個性「魔轟神」   作:グリムロ

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予想以上のアクセス数に焦って逃げようとしたんだ。そしたらお気に入り数が俺のケツを引っ叩いてこう言ったのさ。

「じゃあ一体誰が続きを書くんだい?」


ってね。






魔轟神アシェンヴェイル

 この世界においても、五歳の少女と顔の上半分を覆う仮面の大男の組み合わせは事案であろう。しかしながら捨てられた身、行く当てがないのも確か。

 

 警察を頼るとして……母親の元に送り返されたら?いや十分育児放棄は虐待だろう、母親が逮捕されたら里親を見つけてくれたりするのだろうか。顔は知らないが父親とかが来る可能性もあるな。

 

 

 

「どうしたら、いいかな?」

 

 

 

 話を振られたアシェンヴェイルは頭を掻き、

 

「悪い、俺はこの世界について詳しくねぇ。こんなことならクシャノでも無理やり連れてくるんだったな……。分かりやすい武力が必要かと思って出てきたんだが」

「クシャノ?」

「ああ、俺らの中でもとりわけ知恵が働くやつだ。それと、俺も一つ聞いておきたいんだが」

 

 

 アシェンヴェイルはことさら口元を歪めて言った。

「母親のことどう思ってる?」

 

 

 

 彼の口元はもはや不機嫌Lv.8みたいな様相だったが、目は確かに此方を見て、私はそこから此方を尊重するような意思を感じた。だから私も真摯に、取り繕わずに胸の内を吐露する。

 

「……腹立つ。五歳を深夜の郊外に放り出す神経も自分のために子供を利用しようなんて精神も許したくない」

 

「潰すか?今から追えば追いつくと思うが」

「……だめ。やるならもっと惨めに」

 

 

 復讐は何も産まないわけではない。マイナスをゼロにしているから何も産み出していないように見えるだけだ。復讐の本質は生産ではなく精算だ、というのが私の持論である。

 

 

 であれば、人生マイナススタートの私がそれをするのは実に自然なことであり、誰も止める権利などない。

 

 

「もっと地位を上げて、名声を得て、あいつの土俵(持て囃され具合)で完膚なきまでに叩きのめす。それで、ようやく私はスタートラインに立てる……と、思ってる」

「……好きにしろ。俺はお前の力だ、思うまま振りかざせばいい」

 

 アシェンヴェイルを見上げる。彼は紛れもなく私の個性で、私の味方だ。信じられる相手という存在は良いものだ……。

 

「それで、どうするんだ?」

「簡単な話、だよ。この世界には個性が強いほど高い地位に立ちやすくて、目立って、給料が高い職業があるんだ。ヒーロー、って言うんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後適当な廃墟を探して一晩休み、翌日は図書館やらを巡って情報を集めた。

 

 

 

 

 

 この世界における孤児院、それに準ずる施設というのは想像していたよりずっと待遇がいいらしい。この個性社会で埋もれた才能を腐らせないように、また不遇な生まれに絶望してヴィランとなるケースを防ぐために国が施設の管理をしているせいだ。ほかにも優秀な人材には政府が学費を負担したりと、「ヒーローを目指す身元不明の少女」には随分と都合が良かった。

 

 

 という訳でやってきたのは交番。さあ、私の演技力が試されるときだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⬛︎とある婦警さん視点■

 

 

 

 

 

 

 それは本当に偶々だった。

 

 

 なんとはなしに私はガラス製の自動ドアの向こうに視線を向けた。

 

 黒羽と薄汚れたワンピースに伸び放題の黒髪、俯く姿は涙を堪えているよう──そんな風貌の幼い女の子がドアの前を通って行った。

 

 気になった私は交番から出て、その女の子を呼び止めることにした。結論から言えばこの判断は間違っていなかった。

 

 

「ちょっといい?」

「………ぐす」

 

 女の子は手を顔で覆い、泣いているように見える。

 

 

