ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする   作:デンスケ(土気色堂)

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5話 神と天才科学者

 準備を終えた儂と4号は、カリン塔へやってきた。当然だがまだウパ少年は生まれておらず、ドラゴンボールもない。なので、レッドリボン軍と勘違いされず、将来ウパの父親になるボラと友好的に会う事が出来た。

 カリン塔へ挑戦しに来たと告げるとやはり止められたが、舞空術を披露したことで納得してもらう事が出来た。

 

 そして4号と塔を登り始めたが……この時点で儂の実力は原作のカリン塔に挑戦する孫悟空よりも数段劣る。しかし、逆に4号は数段以上勝っている。

 儂は途中まで自力で登り、あとは4号に背負ってもらって何とか頂上までたどり着いた。

 

 

「ふう……ご苦労、4号。失礼、カリン様はおられますか!?」

「おるぞ、上がって来い」

 声に従って上に上がると、そこには原作通り猫の姿をしたカリン様がいた。

 

「飛行機などは使っておらんが、他人に背負われてここまで来たのはお前が初めてじゃな。だが、そんな事では儂の修行に耐えられんぞ。背負ってきた方はともかく」

「ははは、申し訳ない。実は、修行以外にもいくつか頂きたいものがありましてな。仙人のみが口に出来るという伝説の豆と、猛毒だがそれに耐えられれば絶大な力を得られるという超神水、そして魔封波の伝授をお願いしたいのです」

 

「なに!? 仙豆は儂の修行を受ける者に与えておるが、超神水の事を何故知っておる? それに魔封波は何故じゃ? あれは武道の試合に使う類の技ではないぞ」

 儂が魔封波の事を口にしたことに驚いた様子のカリン様は、訳を知りたがった。当然だろう、あれは簡単に教えていい技ではない。悪用すれば、自分より弱い人間をいくらでも拉致できるのだから。相手の隙をつけば、同格以上の相手でも初見殺しできる。

 

 相手が術者の実力より格上の場合は、体力の消費が激しすぎて封印と引き換えに術者は死んでしまうというリスクはあるが、命と引き換えに格上の相手を封印出来るのなら安いと考える者もいるだろう。

 儂が悪用する場合なら、4号のように従順なクローン人造人間を量産して、魔封波を覚えさせて封印部隊を結成する、なんて事も考えられる。

 

 なので、カリン様達が納得出来る理由を用意してきた。

 

「実は、儂は以前宇宙に行きまして。そこで巡り合った異なる星の友人達から、恐ろしい悪の帝王の噂を聞いたのです。そのような強大な存在がもしこの地球に攻めてきたとしても、伝説のピッコロ大魔王を封印した魔封波ならば対抗できるのではないか。そう考えたのです」

 悪の帝王とは、もちろんフリーザやコルド大王の事だ。ヤードラット星で噂は実際聞いたので、嘘ではない。

 

 しかし、魔封波を使う対象として実際に想定しているのはフリーザ達ではない。別の平行世界からやってくるかもしれないセルや、驚異の再生能力を持つ魔人ブウ、そして伝説のスーパーサイヤ人である『劇場版ブロリー』等だ。彼らと戦う事になるかはまだ分からないが、倒そうとしても一筋縄にはいかない連中に勝つ手段として、魔封波は有効だ。

 ……ブロリーに関しては、劇場版ではなく超版なら構わないが。

 

 ああ、あとガーリックJr.も候補に入れておくか。邪悪龍対策にドラゴンボールの使用回数は減らしたいので、不老不死になる前に倒したいが、阻止出来なかったら封印するしかないだろう。

 

「悪の帝王……そんなものが存在しておるとは」

「まあ、儂の被害妄想かもしれませんが。悪用しない事は誓います故、どうかご教授願いたい」

「ふむ……分かった。しかし、儂自身は魔封波を使えん。使える者を紹介するので、その者に教わるとよい。

 いや、その前に名前を聞いておこうか」

 

 よし、来たか。

 

「これは申し遅れました。儂はドクターゲロ。こちらは儂が作り出した人造人間4号。とはいってもロボットではありませんぞ。宇宙で友人たちから提供してもらった細胞から培養した、人間タイプの人造人間です。ただ、それゆえ地球人と比べると目立つ容姿になったため普段は覆面をさせております。

 4号、カリン様に自己紹介を」

 

