ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする 作:デンスケ(土気色堂)
予選Aグループで桃白白が本戦出場の切符を手にした。原作を知る者なら驚くだろう、天津飯の予選落ちという衝撃の展開だったが、「また歴史改変者に塩を送ってしまったかもしれん」と内心冷や汗をかいているゲロに構わず天下一武道会は進行していく。
「満月を作れるようになりたいんだ! ベジータの兄貴に弟子入りを認めてもらうため、勝たせてもらうぜ!」
そう叫ぶ男の名は、男狼。満月の時だけ人間の姿に成れる狼の獣人型地球人のように見える人物である。
原作では前回の大会でジャッキー・チュンが月を破壊したため、人間の姿に戻れなくなり、それを恨んでジャッキー・チュンに復讐するために天下一武道会に出場。本戦にまで勝ち進むが、ジャッキー・チュンが催眠術をかけてクリリンの頭を満月だと思い込ませた事で、人の姿に戻る事に成功して和解した男だ。
しかし、この歴史では亀仙人はジャッキー・チュンに変装するどころか、前回の天下一武道会に出てもいないし、そもそも月は破壊されていない。それなのに何故男狼は天下一武道会に出場したのか。
それは人工の満月を作り出す技、パワーボールを習得する事を目指してベジータ王子に弟子入りするためだった。
当然ベジータ王子は男狼の弟子入りを断った。弟子を取るつもりはなかったし、パワーボールは選ばれたサイヤ人のみが習得可能な特別な技だ。地球人の男狼が習得できるとは思えず、そんな無駄な事をするつもりはなかった。
しかし、ただ断るだけでは男狼が諦めなかったので、「天下一武道会の予選を勝ち抜いて本戦に出場出来たら考えてやる」と言ってしまったのだ。
「こちらも兄弟達の期待を一身に背負っているのだ。簡単には負けられん!」
その男狼と相対するのは、ムラサキ曹長だった。五つ子の彼だが、他の兄弟達は本日仕事であるため彼が兄弟を代表して出場したのだ。
「謎の忍者パープル改めムラサキ、参る!」
「か、かかってきやがれ! こう見えても鍛えてるんだぜ!」
この歴史の男狼は、動物園の飼育員として働きながらもジムや道場に通って己を鍛えていた。その結果、彼の戦闘力は80程になっている。……どうやらこの歴史の彼は武道の才能があったようだ。
「捉えた! ――!?」
「残像だ」
しかし、いくら才能があっても彼の戦闘力が80程なのに対して、ムラサキ曹長の戦闘力は1670。男狼の二十倍以上で、あまりに実力が離れていたため男狼はあっさりと敗退した。
「チィ! 今回は本戦出場も怪しくなってきたな」
「手加減はしないぞ、怪獣ギラン!」
苦い顔をするギランとやる気満々のサタン。ギランもこの一年、彼なりに修行をしている。戦闘力も神精樹の実を食べた時よりも高い、3773まで高めている。
しかし、サタンもまた修行の結果戦闘力を1万に上昇させていた。
「生意気な口をききやがって! そう簡単にこのギラン様を超えられると思うなよ! スーパーギラン砲!」
「ローリングサタンパンチ!」
口から必殺のスーパーギラン砲を放つギランだったが、サタンは体を丸めて高速回転させてスーパーギラン砲を弾いて接近し、回転の勢いが乗った拳でギランを殴り飛ばし、勝利したのだった。
そして決勝戦でもサタンはムラサキ曹長を倒し、原作で勝ち抜いた男狼に代わって、本戦出場を決めたのだった。
続くCグループでも、歴史改変は起こった。
「少しはやるようになったじゃないか。でも、俺には勝てないぜ」
「分かってます!」
「だよな」
舞台場で、苦笑いするラピスと対峙しているのはマイだった。神精樹の実を食べて戦闘力が倍増した彼女を、テラフォーミングが進む火星防衛の象徴にしたいピラフ大王の指示で、本格的なトレーニングを行い、4号の練習台にもなって潜在能力を起こしてもらった。
その効果もあって、マイの戦闘力はなんと240にまで高まっていた。サイヤ人ハーフになったためか、舞空術もどどん波も習得している。
「行けーっ! マイ! 本戦出場すると、賭け金が四十五倍になって帰ってくるのだ! 手段を選ぶなーっ!」
「どう考えても倍率が低すぎますよ、ピラフ様。きっと、前の大会の予選敗退者のバトルロイヤルでちょっと目立ったせいだな」
「あいつらも神精樹の実を食ったんだから、自分で出場すればいいのにな」
観客席からマイを応援(?)しているピラフ大王とシュウを呆れたように見るラピスに、マイは思わず目を逸らした。
「いえ、その……二人ともAとBでもう負けましたから」
神精樹の実を食べて、全身骨折と引き換えに戦闘力が倍増したピラフ大王とシュウも天下一武道会に出場したらしい。しかし、早々に敗退して観客席に戻ったようだ。
「そうか。じゃあ、行くぞ!」
「太陽拳っ!」
「チッ、いきなりか」
始まって早々に太陽拳でラピスの視線を遮り、攻撃を狙うマイ。しかし、ラピスは慌てずに目を瞑り対応した。彼の戦闘力は3800。マイの十倍以上であるため、よほど当たりどころが悪くないとマイの攻撃ではダメージを受けない。
「どどん波っ! えっ、か、返って来た!?」
そして、マイが放ったどどん波を跳ね返した。
「ぎゃんっ!?」
そして自分のどどん波を受けたマイはバッタリと倒れ敗退したのだった。
一方、もう一方の準決勝でも実力に大きな差がある試合が行われていた。
「へへ、救国の英雄になったらしいじゃないか。俺相手にもカッコいい所を見せられるかな?」
「トーマさん、からかわないでくださいよ」
Cグループ準決勝第二試合は、トーマ対パンプットだった。
