咲-Saki (仮面ライダー)電王戦!   作:ツヨインジャー

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『前回までのあらすじ』
桃「動力が何者かに破壊されたデンライナー…現れる新しい敵…特異点…ごちゃごちゃしてて、わけわかんねぇよ!」
龍「もう。モモタロス焦りすぎだってば。まあ、とにかく僕達はなんだかんだでデンライナーの動力の部品の一つ手に入れたんだよね?さあ、次はどこにあるのかな?部品を集めて願い事を叶えよう!」
熊「なんでやねん!ドラゴ○ボールやないねんぞ。」
亀「てか、僕達は願い事を聞く方だけどね…」



第4話 龍門渕に行くけど、いいよね? 答えは聞いてない!(前編)

「だーっ!ない、ないっ!どこにもない!」

 

「先輩、もっと落ち着いて探そうよ。」

 

モモタロス達はデンライナーの動力の部品を探すため、デンライナーが不時着した山の中にいた。

 

「外でモモの字が部品を拾ったんなら、他の動力の部品も外に落ちとる可能性があるってわけか。せやけど、いくら草かき分けても出てこうへんな…」

 

「おーい、部品くーん。出ておいでー。」

 

現在所持している動力の部品はモモタロスが見つけた歯車のみ。それ以外の手がかりがないため、皆手探り状態で探している。

 

「あーあ、もう部品探すの飽きたー。ん?あ、ネコだ!」

 

突然リュウタロスが山道を横切ったネコを見つけて走り出した。

 

「あ!どこいくんや、リュウタ!?」

 

キンタロスが制止したころにはリュウタロスはネコを追いかけて道路に飛び出して行ってしまった。

 

「おーい、モモンガ!リュウタがどっかいったぞ!」

 

「誰がモモンガだ!ってあいつ迷子になったのかよ?くそー、探し物が増えたじゃねえか!」

 

モモタロスは頭を抱える。仕方なく、三人は部品探しを一時中断してリュウタロスの捜索をすることになった。

 

 

 

 

 

「ここは清澄高校だじぇ!」

 

「知ってるよ。誰に喋ってるんだ、タコス娘?」

 

優希に突っ込みを入れたのは銀髪の男…ではなく、龍門渕高校麻雀部の先鋒『井上純』。こう見えても女なのでお間違えなく。そして、なぜ龍門渕高校の生徒が清澄の麻雀部の部室にいるかと言うと…。

 

「うう。私としたことが…原村和に負けてしまうとは…」

 

「敗因は透華が勝ちを確信して不用意にリーチかけたからだと思うけどね…」

 

龍門渕高校麻雀部の副将『龍門渕 透華』と中堅の『国広 一』、そして、咲と和が卓を囲んでいた。どうやら練習試合というほど大それたものではないが、龍門渕は清澄に個人的に遠征に来たようだ。

 

「でも、透華さんも強かったですよ。」

 

咲は何とかフォローを入れるが透華は悔しそうに歯を食いしばっている。

 

「そういえば、天江さんはどうしたのですか?」

 

和はずっと気になっていたことを切り出した。その時、周りが少し静かになる。そして、透華と一は明らかにばつの悪そうな表情に変わる。

 

「衣さんは…遅れてきます。」

 

パソコンに向かっている眼鏡をかけた少女。龍門渕高校麻雀部の次鋒『沢村智紀』が口を開く。しかし、龍門渕の空気が重くなったことは誰もが気づいていた。

 

(衣はまだ落ち込んでいますの?早く私達のもとへ帰ってきたらいいですのに…)

 

透華の胸中に複雑な思いが渦巻く。咲と和はこの話題にはとりあえず触れないことにした。そんな中、部長である久とまこの胸中は…。

 

(てか、誰も須賀君がいないことにはノータッチなのね。)

 

(哀れじゃのう、京太郎。)

 

 

 

 

 

 

一方そのころ、京太郎は部長に龍門渕の面々に差し入れる物を買いに行かされている帰り道だった。

 

「何でまた俺だけ…。でも、今回ばかりは急がないとな。たくさんの人を待たせてるんだから。」

 

京太郎は早歩きで清澄高校に向かうが、ここで思わぬアクシデントが起こった。

 

「待て待てー!」

 

何と京太郎の前方からリュウタロスがネコを追いかけて走ってきたのであった。

 

「うわっ!?何だあれ?もしかしてこの前の化け物…うっ!」

 

そこで、京太郎の意識は途切れた。何とリュウタロスは京太郎とすれ違う瞬間に、本人も無意識のうちに京太郎に憑依したのである。

 

「あははは。可愛いネコだなー。」

 

京太郎、もといリュウタロスに憑依されたので、R京太郎というべきか。とにかくR京太郎はネコを追いかけ、ある神社に入っていった。そして、買い物袋はみなさんお察しの通り、道に無造作に放り出されてしまった。

 

 

 

 

 

ここは清澄高校の最寄り駅、『七久保駅』から少し離れたところにある

『芝宮神社』である。この場所に耳のようなヘアバンドをした小さな娘がポツンと境内の階段に座っていた。

 