「はい、ドクター。カリン様、人造人間4号と申します」

 4号は覆面を取り、カリン様にそう名乗ると頭を下げた。その姿を見たカリン様は、儂が魔封波の事を口にした時よりも大きく驚きを露にした。

 

「そ、その姿は……! ピッコロ大魔王!? 神様!? いや、別人か、あまりにも気配が違いすぎる、しかし……」

 驚くカリン様。そこから話は早かった。

 

 儂がピッコロ大魔王や神様の姿を知らない演技をしながら、ナメック星の事をカリン様に説明した。すると、上から空飛ぶ絨毯に乗ったミスターポポが現れ、神様が儂らに話を聞きたいから特別に神様のいる聖域に連れて行ってくれるという。

 

 儂はもちろん同意し、そして如意棒がないため、ミスターポポの乗る魔法の絨毯に乗って神様の神殿に向かった。

 

 そして神様と謁見し、儂は神様がナメック星出身の宇宙人であることも、あの宇宙船の持ち主であることも初めて知ったように驚いて見せ、説明をつづけた。

「そうか……わたしは地球人ではなくナメック星という星から地球に来たナメック星人だったのか。言われてみれば、記憶の中に微かに残っている。懐かしい名だ」

 

「よければ、行ってみますか? 儂はナメック星の次に立ち寄ったヤードラット星の住人から、超能力を教わり、瞬間移動を習得しました。それなら一瞬でナメック星まで行き、帰ってくる事が可能です」

「なんとっ!? そんな事が可能なのか!?」

「無論です。今では宇宙船を使わず、ナメック星と行き来しております」

 

 実際、ナメック星とヤードラット星には地球に帰った後も何度か行き来している。4号をお披露目したり、稽古をつけてもらったり、好奇心が刺激されたらしいツムーリさんを地球に連れてきて何日か観光案内をしたり。

 「地球人には色々な色の者がいるのだな」と驚くツムーリさんの姿は記憶に残っている。まさか科学や文明そっちのけで、肌や髪の色の種類の多さに感心されるとは思わなかったので。

 

「……いや、わたしは地球の神だ。故郷とはいえ、ほかの星に行くわけにはいくまい」

 だが、神様はそう言うと首を横に振った。

「その代わり、伝言を頼めるだろうか。カタッツの子は、こうして今も生きていると」

 

「引き受けましょう。では、さっそく」

 儂は気を探ると、ナメック星に瞬間移動した。

 

 

 

 

 

 

 今日はここ百年で最も驚いた日になった。カリン塔を登って奇妙な二人組が現れ、彼らのお陰でわたしは自身のルーツを知ったのだ。

 人造人間4号と、その生みの親であるドクターゲロ。彼らは良き人間だった。ゲロは筋斗雲に乗る事は出来なかったが、人間としては善良な部類に入るだろう。

 

 彼はナメック星とその星に暮らす人々の話を儂に聞かせ、自身の超能力でわたしの伝言を瞬く間に届けてくれた。そして再び現れた時には、わたしと同じ特徴を持つ人物を新たに二人……ナメック星の最長老とその護衛のネイルという二人のナメック星人を連れて現れた。

 

 最長老様はわたしよりも遥かに神として相応しい人物で、ネイルという若者はその内に凄まじい力を秘めていた。

「カタッツの息子よ、あなたが息災であることを嬉しく思います」

 そう最長老様に労われた時は、不覚にも涙が出そうだった。

 

 わたしよりも遥かに長い年月を生きている最長老様は、既にネイルと共にゲロに再び瞬間移動で送られて帰ってしまったが、わたしには素晴らしい出会い……同胞との再会だった。

 

 その礼をしたいとわたしが言うと、ゲロは「では、来るべき時が来たら、精神と時の部屋を戦士たちの修行に使わせていただきたい。後、宇宙船を無断で解析した事を許していただけますかな?」と答えた。

 大それた願いを言われても困るが、これほど謙虚な願いは初めてだ。精神と時の部屋についてゲロが知っている事は驚いたが、彼は地球でも一、二を争う優れた科学者のようだ。カリンのところの仙豆や超神水、魔封波も知っていたし、神話や伝説を記した古文書を解析するなりなんなりして、探し当てたのだろう。

 

「宇宙船はわたしが遥かな昔に放棄したのも同然の物。許す、許さぬの問題ではない。精神と時の部屋についても、許可をだそう。だが、今のお前達では修行に使うどころか、一歩足を踏み入れただけで動けなくなってしまうぞ」