「そう弱気になるなよ。控室から見てるライバルががっかりするぜ」
二人の戦いは、一見すると互角だった。しかし、それはトーマがパンプットに合わせているに過ぎない。
パンプットがいくら拳や蹴りを繰り出しても、トーマに防御され回避される。まるで悪夢の中で絶対に勝てない相手と戦っているようだ。
パンプットの戦闘力は4230と、フリーザ軍でも通じるレベルに到達している。しかし、トーマの力は戦闘力に換算して2057万。まさに次元が違う。歴史改変者に強化でもしてもらわなければ、勝ち目はない。
「そっちは別に構わないけど……遠くから応援に来てくれたお姫様に、格好悪いところは見せられないですよね!」
しかし、パンプットは勝ち目の無い試合に全力で挑んだ。全身に気を漲らせ、より激しい攻勢にでる。
「フォトンシールド!」
全身を覆うフォトンシールドが出現したが、トーマは構わず攻撃を続けた。実際、彼の拳はパンプットが張ったシールドを泡か何かのように突き抜け掻き消す。
「っ!?」
しかし、シールドが消えた先にパンプットの姿はなかった。
「今だっ!」
舞台に伏せるような低い姿勢でトーマの死角に入ったパンプットは、全身のバネを使って立ち上がりながらトーマの顎を狙ってアッパーを放った。
いくら次元が異なるほどの実力差があっても、再生能力を持つ人造人間でも、脳を揺らせば動けなくなるはずだ。その間に場外へ落せば、勝機はある!
「あぶねぇ。やるじゃねぇか、勇者パンプット」
しかし、パンプットの拳はトーマの顎ではなく手に受け止められていた。
「そう言って、わざとギリギリで防御したんじゃないんですか?」
「へっ、大人しく花を抱えて退場するんだな!」
トーマはパンプットの拳を握り返し、彼の腹を軽く突くと、手を放して場外まで蹴り飛ばして勝利した。
こうして、原作では一回戦で孫悟空と対戦したパンプットも、天津飯や男狼と同じく予選敗退となったのだった。
「俺とパンプットが対戦した方が盛り上がったんじゃないか?」
「組み合わせはくじ引き次第だからな。そう上手くはいかねぇさ」
そして決勝は戦闘力がパンプットより一段低いラピスと、トーマの試合となった。
「それじゃあ、未来の弟に稽古をつけてやるか」
「はぁ、バトルロイヤル形式だったら隙を狙おうって気にもなったんだがな」
始まった予選Cグループ決勝ではラピスは果敢に攻撃を仕掛けたが、やはりトーマには勝てず、実戦形式の組手のような試合となり、トーマの勝利に終わったのだった。
そしてDグループでは、幸いなことに原作の天下一武道会で出場していた選手が予選落ちする事はなさそうだった。何故なら、原作で天下一武道会に出場していた人物が一人も含まれていなかったからだ。
「でっせい!」
「ぬおっ、出す技は選ばんかっ!」
クラッシャー軍団のメンバー、アモンドは独楽のように高速回転し、鶴仙人はそれをフォトンシールドで受け流した。
「全力を出さねぇと、日頃の指導に対する恩返しにならねぇってもんでっせい!」
アモンドの戦闘力は、21700。『地球丸ごと超決戦』事件後地球に移住した彼は、神精樹の実に頼らない地道なトレーニングを続けて来た。トレーニングスーツを着て鶴仙人の修行を受け、ゲロの重力トレーニング室に入り、バイオサプリメントを飲んで。
今では気の操作はもちろん感知まで習得している。
「それに、日頃の鬱憤を晴らさせてもらうでっせい!」
それはそれとして、堅気の生活は以前の宇宙をまたにかける侵略者としての生活と何もかも違うので、ストレスは溜まっていた。
「そっちが本音じゃな、このバカ弟子が!」
「その通りでっせい! くらえっ、今日の俺のラッキーカラーっ! プラネットボム!」
「どどん波!」
アモンドの必殺技であると同時に、彼の今日のラッキーカラーと同じ色のプラネットボムが、鶴仙人のどどん波と衝突した。その瞬間、大爆発が巻き起こる。
「どどん波でっせい!」
その爆発に紛れて、アモンドはこの約一年の修行で習得したどどん波を放った。煙の向こう、鶴仙人がいるはずの位置に向かって。
「気の収束が早くなったようじゃな。そこは褒めてやろう」
だが、アモンドに修行をつけている鶴仙人の戦闘力は5万8千にまで高まっている。アモンドが地球に来た頃の倍以上強くなっていても、それ以上に鶴仙人は強くなっていた。
アモンドの反応速度を上回る素早さでどどん波を回避して間合いを詰める。
「ほれっ、胴ががら空きじゃぞ!」
そして拳を連続して繰り出し、場外に向けて蹴り飛ばして勝利したのだった。
予選Dグループの準決勝第二試合でも、クラッシャー軍団のメンバーが戦っていた。
「へへっ、地球に俺達クラッシャー軍団の名を轟かせる絶好の機会だぜ!」
そう言いながらレズンが気弾を連射する。
「地球に名を轟かせるのは私達レッドリボン旅団よ! 邪魔はさせないわ!」
その気弾を回避しながら気を溜めるのは、ブルー大佐だ。
「勝ち目があると思ってんのか!? 綺麗な顔に傷がつかない内に降参した方が身のためだぜ!」
「何っ!? 急に褒めないでよ、ビックリするじゃない!」
「馬鹿にしてんだよ、このナルシスト野郎!」
気弾を連射するレズンの戦闘力は1万8400、対するブルー大佐の戦闘力は9千。倍以上の差があるのにレズンが思い切った攻勢に出ないのは、ブルー大佐の超能力を警戒しているためだ。
だが、気弾を連射して追い詰めてもブルー大佐は超能力を使おうとしない。
(切り札を隠しているのか? それとも、最初から俺に通じないと考えているのか? ええい、これ以上は付き合い切れねぇ!)
