咲-Saki (仮面ライダー)電王戦!   作:ツヨインジャー

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第3話 清澄に俺、参上!(後編)

京太郎はバイソンイマジンに立ち向かうが、バイソンイマジンに片手であしらわれる。人間がイマジンに勝てるわけがない。モモタロスが憑依していないのならなおさらだ。それでも京太郎は何度もバイソンイマジンに向かっていく。

 

「お前、しつこいぞ!いい加減くたばれ。」

 

バイソンイマジンは京太郎に蹴りを食らわす。

 

「ぐっ!くそ…だめだ…」

 

京太郎はついに地面に打ちのめされる。すかさずモモタロスは倒れた京太郎に駆け寄った。

 

「おい。お前の望みを言え!」

 

「望み…もうだめなんだ…俺は…咲を救えない…」

 

そのときバイソンイマジンが屈んでいるモモタロスを踏みつける。

 

「誰だお前は?邪魔だからどけ。」

 

「ぐっ!?なあ、咲って娘はお前の大事な友達だろ!諦めんじゃねぇ、お前の体を勝手に使った詫びに俺が力を貸してやる!」

 

「大事な…友達…ああ、咲は大事だ…!」

 

さっきまで死んだような目をしていた京太郎が目を見開いてモモタロスに顔を向ける。

 

「俺の望みは『咲を助ける』ことだ!」

 

「あい分かった!」

 

「何をごちゃごちゃぬかしてやがる。お前らまとめて潰して…ぐわっ!?」

 

京太郎の身体にモモタロスが憑依し、再びM京太郎になった。M京太郎はバイソンイマジンに立ち上がりながらアッパーカットを見舞う。バイソンイマジンが怯んだ隙に咲は拘束から逃れる。

 

「京ちゃん!ありがとう!」

 

咲は感極まって京太郎に涙目で駆け寄る。

 

「咲、感動するのはまだ早いぜ。これからが本番だ!」

 

M京太郎はモモタロスがあらかじめ持参していたパスをポケットから取り出す。

 

「変身っ!!」

 

パスがベルトに変化し、京太郎の腰に巻きつく。

 

『ソードフォーム!』

 

京太郎の身体に一瞬、無機質な黒いアーマーがついたかと思うと、赤いマスクのようなものが頭に、黒いアーマーが赤いアーマーに変化した。これが時の列車に乗り、過去を捻じ曲げようと目論むイマジンと戦うヒーロー、『仮面ライダー電王』である。

 

「俺、参上!」

 

 

 

 

「京ちゃん…?」

 

突然、赤い鬼みたいなやつとともに変身した幼馴染に唖然とする他ない咲。そんな咲をよそに電王は剣を抜く。

 

「さあ、行くぜ。俺は最初から最後までクライマックスだ!」

 

「そうか。お前があの電王か。なら、打ち倒すのみだ!」

 

電王の剣とバイソンイマジンのメリケンサックが火花を散らす。しかし、電王の強力なラッシュに次第にバイソンイマジンは押され、ついに電王の剣がバイソンイマジンの腹部を斬り裂く。

 

「ぐはっ!?くっ、強い…」

 

バイソンイマジンは吹っ飛ばされて地面に転がる。

 

「強いなんて当たり前だろ!守るべきものがある奴は誰だって強いんだ!」

 

電王は剣を振り上げて叫ぶ。

 

「行くぜ!俺の必殺技、パート2!」

 

電王ソードフォームの剣の先がバイソンイマジンに向かって飛び、一直線にバイソンイマジンを貫く。

 

「ちくしょうー!!」

 

バイソンイマジンは消滅した。電王はベルトを外し、M京太郎に戻る。

 

「京ちゃん!」

 

隅っこに隠れていた咲が姿を現す。そして、京太郎にまたもや抱きつき、涙を流す。

 

「ありがとう…私、もうだめかと思った。」

 

M京太郎は照れ臭くなり、頭をかく。そして、咲に申し訳なさそうにつぶやいた。

 

「済まねな。ずっとお前達を騙してた。俺は実はイマ…」

 

「いいの。」

 

咲の言葉にM京太郎はあっけにとられる。そのひとことは優しく京太郎とモモタロスの耳を撫でる。

 

「いつもみたいな優しい京ちゃんも、今日みたいな勇敢な京ちゃんも、どっちも京ちゃんには変わりないから。」

 

咲は京太郎の胸で涙を拭き、その後、顔をあげて満面の笑みを浮かべた。M京太郎はそれに応えるかのように咲の頭を優しく撫でた。

 

「こっちこそ、何か救われた気分だぜ。ありがとな。」

 

 

 

(ありがとうよ、京太郎。じゃあな。)

 

その夜。モモタロスは京太郎が自宅で就寝したときに身体から分離し、こっそりと部屋の窓を開けて出て行った。

 

「しかし、妙だな。今日戦ったイマジンが落としていったんだが…何だこれ?」

 

モモタロスが手に持っているのは、今回交戦したバイソンイマジンが落とした、小さな歯車のような物である。

 

