ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする   作:デンスケ(土気色堂)

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135話 開幕! 伝説のバーゲンセール ★

 戦闘力1万以下に力を抑えていても、不意打ちならば気円斬で致命傷を与えられる。特に、試合の直後で消耗している相手なら。

「っ!? 避けろっ」

 だが、飛来した気円斬にギリギリで気が付いたターレスは、とっさにベジータ王子を突き飛ばそうとした。だが、自力で立つ事も出来なかった彼にそこまでの力は残っていない。

 

「チィッ!」

 だが、それで異変に気が付いたベジータ王子が咄嗟にその場から動いた。その結果、二人は気円斬で胴体を輪切りにされるのを避ける事が出来た。

 

「ガハッ!」

「くっ、何者だ!?」

 しかし、二人とも無傷とはいかなかった。ターレスが吐血して膝をつき、ベジータもすぐに立ち上がり身構えたものの脇腹を手で押さえている。

 

『だ、大丈夫ですか!? 救護班っ、急いでください! 警備班は乱入者の拘束を――』

「貴様等はさっさと失せろ! 死にたいのか!」

 慌てて対処しようとするアナウンサーや審判達を怒鳴りつけ、避難を促すベジータ王子。

 

「あのタイミングで反応するとは、流石だと褒めてやろう」

 そして、これ以上隠れ続けていても無駄だと判断したピッコロ大魔王が、光学迷彩を解いてマントを脱ぎ、王子達の前に姿を現した。

 

「ナメック星人? いや、気が感じられない。貴様、ロボットの類か?」

「この儂がロボットだと? クックック、貴様等はこの儂の正体についてよく知っているはずだぞ。映画になったくらいだからな。

 このピッコロ大魔王を!」

 

 自ら名乗ると同時に対スカウター装置をOFFにし、気を解放する。その瞬間、ピッコロ大魔王から強大な気が発せられた。

 試合直後であるためベジータ王子とターレスはスカウターを装着していなかったが、スーパーサイヤ人に変身しなければ太刀打ちできない力の持ち主である事は分かった。

 

 そして、それに続くようにブリーフ博士達がいるボックス席や選手の控室、そして警備室等、複数の場所から覚えのない、しかし目の前にいるピッコロ大魔王と共通点のある巨大な気が出現する。

 誰もここに駆けつけて来ないのは、それらに対処しているからだろう。

 

『ピ、ピッコロ大魔王……まさか本物? か、観客の皆さん、シールド発生装置が働いていますが念のために避難をお願いします! 係員の指示に従ってください!』

「貴様等もさっさと失せろと言っただろう! ターレス、貴様もだ。動けないサイヤ人など、いても役に立たん」

 

 同じ気円斬に斬られた二人だが、ベジータ王子の脇腹の傷は、血が出ていても内臓に届いてはおらず、頑丈な肉体を誇るサイヤ人である彼なら戦闘続行は可能だ。

 しかし、ターレスの傷は吐血している事を見て分かる通りかなり深い。瀕死の状態と言っても過言ではなかった。

 

「仕方ねぇ、後は任せたぜ」

 自分の状態を理解しているターレスは、ベジータ王子の言う通り周囲の気を探り、瞬間移動でこの場から離れようとする。その彼に向かって、ピッコロ大魔王は気功波を放った。

 

「はっ! さっきの不意打ちといい、やる事がセコイんじゃないか、大魔王さんよ?」

 再びスーパーサイヤ人に変身したベジータ王子が、ギリギリのところでターレスを狙う気功波を空に向かって弾いた。その間に、ターレスは瞬間移動によってこの場を離れる事に成功した。

 

「違うな、貴様らが甘いのだ。殺し合いにルールがあるとでも思っているのか?」

 そう言いながら、気功波を放ったのとは逆の手で何かを口元に運ぶピッコロ大魔王。彼の言葉を聞いて、ベジータ王子は口元を歪めた。笑いの形に。

 

「ククク、確かにな。久しぶりに思い出せそうだ、冷酷非道なサイヤ人としての俺をな。

 弱い者いじめだと、地獄で文句を言うなよ!」

 そう啖呵を切り、気を高めるベジータ王子。彼もピッコロ大魔王が地球の神の分身で、彼を殺すと地球の神まで死んでしまう事は知っている。そのため、本気で殺すつもりはなかった。

 

 ただ、ピッコロ大魔王はナメック星人なので頭の中心にある核が無事なら、動かなくなるまでサンドバッグ代わりにしてもかまわないだろうと考えていた。なんなら、もしうっかり殺してしまってもナメック星のドラゴンボールで生き返せばいいとすら思っている。

 

 ベジータ王子がそれだけの余裕を持てるほど、彼とピッコロ大魔王には実力差があった。

 ピッコロ大魔王の戦闘力は約8百万。原作劇場版スラッグも、そして現在スラッグ星でネイルと戦っているこの歴史のスラッグも超えた、この時期の宇宙ではトップクラスの戦闘能力の持ち主だ。ベジータ王子も素のままでは敵わない。

 