「ジョーカーを抱えたまま負けちまえ! ジェミニ――」
「スーパーどどん波!」
その時、ブルー大佐がスーパーどどん波を放った。レズンは必殺技を放つのを一旦止めて回避する。そして、改めて必殺のジェミニラッシュを放とうとした。
スーパーどどん波が目標を追尾する技である事は知っている。だが、スーパーどどん波が自分を背後から襲うよりも早くブルー大佐を倒せると考えていたのだ。
「きええええっ!」
その時、ブルー大佐の口から耳に突き刺さるような奇声が発せられた。その途端、レズンの体が強張り動かなくなる。
「か、金縛りっ!? 小癪な真似を……!」
それでもレズンは自分の勝利を疑っていなかった。ブルー大佐の金縛りを気で強引に解くのに数秒かかり、その間にスーパーどどん波が戻って来て命中するだろう。しかし、ブルー大佐の倍以上戦闘力が高いレズンは、彼のスーパーどどん波に耐え切る自信があった。
一発だけなら。
「くらいなさい、これが私の必殺ダブルスーパーどどん波よ!」
ブルー大佐はもう片方の腕から二発目のスーパーどどん波を放った。
「な、なにぃっ!? ぐわぁぁぁ!?」
身動きできない状態で前後同時にスーパーどどん波を食らったレズンは、爆発に飲み込まれて意識を失ったのだった。
そしてDグループ決勝戦では鶴仙人対ブルー大佐の試合が行われたが……。
「随分無理をしたようじゃな。数段格上の相手を倒したのだから見事なものだが、無理を続けるのは感心せんぞ」
「お気遣いどーも」
鶴仙人に対して挑発的な態度を崩さないブルー大佐だが、疲労の色は隠せないでいた。格上に対する超能力の使用と同時に必殺技を二発連続で放った代償は、小さくなかったのだ。それはブルー大佐本人も自覚している。
「でもこの大会が人造人間になる前に戦う最後の舞台になるかもしれないのよ。だったら、人間としての自分がどれだけ戦えるのか、試してみたいわ」
しかし、ブルー大佐に棄権するつもりはなかった。
「その意気や良し。では、存分に試すがいい」
「じゃあ、正々堂々行くわよ!」
アナウンサーの『試合始め!』と言う合図と同時に、ブルー大佐の姿が掻き消えた。
「がっ!?」
そして、鶴仙人の背後に現れたブルー大佐の腹に彼の裏拳がめり込んだ。
「正々堂々を宣言すると同時に、これまで試合やトレーニングでは見せなかった瞬間移動で儂の背後を取るか。狙いは、再度瞬間移動で儂を場外に落とすといったところか」
「か、は……」
打たれた腹を抱えるように膝をつき、そのまま倒れたブルー大佐に、鶴仙人は言った。
「実に良い不意打ちじゃった。瞬間移動が使える相手との組手に慣れていなかったら、対応できなかったかもしれん。まあ、亀なら説教の一つもしたかもしれんがな」
武道家として真っ当な道に戻りつつも、勝つ事を重視する事を止めるつもりはない鶴仙人だった。
予選Eグループでは、ある意味原作通りの展開となった。
「うおおおっ、プラズマブースト! マッスルカタパルトだべぇ!」
「よっとっ!」
身長四メートルの牛魔王の突撃を、パンブーキンは受け止めた。
「悪くねぇ。そう言ってやりたいところだが……」
自身の技を使いこなす牛魔王に対して、パンブーキンはそれなりに好感を覚えている。彼の妻のサンは、あの世との交流試合であの世代表チームだった頃からよく戦ってきたし、今では仲間のセリパとトーマの義理の姉だ。
仲間のバーダックとその息子のラディッツに、育児に関して教えてもいる。
しかし、実力の差が大きすぎた。牛魔王も弱いわけでは無い。彼の戦闘力は、8万1千。宇宙全体で見てもそうそういない実力者だ。その彼が身体能力のみとはいえ、プラズマブーストで倍増させたのだからギニュー隊長やクウラ機甲戦隊とも肉弾戦なら互角以上に渡り合う事が出来る。
だが、パンブーキンの戦闘力は220万。桁が二つ違っては、隙を突く事も至難の業だ。
「あの界王拳って技を覚えりゃあ、まだ勝ち目もあったろうに。なんだって手を挙げなかったんだ?」
「そりゃあ……」
「若い奴等に道を譲ったって答えは無しだぜ。その気があるなら、武道大会に出場はしねぇだろ?」
故意に気を抑えて試合を続行するパンブーキンに、牛魔王は諦めて内心を吐露した。
「おらぁ、以前に山賊に身を堕とした時期がある。そんなおらがまだ死んだ事が無いから地獄に堕ちてないって理由で修行しに行くなんて、どんな顔をすればいいか分からねぇべ!」
そう言いながら牛魔王が振るった拳をパンブーキンは正面から受け止め、自身の拳を突き出した。
「なんでぇっ! そんな事かよ!」
「ぐおっ!? お、おめぇにはそんな事でも、おらには大きな事だ!」
「へっ! 俺の倍以上生きてるくせにみみっちい事に拘りやがって! だったら、あと何回か地球を救うなり守るなりしたら、『地球を守るためにもっと強くなりてぇ』って顔で行きゃあ、何も言われねぇだろうよ!」
「だからそんな――」
「だからもオケラもあるかよ!」
拳の応酬と同時進行で行われる二人の会話だったが、ついに牛魔王がパンブーキンの拳に耐え切れず地面に背をつけた。
「極悪人の大先輩が教えてやる。もっと面の皮を鍛えて厚くしろ!」
アナウンサーがカウントを取り終えパンブーキンの勝利を宣言した後、牛魔王は彼にこう答えた。
「他にも……まだスイとモウが小さかったから、あんまり長い間離れるのは抵抗があったんだべ」
