教師への道を歩む   作:主義

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宿泊研修①

シャペル先生と話をしてから一週間が経ち一年生は宿泊研修へと向かう季節となっていた。僕は本当は宿泊研修に付いて行くことはないはず...だった。だが、いきなり宿泊研修へと一年生が出る一日前に総帥から「お前も行って来い」と言われた。最初はこの人一体何を言っているんだろうと思った。こんな一日前になって変更になって普通はないだろう。

だけど総帥も何か考えがあったようで僕が他に適任がいるのではと言っても一歩も引くことは無かった。最終的には僕が折れて行くことになった。だけど総帥があそこまでゴリ押しのような事をしてくると言う事は何か僕を行かせたい事情があるんだろうなと思いながらも僕が行かないとダメそうだったので行くことにしたけど..。

 

 

 

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今、僕は遠月リゾートホテルに一足先に着き卒業生を待っている。予定されている時間より圧倒的に遅れている。ちゃんと時間を守って欲しいものなんだけどな。四宮たち以外は卒業生は全員が到着して自分の部屋で待機してもらっている。

 

彼らが来たのは....待ち合わせの時間から15分後だった彼らが言うには少し道が混んでいて遅れたそうだ。僕は決してそんな事は信じないけど....一応、そういう事にしておくことにした。下手にここで問い詰めて時間を無くすのだけはマズイ。只でさえ押しているだから。

 

 

「四宮達も早く自分の部屋に荷物を下ろしてきて。それから10時になったら大広間に集合。これは遅れないでね」

 

僕はそれだけ言って自分の仕事に戻る事にした。時間は押したが後15分もすれば一年生たちを乗せたバスが到着するはずだ。それまでに何としてでも全て整えておかないと。

 

 

 

 

 

 

 

そして一年生たちが到着して大広間に少しずつ移動し始めたのをフロントで確認して裏口から大広間の壇上裏に移動した。壇上の裏には卒業生たちが待機している。

 

 

「もう少しで一年生が揃うから準備をしておいてください」

 

全員に聞こえるぐらいの声でそう言った。

 

 

 

「それにしても桜先輩が教師になる何て考えもしなかったです」

 

 

如何にも和装な感じの服で身を包んでいる女性が僕の近くまで来てから口にした。

 

「そう言えば、君と会うのも久しぶりだね、乾。四宮には言っておいたんだけど他の皆には面と向かっては言えなかったからね」

 

 

 

「四宮先輩から聞いた時は耳を疑いましたよ。だけど四宮先輩も冗談で言っているような感じではなかったので信じましたけどやっぱり今日、来るまでは半信半疑でした。だけどこうしてみてみると本当に先生になったんだと実感しますね」

 

 

確かに僕も総帥から誘われなければ教師になる何て選択肢はなかっただろう。

 

 

「確かにね。僕でもこんな自分は想像できなかったよ」

 

 

 

「だけど桜が教師なんて今になって冷静に考えたら大丈夫か?」

 

 

 

「何が?四宮」

 

 

「だってお前、あまり美味しい料理を食べても表情が動かないねぇじゃねぇか。こればっかは生徒にも同情するぜ。それに表情が動かないだけならまだいいがお前は「美味しい」「マズイ」の一言すら口にしない。これは生徒も頭を悩ませるだろうな。何も言ってくれないんだからな」

 

 

 

四宮の言う通りで僕は在学時から料理を食べるときは表情も動かないし喋らない。これに関しては昔からの癖で今に至るまで治っていない。確かに四宮の言う通りかもしれない.....僕も誰かに料理を出して「美味しい」とかうまそうな表情をしていると嬉しかったりする。

 

 

「それはそうかもしれないですね。私も在学時に桜先輩に料理を教えてもらっている時に何回か料理を出したことがあるんですけど..最初はとても心配になりましたもん。だって何を出しても表情が動かないし何も喋ってくれないんですもん。普段は表情豊かなのに料理の時だけだから余計に不安になりましたよ」

 

 

 

そんな会話をしていると用意を全て整え終わった..水原が近づいてきた。水原が近づいてくるのが分かったのか..四宮や乾は少し僕から距離を取った。

 

 

「水原も久しぶりだね」

 

 

「............」

 

何故か水原は僕の目の前まで来ると無言で俯いてしまった。僕って何かやってしまったっけと不安になってしまうほどにずっと俯いている。

 

 

「...どうしたの?水原...」

 

 

「.....どこに行ったのかと心配だった

 

 

「何...もうちょっと大きい声で頼む」

 

 

「すご~~い、心配したんだよ~~~」

 

水原はいつもと比べものにならないぐらいの大きな声で言いながら顔を上げた。

 

 

「え......どうしたんだ。水原。おかしな物でも食べたのか...」

 

僕が困惑していると外野の人たちは遠くから静かに僕たちの事を見ていた。まるで巻き込まれないように離れているかのように...。

 

水原が落ち着きを取り戻すまで...しばらくの時間を有してしまったが..事情を聞くとどうやら僕の事を心配してくれていたみたいだ。水原の方に情報が届くまでかなりの時間が掛かってしまったみたいで僕が教師になったと聞いたのは三日前ぐらいらしい。それまでは料理にも身が入らなくて..前と比べると料理の腕が落ちてしまったりもしたみたいだ。

 

 

 

「ごめんね。水原。僕が言わなかったばっかりに」

 

 

「そう。そのお詫びとして料理を作ってよ」

 

 

「別に良いけど...この宿泊研修が終わったらね。そしたら少しの間は暇を貰えることになってるから」

 

 

総帥も本当なら宿泊研修に僕を行かせる気が無かったのに...行かせることになってしまう事に少し罪悪感があるらしく宿泊研修が終わったら三日ぐらいの休みをくれると言ってくれた。一年生も宿泊研修が終わったら少しだけ休みがあるからそれと同じだ。

 

 

 

 

 

この時点で一年生は大広間にほぼ全員が集まっており...卒業生の登場まで後10分をきっていた。

番外編としてその人の視点の話を一つ書こうと思っているんですがどのキャラが良いと思いますか?

  • 四宮小次郎
  • 乾日向子
  • 水原冬美
  • 司瑛士
  • 木久知園果
  • 茜ヶ久保もも
  • 小林竜胆
  • 薙切えりな
  • 堂島銀
  • 薙切アリス
  • 幸平創真
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