「『長野のレベルが下がった』か。いつ聞いても胸を抉るような言葉だな…。」

 

それは衣が咲に敗北したときに一部のマスコミが報道した内容だった。衣は今まで自分の好きなように麻雀を打ってきたが、実は知らないうちに自分は『龍門渕高校』の名前を背負っていたことに気づいた。やっと自由になれたと思ったら今度は重荷を背負わされたような気分だった。やはり自分には自由はないのか。そのことについて自問自答を繰り返し、ふさぎこんでいたのである。

 

「ネコどこにいったんだろ…。あーっ!ウサちゃんだ!」

 

ネコを追いかけて神社に入ってきたR京太郎は衣を見つけて駆け出した。

 

「ウサちゃん!?それは衣のことを言っておるのか?」

 

衣は振り返った瞬間に驚く。清澄高校の制服を着て、帽子をかぶって、紫の長いメッシュの入った青年が衣に近づいてきたからである。

 

「ねぇ、ウサちゃん。君はどこから来たの?」

 

「ウサちゃんではない、衣だ!」

 

衣は目に角を立てて反論するが、R京太郎は話を聞かない。

 

「あはは。可愛いね。」

 

R京太郎は衣の頭を撫でる。

 

「ふえぇ〜撫でるなぁ…」

 

ふりふりと頭を振るが、満更でもないように見えるのはなぜだろう。

 

「そうだ!ご飯あげるね。はいっ!」

 

R京太郎は衣にその辺に生えていたタンポポの葉っぱを抜いて差し出す。

 

「衣を侮辱するのもいい加減にしろ!衣はウサギではないっ!」

 

しかし、R京太郎は全く話を聞かない。また撫でようと衣に手を伸ばした瞬間だった。

 

「何をなさっているのですか?須賀 京太郎さん。」

 

黒いスーツの男性が神社の鳥居をくぐる。そして、賽銭箱に賽銭を入れたあと、衣とR京太郎の方を向く。

 

「オマエ、誰?」

 

R京太郎は現れた黒スーツの男性を半目で睨む。

 

「竹井さんからの買い出しを忘れてこんなところにいらっしゃるとは。ですが、ご安心ください。貴方の落とした買い物袋は私が清澄高校まで届けました。」

 

「ハギヨシ…。」

 

衣は黒スーツの男性につぶやく。どうやらこの男性の名前のようだ。

 

「衣様。透華お嬢様がお待ちですよ。清澄高校へ行きましょう。須賀さんもご一緒にどうですか?」

 

「ハギヨシ。まだ衣は戻りたくない。衣は答えを出さなくてはならないからだ。もう二度、独りにならないために。」

 

「衣様…。ご安心ください。少なくとも透華お嬢様は…」

 

そのとき、R京太郎が衣の前に立つ。

 

「ウサちゃん。僕、難しいことはわかんないけど、答えは出さなくていいと思うよ。」

 

「な!?お前に…何が…」

 

衣は突然、赤の他人に意見を言われたので、少しかちんときたようだ。しかし、その話題は予想外の方向へ向かった。

 

「そんな嫌なことはさ、楽しいことして忘れちゃおうよ!ほら、僕みたいに!」

 

R京太郎は指をパチっと鳴らすと踊り始めた。衣は急展開にキョトンとしていた。そのときふしぎなことが起こった。

 

「あれ?なぜ私まで体が勝手に踊ろうとするのだろう?」

 

踊るR京太郎の後ろにいたハギヨシまで踊り出してしまった。これはおそらくリュウタロスの能力によるものだろう。

 

「あっ結構、君もダンス上手だね!」

 

「お褒めいただき光栄です。しかし、何か不思議なことに私も踊ることが楽しくなってきました。」

 

ハギヨシは苦笑いするも、プロ顔負けのブレイクダンスを披露する。負けじとR京太郎もリズムミカルにステップを踏む。まるで、ダンサーのPVさながらの光景だが、神社でブレイクダンスとは場違い甚だしい。

 

「ぷくく…はっはっはっは!」

 

衣はあまりにおかしな二人を見て笑い出した。そして、衣が見せた今日初めての笑顔だった。

 

 

 

 

 

そのとき、R京太郎のポケットから何かが落ちた。それは何と麻雀牌だった。

 

「ん?これは麻雀牌だな。お前の懐から落ちたぞ。類は友を呼ぶというが、お前も滑稽な見た目の割りには麻雀を嗜ん…」

 

R京太郎のポケットから落ちた麻雀牌を拾った瞬間、衣は固まってしまった。何と麻雀牌のひとつである三元牌の『ハク』にリュウタロスの似顔絵が小さく描かれていたからだ。

 

「あ、それは僕が作った御守りだよ。列車の中で見つけたその麻雀牌に何にも描いてなかったから僕が描いたんだ。えへへ、上手でしょ?」

 

本来ならハクに落書きするなど許されざる行為である。しかし、衣は肩を振るわし、またおかしそうに笑った。

 

