ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする 作:デンスケ(土気色堂)
トワ本人と、彼女が異なる歴史から連れて来た天龍ダークと昇龍ダークが消えた後、天龍はその場でワンタン王に向かって頭を下げた。
「この度、我々の偽者をここに来るまでの間に倒せなかったのは私の責任。御前試合を騒がせた事をどうかお許しください」
「いや、頭を上げよ、天龍。誰もお前達の責任を問おうとは思っておらん。噂では、あの女は摩訶不思議な力を以て人を惑わし、力を与えて操ると聞く。奴がその気になれば、お前達ではなく他の武道家の偽者を仕立てる事も自在だっただろう。
むしろ、傷を負った身でよくぞ駆けつけてくれた。陳大拳、そしてジャガー・バッタ殿と同じく、お前達に礼を言う。よくやってくれた」
だが、ワンタン王だけではなく御前試合の会場にいた人々にも「この事件は天龍と昇龍の責任だ」と考えている人間は一人もいなかった。
「ありがたきお言葉。我ら豹牙流、二度とこのような事が起こらぬよう精進を重ねる事を誓います」
そして、道場を預かる昇龍が誓いの言葉を述べ、お咎めなし。今年の御前試合の勝者は、豹牙流と陳家星極流両方と言う事になったのだった。
「ジャガー殿はこれから西の都に帰るのか?」
「いや、しばらく残って大拳に星極流拳法を師事したいと思う。都には、まだ戻り難いからな……」
今頃サタンがミゲルと付き合っていると思うと、都には帰りたくない。恋敵としてはすぐに戻って邪魔をするなり、自分もミゲルにアプローチするべきだとは思うが……西の都から離れて頭が冷えたジャガーは思った。もしかして、俺とミゲルちゃんは脈が無いのではないかと。
(今までミゲルちゃんとプライベートで会った時は、だいたい親父が関係していたような気が……そもそも本当にプライベートで会った事があったか?)
ミゲルの誕生日パーティーや美少女コンテストの祝賀会、彼女がカメハウスに遊びに来た時もジャガーはいた。しかし、誕生日パーティーはジャガー以外にも大勢の友達が招かれていたし、美少女コンテストの祝賀会は父であるバッタ男爵の付き添いとして付いて行った。カメハウスにミゲルが遊びに来た時は、サタンと取引して呼んでもらった。
(もしかして、ミゲルちゃんはサタンの方が好きなんじゃ? って、言うか俺の事を意識していないんじゃ……ダメだ、これ以上考えるな!)
ドツボに嵌りそうになったジャガーは、慌てて思考を振り払った。
「そう言う天龍はどうすんだ?」
「私はこのまま都に残り、豹牙流拳法道場の敷地内にGCGのワンタン王国支部を組織する予定になっている」
一瞬GCGを辞めて故郷に帰るのかと思ったジャガーだったが、そうではなくむしろ事業拡大のためだった。
「その間は俺と希望者がGCGに入隊して訓練を受けながら働く予定だ。これからよろしく頼むぜ」
そして天龍の代わりに、昇龍が西の都で訓練を受けながらGCGの隊員として働くようだ。豹牙流拳法は門下生の就職先も確保でき、ますます発展する事だろう。
「父さん、家も何とかした方がいいんじゃない?」
「むむ……しかし、どうもそうした事は苦手でな。まあ、その内に考えよう」
一方、陳家星極流は時勢に乗り遅れそうだ。もっとも、大拳の腕なら弟子希望者が尽きる事は無いだろう。
その頃、パンプットはテレビ番組のロケでGCGの仕事を体験していた。元々訓練は受けていたし、戦闘力が3千を超えている彼にとって地球上で危険な仕事はそうそうない。
番組内容は辺境を旅する商人とその警護を行うパンプットに密着したもので、ロケは問題なく終わった。
問題が起きたのは、終わった後だ。
「旅の方! かなりの腕前とお見受けしました! どうか、どうか我がクレス王国をお救いください!」
パンプットが襲い掛かって来た恐竜を倒したのを目撃した旅装姿の男が、彼に向かってそう頼み込んできたのだ。
「落ち着いてください。国を救ってほしいとは穏やかではありませんね。いったい何が起きたのですか?」
ロケを終えてカメラを止めようとしたその瞬間に駆け込んできた旅装姿の男の、あまりのタイミングの良さにパンプットはこれを番組の仕込みだと誤解してしまう。
(見せ場が恐竜を撃退した事ぐらいしかなかったからって、こんな分かりやすい仕込みなんてしなくても。仕方ない、ここは番組スタッフの顔を立てておくか)
そんな事を考えながら、旅装姿の男が話す事情を聞くパンプット。
「実は、我がクレス王国は魔族の被害に悩まされており、つい先日、我が国の姫君までもが連れ去られてしまったのです! どうか、どうかミーサ姫をお救いください!」
「分かりました。このパンプット、必ず姫様を助け出してみせましょう!」
「ありがとうございます。これは国王様から預かって来た報酬の前金です。どうかお受け取りください」
旅装姿の男が重そうな革袋を差し出そうとするのを、パンプットはやんわりと止めた。
「報酬を受け取る訳には参りません。悪を倒し、人々を救うのは僕の使命ですから」
そしてカメラを意識して格好つける。
「おお……あなたこそ、真の勇者だ! 勇者殿、我がクレス王国へご案内します!」
