ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする   作:デンスケ(土気色堂)

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(マジュニアの)未来を賭けた戦い!


142話 未来を賭けた戦い

「さて、では改変の仕上げと行こうか」

 激戦を繰り広げるベジータ王子達とピッコロ超魔王一味の戦いを見下ろすドミグラは、おもむろに杖を掲げた。

 キリで強化する対象は、ピッコロ超魔王……ではなく、ベジータ王子だ。

 

 ベジータ王子をキリで強化し、ピッコロ超魔王がピッコロ(マジュニア)を産む隙も無いほど完膚なきまでに勝利させる事で、ドミグラはさらなる歴史改変をなそうとしていた。

 人生経験を積み身体能力だけではなく精神力も鍛え上げたタイムパトローラーのベジータだったら、ドミグラでもキリで強化して操るのは至難の業だっただろう。しかし、この歴史のベジータ王子なら彼の魔術に抵抗する事はまだできないはずだ。

 

「これも私の野望のため。悪く思うなよ」

「おっと、手出しはさせないぜ」

 しかし、ドミグラの前にバーダック、そしてタイムパトロールの悟空とベジータが現れた。

 

「今回は貴様等に手を貸してやろうとしていたのだが、それは分かっているのか?」

「ああ、だが遠慮するぜ。うちの王子様はプライドが高いんでな。勝手に手助けされたお陰で勝てたなんて知ったら、後でどうなるか分からねぇ。なぁ?」

 

「当然だ!」

 バーダックに話を振られたベジータは、厳しい口調で答えた。

「別の歴史と言えど、俺なら貴様に利用されて戦いに勝つなど死んでも御免なはずだ! そうでなければ俺ではない!」

 

「それによ、ちっちぇオラ達が頑張ってんだ。オラ、見てるだけでワクワクしちまってよ。丁度いいから相手してくれよ、ドミグラ!」

 力強く拒絶するベジータには不敵な笑みを崩さなかったドミグラだったが、悟空のある意味馴れ馴れしい態度にはげんなりとした顔つきになった。

 

「手を組まないかとは言ったが、貴様は私を稽古仲間と勘違いしていないだろうな? ……まあ、いいだろう。すでに大量のキリを手に入れた。多少は遊んでも構うまい。

 メチカブラに使う前に試しておきたい力もあるからな」

 

 ドミグラが意識を戦闘に切り替えた気配を察知し、悟空とベジータがスーパーサイヤ人ブルーに変身し、バーダックは空に浮かぶ人工満月を見て大猿に変身しながらミクロバンドを起動させた。

 

 

 

 

 

 

 ベジータ王子達の激しい戦いが続いているが、この儂、ドクター・ゲロは戦闘に直接参加せずやや後方で様々な装置を操作していた。

 もちろん、スパイロボットによるピッコロ超魔王達の細胞採取のためではない。それはコンピューターに任せてある。

 

 儂がやっているのはキングキャッスルや街を守るシールド発生装置や、万が一の事態に備えての奥の手の調整、何処かに潜伏しているコーチンの捜索だ。

 シールド発生装置は、ピッコロ超魔王達を完全に囲むと彼等が脱出のためになりふり構わなくなる可能性があるので、今はわざとキングキャッスルと町の前にしか展開していない。

 

 奥の手の眠り姫砲は、オリジナルをそれより性能が劣る人工眠り姫でサポートしているため何とか撃てるはずだ。威力が高すぎるので狙いがずれると地球を貫きかねないから、使うのは本当に最後……ネイルクローン作戦の後にしたいところだ。

 ネイルクローンの培養装置は『精神と時の部屋』に運び込んであるので、5分もあればクローンを一人培養できる。

 

 そして、そのネイルはシールドの外側で元気玉を発動中だ。

(やはり、私も戦った方が良かったのではないか? 元気玉を作るのなら、ヨンは無理でも、孫悟空も出来るはずだ)