「お前さ、もしかしてそっちの方が主な理由か? かーっ、柄にもない事を言っちまった俺の方がどんな顔をすればいいのか分からねぇよ」
続く予選Eグループ準決勝第二試合では、原作では三年後に起きるはずの組み合わせで試合が行われていた。
「悟空さっ、手加減は無用だべ!」
「おうっ、思いっきりやろうぜ、チチ!」
チチ対孫悟空。観客達は牛魔王の長女と牛魔王の入り婿の対決に、「早くも夫婦喧嘩か?」とはやし立てていた。
『それでは、試合開始です!』
「でやーっ!」
「行くぞっ!」
サイヤ人とサイヤ人ハーフであるため、二人とも多少背が伸びたぐらいで三年前とそう大きく変わってはいない。しかし、その実力は桁違いに高くなっている。
チチの戦闘力は4万9百と、神精樹の実で強化される前のスラッグ一味の幹部達とほぼ互角の強さにまで至っている。
「ぜんぜん敵わねぇだっ! さすがおらの悟空さだべ!」
しかし、そのチチの攻撃を悟空は回避し、受け流す。
「へへっ、まあな」
悟空の戦闘力は10万6千。なんと孫悟飯を超えていた。
「なら、全力で行くべ! 界王拳十倍だ!」
「お、飛ばすなぁ、チチ。なら、オラは4倍だ!」
赤いオーラを発しながら、戦闘力を40万台に揃えたチチと悟空が激しくぶつかり合う。天津飯よりも気の制御力で劣るチチにとって十倍の界王拳はかなり体に負担がかかるが、それでも彼女は止める気はなかった。
(たった五分間の、悟空さと二人っきりの試合だ! 全力でやらねぇともったいねぇべ!)
戦闘民族サイヤ人の血と、恋する乙女の心が合わさったきわめて好戦的な愛情表現だった。相手が普通の地球人の男性だったら危険だっただろうが……。
「やるなぁ、チチ。オラ、ワクワクしてきたぞ!」
だが、相手は残酷さこそないものの、戦いを楽しむ事にかけてはサイヤ人の中でもトップクラスの少年、孫悟空だ。鋭い拳や重い蹴りの応酬や気弾の撃ち合いに込められた愛情は、彼にしっかり伝わっていた。
「でも、そろそろ時間だ! これで決めるぞ!」
「分かったべ! でも、負けねぇだぞ!」
相手の拳と蹴りを受け止めた反発を利用して後ろに下がって間合いを取った二人は、同じ構えを取った。
「「かめはめ波ーっ!」」
必殺技のぶつかり合いは互角に見えたが、次第に悟空のかめはめ波がチチのかめはめ波を押し始める。チチも何とか押し返そうとしたが、敵わず場外のシールド発生装置のシールドまで吹き飛ばされたのだった。
「やっぱ敵わなかったべ~」
「無理しすぎだぞ、チチ。楽しかったけどな」
「次の天下一武道会には、予選じゃなくて本戦の試合で戦うべ、悟空さ」
「おうっ!」
場外で倒れたチチを背負って控室に戻る悟空に、観客席から惜しみない拍手が送られた。
そして、五分の休憩の後にEグループの決勝戦が行われる。
「おい、悟空。お前らの試合を見て俺も熱くなっちまったからよ、最初から本気で来いよ!」
「ああ、本気でねぇとパンブーキンのおっちゃんには勝てねぇからな!」
戦意を滾らせるパンブーキンと悟空がにらみ合い、アナウンサーが試合開始と叫ぶ。
「本気を出せば勝てるとも限らねぇぜ!」
その途端、牛魔王相手に見せていた手加減をかなぐり捨てたパンブーキンが全力で悟空に殴りかかる。
「20倍界王拳!」
そのパンブーキンの攻撃を、倍率を最大まで高めた界王拳を発動させ戦闘力を2百万台にまで高めた悟空が受け止めた。
「やっぱりたいした技だぜ、界王拳! だけどよ、20倍は無理してるんじゃねぇか!?」
「ちょっと無理するぐらいが丁度いいって、父ちゃんも言ってたからな!」
「言うようになったじゃねぇか!」
ガハハと豪快に笑いながら拳や膝蹴りを悟空にぶつけるパンブーキンに、それらの攻撃を捌いて反撃を繰り出す悟空。
しかし、不利なのは悟空の方だった。素の戦闘力は10万を超える彼だが、まだ20倍界王拳を体に負担をかけずに発動する事は出来なかった。ただ呼吸しているだけでも消耗していく。パンブーキンと互角の戦いを繰り広げても、先に体力が尽きるのは彼の方だろう。
だが、五分間めいっぱい使って持久戦を繰り広げるのはパンブーキンの趣味ではなかった。
「俺も全力で行くぜ! 骨の一本や二本折れても泣くんじゃねぇぞっ、プラズマブースト!」
パンブーキンの全身の筋肉がバンプアップし、スパークが発せられる。
「おらぁ!」
常人なら、拳が起こす風圧だけで吹き飛ばされてしまうだろう剛力で、悟空に向かっていくパンブーキン。一発でも当たったら、頑丈なサイヤ人の肉体と言えど大ダメージは免れない。悟空の顔からは笑みが消えた。
しかし、余裕のない緊迫した戦いも楽しめるのがサイヤ人だ。そして、悟空は世間一般で言う勉強は苦手でも、戦闘に関しては頭が回る。すぐに自分の長所を活かし、パンブーキンの短所を突く作戦を思いついた。
「くらいやがれ!」
パンブーキンの前蹴りが悟空目掛けて突き出される。しかし、悟空はパンブーキンの股を潜って回避して彼の背後を取った。
「こっちだよー」
「このガキっ、ちょこまかと!」
そのまま背中を登る悟空を振り落とそうとするパンブーキンだが、膨張した筋肉が邪魔して背中に腕が回らない。
「かめはめ波ー!」
そして、至近距離からパンブーキンの背に向かってかめはめ波を放つ。
「ぐおおおおおっ!?」
