ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする 作:デンスケ(土気色堂)
これは嬉しかった……嬉しかったぞぉ~!
ただでは投稿せん! じわじわと執筆してくれる!
という訳で投稿です。
最長老に教えてもらった他の星の宇宙船は、海底の泥に埋まっていて形は残っていた。もちろん、宇宙船としては故障しており、特に動力部はどうしようもない状態だった。
しかし、儂は持ってきていた高重力下用パワードスーツを海中探査用に改造して発掘。そしてブリーフ博士とコンピューター部分のデータの解析を行った。
そして貴重な情報を得ることができた。これから行く予定だったヤードラット星の正確な位置を割り出す事も、しばらく後に惑星ベジータに行く事も出来る。
今でこそ他星と没交渉のナメック星人だが、ベジータやナッパがピッコロを見ただけでナメック星人だと理解し、フリーザ達が態々探さなくてもナメック星に行く事が出来た事から、彼らは宇宙ではかなりメジャーな存在なのだろう。
そんなメジャーな彼らの星に他の惑星から来た宇宙船が眠っていたとしても、考えてみればおかしくなかったのだ。データが残っていたのは、奇跡だったが。
ちなみに、潜在能力解放によって儂らの戦闘力は驚異的に上昇……なんて事はなかった。確かに体が軽くなり、動きが素早くなった。だが、3号に手伝ってもらったが客観的にはそれほどパワーアップしていない。戦闘力五ぐらいが、十ぐらいになった程度か。
……数値としては倍になったし、儂がスポーツ選手だったら世界記録に挑戦出来るだろうが、ドラゴンボール世界では吹けば飛ぶ程度の数字だ。たしか、原作一話時の孫悟空の戦闘力が十だったと聞いた記憶があるが、今の儂があれほど飛んだり跳ねたりできるとは思えない。やはり地球人とサイヤ人の差か、それとも儂の前世の記憶が間違っているのかだろう。
武術をかじっていた儂がこの程度なので、ブリーフ博士とパンチー夫人も身体能力が少し上がった程度だ。……パンチー夫人は何故か皮膚細胞や内臓、血管などの年齢が全て若返っていた。もう儂の会社の製品、君にはいらないのではなかろうか?
ただ脳細胞的な潜在能力が解放されたのか、儂とブリーフ博士はより頭が回るようになった。思考速度が速まり、同時に別々の事を考える並列思考が可能となったのだ。これで人造人間の開発が捗るだろう。
「細胞をいくらか分けてもらっても構わんかね?」
「それは、『最強の人造人間』とやらを作るために使うのか?」
その人造人間の開発のために、滞在中それなりに親しくなったツムーリにそう尋ねると、そう聞き返された。
「その通りだ。まあ、医療にも応用するつもりだが。地球人は君たちのように、新しく手足や耳を生やす事が出来ないからな」
核さえ無傷なら再生可能なナメック星人の生命力は凄まじい。地球人に応用できれば、地球の医科学はこの宇宙でもトップクラスの発展を遂げ……再生ポッドまで開発しないとそれは無理か。
もちろん、人造人間にも使うつもりだ。人間タイプの人造人間を作るために。
なぜなら、それは地球人が脆弱だからだ。ただ、誤解してほしくはないが、地球人がほかの宇宙人と比べて特別劣っているわけではない。
地球人は現段階においては科学力も低く、ほかの惑星と交流していない辺境の惑星の種族だ。そして、戦闘能力の面でも、弱いとしか言えない。
しかし、将来……それもたった数十年後には、クリリンやヤムチャといった戦闘力千を、そして将来的には一万を超える戦士が生まれる種族だ。
一万程度と思うかもしれないが、普通の種族では戦闘力千を超える者がトップクラスの戦士であり、それが数人しかいないのだ。それに比べれば、クリリンやヤムチャは超人的と評することができる。