「はい。ですので、時が来たら。未曽有の危機が迫っており、それを迎え撃つべき戦士達が部屋の使用に耐えられると判断したら、使わせていただきたいのです」

 

 ゲロがそこまで警戒する相手……宇宙に存在する悪の帝王か。あのネイルですら勝つのは難しい相手なのだとしたら、ピッコロ大魔王などとは次元の異なる脅威だ。

 地球を守るためには、確かに「精神と時の部屋」での修業が必要だろう。

 

「……分かった。しかし、それだけでは礼というには細やかすぎる。そうじゃ、修行をつけてやろう。確か、魔封波を習得したいのだったな」

 実は、わたしも魔封波は使えない。あれは遥かな昔、武泰斗という優れた武術家がピッコロ大魔王を封印するために編み出した技だ。

 

 しかし、手はある。この神殿にある『時の部屋』で、過去に精神を飛ばして武泰斗が魔封波を使うところを見て学べばよい。

 そうして魔封波を習得したわたしが、さらにゲロ達に教えれば完璧だ。

 

 しかし、ゲロは笑いながら首を横に振った。

「それは大変名誉な事ですが、儂は一旦遠慮させていただきます。自力でカリン塔を登る事も出来ない今の儂では、ここではとても修行どころではありません。

 代わりに、まず4号を鍛えてやっていただけますか?」

 

「ドクター、私はドクターの身の回りのお世話と護衛を行わなくては……」

「4号、そのためにも自身の力量を向上させるのだ。何、儂はカリン様の所で修行しているので、何かあったら降りてこい」

 

 そう言われて修行は遠慮されてしまった。冷静になって見つめなおしてみれば、確かに4号はともかくゲロはこの神殿の空気の薄さにまだ耐えられないようだった。

 カリン塔での修行もまだなので、ゲロは4号を預けていったん降りるという。

 

「しかし、瞬間移動ができるのなら4号にだけ塔を登らせ、その後4号のいる場所を気で探って瞬間移動すればよかったのではないか?」

 

 わたしがそう尋ねると、ゲロは笑って答えた。

「儂は臆病でしてな、怒られたくない相手の前ではできるだけルールやマナーを守ることにしておるのですよ」

 臆病な人間は宇宙に行ったりしないと思うが……ゲロはそのままカリンの元へ行き、わたしとミスターポポは4号に修行をつけることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 諸君、ドクターゲロだ。カリン様に修行をつけてもらう事一年。儂は無事カリン様に触れる事が出来、仙豆と超神水のサンプルを頂く事に成功した。

 仙豆の方は修行中の食事としてもらっていたので、持ち帰る許可をもらったというのが正しいかもしれん。

 

「しかし、お主も律儀な奴じゃ。4号と二人がかりなら儂を倒して仙豆と超神水を奪う事など、容易かったろうに」

「カリン様は儂を強盗か何かのように考えているようですな」

「そう気を悪くするな。弟子としての出来は、やる方じゃったぞ」

 

 亀仙人が三年かかった修行を一年でクリアした儂だが、それは気を探る技術をヤードラット星人から教わったおかげ。決して武術の才能で亀仙人を上回っているわけではない。……まあ、嬉しくないわけではないが。

「ではカリン様、失礼いたします」

「うむ、息災でな。神様によろしく頼むぞ」

 

 こうして儂はカリン塔を後にした。瞬間移動で神様の修行を受けている4号と合流し、そのまま神様に修行をつけていただいた。

 

「ふっ! はっ! ほっ!」

「ゲロ、お前、頭で考えすぎ。もっと、体で考える」

「すまんが、儂の脳は頭にしかないんじゃよ!」

 

 もちろん、ミスターポポとの追いかけっこからだ。儂は既に気のコントロールがある程度できるが、動きに問題があるらしい。

 気を感知しても、直感に従って動く前に儂は頭で色々と考えてから動く。最長老の潜在能力開放で思考速度が上がっていても、それがいわゆる「迷い」となり、「隙」になってしまうようだ。

 

 おかげでミスターポポに触れる事も出来ん。

 しかし、儂の本領は科学者! 頭で考えるのは当たり前だ。今更変える事は出来ん。しかし、それでは今後この世界で生きていくのに支障が出る。

 

 思考……そう、思考は脳の電気信号だ。電気と言えば、ジャッキー・チュンこと亀仙人が萬國驚天掌(ばんこくびっくりしょう)という技を使っていた。確か、体内の微弱な電気を気で増幅させて手から放出する技だったか。

 そうだ! つまり儂の気と脳の電気信号を同調させ、思考から実際の動作に移るまでの間を限りなくゼロに近づける事が可能なのではないか!?