 ネイルがそう提案した通り、スーパーサイヤ人に覚醒したとはいえ今の悟空よりもネイルを戦線に投入した方が戦力になる。

 

 元気玉の威力は集めた気の総量によって決まるため、術者本人の実力は関係ない。敵に向かって放つ時には押し込む気も必要になるが、それは他の者が術者をサポートすればどうにかなる。

(儂も誰に元気玉を作ってもらうか迷ったのだが……カクージャ達から提供してもらった情報によると、悟空だと支障がある事が判明したのだ。

 悟空本人に問題は無いのだが――)

 

「今度こそ皆殺しにしてやるぞ、サイヤ人共!」

「生き残りがスーパーサイヤ人になる余地も残さねぇ! 一人残らず根絶やしだ!」

 儂がネイルにテレパシーで説明していると、タンバリンやシンバルの怒鳴り声が響いて来た。スラッグ星に居た時から、彼等はサイヤ人に対して殺意を滾らせていたらしい。

 

(このように、悟空を含めたサイヤ人は奴らに注目され過ぎている。彼が元気玉を作っていたら、魔族達は彼の不在にすぐに気がついて警戒するだろう)

(なるほど。確かに、ピッコロ超魔王は私に対してあまり関心はないようだからな)

 

 スラッグ星でスラッグと戦い界王拳を発動して倒したネイルだったが、そのスラッグはピッコロ超魔王に吸収合体されてしまった、そのせいか、ピッコロ超魔王を含めて彼に注目している魔族はいないようだった。

 ピッコロ超魔王はスラッグの記憶も吸収しているはずだが、自分自身を追い詰めたベジータ王子の印象の方が強いのだろうか?

 

(お爺ちゃんっ! 通信システムに誰かが侵入して偽情報を流してる! きっとコーチンの仕業よ!)

(デタラメな場所に『敵が出現した』って言ってるのよ! 何とかしてよね!)

 その時、ブルマとブルー大佐からテレパシーでコーチンが妨害工作をしていると連絡があった。

 

 敵の存在は目で確かめる以外にも気を読めば察知できる。しかし、天下一武道会会場でコーチンが放ったロボットマン……気を発しない敵の存在を考えれば、索敵を気に頼る事は出来ない。

 なるほど、妨害工作としては良い手だ。

 

(分かった、儂がシステムを取り返す。それまでの間、テレパシーで通信システムの代わりを頼む)

(OK!)

(ドライバーの次は電話替わりとはね。全く、泣けてくるわ!)

(ボクは?)

(チャオズは今まで通り戦力の供給と撤収に専念してくれ)

 

「見つけたぞ、爺!」

 さっそく作業に取りかかる儂に向かって、聞き覚えのある怒鳴り声と共に気弾が放たれた。

「せっかくの再会だが、後にしてくれんか? 今、手が離せん」

 瞬間移動で気弾を回避した儂は、手元の端末を操作しながらコーチンとシステム内での主導権争いを始める。儂も神精樹の実カプセルを飲んでいるので、戦闘力は39万から195万に増大済みだ。音速を遥かに越えた指捌きに耐えてくれよ、儂の端末。

 

「そうはいかねぇ。手が塞がっているなら脚で相手をしてもらおうか」

 儂を狙ったのはゼエウンだった。ピッコロ超魔王によって潜在能力を解放され、更に魔神精樹の実を喰らった事で儂と互角だった頃とは比べ物にならない程戦闘力が高まっている。557万といったところか。

 

「あの女の息の根はもう止めた。後はテメェを殺せば俺の復讐は完了だ!」

 たしかに、先ほどまでゼエウンと戦っていたはずのサンの姿が見えない。しかし――。

「ほう、息の根を止めた、か。それは本当かね?」

 

「信じられないか? だが体に、それも心臓に風穴を空けてやったんだ。ピッコロ超魔王様に命じられた通り、確実に止めを刺してや――ぐあぁぁぁ!?」

 儂に向かって勝ち誇るゼエウンだったが、背後からかめはめ波を受け悲鳴を上げる事になった。

 