パンブーキンは踏みとどまる事が出来ず、背中をかめはめ波に押されて場外に向かって押し出され、そのままシールド発生装置のシールドに押し付けられて場外負けになってしまった。
「クソッ、このガキめ! さっさと俺よりでかくなりやがれ!」
プラズマブーストを使用したパンブーキンの短所は、筋肉が膨張する事で体の柔軟さが失われた事。そして悟空の長所は、サイヤ人の少年らしく小柄である事だった。
「へへん、そん時は力比べもパンブーキンのおっちゃんに負けねぇもんね……っとと」
「はっ、勝った方がふらついてちゃ世話ねぇな。おら、さっさと控室に戻るぞ」
こうして原作通り、悟空は本戦出場を決めたのだった。……準優勝できるかは分からないが。
Fグループにも、悩める魔王が出場していた。
「……しばらく王と名乗るのは止めるかな」
それは黒い長髪に尖った耳、そして大きなゴーグルを被った男……魔界の王シュラだった。
「あらん? でも魔界の魔王様なんでしょう? 気にする事ないんじゃない?」
そう言ったランファンに、シュラは苦笑いを浮かべた。
「パンプットの言う通り、奴より強い奴がゴロゴロしているのを実感した今では空しい称号だ」
日光から目を保護するため特別に許可されたゴーグル越しに見た天下一武道会の出場選手達は、シュラよりも強い者が大勢いた。
パンプットとその後やって来たゲロに負け、サンプルを提供する代わりに提供された神精樹の実のカプセルを服用し、トレーニング機器で修行してきた。その実力は、戦闘力にして330。手下を使ってクレス王国を荒らしていた頃の倍以上だ。
しかし、今の地球では平均的な警備員には勝てても、決して強豪と評することはできない程度の強さでしかない。
「では、井の中の蛙に大海の厳しさを教えてもらおうか!」
「はいはい、あたしも九年前までそんなに強くなかったから、気持ちはわかるわ。付き合ってあげる」
そして五分間、ランファンはシュラの実力に合わせて彼に稽古をつけて勝利した。
しかし、予選Fグループの決勝戦の対戦相手は彼女でも簡単には勝てない相手だった。
「俺は女相手でも手加減せんぞ」
「分かってるわよ、ベジータ王子様」
決勝でランファンがぶつかったのは、サイヤ人のプリンスにして偽りの地球の王、ベジータだった。
「でも、本気の試合であたしに勝てるかしら? こう見えても、結構強いのよ」
ベジータ王子の戦闘力は146万。フリーザの第二形態を超え、原作スラッグに迫る強さにまで至っている。しかし、ランファンの戦闘力はベジータ王子より百万以上上の255万。
「百も承知だ。だが、切り札の一つや二つ用意していないと思うか? 行くぞ!」
試合開始の合図と同時に、ベジータ王子は全身に力を漲らせてオーラを激しく立ち昇らせる。ランファンは彼の切り札が何にしても、切らせる前に勝負を決めようと果敢に間合いを詰めて蹴りを繰り出した。
「フッ、軽い蹴りだな!」
しかし、ランファンの蹴りはベジータ王子に受け止められていた。
「今度は俺の番だ! くらえっ!」
逆に、ランファンはベジータ王子が繰り出す拳や膝を捌ききれず、後退していく。
「気が倍増してる!? なんで!? まさか界王拳!?」
ベジータ王子の気は292万にまで増え、ランファンと逆転していた。
「フンッ、悪人の俺に界王が技を授ける訳がないだろう! これはゲロやヨン・ゴーから盗んだ技だ!」
「スピリットブースト!? あなた、いつの間にヤードラット星まで行ったの!?」
「盗んだといっただろう、独学だ!」
なんと、ベジータ王子はゲロや4号が普段から行っている修行を模倣し、初歩だがスピリットパワーの扱いを習得する事に成功していたのだ。
ベジータ王子が備えていた素質と、何より天才的な才能が独学での習得を可能にしていた。
「くっ、でも――」
「貴様と持久戦をするつもりはない! ギャリック砲!」
「キャーっ!?」
人造人間の長所であるタフネスと回復力を活かして持久戦に持ち込もうとしたランファンだったが、ベジータ王子が至近距離で放ったギャリック砲に押し出され、場外負けになってしまった。
「チッ、予選から切り札の一つを切る事になるとはな。先が思いやられるぜ」
予選を突破したベジータ王子だったが、本戦で苦戦するだろう事を予想してそう舌打ちしたのだった。
Gグループの準決勝第一試合では、シルバー大佐がやや苦戦していた。
「くっ、ちょこまかと。いったいどうやって気が無いはずの俺の位置や狙いを感知しているんだ?」
「ボクに勝ったら教える」
現在レッドリボン旅団ナンバー2の戦士、シルバーの戦闘力は6百万。対して、十五歳になって超神水を飲んだチャオズの戦闘力は、6千。その差はなんと一千倍だ。
チャオズがどんなに素早く動いても、シルバー大佐にとっては「虫が止まりそうな遅さ」でしかない。しかし、彼は瞬間移動を多用する事でシルバー大佐との差を補い逃げ回っていた。
「くっ、俺が手加減している事を忘れるなよ!」
「知ってる。お前が本気を出したら、ボク死んじゃう。だからお前、本気出せない」
シルバー大佐とチャオズの力量差は圧倒的だ。もしシルバー大佐が本気で拳を放ったら、その拳圧だけでチャオズは五体が弾け飛んで死んでしまうだろう。直撃すれば、体に穴が空くかミンチになってしまうに違いない。
だからシルバー大佐は手加減しなければならず、そのお陰でチャオズは瞬間移動を多用する事で逃げ続けられている。