 だが、ベジータ王子は再びスーパーサイヤ人になっている。手傷を負い、疲労していても、戦闘力の桁が違う。

「文句はない。弱い者いじめは大好きだからな。ただし……」

 ごくりと音を立てて魔神精樹の実の欠片を飲み込んだ。その途端、ピッコロ大魔王の筋肉が音を立てて膨張した。

「ただし、弱い者は儂ではない。貴様だ!」

 戦闘力が十倍の8千万に上昇したピッコロ大魔王は、猛然とベジータ王子に襲い掛かった。

 

 

 

 ボックス席では、ブリーフ博士やピラフ大王を狙って気円斬が放たれた。

「皆、危ない!」

 だが、8号が身を挺して彼らを庇った事で惨劇は回避された。気円斬は8号が着ていた上着やその下の生体部品を切り裂いたが、カッチン鋼製の装甲には歯が立たず砕け散った。

 

「な、なんだ!?」

「何っ!? 誰かいるの!?」

「ピラフ様っ、下がってください!」

「大丈夫かい、8号君。ええっと、ゲロ? 緊急事態……おや? 通じないな」

 8号の巨体の向こうでターゲットとオマケ達が元気に騒いでいる事に、気円斬を放ったドラムは悔しそうに顔を歪めて舌打ちをした。

 

「何故気が付いた? ドクターが開発した装置は完璧だったはずだ」

「うわーっ!? 化け物だ!」

「ほんとに誰かいた!?」

 

 姿を現したドラムは、悲鳴を上げるピラフ大王や身構えるブルマを無視して8号に問いかける。

「風の流れが妙だった」

 光学迷彩で姿を消していたドラムだったが、その巨体は風を遮っており、それを8号のセンサーが感知したのだ。その後の攻撃まで察知できたのは、精神と時の部屋で二年分ベジータ王子達のトレーニングに付き合った事で培われた戦闘経験の賜物である。

 

「クソッ、それはどうしようもねぇな。だが、暗殺を防いだからって喜ぶのは早いぜ。何故なら……このドラム様が地獄のような恐怖をお前らに味わわせてやるからだ!」

 ドラムの役目は、ゲロと手を組んでいる他の天才科学者、ブリーフ博士やピラフ大王の暗殺だった。彼らを殺す方が悟空達を殺すよりもずっと重要だと、コーチンとピッコロ大魔王は考えたからだ。

 

 ドラムはその役目をまだ果たそうとしていた。

「もう加減は無しだ! 全員輪切りにしてやるぜ!」

 対スカウター装置が有効な1万以下に気を抑えていたドラムが、今度は気を全開にして頭上に掲げた手の先に再び気円斬を作り出す。

 

 気を解放したドラムの戦闘力は180万。その全力で放った気円斬が当たれば、最終形態になったフリーザでもただでは済まないだろう。

「ちょっと強引に行くわよっ!」

 ドラムの気の大きさに気が付いたブルマが、念動力で両親やピラフ大王達を自身に引き寄せ、瞬間移動で逃げるために適当な位置にいる気の持ち主に集中する。

 

「恨むなら、この技を編み出した奴を恨むんだな!」

 ブルマ達を逃がすまいと、立ちはだかる8号ごと惨殺するために気円斬を放った。

「させない!」

「なにぃっ!?」

 しかし、8号の生体組織の下にあるカッチン鋼の装甲は、最終形態のフリーザの肉体よりも硬かった。

 

 ドラムが放った気円斬を両腕で抱えるようにして受け止め、観客席と舞台の間にあるシールドに向かって投げる。

「こ、こいつ、いったい何で出来てるんだ!?」

「俺を作ったドクターも、凄い人!」

 

その時には、ブルマは瞬間移動を完了させていた。背後に守るべき対象がいなくなった事で、ドラムを鎮圧するために掴みかかろうとする8号。しかし、彼の腕はドラムに軽く受け止められていた。

「ん? なんだ、お前。力はからっきしじゃないか。頑丈な割に、貧弱な野郎だぜ!」

 通常モードの8号の力は、戦闘力にして30万。ドラムの二割以下でしかない。ドラムは8号を振りほどくと、強烈なパンチを繰り出して後ろに吹き飛ばした。

 

「どどん波ーっ!」

「アックショット!」

「かめはめ波ーっ!」

 それと入れ替わるように、壁を破って天津飯とアックマン、そしてチャパ王が放った気功波がドラムに炸裂する。三人とも既に界王拳を発動していたため、ドラムを反対側の壁まで吹き飛ばす事に成功した。

 

「まさか桃白白がいなくなった時に、ピッコロ大魔王の手下が現れるとはな。立てるか、8号?」

「応援が来るまで、我々で持ちこたえるしかないな。占い婆様を頼んだぞ!」

 油断なくドラムに向かって構えを取る三人。この隙に気功波を叩き込み続けると天下一武道会の会場が崩壊し、まだ避難が終わっていない一般の観客が被害に遭いかねないので、攻撃よりも時間稼ぎを優先する事を強いられている。

 