「誰の息の根を止めたか、言ってみるだよ!」

 そのかめはめ波を撃ったサンが、そう啖呵を切っていた。胸元には当然穴は空いていない。

「ぐおおおおっ! ば、馬鹿な。確かに心臓を貫いたはず……まさか、地球人には心臓が複数あるのか!?」

 油断していたところにかめはめ波を撃たれた事で背中にダメージを受けたゼエウンが、信じられないといった顔つきでサンを凝視する。

 

 どうやら、サンに風穴を空けたのは本当らしい。

「そんな訳ねぇべ! 地球人をバケモンみたいに言うでねぇだ!」

 そう怒鳴り返すサン。地球人云々以前に彼女は儂が改造した人造人間であるため、ナメック星人の細胞を移植した事でその再生力を獲得している。

 

 心臓は一つしかないが、心臓と頭部にある核を両方破壊されないと即死はしない。再生する体力が無い場合も死んでしまうが……不完全ながら永久エネルギー炉を体内に搭載しているため、彼女が体力切れを起こす事はまずない。

 

「だったら今度は全身をバラバラに引き裂いてから、塵も残さず消し飛ばしてやるぜ!」

 ゼエウンは怒りと驚愕から立ち直ると、手っ取り早い解決策を実行するべく儂を無視して再びサンに襲い掛かった。

 

迎え撃つサンだが、やはり押されている。心臓に穴を空けられ瀕死になり、復活した事で彼女の素の戦闘力は186万から232万に上昇し、更に神精樹の実エキスカプセルによって倍の464万に至っている。しかし、ゼエウンの557万には百万ほど及んでいない。

 

「ちょこまかと小賢しく動きやがって!」

 しかし、ゼエウンもサンを攻めきれてはいなかった。やはり技ではサンの方が数段上回っている。

「おめぇの動きに無駄があり過ぎるだけだべ!」

 ゼエウンの拳を両腕で受け流してダメージを最小限に抑え、流れるような動きで懐に入り込んで脇腹にエルボーを叩き込む。

 

 初戦ではあまりにも実力が離れていたため活かせなかった技量を、差が縮まった二戦目でフル活用している。このまま互角の状態を維持できれば、その内二人をパワーアップさせている魔神精樹の実とカプセルの効果が切れて素の状態に戻り、サンはゼエウンに勝つことが出来るだろう。

 

「チィッ! だったら貴様が動き回れないようにしてやるまでだ!」

 それに気がついて焦ったのか、ゼエウンはそう叫ぶとサンから離れて天高く飛び上がった。そしてなんと、大地に向かって勢いよく突撃しようとする。

 

「イビルインパクト! そら、俺を受け止めないと今度は大事な地球に風穴が空いちまうぞ!」

 なんと地球を人質にしてサンに必殺技を受け止める事を強制する作戦にでた。彼女が止めると確信しているのだろうが、万一地球を破壊してしまったらピッコロ超魔王達も困るだろうに。

 

「好都合だべ! プラズマブースト!」

 しかし、サンはゼエウンを罵るどころか勝気な笑みを浮かべるとプラズマブーストで身体能力を倍増させて右肘を衝角のように構える。

 

「マッスルカタパルトをくらうだよ!」

 そして大地を蹴ってゼエウンに向かって正面から突撃した。

 正面からぶつかり合うサンとゼエウン。己の勝利を確信していたゼエウンだったが、その笑みはすぐに驚愕と苦痛に歪んだ。

 

「なっ!? ぐっ!? 馬鹿なっ、技ならともかく力比べで俺が負けるはずが……!?」

 力比べなら勝てる。そう確信していたゼエウンだったが、サンはプラズマブーストと言う身体能力を倍増させる技も習得していた事を彼は知らなかった。

 

