教師への道を歩む   作:主義

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ももとの料理対決?に関しては次辺りに番外編として書きます。


始めての授業

極星寮は思っていたよりも変わってなかった。ふみ緒さんは少し老けていたけど生徒の感じは変わっていなかった。生徒のあのどんちゃん騒ぎをする感じが極星寮らしいと僕は思ったけど。

 

 

それから始業式は始まるまでは変わった事も無かった。始業式では幸平創真くんが全員を敵に回すような発言をしていたのが記憶に残っているぐらいだ。

 

 

 

そして今日は初めての調理実習の監督をする日だ。緊張をする事があまりない僕だけどさすがに少しは緊張してしまう。調理実習というけど僕にとっては初めて生徒の前に立つ場だ。

 

まあ、この緊張も最初の授業が終わった後には無くなっているのだろう。

舌が肥えているわけではないけど人並みには美味しいとか不味いとか分かるから大丈夫だとは思うけどやっぱり心配になってしまう。

 

考えながら歩いていると第一調理室についてしまった。大きく深呼吸をしてからドアを開けるとそこには全員が揃っていた。まだ、授業が始まる前だから...まだ集まっていないと思っていたんだけどな。全員の注目が僕に向いている。新しく入って来た訳だし注目を集めるのは仕方ないか。

 

 

僕は先生が座るべき椅子に座り授業が始まるのを待つことにした。それから5分経つと授業開始の時間になったのでの僕は席を立ち説明を始めた。

 

「それでは授業を始めます。新任の芹野桜です。よろしくね。まあ、自己紹介はこれぐらいにして今日、君たちに作ってもらうのは....自由だ」

 

その瞬間、教室がざわつきだしたが僕は気にすることなく説明を続けた。

 

 

「今、君たちの調理台には材料が置かれている。その材料を使ってくれればどんな料理でも構わない。材料は使い切っても良いし使い切れなくても良い。それでは長話をするのも面倒なので調理に入ってください」

 

生徒を見渡すと生徒たちは戸惑いを隠し切れない感じだった。それはそうだろうな。僕も色々と考えた。料理は指定した方が良いのか、それとも指定しない方が良いのか...だけど結局悩んだ結論に選んだのは指定しないだった。指定しなければ生徒たちは自らでどんな料理を作るか考えなくちゃならない。

 

 

料理人にとって想像力は命。これからこの子たちには研修試験などたくさんの試験が待ち構えている。試験で生徒たちを判断する基準はどれだけオーダーに答えられるか。

 

大体、オーダーってのは無理難題が多い。簡単に出来てしまう事なら試験にならないからね。無理難題の中で一番必要なのは何よりも想像力が必要になってくる。だから今回は指定しないを選んだけど高校一年生に上がったばかりの人たちにとってはかなり難しいかもしれないなと今になって思ってしまった。今さら変えられないから何とも出来ないけど。

 

生徒たちも少しずつ動き始めた。悩んでいても時間が無駄になるだけだからね。授業中に料理の完成をしてくれないと判定すら出来ないからね。

 

僕は本人たちには決してどの評価かは伝えない。本当は伝えないとダメだなのかもしれないけど伝えない。これには色々と理由があったりするけど一番は...本人の意欲の低下になるかもしれない。厳しい評価をするつもりはないけど教師になったからには甘い評価も出来ない。だから多分、色々と考えて評価をすると思うけどそれでもA評価を取れる人は居ないだろう。

 

どんなに頑張っても無理だろう。

そんな事を考えているとどうやら始まって5分ぐらい経過してしまったらしくほとんどの生徒が調理に入っている。

 

 

折角だし少しどんな料理を作ろうとしているのか見に行くか。教師が見に行ったりすると生徒が緊張するかもしれないけど正直に言うとどんな料理を生徒たちが作ろうとしているのか気になってしまう。

 