旅装姿の男も、撮影を続けているスタッフ達も大変盛り上がった。
しかし、その後事態が進むにつれてパンプットは思った。
(あれ? もしかして、テレビ局の仕込みじゃなくて、本当にお姫様が攫われたのか……? いや、でも今の時代にどんな辺境にだって電話ぐらいあるはず)
旅装姿の男は、ロケが行われた辺境の町よりもさらに辺境の町へパンプット達を案内した。そして到着したクレス王国は、都会育ちのパンプットから見ると過去にタイムスリップしたかのような場所だった。
「勇者パンプット殿、どうか姫を助けてくれ。魔界の門をくぐり、魔界からミーサ姫を助け出してくれるのは、君しかいない!」
そうクレス王に頼まれた時に、「あ、これはマジだ」と理解した。
「この先の撮影は危険そうなので、ドローンに任せますね。ご武運を」
スタッフが普通に撮影を続けていたので、もしかしたら……と言う疑いを持ち続けていたパンプットだったが、そのスタッフがそう言ってきた時は、(もっと早く言ってほしかった。これは本当だと)そう思った。
「でも、それなら本気でミーサ姫を助けるだけだ。僕は、アクションスターだからね」
しかし、パンプットは狼狽えない。何故なら、彼は桃白白のようなアクションスターに、そしてヒーローになる事を目指して芸能活動を始め、武道家としての修行を続けてきたのだ。
悟空達も魔族の居城に乗り込んで地球を救ったのだ。自分だってやってみせる。そんな覇気に満ちていた。
そして臆することなく魔界の門をくぐった。
「流石にスカウターの通信も魔界までは通じないか。それにしても暗い。ミーサ姫を攫った魔族はどこに居るのか……君達に聞けばわかるかな?」
「ほう、俺達に気が付くとは人間にしては中々やるな」
「攫われたお姫様を助けに来るとは、見上げた根性じゃないか」
パンプットの前に現れたのは、見上げるような巨漢の魔族と、赤い髪の女魔族の二人組だった。
「だけど、この魔界の門を通れるのは閻魔大王が発行した通行証を持つ死神だけだ! 死にたくなければ大人しく帰りな!」
「通行証? たしかに僕は持っていないが……ミーサ姫を攫った魔族は、その通行証を持っているのかい?」
パンプットを脅して追い返そうとした女魔族メラだったが、彼が真顔で聞き返したため逆に口ごもる事になった。
「それは……確かに奴等も通行証は持っていないが……」
「メラ様っ! 構う事はねぇっ、こんな人間、叩きのめして門の外に放り出してやりやしょう!」
彼女の代わりにいきりたった巨漢の魔族、ゴラがパンプットに拳を構える。
「それは止めておいた方がいい、君に怪我をさせたくない」
「な、舐めやがって! このキザ野郎が!」
余裕の態度を崩さないパンプットに、ゴラは拳を振り下ろした。彼はかなりの力の持ち主で、キリで強化されておらず、魔凶星が近づいていない状態で、と言う前提なら地球の魔族の中でもトップクラスの実力者だ。
戦闘力に換算すれば、百は軽く超えるだろう。
「悪いが、君を舐めている訳じゃないんだ」
しかし、パンプットはゴラの拳を掌で軽く受け止めた。そして、とんっと押し返す。
「うおおおおおっ!?」
それだけでゴラは後ろに吹っ飛び、背中から岩に叩きつけられてしまう。戦闘力3490のパンプットが全力で手加減して、この結果である。
「イ、 イテテ……」
「なんて奴だ。力なら魔界ナンバーワンと謳われたゴラを、まるで子供扱いじゃないか」
「そう言う訳だ。君達には悪いが、これ以上抵抗せず、僕が通るのを黙認してほしい」
気を読めるパンプットにとって、いかに魔族と言えど実力が離れた二人とこれ以上戦うと弱い者いじめにしかならない。そのため、出来るだけ避けたかった。
しかし、メラは真剣なまなざしをパンプットに向けて話し始めた。
「お前ほどの力があればシュラを正気に戻せるかもしれない。お前が探しているお姫様を攫ったのも、シュラの差し金なんだ」
「正気に戻すとは、いったい魔界で何が起きているんだ?」
そう尋ねるパンプットに、メラは事情を語った。
「数日前、この辺りで見慣れない魔族がやって来てシュラの配下に加わった。それは別に珍しい事じゃないが……仮面を被ったその妙な魔族が来てから、シュラは明らかにおかしくなった」
「まさか、魔族がクレス王国に悪さをするのも、裏にその仮面の魔族がいるから!?」
「いや、それは……シュラが正気だった頃からだ」
「そ、そうか」
シュラは正気だった頃から、その力と権勢を以て魔界の門の門番であるメラとゴラに無理を通し、配下の通行を黙認させていた。しかし、その過激さはだいぶ抑えられていた。
「人間を殺すような事は命じてなかったはずだよ。そっちでも、人が殺されたとか、食われたとかにはなっていなかっただろう?」
「……そう言えば、確かにミーサ姫を攫った事以外で、具体的な被害は聞いていないな」
「だが、仮面の魔族が来てからシュラは変わった。クレス王国の姫を攫って、宴の席で生贄に捧げ、その血と肉を食ってさらなる力を得るのだ、なんて馬鹿な事を言いだしてね」
「姫を生贄!?」
「ああ、正気とは思えないだろ? シュラも他の連中も今まで人間を食った事なんてないし、食ったところで力が得られる訳なんてないってのに」