 

「ポポ、分かる。ゲロ、お前かなり変な事考えてる」

 そうミスターポポには言われたが、儂はそれで彼の修行をパスしたのだった。

 この技をプラズマブーストと名付けよう。

 

 そして神様から魔封波を教えてもらったが、儂が想定していた以上に難易度の高い技だった。気の精密なコントロールが、始終求められる。超の未来トランクスはこの技を、ピッコロが使っている様子を撮影した動画を見ただけで習得したが、やはり戦闘の天才ベジータの息子という事だろう。

 

 ……そう言えば、神様も魔封波を使えたのだな。確かに原作でも使っていたが、儂は神様が魔封波を覚えたのは亀仙人がピッコロ大魔王に魔封波を使った後だと思っていたので、カリン様から亀仙人へ紹介状を書いてもらうつもりだったのだが。

 

 亀仙人への手土産にするために、ブリーフからおすすめのエロ本を教えてもらう手間が省けたので別にいいが。

 

 そして三年が過ぎた。まあ、瞬間移動で自分の会社やカプセルコーポレーションにたまに顔は出しているので、籠りきりではないのだが。

 大きな動きとして……儂がカリン塔に登っている間に、我がゲロコーポレーションとカプセルコーポレーションが共同で天下一武道会のスポンサーになっていた。

 

 どうやら、我が社の副社長がブリーフに話を持ち掛け、そのまま実現させたらしい。「君は今後も武道家みたいな事をするだろうし、相談を持ち掛けられるなら、うちの会社でもデータを集めたりした方が良いと思って」と言う理由だそうだ。

 儂、そこまでするつもりはなかったのじゃが……。

 

 ちなみに、我が社とカプセルコーポレーションが共同スポンサーになって初めて開かれた大会の優勝者は……何故か桃白白だった。思い返してみれば、彼が脱サラするのがこの時期だった気がするが……殺し屋に転職する前に名を上げたかったのだろうか? それとも、前回大会で儂が舞空術と気功波を使ったため、鶴仙人が情報収集のために送り込んだのだろうか?

 

 原作でメカ桃白白になった時は凶器攻撃に及んだ彼だが、今回はルールを守って試合に挑み、決勝戦でアックマンと激戦を繰り広げ、優勝を手にしたようだ。

 

 そして桃白白は優勝賞金の三百万ゼニー(増額した)を受け取って嬉しそうに去っていったらしい。……我が社とカプセルコーポレーションが共同スポンサーになった初の大会の優勝者がこれから殺し屋になるのかと思うと複雑な心境だが、儂が知ったのは大会が終わった後なので仕方があるまい。

 

 ちなみに、準優勝は百万ゼニー、三位は五十万ゼニーの賞金が出る。それと賞金を増額したからか、参加希望選手が増えたので、開催を五年に一度から三年に一度に改めたそうだ。……幸い、原作で天下一武道会が開かれるタイミングと一致している。

 

 ともかく、修行のお陰で魔封波の習得に成功。さらに、気のコントロールがかなり上達した。今の儂ならどどん波はもちろん、かめはめ波や気円斬も練習すれば打てるだろう。魔貫光殺砲は複雑でエネルギーの消費が大きいので、難しいが。

 

 そして気のコントロールと感知が上がったためか、テレパシーを習得した。

 

 これは瞬間移動と同じように相手の気を感知する必要があるが、それさえ出来れば心の声で会話する事が可能になる超能力だ。かなり便利だ。

 ちなみに、同じ事は4号にもできる。むしろ、4号が先に習得して儂に教えてくれたぐらいだ。

 

 なお、魔人ブウについてだが、儂と4号は事前に相談して神様に会っても打ち明けず秘密のままにしておく事にした。

 神様から閻魔、界王、そして大界王から界王神へと情報を渡す事は出来る。しかし、界王神にブウが封印されている場所を報せても、それで安心出来る気がしないのだ。

 