僕が立つとまた生徒の視線のほとんどが僕の方を向いている。僕が動いた事がそんなに驚きなんだろうか。まあ、僕は視線を気にしながらも生徒たちの調理を見る事にした。

 

見てみると中にはそれなりの腕の人もいるみたいだな。....この少し赤みの掛かった髪の子の腕も確かだな。調理が早くもう頭の中でどんな料理にするか決めているのだろう。

 

他にも金髪系な感じのこの子も尋常じゃないくらい手際が良い。確実にこの場では一番早く仕上がるな。他の生徒との差があり過ぎるからな。

だけど今回は別に早く料理をしなくてはならない。時間内であればどんなだけ時間が掛かっても大丈夫だから早さはそこまで重要な事ではない。

 

この程度でいいかと思い自分の席に戻った。それから時間が経ち、やっと一人目が完成した皿を持ってこちらに来た。やはり一人目は僕が思っていた通りで金髪の女子だった。

 

「完成しましたわ」

 

「うん。では実食させていただきますよ」

金髪の女子が作った料理は..........

 

「ドフィノワ」

 

「そうです」

 

 

熱くて湯気が出ていて出来立てだというのが見ただけで分かってしまう。見た目は食欲をそそられるし匂いも文句なしで良い。

 

そして食してみると......美味しい。上手い。他に表現方法が思いつかないな。ドフィノワは難しい料理では無い。フランスの一派家庭でも作られる事のある郷土料理。だが、何かを足してるような気がする。レシピを憶えただけではこんな味を作り出せない。

 

何かがあるはず。

 

これを高校生で作れるんだったらここを卒業する時には一体どんな料理が出来るようになっているんだ。

 

下手したら僕の高校生時代にも卒業時には追い付くかもしれない。

 

 

「....うん。席に付いていいよ」

 

僕は生徒をずっと立たせておくのも悪いから席に付かせることにした。だけどそれがかなり予想外だったのか生徒たちから「え..」という言葉が漏れていた。それに金髪の女子も顔をゆがめている。僕はなんかまずい事を言ってしまったのだろうか。僕としては気づかいで言ったつもりなんだけど。

 

「...は、い」

 

苦虫をかみつぶしたような顔をしながら言っていた。そんなに何か屈辱的な事だったのだろうか。

 

それからは生徒たちも少しずつ僕のところに来るようになって最終的には全員が料理を完成させる事が出来た。一応、指摘するほどダメな料理も無かった。

 

あの中で飛びぬけていたのは....金髪の女子と....その次ぐらいに赤髪の女子と言ったところだろうか。思っていたより高校生の実力は高い。E評価がいると思っていたけど今回は居なかった。

 

これからに関しては分からないけどほとんどの在校生がこれぐらいの料理スキルを持っているならE評価を付ける必要性はないかもしれないな。

だけど何で金髪の女子が苦虫を噛みつぶしたような顔をしていたのかだけは分からなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えりな様、怒ってなさいますか?」

後ろにいつも控えている緋沙子が聞きにくそうに聞いてきた。

 

「怒ってないわ........只」

 

「只?」

 

「私の料理を食べて一言も美味しいと発さなかったわ」

 

私の料理を食べて今まで美味しいと言わなかった人はいない。なのに芹野先生は顔色一つも変えなかった。あんな屈辱は初めて感じたわ。

 

「...誰の料理を食べてもあの先生は何も言わなかったですし」

 

「そんな事は問題ではないわ。芹野先生に絶対に私の料理を食べて美味しいと言わせるわ」

 

そんな決意をまじかで見ていた緋沙子はこのセリフをどこかで聞いたことがあると思っていた。

番外編としてその人の視点の話を一つ書こうと思っているんですがどのキャラが良いと思いますか?

  • 四宮小次郎
  • 乾日向子
  • 水原冬美
  • 司瑛士
  • 木久知園果
  • 茜ヶ久保もも
  • 小林竜胆
  • 薙切えりな
  • 堂島銀
  • 薙切アリス
  • 幸平創真
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