「そもそも、生贄に捧げるって何に? って話だぜ。酒の飲み過ぎで変な神様でも見えてるのか?」
シュラ達は特に邪神や魔神といった対象を信仰している訳でもなく、魔神城の魔族達のように人間を食べる食習慣や生態もしていない。
それなのに突然、生贄に捧げるためにミーサ姫を攫ってこい、等と命じるシュラに戸惑う部下達は多かった。しかし、シュラに逆らう事は出来ず従うしかなかった。
「ミーサ姫が何時生贄に捧げられるのかは、分からない。姫を攫ってから毎日宴が開かれているけど」
「分かりました。姫を助ける事が最優先ですが、やってみましょう」
「ああ、頼んだよ。シュラと、そして黒幕だろう仮面の魔族を叩きのめしてくれ。お前ならできる」
「ところで、このフワフワ浮いているのは何なんだ?」
パンプットからやや離れた場所にドローンが浮かんでいるのに気が付いたゴラが尋ねて来たので、パンプットは「あれはカメラだよ」と答えた。
「カメラ? 何かの道具か。生き物じゃないようだな」
「なんにせよ、壊されたくないなら置いて行った方がいいだろうね」
「心配いらないさ。あれは僕より頑丈に作られているからね。それで、シュラの宴にはどうやって行けばいいんだ?」
魔王シュラの宴は、無数の魔族が集まって酒を飲んでいた。
「おい、勇者はまだ現れんのか?」
『ええ、まだです』
しかし、その雰囲気は宴というには沈んでいた。苛立ちを抑えながら盃を呷るシュラ、そのすぐ背後に控える仮面を被った魔族、その二人の様子を怯えた様子で伺っている魔族達。
誰一人として楽しんでいる様子がない。
こんな宴がミーサ姫を攫ってから毎日続いているのだから、集まっている魔族は内心ではうんざりしていた。しかし、シュラに意見する程命知らずにはなれない。
『……シュラ様、どうやら勇者が魔界に侵入したようです』
その時、魔族達が待っていた事態の変化が訪れた。
「おおっ、やっとか! よし、姫を連れてこい!」
シュラが盃を置いて声を張り上げ、魔族達もやけっぱちになった様子で声を張り上げる。
魔凶星由来ではない魔族達にとって、姫を生贄にささげた後食べるなんて言われて喜べるはずがない。そのため、内心では姫を取り返しに来る勇者を応援していた。
(まあ、無理だろうけどな。人間がシュラ様に勝てるはずがねぇ)
とはいえ、本気で勇者とやらがシュラに勝てるとは思っていなかったが。
「生贄なんてイヤ~っ! 誰か、誰か助けてぇ~!」
悲鳴を上げるミーサ姫を牢ごと神輿のように担いだ魔族達がやって来て、広場の中央で降ろす。
『さあ、勇者よ! 早く出て来なければ姫を生贄に捧げて血を搾り取り、食ってしまうぞ! いや――』
仮面の魔族が声を張り上げる。そして、不意に広場の一角を指さした。
『そこにいるな、勇者孫悟空よ!』
仮面の魔族、ルシフェルは期待と喜びに声が震えるのを抑えられなかった。
トワから今回の作戦を聞いた時、ルシフェルはこの事件を担当する事を熱望した。何故なら、孫悟空が魔界と言う他から邪魔が入り難い場所に、しかも単独で来るからだ。
復讐を遂げる絶好の機会。ミーサ姫を生贄に捧げるというのも、悟空を逃がさずここまで誘き出すためだ。
「確かにここにいるが、すまない。僕は悟空君ではなくて、パンプットと言う者だ」
しかし、現れたのはパンプットだった。悟空とは似ても似つかない褐色の肌にすらりとした体形、そしてアフロヘアの少年の姿を見て、ルシフェルは硬直した。
ミーサ姫を助けに孫悟空が魔界に侵入するという歴史の改変に成功した瞬間である。歴史改変者としては喜ぶべきだが、ルシフェルの復讐は完全に失敗した。
しかも、パンプットはこの歴史の『魔神城の眠り姫』事件に関わっていない。来たのがヤムチャやクリリン達だったら、復讐の対象の範囲内だったのでまだモチベーションを維持できたのだが。
「なんだかよくわからないけど……今だっ!」
ルシフェルが硬直したまま動かなくなった事に魔族達が戸惑っている間に、パンプットはミーサ姫が囚われた牢に駆け寄ると一瞬で鉄格子を曲げ、彼女を救出する。
「ミーサ姫、此方へ」
「勇者様っ!」
感激した様子でパンプットに抱き着くミーサ姫。後はこのまま空でも飛んでクレス王国まで逃げれば、彼女の救出は成功だ。
「ええいっ、邪魔だ、退け! 勇者よ、姫を取り返したければこの俺と戦ってもらうぞ!」
固まったまま動かないルシフェルを雑に脇に退かして、シュラが前に出た。彼は既に禍々しく、そして強い気を放っている。背中を向けるのは危険だと判断したパンプットは、メラに全力を尽くすと約束した事もあって立ち向かう事を決断した。
「分かった。だが、戦いの間ミーサ姫の安全は保障してもらうぞ」
「いいだろう、このシュラの名に懸けて貴様が俺に殺されるまで、ミーサ姫には指一本手出しはしないと誓ってやろう。おい、戦いの間ミーサ姫の面倒を見てやれ!」
「なら、その役目はあたし達に任せてもらおうか!」
集まっていた魔族達の中から、メラとゴラが姿を現して他の魔族とミーサ姫の間に立つ。
「魔界の門の番をしているはずのお前達が何故ここにいる? そうか、こいつを通したのはお前らか」
