肝心のこの話は茜ヶ久保ももと桜との料理対決?みたいなものをやる前の彼女の心情です。心情と言っても彼女が何で料理人を目指したのかについてのお話です。
前編は全部、ももの自分語りです。
この話を読まなくも本編に支障はほとんどありません。
ももが可愛いと言ったものが世の中では流行るという風になったのは何時からだろう。それにうっとおしく感じ始めたのは何時からかな。
昔の話をしてあげる。
ももは世間からもてはやされていた。企業が挙ってももの事を欲しかったらしくお金を積んでいたらしい事を知ったのは最近の事だ。
ももを料理人の道に引きずりこんだのは一冊の雑誌をペラペラと捲っていた時に目に入った料理だった。その料理はとても美しくて何より可愛かった。ももが今まで見た事があるものの中であそこまで可愛くて美しいものを見たものがない。どんな絵画や旋律でもここまで美しいものはない。
その料理は芸術品として扱われるべきと思うぐらい完璧の作品だった。その時にももにもこんな料理が出来るのかな。と思った。
それからももは少しでもその料理を作った人に近付けるように努力は惜しまなかった。
ももをスカウトに来ていた企業の人たちは何で料理の道に行かれるのか分からないと言っていた。確かに料理の道は険しくて生半可の覚悟じゃ生き残れない。だけど何度も諦めようと思う度にあの雑誌の一ページだけが蘇ってきた。私が今でも料理人を続けているのはやはりあの雑誌の一ページのお陰。
それからはももの目標は…その雑誌に載っていた料理を作った人にももが作ったものを美味しいと言わせる事だった。その料理人の名前は….桜。名前は女子みたいだけど正真正銘の男らしい。年は私より十歳ぐらい上らしい。
まあ、三歳の頃から包丁を握り始めて、五歳の時にはある程度の料理が出来るようになり、七歳の時にはプロからお声が掛かるくらいの腕前に、九歳の時に世界からも注目される人になったらしい。
いつかはこの人に会って美味しいと言ってもらう。
その雑誌を見た日からももは桜さんが載る雑誌は絶対に買うようにした。発売されたら発売日当日に買いに行ったしテレビに出るとなった時もそのテレビを録画して何度も何度も見返した。もも以上に桜さんに詳しい人なんて居ないと自負するぐらいに見た。それに桜さんがやっている店にだって親におねだりしたりして連れて行ってもらったりもした。
だけど桜さんの店はとても人気で一年後の予約まで全てが埋まっているので行ったと言っても数えられる程度しか行った事はない。けど味は今でも思い出せるほどに記憶に残っている。
私の家は裕福と言えば裕福な家庭だったから食べているものもそれなりに美味しいものを食べてきたと思っていたけど桜さんの料理を食べてからは桜さん以外の料理が美味しく感じられなくなってしまった。あんなに美味しい料理が存在すると思わなかった。
私は彼が遠月学園に教師として来るのを知った時はとても驚いたし嬉しかった。料理人の中で一番好きな料理人が来てくれるんだから嬉しくない訳がない。だけど私は人に話しかけたりするのがとても苦手だから教師として遠月学園で働き始めたとしても関わりを持てるとは思ってなかった。
だけどそれは良い方向で裏切られた。どうやら総帥は桜さんが寮の場所が分からない事を見越して生徒の誰かに案内をお願いしたかったらしい。
どうやら偶然、通りかかったのが私だった。これは本当に運が良かったとか言いようがなかった。そしてももは桜さんを案内する事になった。
その時間は私にとって至福な時だった。今までももが生きてきて感じた事のないぐらいに高揚感を感じていた。憧れの人が近くに居て話せる距離にいる。これをどれだけ待ち望んだかな。だけどいざ現実になってしまうと話す事が出来ない。
このまま話さずに終わるのが嫌だけど話す事が出来そうにないなと思っていると彼の方から話し掛けてくれた。
そして最終的には.....桜さんの料理を食べられるようになった。私は極星寮からの帰り道に二日後の事を想像しながら歩いていると自然に顔がにやけてしまったりした。
そしてあっという間に二日という時間は過ぎていった。
なるべく早く続きを投稿できるように頑張りますので気長にお待ちいただけると嬉しいです。
番外編としてその人の視点の話を一つ書こうと思っているんですがどのキャラが良いと思いますか?
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四宮小次郎
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乾日向子
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水原冬美
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司瑛士
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木久知園果
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茜ヶ久保もも
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小林竜胆
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薙切えりな
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堂島銀
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薙切アリス
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幸平創真