「あ、危なかったぜぇ。暗殺を諦めてさっさとこいつを食っておくべきだった」

 一方、壁に背中からめり込んだドラムは、起き上がりながら腰に下げた袋から魔神精樹の実を取り出すと、大きな口で丸齧りにした。

 

 その瞬間、ただでさえ巨体だったドラムの体の筋肉が一回り膨張し、気が180万から十倍の1800万に跳ねあがる。

「あれは神精樹の実っ!? 何故奴が持っているんだ……!?」

「クックック、こうなった俺達は無敵だぜ。生きたまま心臓を握りつぶしてやるぞ、人間共!」

 全身から強大な、しかし禍々しい気を放つドラムに思わず慄く天津飯達。

 

「皆、下がってて。俺が戦う」

 そして、立ち上がった8号は守るために戦う覚悟を決めると、安全装置を解除し永久エネルギー炉の出力を限界以上に高めた。

 

 

 

 選手控室では、気円斬が二つ放たれそれによって負傷した者がいた。

「が!? ぐおおおお!?」

 気円斬の軌道上に腕を差し込んで首を切断されるのは防いだものの、腕を落とされたシルバー大佐が怒りの声を上げた。

 

「あぶねぇ……大丈夫か、シルバーっ!?」

 もう一方の気円斬で狙われたトーマは、シルバー大佐よりも反応速度が速かったためフォトンシールドで防御するのが間に合った。

 

「ぐおお!! ……もちろんだ。そこに隠れている連中! よくもこの俺の腕を落としてくれたな。この代償は高くつくぞ!」

 その時には、シルバー大佐は気合の声と同時に新たな腕を再生させていた。新しい腕の感触を確かめるように、拳を繰り返し作りながら、気円斬が放たれたと思われる方向を睨みつける。

 

「チッ、失敗したか。人造とはいえ人間のクセに、ピッコロ大魔王様のような再生力なんて生意気だぜ」

「無駄口を叩くな。さっさと食うぞ」

 すると、シルバー大佐が睨みつけている先にある空間から声がしたかと思うと、翼竜やドラゴンを人型にしたような二人組の魔族、ピアノとシンバルが魔神精樹の実を食いながら姿を現した。

 

「できれば首を落として数を減らしたかったが仕方がない。ピッコロ大魔王様の邪魔はさせんぞ!」

「へへっ、貴様等の首を引っこ抜いて大魔王様とドクターに献上してやるぜ!」

 小柄な体躯を一気に巨大化させるピアノと、そこまでは変化しないが全身に力を漲らせるシンバル。

 

 ピアノの戦闘力は100万から1千万に、シンバルの戦闘力は120万から1200万に上昇する。しかし、トーマ達にとっては強敵であっても対抗できない程の強さではない。

「トーマ、こいつらの相手はあたし達で充分だ」

「セリパちゃんが強い方をやっつけるまで、あたし達でもう一人を抑えておけば勝てるもんね~」

 二人の気が高まったのを見て、セリパ達が前に出た。マロンと青髪ランチがそれぞれの方法で気を倍増させようとする。

 

「ターレスっ! いけないっ、早く仙豆を食べさせないと! それにパパとママも危ない!」

 一方、タイツは舞台の上で瀕死に陥ったターレスとベジータ王子に殺気を向けるピッコロ大魔王、そしてこの選手控室と同じく強大な気が出現したボックス席に注意を向けていた。

 

 その時、瞬間移動をしようとしたターレスに向かって、ピッコロ大魔王が気功波を放った。だが、ベジータ王子がスーパーサイヤ人になって気功波を弾き飛ばした事でターレスは無事瞬間移動で何処かへ逃れる。おそらく、近くに敵がおらず、確実に傷を治せる場所に向かったのだろう。

 

「チッ、惜しかったな」

 ほっと安堵するタイツの耳にシンバルの笑い声が届いた。

「心配しなくていいぜ、お前達サイヤ人とやらも、地球人も、殺した後に全員ドクターがピッコロ大魔王様に忠実な狂暴魔族戦士に改造してくれる。せいぜい今から感謝しろ!」

 

「感謝……ですって……」

「あ、あの、タイツさん?」

 ゆっくりと振り返って、舞台からシンバルに視線を移すタイツ。快活な彼女が珍しく無表情である事に気が付いた青髪ランチが控えめに声をかけるが、反応はない。

 

「ふざけるんじゃないわよっ!」

 ターレスが無事逃げられた安堵から、シンバルやピッコロ大魔王に対する怒り。そして明日には婚約発表を行うはずだったのに滅茶苦茶にされた憤りが爆発したタイツは、感情のままに魔族達を怒鳴りつけていた。

 

「わぁ、タイツちゃん怒髪天?」

「違う、タイツの奴……スーパーサイヤ人になっちまった」

「っ! 大魔王様や兄弟達が勝つまでの時間稼ぎのつもりが、強敵を増やしてしまうとは……!」

 

 元々金髪であるため髪の色はそのままだが、三つ編みが解けて逆立ち、金色のオーラを放つタイツに敵味方の区別なく驚きの視線を向ける。特に、シンバルは悔恨の表情を浮かべていた。