「ガッ……!」

「おらの勝ちだべ!」

 結果、サンのマッスルカタパルトにイビルインパクトを破られたゼエウンは、半身を消し飛ばされて絶命したのだった。

 

「ゼエウンの奴、またやられちまったのか。迂闊な野郎だぜ」

 仲間の散り際を見ながら、メダマッチャはそう言った。

「俺のように念入りに頭を吹き飛ばさないからそうなるんだ、まったく」

 そう語る彼の足元には、頭部の無い女が倒れていた。

 

「仕方ねぇ。いっちょ仇でもとってやるとするか」

 そして次はサンと戦おうと歩き出したその時、倒れたままだった頭部の無い女が立ち上がった。

「……んんっ! どどん波っ!」

 首が僅かに震えたと思うと、断面から飛び出すように頭部が生えて元通り再生。再生を終えた女……ギネはメダマッチャの背に向かってどどん波を放った。

 

「ギャッ!? お、お前っ!? そんな馬鹿なっ!? まさか、お前もドラゴンボールで生き返ったのか!?」

「最初から死んじゃいないよ、頭を吹っ飛ばされただけさ! ……あたしも死んだかと思ったけどね」

 背中を撃たれ仰け反り、驚愕の声を上げるメダマッチャにギネはそう怒鳴り返した。……彼女も涙目になっていたが。

 

 復活後ピッコロ大魔王によって潜在能力を解放されたメダマッチャの戦闘力は、素の状態で60万。そして魔神精樹の実を食べた事で600万にまで上昇した。そして、かつて自分を倒した相手であるギネを圧倒し、至近距離から放ったエネルギー波で彼女の首から上を吹き飛ばした。

 

 それで勝利を確信したメダマッチャだったが……サン同様、人造人間であるギネは頭部の中心と心臓の近くにある核を二つとも破壊しない限り、確実に殺す事は出来ない。

 ギネは死んだふりをして、メダマッチャの隙を伺って頭部を再生し彼の不意を打ったのだ。

 

「頭を吹っ飛ばされたのは初めてだったからね。このお返しはさせてもらうよ!」

「お返しも何もなんで頭を再生できるんだ!? しかも、髪まで元通りになりやがって! 体の中にスペアの頭でも収納しているのか、この化け物め!」

 頭を吹き飛ばされた時に覚えた死への恐怖を振り払い、再び戦意を高めるギネ。しかし、彼女に睨まれたメダマッチャは彼女が覚えた以上の恐怖に震え上がっていた。

 

 無理もない。この宇宙にはナメック星人のように高い再生能力を持つ種族や、フリーザ一族のようにほぼ脳だけで宇宙空間を漂っていても死なない種族が存在する。しかし、頭部……脳を吹っ飛ばされて生きていられる種族はまずいないのだから。

 儂が知っている中でも、スーパードラゴンボールで不死身になったザマスを除けば魔人ブウぐらいだったと思う。

 

 ……ちなみに、ギネが頭部を再生させた際に髪まで元の長さに生えそろった事は何の不思議もない。ナメック星人が腕を再生させる時も、爪も元通りの長さに生えそろった状態で新しい腕を再生している。

 

「お、俺に近づくなぁ!」

 怯えながらエネルギー弾をギネに向かって乱射するメダマッチャ。普段は変幻自在な軌道を描くそれも、恐怖に震えているためか狙いが甘く、見切りやすい。

 

「なんであんたが怯えるのさ、まったく失礼じゃないか!」

 おかげでギネは迫りくるエネルギー弾を簡単にかわす事が出来た。

 ギネの戦闘力は頭部を再生して復活した事で210万から262万5千に上昇し、神精樹の実エキスカプセルによって525万にまで上昇している。だが、メダマッチャが冷静さを保ち普段通りに戦っていれば優勢を保つ事が出来ただろう。

 

「お返しだっ! ライオットジャベリン!」

「ギエエエエッ!?」

 腰が引けていたメダマッチャに、ギネのライオットジャベリンがエネルギー弾の隙間を縫って直撃した。

 