だから地球人は特別劣っているわけではない。しかし、ナメック星人やサイヤ人、フリーザ一族と比べてしまうと、優れているとはとても言えない。
そのため、儂は人間タイプの人造人間を作るときに優れた種族の細胞から抽出した遺伝子を組み込む予定なのだ。
「わかった。いいだろう」
「構わないのかね? 君達ナメック星人の細胞から作り出した人造人間を使って、悪事を働くかもしれんぞ?」
「思ってもない事を言うな、ゲロ。悪ぶるのはお前の悪い癖だ。最長老様もお前が悪人ではないとおっしゃった。それに、悪用するつもりなら我々から細胞を取るのに了承を求めたりはしないだろう」
信頼の込められた眼差しに、儂は苦笑いを浮かべる。
「どんな契約書よりその言葉の方が裏切り辛いな。分かった、君らの信頼に報いるよう最大限努力しよう」
儂は前世の記憶を持っているが、主体はドクターゲロだ。だから、いつかただの悪の科学者になってしまうかもしれない。
そうならないためには、ブリーフ博士やツムーリ達ナメック星人のように儂を信頼してくれる人々の存在と彼等との交流が重要になってくるだろう。
「君らの細胞から作った人造人間が出来たら、いつか会わせに来よう。地球でカタッツの子を見つけられたら、彼と一緒に」
「ああ、待っているぞ」
こうして握手を交わして、儂はツムーリやマイーマ、ツーノ長老やネイル、ほかの村にいたナメック星人達の細胞を手に入れた。
そしてブリーフ博士達とともにナメック星から旅立った。滞在期間は、だいたい一か月ほどになったろうか。
「ゲロちゃん、カエルちゃん達の餌やりを手伝ってくれない?」
「夫人、一匹だけと約束したろうに……やれやれ」
儂はパンチー夫人が持ち込んだナメックガエルの世話をしながら、ヤードラット星を目指した。
他の星の生物を地球に持ち込んでいいのかというと、前世では問題があっただろうがこの世界の地球では今更だろう。
大昔に神様がナメック星から来ているし、ほかにも天津飯の遠い祖先である三つ目族も地球に来ている。それに、サイヤ人の孫悟空も来るのだ。さすがに地球に持ち込む前に検査ぐらいはするが、そう厳しく気にする必要はないだろう。
そしてヤードラット星に行く理由は、もちろん超能力に長けたヤードラット星人の細胞を手に入れるためだ。
普通なら細胞を元にクローンを作っても、オリジナルの技までは使えないと考えるのが自然だ。クローンが受け継ぐのは、素質だけだと。
しかし、ドラゴンボールにおけるクローンは何故か技も受け継ぐ。セルがかめはめ波等の技を使ったのがその証拠だ。ドラゴンボールファイターズのストーリーモードでも、孫悟空やベジータ達のクローンがオリジナルと同じ技を使っていた。
まあ、断言できるほど強い根拠だとは儂も思っていない。しかし、超能力の才能を受け継ぐだけでも十分だ。
そう思ってたどり着いたヤードラット星で、ヤードラット星人から儂はこう言われた。
「なるほど。では、超能力について教えてあげましょう」
「いや、儂はあなた方の細胞さえもらえればそれでいいのだが……」
「しかし、我々の細胞から作った人造人間が超能力を使えるかは分からない。そうですな?」
「はあ、その通りですが……」
「では、あなたも覚えた方が良いでしょう」
「いいんじゃないかな、ゲロ。私も超能力については興味があるし」
「面白そうね! じゃあ私はその間、3号ちゃんと一緒にこの星のお料理でも習おうかしら」
そして儂は成り行きでヤードラット人からいくつかの超能力を習ったのだった。幸い、孫悟空より儂は超能力に対する才能があったのか、それとも脳細胞的に潜在能力を開花してもらったからか、彼よりも短い時間で超能力を取得する事が出来た。
時は止められなかったが、サイコキネシスは使えるようになった。そして孫悟空と同様に瞬間移動を習得するのに成功したのだ!