「せめて道連れにしてやる!」

「ま、待て、シンバル!」

 ピアノの制止を振り切ってタイツに向かって突進するシンバル。

 

「あんた達と付き合う気なんてないわよ!」

 しかし、彼の拳が届くよりも、タイツの拳が彼の腹にめり込む方がずっと早かった。

 

 

 

 時間はやや巻き戻り、ターレスとベジータ王子の決勝戦が行われている頃。ラズリはブルマ達がいるボックス席からはやや離れた場所にある女子トイレから出てきたところだった。一番近い女子トイレが混んでいたためだ。

「これじゃあ、並んでも変わらなかったかもね」

 そう言いながら廊下を歩いていると、通りがかった部屋の前でふと違和感を覚えた。

 

「なんだ、サボり?」

 警備員室の中にいる人の気に、動きが無い。不自然に小さくなっているわけでは無いが、それぞれ部屋の隅等でじっとしていて一歩も動かない。

 

 ラズリは居眠りでもしているのかと思ったが、すぐに思い直した。

(交代で仮眠をしているだけかもしれないし、放っておくか)

 そして特に他の係員を探して報告する事も無く通り過ぎた。

 

 だが、その頃部屋の中ではコーチンが懸命にGCコーポレーションのシステムと戦っている真っ最中だった。

「ドクター、本当に上手く行くんだよな? 大魔王様には順調だと言ってしまった後だぞ」

「ふぇっふぇっふぇ、案ずるな、タンバリン。儂にかかればこの程度のシステムを乗っ取ること等容易い事じゃ」

「ドクター……しばらく前から同じ事を言ってるが、汗が凄いぞ」

 

 光学迷彩装置で姿を消した二人は、目をつけていた警備室のドアが開くのを待ち、機会を逃さず内部に侵入。そして中にいたGCGの隊員達の意識を速やかに奪った。

 もちろん殺してはいない。タンバリンが首の後ろの辺りを素早く突いて失神させた後は、ソファの上などに寝かせている。ラズリのように、気を感知できる者に対する偽装工作である。

 

 長くは誤魔化せないだろうが、決勝戦が終わるまでの僅かな時間が稼げれば十分だ。

 

 コーチンはGCコーポレーションのシステムに侵入してゲロ達との連絡を妨害し、ゲロ達が行っている研究の情報を盗み出す事、そして、出来れば8号を始めとした機械ベースの人造人間やロボットのコントロールを奪うのが役目だった。

 タンバリンはそのコーチンの護衛であり、彼の任務が終わった後は、コーチンが用意した手勢と組んで無差別に人間を殺してゲロ達をかく乱する手はずである。

 

 しかし、サイバー攻撃を受ける事を全く想定していなかったスラッグ一味の宇宙船と、GCコーポレーションのセキュリティシステムは次元が違った。

「……チィッ! スカウターの通信を数分妨害するのでやっとじゃ」

 コーチンも天才科学者の一人だが、GCコーポレーションのシステムはゲロやブリーフといった複数の天才科学者によって開発されている。しかも、コリー博士やピラフ大王等が加わって以降もアップデートを続けられている。

 負けず嫌いのコーチンも、舌打ちをして諦めるしかなかった。

 

「それで十分だぜ。それより手勢の方の準備を」

「分かった。今ホイポイカプセルから戻す」

「開いた。じゃあ、誰かの落とし物か?」

「「っ!?」」

 その時、警備室のドアが開いた。

 

 ぎょっとして黙る二人の目に、ドアの間からクリリンとラズリの姿が見えた。

 ラズリが一度警備室を通り過ぎた直後、彼女を迎えに来たクリリンと合流し、彼が警備室の違和感に気が付いたのだ。ドアの下に、警備員が肌身離さず持っているはずのカードキーが落ちていたのだ。

 

 タンバリンとコーチンは外から戻って来た警備員が扉を開けたタイミングで侵入したのだが、その際ドアの近くで失神させた警備員の手からカードキーが外に落ちてしまった。タンバリン達はそれに気が付かずにドアを閉めてしまったのである。

 

(し、しまった!)

 とっさに息を殺して気配を消す二人だが、寝かせている警備員達はどうしようもない。

「やっぱりサボり?」

「……何かおかしい。ラズリさん、皆に知らせよう」

 

(チィッ! 勘のいいチビめっ!)

 クリリンの言葉を聞いたタンバリンはすかさず動いた。気を戦闘力1万未満に抑え、彼とラズリを無力化するために間合いを詰め、攻撃を仕掛ける。

 

「がっ!?」

「うぐっ!?」

 不可視のままタンバリンが繰り出した攻撃を受け、力なく倒れるクリリンとラズリ。

 

「……チッ、しまった。力加減を間違えた」

 しかし、クリリン達を失神させる事が出来なかった。戦闘力が100に満たない警備員達とクリリン達とでは大きな差がある。

 