「ケ、ケケェー!!」

 だが、メダマッチャは大ダメージを受けたが致命傷には至っていなかった。むしろ、生命の危機に瀕した事で恐怖を振り切り戦意を取り戻していた。

 

「っ!?」

 煙から飛び出て来たメダマッチャの分身を避け切れず、体にくっつかれるギネ。何とか引きはがそうとするが、メダマッチャの分身は見た目より力が強く、彼女の体から剥がれない。

 

「そいつらはお前の邪魔するだけじゃない、エネルギーも吸収するぜ! そして、身動きできず消耗したお前に止めを刺すのはこの技だぁ!

 エビルコメットォ!」

 

 左右の手から巨大なエネルギー弾を変則的な軌道でそれぞれ放つ、メダマッチャの必殺技がギネに迫る……かに見えた。

「かめはめ波ーっ!」

 だが、サンが放ったかめはめ波が片方のエネルギー弾を貫き空中で爆発させた。

 

「っ!? あ、あの女、邪魔をしやがって! な、なんだと!?」

「はーっ!」

 そして、もう一方のエネルギー弾が着弾する前に、ギネの気が膨れ上がり、彼女のエネルギーを吸収しきれなかったメダマッチャの分身が悲鳴を上げて弾け飛ぶ。

 

「はぁーっ! ジャン、拳っ!」

 そして驚愕のあまり動きが鈍ったメダマッチャに向かって高速で間合いを詰め、腕を振るう。

「チョキっ!」

 最初の一撃は、ただでさえ大きいのにさらに見開かれていたメダマッチャの目を指で突く。

 

「ヒィッ!?」

 だが、それは体を大きく逸らしたメダマッチャに避けられてしまう。しかし、それこそギネの狙い通りだった。

「グー!」

 本命は抉るように放った左拳。目つぶしを回避するために体勢を崩したメダマッチャの胴体に、ギネの拳が突き刺さる。

 

「最後はちょっと応用っ! 波ーっ!」

 突き出された掌から放たれた気功波が、メダマッチャを吹き飛ばした。

「ケケーッ!? チクショウ! また蘇ってやるからなーっ!」

 そして断末魔の悲鳴を残し、メダマッチャは二度目の死を迎えたのだった。

 

「ふうっ……ありがとう、助かったよ!」

「なんのなんのだべ」

 ハイタッチするギネとサン。しかし、まだ戦場には魔族達が残っている。

 

「な、何故ダボ! なんで俺はお前らに勝てねぇダボか!?」

 もっとも、そのうち一人はもうすぐ敗退しそうだが。

「俺は強くなったダボ! あの4号とかいう奴に一度は殺されたが、蘇ってより強大なパワーを授かったはずダボ!」

 

 そう大声で喚くドロダボの戦闘力は、578万。確かに、強大なパワーだ。スラッグ星で4号が戦った時とは比べ物にならん。

「そんなの決まってるだ。おらの方が強ぇからだべ」

 しかし、彼を相手にしているスーパーサイヤ人に変身したチチの戦闘力は、神精樹の実エキスカプセルを摂取した事で約1千万。ドロダボの倍近くに達している。

 

 ドーピング、とは言うなかれ。実際には、ドロダボ達ピッコロ超魔王一味の方が、儂が作ったカプセルよりも高いパワーアップ効果のある魔神精樹の実を食っているのだから。

「そ、そんなの……認められねぇダボーっ!!」

 プライドを打ち砕かれて自棄になったのか、ドロダボは目を血走らせて天に向かって手をのばす。おそらく、必殺技のイビルグラビティを放とうとしたのだろう。

 

 しかし、上空に気を放ち目標を上から狙うあの技は、正面に格上の相手がいる状況で放つのに向いた技ではなかった。

「かめはめ波ーっ!」

 ドロダボが技を放つ前に、チチのかめはめ波が彼を飲み込み、彼の姿と気をかき消したのだった。

 