……本当は儂の才能ではなく、ブリーフ博士が超能力を科学的に分析し、それを見せてもらった事でコツを掴む事が出来るようになったのだが。
ついでに、修行の過程で気の感知やコントロールについても習った。儂の戦闘力はいまだに百以下だが、気功波を打つことや、舞空術も使えるようになった。
それで分かったのだが……気功波は意外と難しかった。
アニメや漫画でドラゴンボールを見ていた前世の儂は、「あれって、気を出せるようになったら手や腕の形を変えれば何でも使えそう」と思っていた。
手の動きを真似すれば、悟空でも魔閃光やビッグ・バン・アタックが、ピッコロでもファイナルフラッシュが、ベジータでも気功砲やどどん波が、打てるだろうと思っていた。
しかし、実際には気のコントロールが難しくて、そんな簡単に出来る物ではなかった。
例えば、今の儂でも「魔貫光殺砲!」と叫んで指から気を放つことはできる。しかし、そうして放てるのは細い一本のビームに過ぎず、魔貫光殺砲本来の威力と貫通力はともなっていない。
どどん波にしてもただ指から弱い気を放てるだけで、威力がまったくでない。
これは儂が弱いだけではなく、気を集中、もしくは収束できていないのが原因だ。気を液体に例えると、蛇口を捻ってホースから水を垂れ流しにしているのが儂の偽魔貫光殺砲や偽どどん波。ホースの出口を指で押さえて水流の勢いを増しているのが本来の魔貫光殺砲やどどん波という事だ。
これは今後、地球に帰ってからも取り組まなければならない課題になるだろう。
それで結局滞在期間が孫悟空と同じ三年に延びてしまった。
そうしてヤードラット星から地球に帰り、長らく留守にしていた会社関係の人物にあいさつ回りを済ませ、落ち着いたころに儂は気が付いた。
「……しまった、タイツが生まれるはずの時期が過ぎている! 夫妻が儂の宇宙旅行について来たせいで時期を逃したのか!」
ブルマはともかく、姉のタイツは生まれていないとおかしい時期になっていた。彼女は妹のブルマの十二歳年上の姉だったが、その年の差が現在進行形で縮んでいる。
だがまあ、諦めるしかないだろう。まさか、今から励めと夫妻に言いに行くのも気が引けるし、二人の細胞を掛け合わせたクローンを作ってタイツと名付け、養女としてもらってもらうのは論外。タイムマシーンを作るのはあり得ない。
過ぎ去った時は戻らない。過去は変えられない。未来は常に変化している。
儂はそう諦めると、ナメック星人とヤードラット星人の細胞を組み合わせた新しい人造人間の培養を進める事にした。
「さて、この分なら完成するまでまだ五年は必要になるな」
複数の種族から採取した細胞を合成して作ったセルよりは必要な時間は短い。しかし、培養を開始したのは儂がヤードラット星にいた時なので、既に三年が過ぎた状態で後五年だ。
だが、今の儂の技術力ではこれ以上のペースアップは無謀。そうなると……。
「先達から研究を奪うしかあるまい。よし、永久凍土のある土地を調査だ」
あれが目覚めるにはドラゴンボールが必要だから、ドクターコーチン以外はまだ眠っているはず。その隙に、研究だけ頂いてしまおう。
最長老やツムーリに善人だと信じてもらったのに、さっそく他人の研究の盗用をするのは気が引けるが……将来論文を発表する際には、彼らの名前を添える事を誓う事で免罪符としよう。
幸い、瞬間移動という逃亡手段も手に入れる事が出来た。多分、大丈夫だろう。
・タイツ
ジャコ編と超の映画版で登場したブルマの姉。妹との年の差が縮まり中。
・ゲロ
超能力天才科学者! 戦闘力は約十から二十くらいで、岩の壁に小さな穴をあける程度のエネルギー波を撃てる。
また気を感知した相手の近くに瞬間移動する事も可能。
さらに潜在能力を解放した事で思考速度が上がり、一度に別々の事を考える並列思考が可能となった。
・ブリーフ博士
超能力も科学的に解析した天才科学者! 彼も地味に超能力(透視)が使えるし、潜在能力を解放したため頭もより良くなっているぞ!
・パンチ―夫人
潜在能力を開花させた影響で、健康番組などでよく聞く肌年齢や骨年齢、血管年齢等が全て十代! ヤードラット料理も覚えたぞ!
・ナメックカエル
パンチ―夫人が、ナメック星から連れ帰った蛙。餌やりを手伝っていたゲロにもなついている。
カプセルコーポレーションの敷地で飼われている。
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