「何か問題があるのかい、シュラ様?」
質問に対して挑発的な態度で答えるメラに、シュラは気を悪くするどころか笑みを深くした。
「問題? そんなものはない。礼を言ってもいいぐらいだ。やっと勇者と戦えるのだからな!」
戦意を滾らせ、禍々しい気をより強く放つシュラにパンプットは内心冷や汗をかいた。スカウターで測らなくても、自分より格上の相手である事は分かる。
「勇者様、ご武運を」
「姫、必ず勝ちます」
だが、ヒーローを目指すパンプットは助けを求める女の子を不安にさせるような事はしない。
「もしもの時は、姫だけでも連れて逃げてくれ」
「……分かった」
そうメラと小声で言葉を交わしてから、シュラの前に立ち一礼した後構えを取った。
「これから殺し合いをする相手にも礼をするとは、流石勇者だな、だが……」
禍々しい気、キリを隠すことなく発しながら、シュラダークとなったシュラがパンプットに正面から殴りかかった。
『手加減はしない! 簡単に死んでくれるなよ、勇者パンプット!』
「くっ、なんて速さ、そして力だ! 一瞬でも気を抜いたらやられてしまいそうだ!」
得意のキックボクシングスタイルで立ち向かうパンプットだったが、シュラダークの攻撃は速く、容赦がなかった。
シュラは元々純粋な力ではゴラに劣るものの、総合的な強さではゴラを遥かに上回っていた。しかも地球周辺の魔界では武術の達人としても知られている。
その上、歴史改変者となったルシフェルの手で強化されている。その力は、戦闘力に換算して5千。約3千5百のパンプットを大きく上回っている。
しかし、これでもパンプットは幸運な方だった。何故なら、ルシフェルはシュラを強化する際意図的に手を抜いていたからだ。本来ならシュラダークと戦うはずだったこの歴史の悟空の戦闘力は、5万以上なのだから。
孫悟空の十分の一程度の強化しかせず、シュラダークをさっさと敗北させる。そして、その後自らの手で悟空を始末する。それがルシフェルの思い描いていた復讐だったのだ。
おかげで、シュラダークはパンプットでも戦える程度の強さだった。
「ぐっ、がっ、うぐっ!」
だが、それで勝てるとは限らない。防護の上から打ち込まれるシュラの拳に腕をこじ開けられ、膝を腹に撃ち込まれ、衝撃に一瞬気が遠くなり膝から力が抜ける。
「勇者様ーっ!」
『よく頑張ったが、これで止めだ!』
ミーサ姫の悲鳴が響き、シュラが膝をついたパンプットの後頭部に向かって両手を組んでスレッジハンマーを叩き込もうとした。
その刹那、パンプットがスッと立ち上がった。
『がっ!?』
そして、シュラダークのがら空きになった腹に、強力なエルボーを叩き込んだ。勝利を確信した隙を突かれたシュラダークは、堪らず後ろに吹っ飛ぶ。
「あ、危なかった。念のためにと仙豆を持たせてくれた会長には感謝しないと」
パンプットは膝をついた時、隠し持っていた仙豆で回復していたのだ。ダメージと消耗から完全に立ち直った彼と、逆に倒れたシュラの姿に魔族達がどよめき、ミーサ姫が歓声をあげる。
『がはっ! ……ククク、やるな。俺の背中に埃をつけた奴は久しぶりだ、流石は勇者だと言っておこうか』
しかし、シュラダークはすぐに立ち上がった。ダメージは受けているようだが、恐るべきタフネスだ。
「今のは、得意技だったんだけどな」
『そうか、なら今度は俺の技を見せてやろう』
シュラダークはそう言うや否や、右腕をパンプットに向けて気を集中し始める。それを見て危機感を覚えたパンプットも人差し指に気を集中させる。
『くらえっ!』
「どどん波!」
シュラダークの右腕からリング状に連なった衝撃波が放たれ、パンプットが撃ったどどん波とぶつかり合う。
「くっ!」
そして押し負けたのは、パンプットのどどん波だった。咄嗟に後ろに下がって回避する事は出来たが、直撃していたら仙豆で回復する間もなく意識を失っていただろう。
『ぐうっ! 小癪な真似を!』
しかし、なんとシュラダークが左手で目を押さえて苦しんでいた。何と、彼はパンプットのどどん波が放った光で目をやられていたのだ。
魔凶星由来の魔族ではないシュラだが、光に対する弱さだけは同じだった。実際、正史ではそれで悟空に敗北している。
だが、キリで強化されているためか、シュラダークは僅かだが光に対する耐性を獲得していた。どどん波の輝きを見ても、しばらく視覚が利かなくなるだけでもがき苦しみ動きが取れなくなるほどではない。
『だが、目が見えずとも貴様の位置は分かるぞ! そこだ!』
そして、キリで強化されているシュラダークには気を感知する技術が備わっていた。その感覚によってパンプットの位置を察知したシュラダークは、再び右腕からリング状の衝撃波を放つ。
「くっ、目を瞑られた後じゃ太陽拳を使っても効き目は期待できないな。だが、このままじゃ……」
衝撃波を何とか回避し続けるパンプットだが、シュラダークの狙いが徐々に正確になってきている事に気がつき、内心冷や汗をかいていた。
これ以上目を瞑っての戦闘にシュラダークが慣れる前に勝負を決めなければ拙い。