 一方、アンギラの相手をしているヤムチャは、スーパーサイヤ人化していなかった。

「「うおおおおおっ!」」

 神精樹エキスカプセルは摂取したが、20倍界王拳を発動してアンギラと激しい拳と蹴りの応酬を演じている。

 

「貴様っ、何故スーパーサイヤ人にならない!?」

「あれは俺にはまだ消耗がきついんでな。温存してるのさ!」

「チッ! 舐めやがって!」

 

 アンギラは舌打ちをすると、怒りを力に変えてヤムチャに向かって掌底を放った。そして、そのまま腕を伸ばしてヤムチャを大きく後ろに下がらせる。

 

「うおっ!?」

「かかったなっ! イビルクエーサー!」

 そして体勢を崩したヤムチャに向かって、口から必殺の気功波を放った。彼の戦闘力も600万にまで上昇しており、直撃すればヤムチャもただでは済まないはずだ。

 

「そうはいくかっ!」

 しかし、ヤムチャは慌てず気弾を作り出し、なんとそれを足場にして体勢を即座に立て直した。

「どどん波っ!」

 そして、素早く放ったどどん波をイビルクエーサーにぶつけて爆発させ相殺。そして、猛烈な勢いでアンギラとの間合いを詰め再び肉薄する。

 

「新狼牙風風拳!」

 カプセルを摂取したヤムチャの戦闘力は39万6500で、現在は20倍界王拳の効果で793万3千。

「ハイハイハイハイハイ! ハイィーッ!」

 ヤムチャはアンギラに防御する隙も与えず無数の拳を放ち、止めと言わんばかりに強烈な回し蹴りを放って彼を吹き飛ばした。

 

「ガッ! う、うぉぉぉっ!」

 だが、真の止めはヤムチャが体勢を立て直すのに使った気弾だった。気弾の軌道を操作し、アンギラが隙だらけになった瞬間叩きつけ勝利したのだった。

 




〇戦闘力推移

・ゲロ:39万 → 神精樹の実エキスカプセル → 195万 一時的にフリーザの第三形態並みに強くなった天才科学者。

・サン:186万 → ゼエウンによって瀕死にされるが再生 → 232万 → 神精樹の実エキスカプセル → 464万 プラズマブーストを使うと身体能力の実928万
・ギネ:210万 → メダマッチャによって瀕死にされるが再生 → 262万5千 → 神精樹の実エキスカプセル → 525万

・チチ:4万900 → 神精樹の実エキスカプセル → 20万4500 スーパーサイヤ人になると1022万5千。
・ヤムチャ:7万9100 → 神精樹の実エキスカプセル → 39万6500 → 20倍界王拳 → 793万3千 → スーパーサイヤ人化 → 1982万5千

・ゼエウン:42万9千 → 潜在能力解放 → 55万7千 → 魔神精樹の実 → 557万 
・ドロダボ:44万5千 → 潜在能力解放 → 57万8千 → 魔神精樹の実 → 578万
・アンギラ:46万2千 → 潜在能力解放 → 60万 → 魔神精樹の実 → 600万
・メダマッチャ:46万2千 → 潜在能力解放 → 60万 → 魔神精樹の実 → 600万

 ピッコロ超魔王に潜在能力を起こされた事で、素の状態でも対一形態のフリーザより強くなった元スラッグ一味の幹部達。相手がフリーザ軍やクウラ軍だったら、フリーザやクウラと直接当たらない限り生き残れた。



〇ギネ式ジャン拳

 孫悟飯から教わった技を、ギネなりに改良した物。初撃がフェイント、二撃目が本命、そして三撃目で止めを刺す技になっている。




ピッコロ超魔王との決着まで書きたかったのですが、そこまで書くと来月になりかねないのでキリが良いところで投稿させていただきました。



PY様、KJA様、ぱっせる様、MMZK様、佐藤東沙様、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。
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