「だが、逃げてばかりでは勝てないぞ。制限時間もある。審判が逃げ続けているお前を判定勝ちにするとは思えないが?」
「焦らせようとしても無駄。チャンスを待つ」
チャオズはジャイアントキリングを狙って制限時間が尽きるまで、諦めずにチャンスを狙う作戦のようだ。それはこれほど実力差のある相手と戦うにはそれしかない。
「そうか。だが、悪いが付き合ってやるつもりはない! はぁっ!」
シルバー大佐は勝負を決めるため、全身に力を漲らせると周囲に気の衝撃波を放った。気功波のように収束せずに気を放つと、目に見えない衝撃波として広く空中に散る。そのため、同格以上の相手には有効打にはなり難い。
「う、うわぁーっ!?」
しかし、舞台の上をすべて同時に攻撃する事が可能で、チャオズに回避する隙を与えずに場外まで吹き飛ばす事が出来た。
「それで、どうして俺の位置や狙いが分かったんだ?」
「……はぁ。殺気が分かり易かった。ボクにはバレバレ」
「なるほど。強さはともかく、武道じゃまだまだだな」
そう当人達は満足したが、観客にとってはやや見応えの薄かった準決勝第一試合と違い、第二試合は白熱した戦いが繰り広げられた。
「噂じゃ今回の大会には出場しないって聞いたんだがな!」
「俺もそのつもりだったが、予定が変わったんだ!」
激しくぶつかり合っているのは、クラッシャー軍団の伊達男ダイーズと、GCG隊長のチューボだった。
天下一武道会優勝経験のあるチューボと、去年宇宙からやって来て神精樹から地球を救うのに尽力した(と言う事になっている)ダイーズ、二人の拳がぶつかり合う度に観客席から歓声が上がる。
「それもこれもお前達が神精樹なんて物を地球に持ち込んだからだぞ!」
一年前のチューボは自身に限界を感じていた。成長速度は若い頃よりも鈍り、新人は育ち、まだまだ子供だと思っていた悟空達は自分を超えた。そろそろ潮時だ、警備部の部長として後進の指導に力を入れ、時が来たら若い者に道を譲るべきだろう。
そう思っていたチューボを変えたのが、神精樹の実だった。
「あの実を食べたお陰で体の調子は良くなるし、目のかすみや疲れやすさもなくなるし、トレーニングの効果は若いころ並みに出るし!
超える気の無かった限界の壁が、いきなり地平線の彼方に走り去ったんだぞ!? 俺の人生設計をどうしてくれる!?」
「お、おお、そりゃあ悪かったな。だけど、神精樹の実にそんな効果があったとは思わなかったぜ」
チューボの拳と言葉のラッシュを受けて、思わず謝るダイーズ。若い彼は実感した事はなかったが、神精樹の実は食べただけで戦闘力が高まるほど栄養の満ちた食品だ。長命薬のような直接若返るような作用は無くても、劇的な栄養補給によって老化の諸症状を改善し、肉体のコンディションを万全にする作用があったのだろう。
「だが、文句はあの天才科学者に言ってくれ! メテオボール!」
チューボの気迫に押されていたダイーズだが、彼の戦闘力はこの約一年間地道なトレーニングを続けたお陰で3万3700にまで高まっている。連続攻撃を受けきって、隙が出来たチューボに必殺技を放ち舞台に沈めて勝者となった。
「くっ……やっぱりそろそろ潮時……」
ダイーズの勝利を告げる実況の声を聴きながら、倒れたまま空を見上げるチューボ。そんな彼の元に、ダイーズが近づいて手を差し伸べた。
「ゲロが宇宙で新しい神精樹の栽培方法を研究しているらしいから、しばらく潮時にはならないと思うぜ」
と、言いながら。
「……引退して家族で船旅に行く夢はしばらく先の事になりそうだ」
「長期休暇でもとったらどうだ? って言うかあんた結婚してたのか」
そしてシルバー大佐対ダイーズの予選Gグループ決勝戦では、チャオズより実力は上でも瞬間移動が使えないダイーズがシルバー大佐相手に粘る事は出来ず、一分とかからず勝負がついたのだった。
残るトーナメント形式の予選最後のHグループでは、恋に燃える少年が強敵に立ち向かっていた。
「くっ、サタンと当たったらミゲルちゃんをかけて決闘だって言うつもりだったのに……タニシの殻磨きになっちまった」
「えっ? う~ん、それって狸の皮算用、じゃないでしょうか?」
陳大拳の道場で修行を受け、更に腕を磨いて戦闘力も6300程まで上げたジャガー・バッタだったが、人造人間9号でもあるランチに対して勝ち目が薄い事は否定できなかった。
「こうなったら、やぶ蚊カバだ! ダイナマイトアターックっ!」
自棄になったようにライバルの得意技で蹴りかかってくるジャガーに、青髪ランチは応えた。
「それを言うなら破れかぶれだと思います! あらっ?」
しかし、飛び込んできたジャガーの脚を掴んでそのまま場外に放り投げようとした青髪ランチの手が、空を切った。
半年程の修行によって習得した、陳家流拳法の奥義、幻星拳の応用だ。本物のジャガーは、舞台の上を這うように低い姿勢で疾駆し、ランチの足元に駆け寄る。
「太陽拳!」
「きゃあっ!?」
そしてすかさず太陽拳を放って青髪ランチの視界を塞ぎ、なんとか彼女を場外へ落そうとする。
「そう上手く行くかよ!」
だが、青髪ランチから金髪ランチが分離してジャガーを掴むと、逆に彼の方が場外に蹴り飛ばされてしまった。
「ぎゃあああっ!? い、いつの間に四身の拳を……?」