「一体これは…うっ!?」

 

モモタロスは突然頭痛を覚える。そして、何かが頭の中に流れこんでこんできた。それはぼんやりとしているが、まるでビデオカメラで撮影したような映像だった。

 

「俺が映ってる…?そして、俺は手にバールを持っている…?」

 

しかし、あまりの頭痛に歯車から手を離すと脳内に流れこんできた映像は消えた。

 

「この歯車…本当に何なんだよ?」

 

モモタロスはとりあえずデンライナーに歯車を持ち帰ることにした。

 

 

 

 

 

「あ、おかえりー!モモタロス。ねぇ、何か面白いものあった?」

 

デンライナーに帰るとまずリュウタロスが出迎えてくれた。

 

「面白いというか、いい知らせと悪い知らせがあるんだが、どっちが聞きたい?」

 

「まずいい知らせから聞くよ、先輩。」

 

リュウタロスの後ろからウラタロスが現れた。

 

「いい知らせは外はどうやら、日本だった。東京みたく大都会ではないがな。」

 

「ほう。それは良かった。んで、悪い知らせは何や?」

 

キンタロスも目を覚まして、会話に首を突っ込む。

 

「この時間でもイマジンが暗躍しているらしい。カイ一派の残党か、それともはぐれイマジンかはまだわからんがな。」

 

「何だって!?それは本当かい?」

 

「それどっかで見たことある返しやな。ん?おい、モモの字。その手に持ってるやつは何や?」

 

ウラタロスの台詞に突っ込みを入れつつ、キンタロスはモモタロスの持つ歯車に目をやる。

 

「ああ、これは俺が倒したイマジンが持っていた…」

 

だが、ここでウラタロスがモモタロスの言葉を遮る。

 

「先輩。それはまさかデンライナーの動力の部品では?」

 

「マジかよ!?」

 

四人はデンライナーの先頭車両へ急ぐ。そして、壊れた動力にモモタロスが手に入れた歯車をはめると…ぴったりと当てはまった。

 

「すごい…これ、デンライナーの部品だったんだ。」

 

リュウタロスは興味深そうに見ている。

 

「てことは、この時間にまだあるかもしれないね。また明日も探してみよう。でも、今日はとりあえず消灯しようか。」

 

ウラタロスの提案で全員が寝床につく。だが、皆が寝る前にモモタロスがひとことだけつぶやいた。

 

「言い忘れてたけどな、この時間に特異点がいるかもしれない…。俺の見間違いかもしれないがな。」

 

 

 

 

翌日、京太郎はどたどたと麻雀部に急いでいた。

 

「やばいやばい!今日は部活のミーティングだったんだ。早くいかないと部長に怒られるぞ。」

 

京太郎は勢いよく部室のドアを開ける。しかし、部室を見回すが、肝心の部長が来ていない。

 

「なあ、優希。部長は?」

 

「部長はちょっと生徒会で遅れるらしいじょ。それより、京太郎…」

 

優希が京太郎の背中を叩く。

 

「咲ちゃんを幸せにしてやるんだじょ。」

 

「はあ?何言ってんだよ、お前…」

 

そのとき、和も遠い目をしながら口を挟む。

 

「私も見ました。まさか咲さんと須賀さんは二人きりで抱きしめ合うような関係だったなんて…」

 

「和まで!?だから俺は昨日のことほとんど覚えてなくて…」

 

京太郎はバイクに跳ねられて気絶したこととバイソンイマジンに蹴り飛ばされたこと、そして、モモタロスと会話したこと以外はほとんど記憶になかった。つまり、バイソンイマジン撃破後の咲とのやりとりは覚えていなかったのである。

 

「ほほーう。なるほどのう。おんしらそういう関係だったんかのう。」

 

話をちゃっかり聞いていたまこもメガネを光らせながらニヤニヤしている。

 

そして、咲本人は…恥ずかしそうに縮こまっていた。

 

「どうしよう…みんなに見られてたんだ…京ちゃんに抱きついてたところとか…。」

 

 

 

 

 

 

「死んだらしいわね、バイソン。だけど、おかげて見つけられたわ、電王。あの忌々しいイマジン共を消し去ることができるのは時間の問題ね。」

 

夕暮れ時。清澄高校の屋上に赤い髪の女性が立っていた。

 

「次は誰を送り込もうかしら?」

 

果たして、この女性は何者なのだろうか?そして、電王を付け狙う目的とは?

 

 

 

 

 

 

 




『敵イマジン図鑑 No.1』
「バイソンイマジン」
・染谷まこの喫茶店にやってきたクレーマーの男性と契約したイマジン。モチーフはギリシャ神話に登場する魔物、「ミノタウロス」。鋭利な刃物がついたメリケンサックを武器にボクシングスタイルで戦う。カイの仲間か、はぐれイマジンなのかは現在不明である。

(作者あとがき)
モモタロス編を読んでくださってありがとうございました。自分も好きなCPである京×咲風味に書けて楽しかったです。さて、次回はリュウタロス編を予定しております。お楽しみに!
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