダークと戦っていた。天龍ダークの戦闘力は、2100。とても陳大拳が敵う相手ではない。そのため、主に戦っているのはジャガーだ。

 

『弟は負けたか。だが、この天龍に勝てるとは思わんことだ! 豹牙旋風脚!』

「太陽拳!」

 この歴史の天龍と、同じ技を放つ天龍ダーク。しかし、同時にジャガーは太陽拳で天龍ダークの視覚を奪う事に成功する。

 

『たとえ目が見えなくなっても無駄だ!』

 異なる歴史……原作では気の感知能力を持たなかった天龍ダークだが、トワにキリで強化された事でそれも手に入れている。それによってジャガーと陳大拳の位置を把握していた。

 

『まずは貴様だ、陳大拳! 貴様さえ死ねば、我が豹牙流拳法が都で唯一の道場となれるのだ!』

 そして、まず狙ったのはジャガーではなく、元の歴史で因縁のある相手である陳大拳だった。手から気弾を放ち、直撃を確信する。

 

 しかし、気弾が爆発した音は聞こえて来るものの、陳大拳の気は揺らぎもしない。自分の三割にも満たない気の大拳が無傷で耐えられるはずもないというのに。

『ど、どういうことだ!? 何故だっ、何故当たらん!?』

 天龍ダークは気弾を繰り返し放ったが、結果は同じだった。

 

「陳家星極流拳法奥義、幻星拳。惑わせるのは、目だけではない」

 なんと陳大拳は、幻星拳によって天龍ダークの気の感知能力までも惑わし、彼が放つ気弾を回避していたのだ。

『馬鹿なっ!?』

「同感! だけど、テメェは元の歴史に戻る時間だ! フォトンウェイブ!」

 驚愕のあまり動きが止まった天龍ダークに向かってジャガーが気功波を放った。天龍ダークが悲鳴を上げて吹き飛び、キリを使い切って元の歴史に戻っていく。

 

「さて、タイムパトロールが来る前に退散しましょうか」

 そう言ってトワは身を翻そうとして、避難せずに残っていた観客の一人が自分に向かってカメラを向けている事に気が付き、ニコリと微笑んだ。

 

 観客がシャッターを切ったのを見て、微笑みをさらに深くする。

「目的は達成したわ。さ、職場に戻りましょうか」

 そして、トワはワンタン王国から姿を消したのだった。




〇戦闘力推移

・ラピス:1489 →2860
・ジャガー:2150 →4330 原作ナッパより強くなった。しかし、サタンとは恋愛だけではなく実力でも差が開いてしまっている。



〇チャオ

 アニメオリジナルキャラクター。占い婆編の後のエピソードで登場。ドラゴンボールで桃白白に殺されたボラを生き返した後、仲間達と別れて一人で旅に出た悟空に、トラの獣人型地球人の山賊に食べられそうになっているところを悟空に助けられ、村に案内した。
 十代前半ぐらいの、おさげ髪を両肩に垂らした中華風の可愛らしい少女。また、ジングル村のスノの父親と村長にそっくりな父と祖父がいる。

 尚、ドラゴンボール超で天津飯が開いた道場のある町の人々の中には、チャオに似たキャラクターが描かれていた。

 この作品ではGCGによって村の治安が回復していたので、トラの山賊ではなくトラに襲われているところをラピスが助ける事になった。
 また、村の名前がランファ村なのは、ランファの花からとったからです。



〇金角&銀角

 アニメオリジナルキャラクター。コウモリをモチーフにしたメイクをして、バイクに乗った山賊兄弟で、金角は剣を、銀角は銃を武器にしている。また、何処から手に入れたのか名前を呼んだ相手が返事をしないと、吸い込んで酒にしてしまう「人食い瓢箪」を持っている。

 戦闘力はチャオによると「村人が束になっても敵わない」と評していたが、悟空にはあっさり負けていたので、強さは常人の枠を超えていないと思われる。多分、戦闘力は5.5から、6ぐらい?
 しかし、性格は冷酷でチェンシーと言う生後二週間の赤ん坊まで人食い瓢箪の標的にしたほど。

 また「人食い瓢箪」は強力で、名前を呼んだ相手が返事をしなかった場合、どんなに逃げても煙が追いかけて来る。また、吸い込まれた悟空が内部でかめはめ波を撃ってもビクともしなかった。
 しかし、原作悟空は如意棒を伸ばしてひょうたんの蓋につっかえさせ、銀角が蓋を開けた隙に脱出を成功。金角と銀角を退治してしまう。