その時、パンプットの脳裏にあるアイディアが閃いた。武道家としては褒められた方法ではないが、向こうもキリで本来の実力を大きく超えた力を手にしているのだから、これぐらいはきっと許してくれるだろう。
「はっ!」
素早く移動したパンプットは、戦いを見守っていた『それ』を掴んで盾にする。
「魔王シュラ! 勝負だ!」
そして啖呵を切ると、宣言通りに気を高め集中させていく。
『いいだろう! 華々しく散るがいい、勇者パンプット!』
シュラは目を閉じたまま、パンプットに向かって衝撃波を放った。だが、衝撃波はパンプットに当たる前に彼が盾にしている『それ』にぶつかり、砕け散ってしまう。
『なにっ!?』
「今だ、スーパーどどん波!」
自身の技が不発に終わった事に動揺を露わにしたシュラダークに向かって、パンプットはスーパーどどん波を放つ。技を放った直後の虚脱と、動揺による隙を突かれたシュラダークにスーパーどどん波は吸い込まれるように命中した。
「ぐわああああ!?」
爆発音とシュラの悲鳴が響き、煙が晴れた時には彼は倒れ伏していた。禍々しい気はもう感じ取れない。
「良かった。カメラも無事だ」
パンプットが盾にした『それ』とは、撮影用のドローンだった。カメラマンが撮影できない危険な場所での撮影を行う為に、このドローンはウィロー合金で作られている。戦闘力1万以上でなければ壊す事は出来ない。
視覚が利かなかったシュラダークは、機械であるため気のないドローンの存在に気が付かなかったのだ。
「あいつ、本当にシュラに勝っちまった」
「勇者様!」
メラとゴラの元から駆け出したミーサ姫が感極まった様子でパンプットに抱き着く。
「うっ……くっ。何があった? 俺はどうしてこんなところで寝ているんだ?」
その時、よろめきながらシュラが立ち上がった。ミーサ姫は思わず身を固くしたが、パンプットは彼女を庇いつつもシュラに対して強い警戒はしていなかった。キリの強化が解け、シュラの気が彼の十分の一以下の大きさに戻っていたからだ。
「シュラ様っ!?」
「正気に戻ったのか?」
「正気だと? おい、誰か、何があったか俺に説明しろ!」
「僕で良ければ説明しよう」
そしてパンプットは正気に戻ったシュラに何があったのかを説明した。それを聞いた彼は、自分が敗北した事を含めて俄かには信じられない様子だったが、ルシフェルがいつの間にか姿を消していた事もあって納得した。
「奴め……魔神城を失い行く場所がないから配下に加えてくれと言って来たから受け入れたら裏切るとは。幾つか借りが出来たな、人間。いや、勇者パンプット」
「あ、あの、もう私を生贄に捧げようとしたり、クレス王国で悪さをしたりはしませんよね?」
「生贄の方はともかく、悪さの方は俺が正気だった頃からさせていた事だが……借りが出来たし、約束もしたそうだからな。記憶が無いのがあれだが」
ため息を吐いた後、シュラはパンプットに向き直って言った。
「パンプット、改めて約束だ。お前が生きている間はミーサ姫の安全は保障しよう。一国の姫君の安全を保障するのだから、クレス王国で手下に悪さをさせるのは止めだ」
「それは責任重大だな。でも、僕にもしもの事が起きた時は僕より強い人が君達を止めてくれると思う」
「ほう、それは楽しみだな」
そう答えたシュラだったが、後に本当にパンプットより強い人間が地球には何人もいると知り、「宴を開いている場合じゃない」としばらく真面目に修行に励む事になるのだった。
そしてパンプットはミーサ姫を連れて悠々とクレス王国に戻り、開かれた祝宴でも地球人の彼は悟空のように大食いではなかったのでミーサ姫に呆れられる事もなかったのだった。
辺境に位置する村の中には、他の村にない名物を持つ村がある。メンタンピン村もその一つで、3千年前から伝わる優れた火傷薬が特産品となっている。
その効果は仙豆には及ばないが高く、GCコーポレーションにも卸しており、その影響もあって村はここ十年でかなり近代化していた。
そのメンタンピン村から、最近怪物が現れて畑を荒らして困っていると連絡を受けた鶴仙人は、これも修行だとチャオズとユーリンに初めてのお使い感覚で怪物退治を命じた。
『ブオオオオオオオ!』
その怪物……頭に鹿の角、そして背中に蝶の羽を生やした巨大猪、イノシカチョウが禍々しい気を放ちながら恐ろしい咆哮を上げて猛り狂っていた。
『ブオオオッ!』
そして、畑を荒らすどころか村を全て更地にしてしまいそうな勢いで、自分に立ちはだかる者をなぎ倒そうと走り出す。
「チャオズ君っ、危ないっ!」
黒髪をポニーテールにして赤い中華風の服を着た十代前半の少女、タンメンは自分よりずっと小柄な少年の身を案じて叫んだ。
「タンメンこそ下がってて! ボクは大丈夫!」
しかし、チャオズはイノシカチョウに臆することなく構えを取った。タンメンの目には、その背がとても大きく見えた。
「あれ? 本当に大きい?」
『ヤーッ!』
『ブオオオオ!』
ヤードラット星で修行したチャオズは、ブルドーザーより巨大化するとイノシカチョウと正面からぶつかり合って受け止めた。
『ブオ!?』
イノシカチョウの戦闘力は、キリによって強化され5千にまで高まっている。それに対してチャオズの戦闘力は、3500。しかし、巨大化する事でスピードを失う代わりに力を倍増させ、力勝負でイノシカチョウを上回る事に成功したのだ。