 そして失敗できないという焦りもあって、タンバリンは上手く攻撃を加減する事が出来ず二人の首の骨を折ってしまっていた。

「くっ、貧弱な奴らめ。だが安心しろ、タンバリン。幸いにも決勝戦はもう直ぐ終わる、こいつらが死んでも影響はあるまい」

 重なるように倒れる二人に視線も向けず、コーチンがそう主張する。警備室のモニターでは、ベジータ王子のギャリック砲でターレスが吹き飛ばされる姿が映っていた。

 

「いいや、ドクター。あんたはここから離れて他の場所で作戦を続けてくれ。俺はここでこいつらを助けに来る、馬鹿な人間共の相手をさせてもらうぜ」

 だが、タンバリンはコーチンに異を唱えた。

 

「な、なんじゃと!?」

「どうせ護衛は作戦が始まるまでの予定だったんだ。それに、俺から離れた方が安全だぜ。数は人間共が圧倒的だからな」

「……分かった。死ぬときは儂が再改造できる状態で死ぬのだぞ!」

 

 光学迷彩を施したマントを被り直したコーチンが、急いで部屋から出て行く。その時、クリリンにはまだ意識があった。

(ヤ、ヤバイ、このままだと俺もラズリさんも死んじまう)

 首の骨は折られていたが、まだ神経は繋がっていた。しかし、上手く呼吸が出来ず、体も思い通りには動かせない。即死ではなかっただけで、致命傷を負っている事に違いはなかった。

 

(仙豆を、食べさせないと!)

 クリリンは意識が遠のくのに耐えながら、懸命に預かっていた仙豆に手を伸ばした。そして、タンバリンとコーチンの意識が自分達からそれている間に、仙豆を取り出す事に成功する。

 

(食ってくれっ、ラズリさん!)

 そして仙豆を自分ではなくラズリにまず食べさせようとする。しかし、彼女はクリリンと違って完全に意識を失っていた。まだ辛うじて息をしているが、あと一分ももたないだろう。

 

(くっ、頼むっ! 飲み込んでくれ!)

 口元に仙豆を運んでも反応が無かったため、指でラズリの口の中に仙豆を押し込むクリリン。ごくりと彼女の喉が動いた途端、小さくなりつつあった彼女の気が安定する。

 

(よし、後は俺が仙豆を……あ……りゃ……まいった……な)

 今度は自分の番だと、二粒目の仙豆を取り出そうとしたクリリンだったが、その時には体が完全に動かなくなっていた。

 

(でも……)

「でも、ラズリさんが助かったんならいいか。後は悟空達に任せきりになるのは悪いけど――」

「あれ? あなたは……えーと、ゲロさんの関係者のクリリンさんオニね?」

「えっ? あ、はい」

 

 そして、クリリンは気が付くと巨大な門の前で列に並んでいた。自分に話しかけてくる、頭に角が生えていて肌が赤い以外は普通のサラリーマンのように見える鬼に声をかけられ、戸惑いながら返事をする。

「あなたは列に並ばないでいいオニ。閻魔大王様の所に直接案内するので、私について来てくださいオニ」

「はあ……あの~、ところで俺って死んだんでしょうか?」

 

「もちろんですオニ。しっかりお亡くなりになっていますオニ」

 ここでは普通の事なので、平然と頷くオニ。

「じゃあ、俺と一緒にいた女の子はここに来てないって事は、生きているってことですよね!?」

「女の子? ああ……それなら大丈夫ですオニ」

 

「良かったぁ……」

 ほっと安堵のため息を吐くクリリン。そして、この世とは違うあの世の空を見上げる。

「悟空、皆、後は頼んだぞ! ……でも、適当な時期に復活させてくれよな」

 

 

 

 クリリンと一緒にいたはずのラズリの気を目印に、悟空達が警備室に雪崩れ込んだのはピッコロ大魔王が姿を現した直後だった。

「クリリン!」

「魔族か!」

 

「来たな、人間共」

 悟空達の姿を見ながら、タンバリンは対スカウター装置を切り、本来の力を現し魔神精樹の実に齧りつく。

 その途端、彼の気が150万から十倍の1500万に跳ね上がる。

 

「20倍界王拳! はぁーっ!」

 それを見た桃白白が全力で界王拳を発動させ、タンバリンに突進する。二人は警備室の壁を破り、そのまま天下一武道会会場の屋上まで穴を空け、外に向かっていった。

 

「プーアル、クリリン達に仙豆を食わせるぞ!」

「ヤムチャ様、ラズリさんと警備員の人達は気絶しているだけみたいです。でも、クリリンさんは……」

「っ!」

 悲しそうに首を横に振るプーアル。その仕草で弟弟子にもう息が無い事を知ったヤムチャは、息を飲んだ。

 

「こいつ、自分より先にラズリに仙豆を食わせたのか。どうせ俺達はもうすぐ爺さんの改造手術を受けるのに……格好つけやがって」

 そう言いながらラピスがクリリンの遺体の瞼を閉じた。その死に顔は、敵に殺されたにもかかわらず安らかに見えた。

 

「界王拳!」

 すると、突然悟空が桃白白の空けた穴に飛び込んだ。

「クリリンの仇を取るつもりか!? 無理だっ、あの野郎の気の大きさが分からないのか!?」

 とっさに悟空を止めようとするラピスだったが、クリリンの仇を取ろうとするのは彼だけではなかった。

 