 その後、退治された二人はメイクを落として普通の村人の恰好をされ、人食い瓢箪を奪われて村人に強制労働させられていた。

 この作品では原作よりも早い時期にGCGの隊員達に退治され更生していたが、ミラによって操られて山賊時代の性格に戻っていた。
 また、原作では彼らが悟空に退治された後で自然に雨が降ったが、この作品では神力増幅装置を装着した4号が雨を降らしている。


〇陳大拳&陳小拳

 アニメオリジナルキャラクター。金角と銀角を退治した悟空が訪れた、ワンタン王とハルマキ王妃が収める都に陳家星極流拳法の道場を開いている。都で一番の使い手と、その息子。

 大拳は長く胸を患っており長く戦えないが、拳さばきは悟空でも見切れず、逆に悟空の残像拳を見て亀仙流の使い手である事を察していたようだった。
 そして悟空に奥義である幻星拳を見せ、その極意を語った。

 御前試合のために養生していたが、前日に行われた悟空との手合わせによって体調を崩したため、試合には悟空本人の希望もあって彼に代理を頼むことになる。

 世界一の殺し屋である桃白白を倒した悟空でも見切れなかった拳さばきの持ち主なので、その戦闘力は最低でも120(原作鶴仙人)を超えていると思われる。ただ、気功波は放っていなかったので気の制御や感知能力は無かったものと思われるため、実際に戦ったら鶴仙人や桃白白に負けてしまう可能性が高い。

 小拳は大拳の一人息子の少年。既に修行を始めているはずだが、原作では超人的な強さは描写されなかったので、恐らくまだそれほど強くない。しかし、料理の腕はかなりのもので彼が作った味噌汁を飲んだ悟空を唸らせた。

 しかし、父親に御前試合に出場してもらうためにみそ汁に下剤を盛ってしまう。
 また、ドラゴンボール超で天津飯が道場を開いた街の人々の中に、大拳と小拳そっくりのキャラクターが描かれていた。

 この作品では大拳はずっと以前に都を訪れたチャパ王の勧めでGCコーポレーションが運営する病院を受診し、病んでいた胸を完治させて健康体となっている。
 その後、武闘家としてトレーニングスーツやバイオサプリメントのモニターなどをした影響で戦闘力が上がり、500程になっている。

 また、作品内には登場していないが、奥さんも存命。また、道場には何人かの門下生がいる。



〇豹牙天龍&昇龍

 若く痩身でおかっぱ頭の天龍と、同じくおかっぱ頭で巨漢の昇龍兄弟。ワンタン王が治める都に豹牙流拳法道場を開いており、多数の弟子を抱えている。
 天龍は大拳が「天才」と評すほどの才能の持ち主で、悟空もその動きを「早い」と評した。ただ、無敗だったためか傲慢で、豹牙流拳法道場を都で唯一の道場にするため、御前試合で大拳を負かそうとしていた。

 弟の昇龍も悟空に軽々と攻撃を回避されてしまったが、それなりに強いと思われる。また、悟空に攻撃を回避された事を根に持っていて、復讐しようとしていた。

 御前試合では、悟空が小拳に盛られた下剤に苦しんでいたとはいえ善戦し、多重残像拳を豹牙旋風脚で打ち破った。しかし、再び豹牙旋風脚を放った時、悟空が一日で会得した幻星拳を放った事で倒されてしまった。
 その後、初めて敗北を経験した事で心を入れ替え、なんと兄弟と豹牙流拳法道場の門下生もそろって、陳家星極流拳法に弟子入りした。

 原作天龍の戦闘力は、多分100ぐらいあると思われる。

 この作品では、原作の時期のずっと前に修行の旅をしていたチャパ王に敗北した事で、兄弟そろって心を入れ替え、兄の天龍はGCGに入団して鶴亀仙流の技も習得し、戦闘力は1000に到達している。
 弟の昇龍はGCGに入団はしていないが、修行をやり直し、大拳と同じくトレーニングスーツやバイオサプリメントのモニターとなっており、戦闘力を500まで上げている。



 成己様、ぱっせる様、大自在天様、h995様、PY様、ダイ⑨様、佐藤東沙様、ヴァイト様、SLB様、kubiwatuki様、ノリの人様、tahu様、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。
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