『たあっ! 連射どどん波!』
チャオズはイノシカチョウを強引に放り投げ、空中で動きが取れない彼に向かってどどん波を連射する。
『グオォォォ……!』
弱い腹を気功波で撃たれたイノシカチョウは、地面に墜落するとそのまま意識を失ってしまった。
「やーっ!」
そのイノシカチョウに五歳ぐらいの少女、ユーリンが駆け寄ってその頭に札を張り付ける。
「これでもうこいつは動けないよ!」
『ユーリン、偉い!』
鶴仙人に引き取られて育てられた少女、ユーリンは早くも妖術を扱い始めていた。
「キリで強化したから、空も飛べるようになっていたはずだけど……所詮は獣。扱い切れなかったようね」
戦いを眺めているトワは、イノシカチョウの敗北について特に惜しむ様子もなく感想を述べた。
「だけど、残りの二人はどうかしら?」
「さあ、頼みの綱の怪物は倒れたわ! あんた達も降参しなさい!」
トワの言う残りの二人に向かってタンメンが降伏を呼びかけたが、返ってきたのは嘲笑だった。
『頼みの綱だと? 笑わせてくれる!』
『そんな獣、最初から期待してない!』
なんと、それは禍々しい気を放っている天津飯ダークとチャオズダークだった。トワが異なる歴史から連れて来た、悪事をしている頃の二人である。
『ここからが本番だ。この歴史の軟弱な鶴仙流は、俺達が叩きのめしてやる!』
『この歴史のボク! 大きくなれるからって調子に乗るなよ!』
そしてチャオズに向かって構えを取る天津飯ダークとチャオズダーク。二人と睨み合いながらも、彼らの気の大きさを読んだチャオズは、戦ったら勝てないと分かっていた。
だから、空から何かが高速で近づいて来る音がした時はほっと安堵した。
『なんだ!? はっ!』
空から迫ってくる何かに向かって気弾を放つ天津飯ダーク。彼の気弾は、狙い違わず彼らに向かって落下しつつあった丸太を爆砕した。
「世界一のヒーロー、桃白白見参」
「チャオズ、ユーリン、無事じゃな? 後は儂等に任せておけ」
だが、丸太に乗っていた桃白白と鶴仙人がチャオズの前に降り立って構えを取ると、憎々し気に顔を歪めた。
『この歴史の桃白白様に鶴仙人様か。いいだろう、貴様等を殺して俺が世界一の殺し屋になってやる!』
「世界一の殺し屋か。チャオズからテレパシーで呼びかけられた時は驚いたが、確かにこの歴史の天津飯とチャオズではないな」
「なるほど。そちらの歴史ではどうやら、儂は殺しを辞めず、桃白白はヒーローではなく殺し屋になったようだな。しかし……天津飯、貴様はやはり殺し屋に向いておらん」
『なんだと!? 何を根拠に!?』
『そうだ、そうだ! 天は世界一の殺し屋になるんだ!』
「これから殺す相手を、様付で呼ぶ奴があるか。そういう素直な性格では、殺し屋稼業は長く続けられんぞ」
鶴仙人に指摘された天津飯とチャオズは、小さく呻いて口ごもった。
「ふっ、その様子なら元の歴史に戻っても更生できるだろう。私も安心して貴様を叩きのめせるというものだ。さあ、稽古をつけてやるからかかってこい!」
「他の歴史の儂がどれほどお前達を鍛えたか、試してやろう。遠慮する事はない、全力で迎え撃つがいい!」
天津飯ダークとチャオズダークは、それぞれトワによってこの歴史のチャオズではまず勝てない強さに強化されていた。それぞれの戦闘力は天津飯ダークが5万、チャオズダークが2万。
しかし、桃白白は10万9600、鶴仙人は4万7800にまで強くなっている。そのため、善戦空しく彼らは敗れて元の歴史に戻っていった。
同時に、トワの姿もいつの間にか消えていた。
「さて、それでこの奇妙な怪物だけは残っているようだが、どうする?」
「ただの猪なら鍋にでもするところだが、こいつは食えるのか?」
そして、残ったのはイノシカチョウのみ。正史では若い頃の鶴仙人と亀仙人に拾われ、その後二人が別の道を歩み出してからは鶴仙人に育てられ三百年以上共に暮らしたイノシカチョウだが、この歴史では鶴仙人達に拾われる事もなく、野生に生きていた。
そのため、鶴仙人と桃白白が彼を見る目は野生動物の獲物を品定めするそれである。
「……っ!」
正気に戻って目を覚ましたイノシカチョウだが、ユーリンの妖術によって身動き一つ取れず悲鳴を上げる事も出来ない。
「鶴仙人様、操られていただけなのに食べるのは可哀そうよ」
「よく言った、ユーリン。武道家たるもの、武徳を忘れてはならん」
「兄者、ユーリンに甘くなりすぎではないか? まあ、余り美味そうには見えんし構わんか」
「でも、また畑を荒らしたらタンメン達が困ると思う」
「畑を荒らしているのもあのトワって言う悪の宇宙人のせいかもしれないし……あなた、もう畑を荒らさないって誓える? 誓えるなら、今回は許してくれるよう村長に頼んであげる」
「タンメンお姉ちゃん、札をはがさないとそいつ動けないよ」
「あ、そうだった」
そしてイノシカチョウは畑を二度と荒らさないと誓い、無事解放されたのだった。その後、彼は命を助けてくれた恩を返すため、メンタンピン村で畑を耕すなど農作業を手伝い村人に親しまれる存在になったという。
〇戦闘力推移