 4号には、「ドクター、それはあなたが魔人ブウの細胞が欲しいから、ブウの封印をあなたの目が届かない場所に運ばれたくないからではありませんね?」と確認を求められ、思わずギクリとしたが……違う。

 

 まず魔人ブウの封印を界王神にも教えないのは、界王神が魔人ブウの封印を界王神界なりどこかなりに運んでも、それで封印が守られると確信できないからだ。魔導師バビディが何らかの手段で界王神界等に侵入しないと、儂は信じる事が出来ない。

 

 それに、バビディが界王神の動向を何らかの方法で見張っているかもしれない。

 ブウの封印が地球にあるのは、彼の父親であるビビディが界王神に倒される前に、封印を地球に持ち込んだからだ。そして界王神は封印されたブウに気が付くことなくビビディを倒し、そのまま地球を去っている。

 そのため、バビディがブウの封印されている場所に気が付いたのは、父親が書き残したメモか何かを見たからかもしれない。詳しくは、儂も覚えていない。

 

 だが、そうだったとしてもバビディがブウの封印されている場所を探す手段の一つとして、父親の仇である界王神の動向を見張っていないと言い切る事は出来ないのだ。

 その場合は、界王神がブウの封印を回収に来る事で、バビディに封印の場所を報せてしまう事になる。

 そうなると、最悪スーパーサイヤ人が存在しない時期に魔人ブウ復活という恐ろしい事態に発展しかねない。

 

 ……と言うか、ダーブラがいる時点で詰むな。奴はセルと同じくらいの強さらしく、原作の界王神の様子から推測すると、界王神はダーブラより弱いようじゃし。

 

 相手が科学者ならまだ手段を予想出来るが、魔術師ではどうしようもない。儂は天才科学者だが、魔術師ではなく魔術に関する知識もないからな。

 

 だから、儂は現時点ではやはりスパイロボットで監視している今の状態がベストとは言わんがベターだと判断した。

 しかし、4号は言い難い事も言ってくれる良い助手に育っている。自慢の息子だ。

 

 そうして神様から分けてもらった4号の筋斗雲に乗って……正確には、筋斗雲に乗る4号に運んでもらって、神さまとミスターポポの前を辞し、カリン様に挨拶して地上へ降りたのだった。

 ……筋斗雲審査は、最長老よりも厳しかった。

 

 修業期間は合計すると、約四年間かかった。

 儂の生え際も運命との戦いに負けて後退を続け、そろそろ頭頂に差し迫っておる。側頭部、そして特に後頭部はふさふさのままじゃが。

 

 そしてボラと再会し、旧交を温めて自分の会社に帰ったのだった。……瞬間移動でナメック星や自分の会社、カプセルコーポレーションに何度も行き来したが、塔の根本に戻ったのは修行を始めた頃に何回か塔の上下を往復したぐらいだったので、彼とは久しぶりの再会になってしまったのだ。

 

 そしてカプセルコーポレーションではタイツが……まだ生まれていない。さりげなく話題に出してみても、ブリーフとパンチー夫人は「子は授かりものだから」と、深く考えていないようだ。深く思い悩み夫婦仲が悪くなるよりはずっといいが……そろそろ慌てた方が良いのではないだろうか?




・神様

 自分のルーツを思い出させ、同胞と再会させてくれたゲロに恩義を感じ、また自分と似ている4号にシンパシーを覚えている。そのため、魔封波を習得したいという希望を出す二人に対して、武天老師こと亀仙人に紹介状を書くのではなく、自分で習得してから4号とゲロに教えた。

 おそらく、4号がポポと追いかけっこをしている間に時の部屋を使って武泰斗が魔封波を使う光景を見て、神殿の中で練習したものと思われる。



・武泰斗

 ピッコロ大魔王には強さ的な勝負では勝てなかったが、魔封波という初見殺しの技を編み出し、命懸けで封印した優れた武道家。
 亀仙人と鶴仙人の師匠。



・時の部屋

 現在から精神を過去に飛ばして、過去を疑似体験できる部屋。ただし、過去に向かう側にとっては疑似体験でも、過去で迎える側にとっては現実の体験であるため、歴史の改変が多分可能。
 タイムマシーンはダメなのにこの部屋は良いのか? とも思うが、おそらく界王神の「時の指輪」の所持と使用と同じく神故に許されている権利なのだろうと作者は解釈している。