「悟空さ、おらも行くだ!」

「プーアル、クリリンとラズリ達を頼んだぞ!」

「無理ですよ、ヤムチャ様!」

「そうかもな。だがプーアル、弟弟子をやられて黙っていられるか!」

「俺も行きます!」

 

 チチとヤムチャ、そして界王拳をまだ習得していないサタンまで悟空に続いて飛び出していく。

「クソっ、お前らまで死ぬんじゃないぞ!」

 ラピスはそう悟空達に向かって怒鳴ると、モニターに視線を走らせた。そこにはアナウンサーが避難を呼びかけている姿が映っていたが、念のためにコントロールパネルの警報ボタンを、拳を叩きつけるようにして押した。

 

 

 

 一方、桃白白はタンバリンと天下一武道会会場の上空で戦いを繰り広げていた。

「貴様、桃白白だな!? お前の映画は見せてもらったぜ! なかなかおもしろかった!」

「そうかっ。魔族にもファンがいるとは驚いたが、流石私だ!」

「へへへ、貴様の次の続編のタイトルは、『桃白白、魔族への転生! 人類最後の日』だ! 早速手伝ってやるぜ!」

 

 桃白白の拳を片手で受け止めたタンバリンは、反撃の蹴りを叩き込む。

「ぬぅっ!」

 20倍界王拳を使い、戦闘力を14万5700から291万4千にまで引き上げている桃白白だが、魔神精樹の実を食べたタンバリンの戦闘力は1500万。圧倒的な差がある。

 

「俺との力の差に気が付いているにもかかわらず、他のガキ共を守るために俺に向かってきたその覚悟。いいね、ヒーローらしくて。

 だが、外に出るのは俺にとっても都合が良かったんだぜ。狙いやすくなるからなぁ!」

 

 そう言いながら、タンバリンは桃白白に見せつけるように両手を広げて天下一武道会の外……観光地として発展したパパイヤ島の町並みを指す。

「貴様、まさか……!」

 顔色を変える桃白白を見ながら、タンバリンは内心で「万が一にもドクターを巻き込まなくて済むしな」と付け加える。

 

「はははっ! 死ね、人間共ーっ!」

 そして、両手の指から十発の気弾を町に向かって放った。

「ど、どどん波ーっ!」

 桃白白はどどん波を連射して何とかタンバリンの気弾を撃ち落とそうとするが、全ては撃ち落とせなかった。

 

「ほうっ、いくら俺が遊んでいるとはいえ八発も撃ち落としたのか。やるじゃないか。だが、まだ二発残っているぞ!」

「くっ!」

 街並みに向かって、見せつけるように飛んでいく気弾を、桃白白は痛恨の表情で見送る事しかできない。

 

「かめはめ波ーっ!」

「操気弾!」

 だが、その時悟空とヤムチャが放った技がタンバリンの気弾をそれぞれ撃ち落とした。激しい爆発が空中で起こった事で驚き、慌てる人々。しかし、気弾によって直接死傷した者は一人もいなかった。

 

「よくやったと言いたいところだが、何故来た!?」

 界王拳の赤いオーラに包まれた悟空達とサタンの姿を見て、叱責する桃白白。

「へっへっへ、俺は大歓迎だぜ」

 タンバリンは自身の役目……かく乱が上手く行きつつあることに気を良くして、上機嫌で笑い出した。

 

「お前達も殺して、死体を狂暴魔族戦士に改造してやるぜ! あのチビ共のようにな!」

「あのチビ……!」

 悟空はタンバリンが発した言葉の一部を繰り返した。

 

 この歴史でも正史と同じく、悟空とクリリンは親友同士だ。彼だけではなく、クリリンとともに修行したヤムチャやサタン、チチも同様だ。

 そのクリリンの命が無惨にも奪われ、冷静さを失う程激怒しているのも正史と同じ。

 

「クリリンの事か……クリリンの事かーっ!!」

 だが、正史と異なるのは悟空達の今の実力だ。彼の戦闘力は、父親であるバーダックが初めてスーパーサイヤ人になった時の約十倍。

 

 界王拳によって赤く染まっていた悟空のオーラが、金色に変わる。

「な、なにっ!?」

「フッ、どうやら貴様は眠れる獅子を起こしてしまったようだぞ」

 

 スーパーサイヤ人となった悟空の姿を見て動揺を露わにするタンバリン。その耳に桃白白の言葉が届く前に、悟空の拳が彼の顔面にめり込んだ。

「おめぇは許さねぇ! 許さねぇぞ!」

「ぐっ! このタンバリン様を、その程度の力で殺せると思うなよ!」

 

 戦闘力が532万に上昇した悟空に対して、かく乱のために遊びながら戦っていたので隙を突かれたタンバリンだが、すぐに意識を抹殺に切り替えて対応する。

「よくもクリリンを!」

 途端に攻撃が見切られ、当てられなくなる悟空だが冷静さを失ったままの彼はがむしゃらに攻め続ける。

 