「一人でどうしたの?お母さんは?」

「おかあ、さん、うぅ……」

「大丈夫、大丈夫よ。何があったのかお姉さんに聞かせてもらってもいい?」

 

 

 私はその子を落ち着かせるようにそうっと頭を撫でた。掌に硬いものが触れて、彼女の額に小さな角が生えているのがわかる。蝙蝠みたいな羽も相まって、なんだか童話に出てくる悪魔みたいだ。

 

 

 

「落ち着いた?」

 

 

 女の子はこくこくと頷いた。

 

「じゃあお名前聞いてもいいかな?」

「ん……来栖。名字、漢字、わからない」

「来栖ちゃんね。お母さんかお父さんは近くにいる?」

 

 

 

 

「……おいてかれちゃった」

 

 

 

 

 驚いたことに来栖ちゃんは昨日の夜に親に……その、捨てられたらしい。あり得ない話だ、母親は何を考えているのだろうか。思わず私は抱きしめてしまった。

 

「大丈夫。私に任せて」

「え、えっと」

 

 困惑する来栖ちゃんを抱き上げて、交番へと戻る。上司は事情を説明すると複雑な顔をして、

 

「君はその子の面倒を見ててくれ」

 

と何処かに電話をかけ始めた。私は来栖ちゃんを抱っこしたまま別室へと移動することにした。

 

 

 

 

「よっこいしょっと。もう降りて大丈夫だよ」

「ありがとうございます」

「いいの。ちょっと待っててね、飲み物とってくるから」

 

 

 

 

 

⬛︎クルス視点⬛︎

 

 

 

 

 

「ちょっと待っててね、飲み物とってくるから」

 

 

 そう言って婦警さんは部屋から出て行った。

 

「……ふう」

 

 疲れた。なまじ精神が歳を食っているので五歳児の話し方がわからない。結局口数を減らして誤魔化すことにしたが……怪しまれずには済んだようだ。

 

 私は懐からカードを取り出した。褐色のそれには『魔轟神アシェンヴェイル』と刻まれている。

 

 アシェンヴェイルを図書館に連れて行くのは流石に無理があったので姿を消したりできないか聞いたところ、「カードにならなれる」との返事をいただいた。アシェンヴェイル自身の意思で元の姿に戻れるらしい。便利だ。

 

 

 因みに私はカードになれなかった。当たり前といえば当たり前である。というかアシェンヴェイル、こうやってみると攻撃力低いな……。

 

 

 

(喧嘩売ってんのか?)

 

 

 考えていることが伝わったらしい。ごめんよ、でも君攻撃力あげられるでしょ?

 

 

(……その効果は使わないようにしている。お前にとっても不幸なだけだからな)

 

 なんでよ。幾ら尋ねてもアシェンヴェイルは教えてくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お 知 ら せ

・元々一話で設定として残しておくつもりでしたのでプロットは存在しません
・作者は実のところヒロアカについてほとんど詳しくないです
・遅筆です
・スマホ君がいらん気を効かせて「クルス」を「クリス」に変換することがあります。誤字多いです


因みに作者は一応ヒロアカの二次創作を過去に一度書いたことがあります。治療キチの全六話くらいの。その時いろいろ調べた知識だけでこの作品を書いております。

ですので、続いてもUSJあたりが限界です。それ以降は単行本買わねばならぬ。新品は買う金ないしなぁ……


あ、あと次の話の展開に迷っているのでアンケートにご協力いただけると嬉しいです。孤児院にしろ婦警さんルートにしろ小学校とかの描写は限りなく薄くなると思います。

何れにせよさっさと高校まで行かせたいと思ってます。ストーリーが安定するので……。




*追記
作者が忙しいので八月の三日くらいまで執筆に手が付けられないです。なので三日午後四時ほどまでアンケートは開設しておくつもりです。一日二時現在で同投票数なのヤバいな

主人公の引き取られ先

  • 孤児院 
  • 婦警さん(婦警さんのオリキャラ化)
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