・パンプット:1743 → 3490 スーパーどどん波も習得している勇者。なお、クレス王国と魔界での事件も放送予定。
・チャオズ:1750 → 3500 ヤードラット星での修行で巨大化も習得済み。原作アニメと逆にメンタンピン村を救う事になった。
・桃白白:5万 → 10万9600 他の歴史の自分が世界一の殺し屋になっている事を知り、「進む道が違っても世界一になるとは流石私だ」と思った。
・ターレス:11万2千 → 29万7千 スーパーサイヤ人に成ると1485万 原作スラッグなら一撃で倒せる強さ。
・タイツ:9万3千 → 25万3千
・孫悟飯:3万2100 → 5万8600 ギニュー特戦隊員より強くなりつつある。
・牛魔王:3万600 → 6万1千 兄弟子の孫悟飯をちょっと超えた。本物の魔王(シュラ)より強い。
・サン:77万2千 → 154万 スーパーサイヤ人に成る事を目指して修行中。
・ギネ:101万 → 178万3千 ラニを妊娠から出産するまでの間、修行のペースがやや鈍化したがフリーザの第三形態までもう少し。
・セリパ:770万 → 1331万 大猿化すると1億3310万。フルパワー形態のフリーザにも勝てる強さ。
・トーマ:1166万 → 1千7百万 大猿化すると1憶7千万。ナメック星編でスーパーサイヤ人に成った原作悟空に匹敵する強さ。
・パンブーキン:107万5千 → 184万
・トテッポ:120万 → 231万 原作ドドリアの百倍の強さ。
・ラディッツ:20万5千 →40万7千 バーダックとラニの育児を取り合う激しい戦いを繰り広げている。ベジータには「すかっり腑抜けやがって」と言われるが、「お前だって……いや、何でもない」と言い返せずにいる。
・ナッパ:16万5千 → 36万 育児修行に強制参加させられたのに、成果を発揮する場が与えられていない。
・タロ:9万5千 → 19万 大猿化するとフリーザ第二形態まで瞬殺できる。
・リーク:5万7500 → 11万6千
・チューボ:7800 → 1万5400 見えていた自分の限界が、神精樹の実を食べたせいで見えなくなって将来設計が狂った。
・ナム:3540 → 7060 原作では来年開かれる天下一武道会の予選で天津飯に惨敗していた。
・アックマン:2万4千 → 47800 現在北の界王星で修行中。
・チャパ王:1万5500 → 3万800 現在北の界王星で修行中。
・ボンゴ:2130 → 4235 原作ナッパをやや超えたレッドリボン旅団所属の大尉。
・パスタ:1630 → 3250
・ブルー:3400 → 6790 人造人間15号になる事が内定しているが、改造手術はラズリとラピスの後になる予定。
・イエロー:530 → 1056 同じトラの獣人型地球人に犯罪者が多い頃で風評被害を受けているかもしれない、世界一強いトラの獣人型地球人。
・ムラサキ:630 → 1256 サイバイマンより強くなったムラサキ曹長ブラザーズ。そろそろ少尉、せめて准尉に出世できないかなと期待している。
〇魔界
ドラゴンボール大全集によると、魔界とは宇宙(地球人やサイヤ人を含めた人間全般が暮らす世界)の裏側にある世界で、表の宇宙と同様に東西南北に分かれており、ダーブラやシュラのように魔王と呼ばれる存在とは別に、魔界王、魔界王神と呼ばれる表の宇宙の界王や界王神に相当する存在がいるらしい。
ちなみに、バビディ達魔術師は魔界に存在する妖怪のような存在。
この作品では、シュラとダーブラはそれぞれ魔界の別のエリアの魔王であると解釈しています。
〇シュラ
アニメオリジナルキャラクター。地球近くの魔界の王。オールバックにした黒い長髪に上着からメッシュ状の肌着が覗く伊達男。魔界の武術の達人として知られ、右腕からリング状の衝撃波を放つことができる。また、魔界と人間界が出入りできるのも、彼が剣を突き刺して門を閉められないようにしているから。剣は、シュラに勝った者しか抜く事が出来ない。
原作悟空と互角以上に戦い、彼がかめはめ波の光に怯まなかったら悟空は勝てなかったかもしれない相手。悟空もその強さを認めていた。
当時の悟空はカリン様の修行を受けて桃白白を倒し、さらに占い婆の宮殿で孫悟飯と戦った後で尻尾も再生している。その悟空に強さを認められたシュラの戦闘力は、150から160ぐらいではないかと思われる。
原作アニメではミーサ姫を花嫁にしようとし、悟空に負けて奪い返され、悟空が逃亡中にシュラの剣を引き抜いて門を閉じた事から人間界に行く事が出来なくなった。しかし、それについて「楽しみが減った」と言う程度でたいして悔しがっている様子は見せなかった。
また、メラとゴラに対しても怒る様子も見せず、むしろメラを気に入ったのか宴に誘うなどしており、懐が深そう。
この作品では、配下を送りクレス王国で悪さをさせていたまでは同じだが、「居城を失い落ち延びて来た。配下に加えて欲しい」とやって来たルシフェルを受け入れてしまい、キリで操られて正気を奪われてしまった。
ミーサ姫を生贄に捧げると言い出すなど、ルシフェルが悟空に復讐するための道具にされてしまう。