「頭を冷やせ!」

 そこに、カプセルから戻した刀を構えた桃白白が加わる。武器如き恐れるに足らんと、タンバリンは素手で彼の斬撃を受け止めようとするが……腕を切られ慌てて後ろに下がった。

 

「くっ、その刀、ただの鉄じゃないなっ!? 危うく腕を落とされるところだったぜ」

「この宇宙で最も硬い金属、カッチン鋼製の刀だ。まさか、卑怯とは言わんだろうな?」

 かつてはカッチン鋼を表面にコーティングしただけの桃白白の刀だったが、彼が腕を上げた事でカッチン鋼100パーセントの刀にバージョンアップしていた。……将来的には、彼の刀は界王神界に突き刺さっているZソードよりも硬くなるかもしれない。

 

「チッ、小賢しい真似を――」

 骨を断たれる前に引いたからよかったものの、タンバリンが利き腕に負った傷は浅くない。ナメック星人のような再生能力を持たない彼は怒りに顔を歪めた。

 

「俺達を忘れちゃ困るぜ、連続操気弾!」

 そこに、ヤムチャが放った操気弾が襲い掛かった。見ると、なんと彼の髪も金色に変わって逆立っている。

「なっ? お前もスーパーサイヤ人になりやがったのか!?」

 戦闘力が7万9100から395万5千に上昇した操気弾を無視する事は出来ず、タンバリンは無事な方の腕で叩き落とした。

 

「隙ありだべ!」

 そこに、金髪の少女が現れ額から鋭い気功波を放つ。

「だ、誰だ、貴様!?」

 反射的に仰け反って回避したタンバリンは少女の正体が分からず叫ぶが、彼女の事を良く知っている悟空には一目瞭然。スーパーサイヤ人になったチチだ。

 

「今だっ、気円斬!」

「ぎゃっ!?」

 体勢を崩しているうえに混乱が深まっているタンバリンに向かって、更に気円斬が飛来した。タンバリンはそれも身を捻って回避しようとするも、間に合わず翼が片方切断されてしまった。

 

「フハハハハ! どうだ、人間を舐めるから痛い目を見るのだ!」

 高笑いを上げるサタンのアフロヘアは、金色に輝き瞳も黒から澄んだ青に変わっていた。

 正史と異なり、ヤムチャ、チチ、サタンはサイヤ人とのハーフになっているうえに、クリリンと共に修行し、死線を潜り抜けたのは悟空と同じだった。

 

「よくも俺の翼を! クソッタレが! 次から次にスーパーサイヤ人になりやがって! まさか貴様も変身したりしないだろうな!?」

「残念ながらその期待には応えられんが……幸いなことに私の映画の続編は見られるぞ。あの世でな」

 

 形勢逆転だとでも言いたげな凄みのある笑みを浮かべて刀を構える桃白白だが、実際はまだまだタンバリンの方が強い。気を抜けば一瞬でやられかねないと、桃白白は気を引き締めた。

 




〇阿井 上夫様が素敵なイラストを描いてくれました!

・クリリンの事かーっ!!!


【挿絵表示】


・伝説のバーゲンセール


【挿絵表示】


悟空の怒りが伝わってくる迫力あるイラストに、タイツやヤムチャのカッコよさ、チチのかわいさ、そしてサタンの力強さが伝わってくるイラストです!
是非ご覧ください。



〇戦闘力推移

・タイツ:33万5千 素の戦闘力は上がっていないが、スーパーサイヤ人化に成功。変身中の戦闘力は1675万
・悟空:10万6400 スーパーサイヤ人化によって、変身中は532万。
・ヤムチャ:7万9100 スーパーサイヤ人化によって変身中は395万5千
・チチ:4万900 スーパーサイヤ人化によって変身中は204万5千
・サタン:10080 スーパーサイヤ人化によって変身中は50万4千



〇ピッコロ大魔王

 カタッツの息子の片割れ。地球の神様が神に成る前に、地球で暮らしている間に持つようになった悪の心を分離し、その心が年月を経て実体を持つようになった存在。

 約二百年前の地球で魔族を率いて猛威を振るったが、亀仙人と鶴仙人の師、武泰斗が編み出した魔封波によって封印されてしまった。
 その後ピラフ大王によって封印から解かれ、再び世界(地球)を征服しようと動き出した。

 当人に自覚はなかっただろうがナメック星人であり、水だけで充分生きられるはずだが、配下のピアノによるとゲテモノ料理を食するようだ。

 この作品では数年前にコーチンによって封印を解かれ、共通の目標のために協力し合ってきたため悪人同士ながら強い信頼関係で結ばれている。また、暇つぶしとして嗜んだホラーゲームやホラー映画鑑賞などを楽しんだため、人間についても多少は理解している。

 戦闘力は老いた状態で230。だが、この作品では8百万。魔神精樹の実を食べる事で、8千万にまで上昇する。
 原作悟空のようにフリーザがフルパワーを出すまで待たないだろうから、最終形態になったフリーザと戦っても勝てそう。