「はい、私達四身の拳を使い慣れているので、いつでもすぐ分身を出せるんですよ」
「そう言うこった。残念だったな、でもさっきの技は良い線いってたと思うぜ」
そしてHグループ準決勝第二試合では、カドとブルマが当たった。
「ブルマの姉御でも、手加減はしないぜ!」
「だから、なんであたしまで姉御なのよ!?」
赤い肌のカドと、赤いオーラに包まれたブルマが激しく拳と蹴りの応酬を続け、気弾を撃ちあう。
クラッシャー軍団を率いている双子の片割れのカドは、31万7千にまで高めていた。それに対してブルマは4万1千。フリーザ軍でもそうそういない強さだが、カドとまともに戦うのは難しい数値だ。
しかし、ブルマには悟空やチチ、天津飯と共に北の界王様の下で修行した結果修得した界王拳がある。しかも、スピリットパワーの修行もしている彼女の気の制御力は悟空やチチよりも上だ。
十倍界王拳を使用して戦闘力を41万にしても、肉体にかかる負担を抑える事に成功していた。
「新生クラッシャー軍団のリーダーは、ターレス義兄さんでしょ!?」
そんな彼女が気になったのは、カド達クラッシャー軍団が自分達をどういう力関係だと思っているのかだ。詳しい経緯は不明だが、彼等はターレスをボスと呼び、タイツを姉さん、そしてブルマを姉御と呼んでいる。……他にも悟空やヤムチャ、天津飯とチチに一目置いているようだ。
なのに、ベジータ王子達を敬う様子はあまりない。実力者だと認めてはいるようだが。
「いや、だって、あの怖ぇ科学者に用がある時、姉御を間に挟むと便利だし……姉御達は強ぇだろ!?」
「ええっ!? あたしが姉御なのってお爺ちゃんのせいなの!?」
「それと、一目置いている奴とかを纏めて呼んでる感じ、だな」
ゲロと直接かかわりたくないからブルマを利用したいという以外にも、カド達なりに色々考えての事らしい。
基本的に上下関係が強いフリーザ軍で長年過ごしてきたため、「上下の人間関係」に慣れている彼らは対等な立場の者同士の「横の人間関係」に不慣れなのだ。
そのため、自分達で上下関係を作って分かりやすい形にしているのかもしれない。
「まあ、呼びたいように呼んでいいけど、義兄さんを不良っぽい事に引き込むのはやめてよね! それはそれとして……どどん波っ!」
「ぎえっ!? くっ、ただではやられねぇ!」
どどん波を受けたカドだが、なんとか耐えると分身を発動する。もちろん、気の無い分身にブルマが惑わされる事はない。だが、それはカドも分かっている。
「ギルティラッシュ!」
カドは自分の分身を盾にしてブルマの視界を遮り、軌道を見切れなくした必殺技を叩きつける。それが狙いだったのだろう。
「残念、お見通しよっ!」
しかし、ブルマはその時瞬間移動でカドの背後に回り込んでいた。そして、腰だめに構えた両手の中には既に気の輝きがある。
「しまっ――!?」
「かめはめ波ーっ!」
とっさに逃げようとしたカドだったが、間に合わずかめはめ波の直撃を受けて場外に押し出されて敗北したのだった。
カドに勝利したブルマだったが、ランチにはあっさり負けてしまった。
「四身の拳で二人になっても強さが半減しないなんて反則よね~。しかも、青い髪のランチさんは疲れ知らずだし」
「二人の内どちらかでも場外に落ちたら負けなんだから、それで納得しろよ」
負けてそう愚痴るブルマに、金髪ランチがそう主張する。残像拳やカドの分身のように実体のない虚像と違い、分身でも自我と実体がある四身の拳の分身は本体の延長であるため、場外負けが成立すると判断されているのだ。
こうして予選の半分が終わったのだった。
〇戦闘力推移
・ムラサキ曹長:1256 → 1670 原作ラディッツを越えた。フリーザ軍でも下級戦士としてならやっていける。しかし、前回と同じく予選敗退となった。
・ギラン:3120 → 3773 原作ナッパまであと少し。
・サタン:8340 →10080 原作バーダックを越え、フリーザ軍でも上級兵士に相当する強さになった。
・マイ:30 → 240 神精樹の実と潜在能力解放、そして鶴仙人と亀仙人、ゲロのトレーニングによって原作ピッコロ大魔王よりやや強くなった。気の感知は甘いが、制御はしっかりできる。舞空術、太陽拳、どどん波、かめはめ波等幾つかの技を習得済み。
・ラピス:2860 → 3800 原作ナッパまでもう少し。
・パンプット:3490 → 4230 原作ナッパ越え。観客席にミーサ姫がいたらしい。
・トーマ:1700万 → 2057万 大猿化すると2億570万になり、フリーザの最終形態も倒せる。
・アモンド:13600 → 21700 原作ドドリアに迫る強さになった。気の感知やどどん波を習得。
・鶴仙人:4万7800 → 5万8千 ギニュー特戦隊隊員並みに強くなった。クラッシャー軍団に修行をつけている。
・レズン:1万1400 → 1万8400 アモンドと同様に修行したが、ブルー大佐の超能力と必殺技の同時使用に敗れてしまった。
・ブルー大佐:6790 → 9千 原作バーダックと同等の強さに至ったブルー大佐、レズン相手にジャイアントキリングを決めるが、鶴仙人には通用しなかった。
・牛魔王:6万1千 → 8万1千 育児経験では全魔王の頂点に立つ。魔王の名に名前負けしない実力。シュラや原作ピッコロ大魔王を越え、次の目標は暗黒魔界の王ダーブラだ!