パンプットに負けて正気を取り戻した後は、それに「恩」を感じてクレス王国で悪さをするのをやめる事を誓う。……そのため、原作アニメと違い魔界の門は開いたままになっている。
〇メラ
アニメオリジナルキャラクター。赤い髪の女魔族。シュラが治める地域の魔界ではトップクラスの実力者だと思われる。
魔界の門の門番で、本来は閻魔大王が発行した通行証が無ければ魔界のものでも門を出入りできない。しかし、シュラの力と地位に対抗できず、出入りを黙認させられていた。その現状を快く思っておらず。原作アニメでは門をくぐって現れた孫悟空がゴラを容易く押し返したのを見て、彼なら現状を変えられると考え力を貸す。
紐の先に刃をつけた武器をシュラに投げつけ、かめはめ波で目がくらむように仕向けたのも彼女である。
その後は、悟空に力を貸した事をシュラに咎められる事はなく、逆に気に入られたのか宴に誘われている。
彼女の戦闘力は、シュラ未満でおそらくゴラ以上の130ぐらいじゃないかと推測。
この作品ではシュラの言動がおかしくなり、原作では覚えていなかった危うさまで彼に対して感じており、パンプットに積極的に力を貸そうとした……が、シュラダークとパンプットの勝負に介入する事が出来ず、ミーサ姫を守っている事しかできなかった。
〇ゴラ
アニメオリジナルキャラクター。メラに仕えている巨漢の魔族。魔界で力持ちナンバーワンと言われており、その評判が本当なら筋力だけならシュラより上と言う事になる。
しかし、原作悟空に押し負けてしまったので、本当にナンバーワンなのは力だけなのだろう。
そのため戦闘力はシュラが150ぐらいとすると、120ぐらいなのではないかと推測しています。
〇ミーサ姫
アニメオリジナルキャラクター。クレス王国の姫で、茶髪をセミロングにした十代前半の少女。シュラに攫われた花嫁にされそうになるが、勇者悟空によって救出された。しかし、悟空と結婚する事はなかった。
彼女の救出を祝う宴の席で、悟空の大食いっぷりに呆れていたのが理由かもしれない。
この作品では花嫁どころか生贄にされそうになり、原作以上にひどい目に遭っている。また、悟空より異性の接し方が分かっているパンプットに助けられているため、関係は長続きするかもしれない。
〇イノシカチョウ
アニメオリジナルキャラクター。猪の体に鹿の角、超の羽をもつ奇妙な姿をしており、炎に弱いがライフル弾も跳ね返す堅牢な肉体を持つ。約三百年前、若い鶴仙人と亀仙人にウリ坊の頃拾われて育てられたが、大人になるにつれて怒ると手が付けられなくなる狂暴さを発揮するようになった。
原作アニメで天津飯とチャオズと組んで、イノシカチョウが村で暴れ、そこを通りがかりの武道家に扮した天津飯とチャオズが退治して村から謝礼を受け取るという詐欺を働いていた。
しかし、メンタンピン村とリンシャン村と言う近くの村で悪事を続けて行った事と、両方の村を悟空が通りかかったために悪事を見破られてしまう。
その後、天津飯とチャオズには見捨てられるが、悟空に助けられた事で救われ、彼に恩義を感じて天下一武道会に向けての稽古相手をかって出たらしい。
……この事件で、悟空は空腹状態で天津飯とチャオズに挑んだため、一度負けている。
悟空が天下一武道会に向かって出発した後は、メンタンピン村とリンシャン村で耕運機代わりに畑を耕し、働き者として可愛がられたらしい。
この作品では鶴仙人達に拾われず野生で育ったところを、トワにキリで操られて悪事をさせられていた。転身ダークとチャオズダークと活動していたが、それはトワによって操られていたからでイノシカチョウにとっては仲間でも何でもない。
そしてリンシャン村では悪さをしていないので、事件後は主にメンタンピン村で働いている。
〇タンメン
アニメオリジナルキャラクター。メンタンピン村の少女。黒い髪をポニーテールにして、赤い中華風の服を着た十代前半の少女。天津飯とチャオズに敗北して気絶していた悟空を助けた事で、事件の真相を知った。
また、悟空がイノシカチョウを助けた事でリンシャン村の村長に誤解された時には、彼女の働きで誤解を解くに至った。
イノシカチョウを火傷薬で治療し、悟空に天津飯とチャオズが天下一武道会の開かれるパパイヤ島に向かった事を告げ、彼の勝利を信じて見送った。
……アニメ版だと悟空は結構な数の女の子と出会っているのに、フラグが立たないのが悟空らしいと思いました。
また、メンタンピン村は後の設定集(?)ではメンタン村となっている。
この作品では、3千年の火傷薬に注目したGCコーポレーションとメンタンピン村が取引をしており、村は原作より潤っている。また、この作品の鶴仙人はイノシカチョウを拾っておらず(書き始めた頃、このエピソードについて忘れていました)、天津飯とチャオズはずっと前に改心していたため、タンメンの出番が大幅に削られる事になった。
excite様、ふ~せん様、ぱっせる様、h995様、PY様、変わり者様、佐藤東沙様、ヴァイト様、リースティア様、是非様、gsころりん様、みえる様、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。