「はっはっはっは!お前の行動はある意味魑魅魍魎だな。そこらの有象無象とは違う何かを衣はお前から感じたぞ!気に入った。ハギヨシ、こいつを龍門渕に連れて行くぞ!」

 

「あの、清澄高校には行かれないのですか?」

 

心配そうなハギヨシを他所に衣は笑顔でこう言った。

 

「透華には今日の遠征は休むって伝えておけ!行くぞ。えと…名は何という?」

 

「ああ、彼は須賀…」

 

だが、ハギヨシの言葉をR京太郎が遮る。

 

「僕は『リュウタロス』だよ!よろしくね!」

 

「リュウタロス…奇幻な名だな。まあいい。ハギヨシ、頼むぞ。」

 

ハギヨシはとりあえず、R京太郎の台詞を否定するのをやめた。そして、何食わぬ顔で神社の前に停めてある黒い高級外車に衣とR京太郎を乗せた。

 

ハギヨシが運転する車内で衣はリュウタロスが落書きしたハクを手のひらに乗せて言った。

 

「リュウタロス。これは絵を描いて使うものではない。」

 

「えー?じゃあどうやって使うの?」

 

「お、麻雀に興味を持ったようだな。ハギヨシ、麻雀部の部室は空いているか?」

 

「今日は麻雀部がお休みですから閉まってますね。では、私が開けておきましょう。」

 

ハギヨシはハンドルを握りながら衣の問いかけににこやかに答える。

 

「ねぇ?麻雀って面白い?僕ちょっとだけやったことあるけど、何かよくわからなくてつまんなかった。」

 

「ふふ、衣に任せておくがいい!衣がお前に麻雀の楽しさを教えてやろう!」

 

衣は小さいながらも胸を張って得意げにリュウタロスに宣言した。

 

「僭越ですが衣様。まずは清澄高校に透華お嬢様をお迎えに行きますね。」

 

 

 

 

 

衣とR京太郎がハギヨシの車に乗ったころ透華はハギヨシからの電話にアホ毛を振るわせて、お怒りのようだった。

 

「何ですの、衣は!?面白そうなおもちゃを見つけたからと言って遠征には参加しないだなんて…」

 

「まあまあ、衣が思いつきで勝手に行動するのはよくあることじゃないか。」

 

純が透華を宥めていたころ、咲が扉を見つめる。

 

「どうかしましたか、咲さん?」

 

咲は和の声に我に返ってこう答えた。

 

「そういえば、京ちゃん遅いなって思って…ハギヨシさんが京ちゃんの落し物もってきてくれてから、かれこれ1時間は経つけど…」

 

咲はだんだん不安になってきた。まさか、またこの前の怪物に今度は京太郎が攫われたのかもしれないという思いがよぎったからだ。そんな事を考えていると透華とハギヨシの電話の会話が聞こえてきた。

 

「え?衣と一緒に清澄の須賀 京太郎もいますの…?わかりましたわ!」

 

咲はその話を聞いてホッとしたような、何でと疑問に思うようなとにかく心境が混乱した。

 

龍門渕の面々は荷物をまとめ始める。

 

「今日はお相手ありがとうございましたわ。」

 

「おう。またやろうな。」

 

「次は衣も連れてくるよ。」

 

「失礼します…」

 

皆はそれぞれ別れの挨拶を述べて部室を出て行った。

 

「やっぱり龍門渕のみなさんは強いですね。」

 

「そうね。とても有意義な時間だったわ。まあ、それはそれとして…」

 

久は買い物袋を握りしめながらつぶやく。

 

「須賀君にはお仕置きが必要かしらね?」

 

「部長…目が笑っていないじょ…」

 

背中から覇気のようなものを出す久に皆は戦慄していたそうな。

 

ハギヨシは清澄高校の前に車を停める。すると、早歩きで透華が車に迫ってきた。

 

「衣!遠征に来ないとはどういうことですの?」

 

「衣は咲やノノカぐらい面白いかもしれないのを見つけた。衣はそやつを弟子にしたんだ!」

 

「はあ…?」

 

ポカンとする透華であったがとりあえず龍門渕に帰るために皆はハギヨシが運転する車に乗り込む。前の席で衣と楽しそうに話しているR京太郎を透華は少しうらめしそうに見ていた。

 

「透華。嫉妬なんて見苦しいよ…」

 

一がため息をつきながらつぶやいた。

 

「そもそも清澄の須賀さんがなぜこんなところにいるのでしょう?」

 

「ねえ、透華。本当にあの人は須賀 京太郎さんなのかな?何か前に県予選で見たときとだいぶ印象が違うような…」

 

一はR京太郎を疑いの眼差しで見る。確かに普段の京太郎と比べるとR京太郎は帽子をかぶり、髪には紫のメッシュ。さらに瞳は紫とかなり変化が多い。R京太郎を見たあと、一は衣に目を向ける。

 

(あれ?衣の座席、何か白い砂で汚れてるな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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