彼と別れてから改めて会話を振り返ると色々疑問というか困った点が浮かび上がってきた。
彼が私について耳にしたということ。しかもあの感じだと間違いなく暗部の人間から聞いたのだろう。それは私に関する情報が流れる辺りにまで彼が踏み込んでいるということ。
そして何より問題なのは、その聞いた内容が
彼がどこまで知っているかどうかは知らないがある程度私も私自身に関する情報を集める必要がありそうだ、ということはハッキリした。
そうと決まれば情報を集める。手段はもちろん「情報屋」を頼るのが正解だろう。
『よっと…』
移動手段に関してはあまり細かいことを問わないでほしい。
やってきたのは私の住処があり情報屋の住処がある第七学区。ここは表側だけを見れば学生の街として賑わう楽しい場所。しかし一度振り返れば様々な陰謀や思惑が渦巻く闇の世界。
だからこそ煌びやかなネオンはより美しく見えるのだろう。
そうこうしているうちに着いた一つのマンション。
ピンポーン
チャイムを押したものの反応はない。無心で押し続けていたら
ガチャリ
ようやく扉が開いた。
隣の家の扉が。
「多分土御門今は留守ですよ。」
親切にも教えてくれたのは今話題の彼だった。
『そうだったんですか。じゃあ彼が帰ってきたら夜凪が来たと伝えてもらえますか?』
上「夜凪…もしかして夜凪月乃さんでいらっしゃったりします?」
おっと。彼が私を認識しているのは予想外すぎる。
『なんで名前を知ってるんですか、当麻?』
なんとなく悔しさからこちらも君を知っているよアピールをしてみる。
上「横の人からよく名前を聞いてたんです、てかなんで俺の名前知ってんだ?』
明らかに私は年下だと確信したのか敬語を外して話してくれるようになった。毎度のことだが私の見た目で敬語を使ってくる奴なんてそうそういないので結構ありがたかったりする。
『たまたま知人から聞いただけですよ。改めて、夜凪月乃です。よろしくです』
上「俺は上条当麻。なんか変な繋がりからだけど改めてよろしくな。」
本当に優しそうな普通の高校生。まぁその右手がなければの話だけれど。
そしてどうしても彼に尋ねたいことがあった。土御門のことなどどうでもよくなるくらいに尋ねたいことがあった。
『当麻はロリコンでコスプレしてる子が好きなんですか…?』
ずっと陰から見えている小さな女の子についてしっかりと説明してほしい。
土御門からの影響の受けすぎで彼の趣味嗜好もちょっとばかり偏ったほうに行っているのだろうか。
上「上条さんには決ッっっしてそのような趣味はございません!!」
「そうだよ、これはコスプレじゃなくて歩く教会なんだよ。しかもそんなに引いた目でみられるとちょっと傷つくかもなんだよ!」
『しゃ、喋った…』
いやいや人形なわけあるか。そう心で突っ込みつつ言わずにはいられなかった。なぜかわからないが彼女からは変な雰囲気が漂っている。何とも言えないが。
『シスターさんって学園都市の住人じゃないですよね』
禁「なんでわかるの?あなたすごいね!私は…」
上「頼む!その続きは部屋で!頼む!」
そのまま引きづりこまれてしまった。
いつになったら私の用事は済むのか。話が進むのか。
束の間の
月に雲がかかったかどうかなんてカーテンを開けなければわからない。
まだ、あと少しだけでいい。
ただの中学生でいたいんだ。