〇気円斬

 ピッコロ大魔王達が気円斬を知っていたのは、去年に起きた「地球丸ごと超決戦!」事件についてのテレビ放送で、神精樹の根を切断するのに使われた技として取り上げられたため。
 これは有用な技だとピッコロ大魔王が認め、テレビで見た後一味総出で練習して約一年以内に習得した。



〇タンバリン

 緑色の鱗に覆われ背中に翼を持つ、復活したピッコロ大魔王が生み出した二匹目の魔族。天下一武道会参加者の名簿や、武道家の抹殺などを任せられた。
 原作コミックではクリリンを殺し、激高して追って来た悟空も撃退している。しかし、クリリンと悟空は天下一武道会の後で疲労していたため、本来の実力を発揮できない状態だった。そのため、ヤジロベーの焼き巨大魚を食べて回復した悟空相手には、あっさり負けてしまった。

 原作コミックではクリリンのほかに、ナムとギランを殺害している。しかし、原作アニメだとさらに人数が増え、チャパ王、男狼、パンプット、バクテリアンの命も奪っている。
 さらに、アニメ版ドラゴンボール超では、本人ではなく幻だったがクリリンの前に登場しているため、クリリンにとってタンバリンはかなりのトラウマになっていると思われる。

 また、アニメでは亀仙人の回想でタンバリンと似たような姿の魔族が多数登場した。
 ゲームでは筋斗雲を消滅させた口から吐く光線が、「ミスティックブレス」と言う技として収録されている。また、ヤジロベーと対戦して負けるとシンバル同様に食べられてしまったようなセリフが表示されるらしい。

 戦闘力は原作では150ぐらいだと推定。万全の状態の悟空には一方的にやられてしまったため、当時の原作天津飯以下の実力だったと思われる。……ピッコロ大魔王は彼の実力を「シンバルの数倍」と評していたが、流石にそこまではないはず。

 この作品では改造と魔神精樹の実を食べた事で150万まで上昇。また、魔神精樹の実を食べると1500万まで戦闘力が上がる。



〇シンバル

 原作では、ピッコロ大魔王がドラゴンボールを探させるために生み出した三体目の魔族。ドラゴンボール探しにちなんで、ドラゴン型の姿を与えられた。
 しかし、その役目のために悟空とヤジロベーに遭遇してしまい、ヤジロベーに胴体を両断されて倒された上に、丸焼きにされて食べられてしまう。とても美味しかったらしい。

 手から雷のような気功波を放つ事が出来、それが当たっていればヤジロベーに勝てたかもしれない。……ヤジロベーの事だから、当たっても「痛ぇ!」で済んだかもしれないが。

 戦闘力はピッコロ大魔王によると、タンバリンが「シンバルの数倍」なので、その言葉が正しければタンバリンの何分の一になるが……いくらピッコロ大魔王が老いていても、そんなザコにドラゴンボール探しを任せるとは思えない。そのため、多分100以上、120ぐらいはあったのではないかと推測しました。

 この作品では素の戦闘力は120万、魔神精樹を食べると1200万に上昇する。
 ……特にドラゴンボール探しを任されていないこの作品のシンバルがドラゴンタイプの姿になった理由は、ピッコロ大魔王達が見ていたパニックホラー映画の影響かもしれない。



〇ドラム

 ドラゴンボールで若返ったピッコロ大魔王が、現れた天津飯の相手をさせるために生み出した魔族。外見はタンバリンを太めにして、代わりに翼を取った物。天津飯を一方的に倒すほど強かったが、彼の心臓を握りつぶそうとしていたところに現れた悟空に、一撃で頭部を砕かれてしまった。

 原作アニメ版では悟空の攻撃からピッコロ大魔王を守るため、身を挺して盾になる忠誠心を見せている。

 この作品ではピアノ、タンバリン、シンバルに続く四体目の魔族で、兄弟達と同様に生み出された後コーチンによって改造されている。
 兄弟達の末っ子だが、ピッコロ大魔王が強くなってから生み出されたためか兄弟達の中では原作同様に最も強い。

 戦闘力は、原作では天津飯に対して一方的に勝っていたが、超神水を飲んでパワーアップした悟空には一撃で倒されてしまった事から推測すると、180から190ぐらいだと推測できる。
 この作品での戦闘力は180万。そして魔神精樹の実を食うと1800万にアップする。



〇ピアノ

 魔神精樹の実によって、戦闘力は素の状態で100万。実を食べた直後は1千万まで上昇。
 ピッコロ大魔王が産み、コーチンが改造した狂暴魔族戦士の中では最も弱いが、最初に生まれた事と知能が高く作られているため、タンバリン達にとって兄のような存在。



〇クリリン

 原作と同じく魔族であるタンバリンに殺されてしまったが、何故か無事(?)あの世に行く事が出来た。魔族に殺された者はあの世に行く事が出来ず苦しみ続けるはずだが……。



 ぱっせる様、ロイク様、PY様、Paradisaea様、変わり者様、ハゲネ様、h995様、ダイ⑨様、御船悠一様、ヴァイト様、KJA様、Mr.ランターン様、麦茶太郎様、 gsころりん様、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。

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