とある科学の闇少女   作:Rei0000

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闇夜は知らぬ間に 6

『んん…』

 

3日ぶりに目をさましてまず目に入ってきたのは無機質な蛍光灯の明かりだった。…あぁ実験は終わったのかと改めてそこで実感した。手足にも脳にも異常はないだろう。となればあとはテストだけである。

 

日野「起きたわね。それじゃあ試験場に行きましょうか。面白いことになってるわよ。」

 

仮にも娘の体を開発して面白いは結構失礼な気もするが、私の感覚も少しばかり狂っているのか自分の変化が気になってしまう。

そして試験場では思いっきり力を使える。それがまたたまらなくていつも少々暴れまわってしまうのだ。

 

日野「まずはいつもの試験よ。時間操作(タイムトラベラー)未来変換(タイムセレクト)時間停止(タイムラプス)からお願いね。」

 

から、とはどういうことだろうか。主に私にはこれしかないはずなのだが。まあいい。やってみようじゃないか。

まずは未来変換(タイムセレクト)。簡単に言えば物体や力の速度を自由に操れるといったところだろうか。原則には少し違うのだが。例えば、今私に向かって飛んでくるかなりの数の銃弾のそれぞれのスピードや位置、軌道などを瞬時に把握して計算し私にとって適切な速さへと変換する。まず直線で向かってくるものの速度を一気に落とし、逆に落下速度を加速させる。つまりこれを使うことでほんの少し先の未来の時間を私は選ぶことができる。こちらは問題なし。

 

そしてお待ちかねの時間停止(タイムラプス)である。また一気に飛んできた銃弾に手をかざしいつも通り物体のスピードのみを消した…はずだった。

突然世界が歪み私は思わず能力を解除した。

 

『…っ!あああぁ!!!』

 

直前で未来変換(タイムセレクト)に切り替えて急所に向かってくる銃弾は止められたものの軽く右腕にあたりだらだらと赤黒いものが流れていた。

 

日野「成功するまで行くわよ」

 

『日野さんどういうことですか、実験の成果の説明を…!』

 

言いかけている間にも銃弾は止まらない。とりあえずは未来変換(タイムセレクト)ですべて対処している。とはいえこれでは問題解決にはならない。

 

日野「逃げないでちょうだい。大丈夫死ぬことはないわ」

 

仕方あるまい。もう一度時間停止(タイムラプス)を使い成功させるしかない。

飛んでくる銃弾に手をかざせばやはり歪みが生じる。

 

『っ…あああああぁ!!』

 

歪みに負けずに力を指先にこめた結果。止められた。

 

『これで…どうしろと?』

 

その刹那。背後から何かの気配が近づく。

 

銃弾だ。間違いない。数は多くはないとはいえ今手が離せないしどうすることもできない。もう片方の手を…そう思った時だった。自分の記憶には、今までしたことのない計算式が組みあがり無意識に背後の銃弾が全て

 

反射(・・)された。

 

時間停止(タイムラプス)していた物体の落下速度を最速にしてその場にばらまいた。

 

日野「完璧ね。さすが、使いこなせていたわ。」

 

頭の中がぐちゃぐちゃでなにもわからない。私は無意識のうちになにをしたのか。

 

日野「今のは記憶(メモリー)の応用。学習装置(テスタメント)を使ってLEVEL5の能力をあなたに打ち込んだのよ。普通ならほかの記憶が吹き飛んだり脳に異常が出たりもするんだけど元々他人の脳に対して働きかける時間操作(タイムトラベラー)を使っていたあなたにはあまり関係がなかったようね。まぁ時間停止(タイムラプス)の時に多少の誤差が生じたけれど許容範囲ね。あくまでも時間操作(タイムトラベラー)の一環だから新しいものってわけじゃないわ。名前を付けるとするなら記憶変換(メモリセレクト)といったところかしら。」

 

わかるようなわからないような説明に興味はない。それに力が強くなったなら文句はない。

 

『…ほんとに歪み以外に副作用はないですか』

 

日野「今のところ確認できている範囲ではないわね。」

 

『そうですか。じゃあもうこのまま失礼します。止血もしたいので」

 

日野「止血もいいけれど…。あなたはお友達を助けに行かなくていいのかしら?」

 

なんのことだ。身に覚えは…

 

『…どこでやってるんですか、これもあなたの仕業ですか…!?私だけでは飽き足らずに一方通行にまで…!!』

 

日野「勘違いしないで頂戴。確かに協力はしているけれど主体になっているわけじゃないわ」

 

急がなければ。日野さんが関わるような実験はまともなはずがない。LEVEL6がまともなはずがない。そしてシスターズが死んだら

 

美琴は悲しむ。

 

どちらも助けなければいけない。これ以上闇の奥底へ美琴に踏み込ませやしない。日野さんに、研究者に苦しめられるのは私だけでいい。どうせこの実験の副作用だってもっと出てくる。

二人はまだ、まだ助けられる。これ以上私のような作り物(バケモノ)を増やすわけにはいかない。

 

 

絶対にさせるものか。

 

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