・パンブーキン:184万 → 220万 原作スラッグやフリーザ第三形態なら確実に勝てる。大猿化すると2200万
・悟空:5万6700 → 10万6400 界王拳や元気球を習得した孫悟空。界王拳は体に負担を駆けながらだが20倍まで使える。その場合の戦闘力は212万8千。ギニュー隊長に体を狙われるまでもう少し。
・チチ:21200 → 4万900 スラッグ一味の幹部と互角ぐらい。劇場版のように有象無象の相手に負ける事はない。
・シュラ:150 → 330 原作のこの時期ならピッコロ大魔王も超える、まさに魔界の王と名乗るに相応しい力を手にしたが……この作品の地球では、「地球人を強さで上下に分けたら上には入るけど、上グループの中では弱い方」程度になってしまった。
・ランファン:211万 → 280万 大猿化すると2800万。最終形態のフリーザの背中に埃をつけるまで、もう少し。
・ベジータ:100万 → 146万 大猿化すると1460万、スピリットブーストで292万。スピリットパワーについてはまだ初歩しか習得していないので、強制分離はもちろん未収得。
・シルバー:491万 → 600万 大猿化すると、最終形態のフリーザとも互角に戦える、現在レッドリボン軍で二番目に強い戦士。
・チャオズ:3500 → 6050 十五歳になったので超神水も飲んで原作ナッパ以上にパワーアップした。
・ダイーズ:2万1千 → 33700 地道なトレーニングで変身後のザーボンや原作劇場版ターレスを超える程強くなった。
・チューボ:1万5400 → 1万8800 サイヤ人襲来編の原作ベジータをやや超えた、最強の警備員。限界の壁が乗り越える前に遠ざかっていく。
・ジャガー:4339 → 6340 幻星拳を習得したが、くじ運ではサタンに勝てなかった。
・ランチ:312万 → 377万 ブランチ時には754万。
・カド:19万7500 → 31万7千 アボと合体した場合の戦闘力は317万。しかし天下一武道会は個人戦であるためブルマに勝てなかった。
・ブルマ:21000 → 4万1千 界王拳を習得。チチや悟空よりも気の制御力が高いため、無理をすれば11倍まで発動できる。
〇男狼
一見するとごく普通の狼の獣人型地球人。満月を見ると人間(人間型地球人)の姿に変化する特殊な生態を持つ。
原作では前回大会で月をジャッキー・チュンが消し飛ばしたため人間の姿になれなくなり、女の子から持てなくなってしまった。それを恨んでジャッキー・チュンに復讐するため天下一武道会に出場。
復讐心と(自称)拳法三十段の腕前で予選を勝ち抜いたが、ジャッキー・チュンには敵わずナイフを取り出し反則負け。その後、クリリンの頭を満月に見立てたジャッキー・チュンの催眠術で人間の姿になる事が出来、和解して帰って行った。
人間の姿は美形ではなくいわゆる三枚目で、クリリンは「まだ狼の方がマシだ」と評していた。しかし、アニメ版では人間の姿の男狼がタンバリンに殺害された事を嘆く女性の姿があった。後日、ドラゴンボールで復活する際には、その女性の前で墓から蘇っていた。
大全集(キャラクター辞典)によると、この時34歳で普段は動物園の職員をしているらしい。
戦闘力は鍛えた常人の6、高くても7ぐらいじゃないかと推測。
また、ゲームにも敵として登場し、そのゲームでの戦闘力は85と当時としてはかなり強くされている。また、三年度の第23回天下一武道会では悟空の稽古相手にもなってくれるようだ。
劇場版「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄いヤツ」にもチラッと登場しているらしい。
この作品では亀仙人がジャッキー・チュンに変装しておらず、また月も破壊していないので復讐は企んでいない。ただ、テレビでパワーボールの存在を知り、「この技を使えるようになれば、いつでも好きな時に人間に戻れる!」とGCコーポレーションに問い合わせてベジータに弟子入りを志願した。しかし、当然断られるがそれでもあきらめようとしない男狼に、ベジータが「天下一武道会の本戦に出場出来たら考えてやる」と言ったため、出場する事になった。
この作品での男狼の戦闘力は85なので、くじ運が良ければ予選を勝ち抜いていたかもしれない。
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