・プラズマブースト

 ゲロが習得した技。気を体内の微弱な電流と同調させ、思考と同時に肉体を動かすことができるようになる技。外から見るとゲロの周りにスパーク状のエフェクトが発生し、動きが加速しているように見える。
 また、スピードだけではなく身体能力全体をあげる事も可能。ただし、界王拳と同様に肉体に負荷がかかる。



・タイツ

 まだ生まれる気配なし。ゲロはブリーフとパンチ―に精力剤や排卵促進剤を渡すべきか悩んでいる。



・テレパシー

 ゲロが目覚めた三番目の超能力。
 瞬間移動と同じく対象の気を把握していなければ使えないため、会った事のある人物しか対象にできない。また、機械ベースの1号、2号、3号は対象にできない。

 界王様のテレパシーの下位互換である。



・天下一武闘会

 ゲロコーポレーションとカプセルコーポレーションの世界的大企業二社がスポンサーになった。大会規模や設備がより整い、優勝賞金が五十万ゼニ―から三百万ゼニ―に上がり、テレビ中継も始まると思われる。
 また、会場のあるパパイヤ島のリゾート開発が加速している。



・ゲロコーポレーション副社長

 ゲロコーポレーションの実質的な経営者。やり手で、社長が研究一筋でも問題ないどころか、事業を拡大し続けている、社長以上に社長な副社長。
 そんな彼が独立や会社の乗っ取りを企まないのは、ゲロコーポレーションがゲロの科学力によって支えられているからであり、発明品の特許がゲロ個人の名義になっている事、そして何よりゲロが個人としても強いので、後ろ暗い手段で会社を乗っ取ろうとすると、暴力で鎮圧される恐れがあるため。

 あと、給料とボーナス、各種手当を合計するとゲロの数倍の収入を得ているから。そして経営についても、「君を信頼しているから好きにしてくれて構わん」と言質を得ているのが大きい。……つまり、会社を乗っ取るメリットが彼にとって何一つ存在しないのだ。

 ゲロ曰く、「儂は研究費に不自由しなければそれなりの金があれば十分。なら、実質的な社長である副社長と収入額を交換するべきじゃろう」とのことである。



・桃白白

 原作では脱サラして殺し屋に転職し、世界一の殺し屋にまで成り上がった鶴仙人の弟。
 戦闘力は130らしい。
 この作品では、脱サラした後何故か殺し屋になる前に天下一武闘大会に出場した。賞金が増額されたと知ったからか、殺し屋を本格的に始める前に名を上げておきたかったからか、鶴仙人に送り込まれたのかは不明。

 大会にはアックマンという強敵が出場していたが、「準優勝でも百万ゼニ―が手に入るが、失格になったらゼロだ」と考えて正々堂々戦った。
 この作品ではゲロに強さの基準として度々使われたが、今は神様の元で修行したゲロの方が強い。

 なお、脱サラした後兄である鶴仙人に師事したらしいが、原作では脱サラした二十年後に「殺し屋さん二十周年キャンペーン」を行っているため、サラリーマン時代から武術を習っていたと判断し、この作品では脱サラした時には既にある程度の実力があったと解釈している。



・アックマン

 占い婆編で戦う四人目の相手。角と翼を備えた悪魔のような風貌の男で、尻尾を槍に変化させ、アクマイト光線という当たった相手の悪の心を増幅させ体の内側から破裂させてしまうという、恐ろしい技を持つ。
 原作では天下一武闘会で二回の優勝経験があるらしい。……その時はルール上武器と殺人は禁止なので、槍とアクマイト光線は使わずに勝ったと思われる。

 この作品での成績は今のところ、ゲロが出場する前に開かれた大会で優勝一回、そして今回決勝戦で桃白白に敗れたため準優勝一回である。

 なお、初見殺しで決まれば一撃必殺になり得るアクマイト光線だが、フリーザ等の強敵には光線を避けられるなどして通用しないらしい。



・界王神

 原作では実はブウの封印が地球にある事に気が付いていたそうだが、刺激を与えたくなかったので放置したと話していた。
 ゲロはその事を忘れて彼に報告をあげるかどうか悩んでいたようだ。




たまごん様 解析様、カド=フックベルグ様、熨斗目花様、 あんころ(餅)、魅堂寺様、どてら様、ヒロシの腹様、どたまかなづち様、竜人機様、ゆーの助様、gsころりん様、誤字報告ありがとうございます。

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