咲-Saki (仮面ライダー)電王戦!   作:ツヨインジャー

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第9話 風越は泣けるで!(後編)

ジャガーイマジンは小刻みにジャンプを繰り返しながら短剣で電王を斬りつける。反撃に電王もアックスを振るうがフットワークが軽いジャガーイマジンにはなかなか当たらない。

 

「むう。すばしっこいやつやな。」

 

「どうした、どうした?オイラのスピードについてこれないのか?」

 

そのとき、電王は背後に人の気配を感じる。振り返るとそこには華菜がいた。

 

「華菜!?お前、ついてきたんか?」

 

「やっぱり、京太郎なのか。ごめん…私のせいで…」

 

「よそ見をするなよ!」

 

ジャガーイマジンは電王が華菜に気を取られた隙に再び斬りかかる。電王のアーマーから火花が散った。

 

「華菜!よう聞けや。俺は美穂子さんの手伝いしとるとき、こんな話を聞いたんや。」

 

電王はジャガーイマジンの攻撃を防御しながら華菜に語りかける。

 

 

 

 

 

 

それは、K京太郎が美穂子の掃除や洗濯を手伝っているときだった。

 

「ありがとう、京太郎さん。助かるわ。こんなに私に優しくしてくれるの華菜ぐらいだったから。」

 

「華菜?あの猫みたいなやつか。あいつか?何か雰囲気は生意気な後輩って感じやけどな。」

 

「ううん。私ね、あるとき友達がいなくて寂しい思いをしてきたときがあったの。でも、華菜が私に話しかけてくれるようになってから、私は前向きになることができたの。図々しいくらいの元気さは私にはない華菜はいいところなのよ。私はそんな華菜に…ちょっと憧れるな。」

 

 

 

 

 

 

ジャガーイマジンは反撃してこないのをいいことに電王に図々しいほどの連撃でひたすら攻めまくる。しかし、電王はアックスフォームの防御力で何とか耐えている。

 

「華菜、お前が美穂子さんのことを第一に考えとるように、美穂子さんも華菜のことを大切に思っとるんや。お前は美穂子さんを守るために正義の味方みたいになる必要はない。美穂子さんは今のお前が一番好きなんやで。だから…」

 

「口より手を動かせよ!」

 

ジャガーイマジンは挑発し、今度は電王に飛び蹴りを食らわす。

 

「京太郎…私は…」

 

華菜は電王の言葉に反省したように俯く。

 

「くはっ…だから、これだけは言うとくぞ!美穂子さんを悲しませるようなことはすな。華菜、お前はそれだけできたらいいんや!そのままのお前でおることが美穂子さんの願いでもあるんや!」

 

華菜はその言葉に顔を上げる。そして、何かを決意したような顔つきになる。華菜は体育倉庫に走っていった。そして、体育倉庫からバレーボールを持ち出し、電王とジャガーイマジンが死闘を繰り広げる場所へ戻る。

 

「ありがとう、京太郎!そうだよな。華菜ちゃんは華菜ちゃんのままでいる。それが私の答えだし!」

 

華菜は麻雀で培った集中力でバレーボールをジャガーイマジンの頭部に当てる。

 

「痛い!何すんだ、この…」

 

「今や!くらえ!」

 

ジャガーイマジンが華菜の方に振り向いた隙に電王がアックスをフルスイングし、ジャガーイマジンを吹っ飛ばす。

 

「ぎゃあっ!?ぐえっ!」

 

吹っ飛ばされたジャガーイマジンは体育館の壁に叩きつけられた。

 

「く、そ…だめだ…立てない…」

 

「おおきに、華菜。さあ、とどめや!うおりゃああー!」

 

電王はアックスをジャガーイマジンに真っ縦に振り下ろす。ジャガーイマジンはうつ伏せのまま一刀両断された。

 

「ぎゃあー!なぜだぁー!」

 

ジャガーイマジンが消滅すると同時に電王はこう言い放つ。

 

「ダイナミック・チョップ。」

 

「私達、勝ったのか…!」

 

 

 

 

 

 

やがて電王は変身を解除し、K京太郎に戻る。辺りはすっかり夕日に染まっていた。

 

「これで、終わりやな。思い残すことはないわ。」

 

「待てよ!キャプテンに会わないのか?」

 

華菜の問いかけにK京太郎は首を捻りながら答える。

 

「ええんや。華菜。美穂子さんにはお前がよろしく言うといてくれ。ここは俺のおるべき場所やないから。」

 

K京太郎は校門に目を向ける。

 

「ここ、女子校やしな。」

 

K京太郎は今度こそ歩みを進める。

 

「待って!最後に教えて。あんたは本当に『須賀 京太郎』なのか?」

 

しかし、K京太郎は返事をすることなく、夕日に向かって歩いて行った。

 

「また、会えないかな。まだちゃんと謝ってないし。」

 

華菜がぽつりとつぶやいた。

 

 

 

 

 

「しっかし、何やこの歯車は?またデンライナーの部品か…うっ…!」

 

帰り道の途中、ジャガーイマジンが落とした歯車を握る。すると、キンタロスは頭痛を覚えた。そして、脳内に不思議な映像が映し出される。

 

「俺が…動力がある場所の…カバーを外しとる…あほな!そんなはずは…」

 

しかし、いくら否定しようともそれはまるで忘れていたずっと昔の記憶のように思えた。

 

「てことは…動力を壊したのは俺…?」

 

キンタロスは突然の不思議な現象に戸惑いながらも歯車をデンライナーに持ち帰るため、帰路を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ここは清澄高校。

 

「また京太郎は休みだじぇ。」

 

「京ちゃん。風邪が長引いてるのかな。」

 

そんな話をしていると、和が部室に入ってきた。

 

「みなさん。今日はお客さんが来てます。」

 

「あら、やっと到着したみたいね。」

 

ベッドで寝転がっていた久も体を起こす。

 

「こんにちは、みなさん。」

 

「久しぶりだし!」

 

何と清澄高校に風越女子の美穂子と華菜が遊びに来た。

 

「おお、いらっしゃい。」

 

咲達と一緒に卓に座っていたまこもあいさつする。

 

「みなさん。差し入れです。どうぞ。」

 

美穂子は大きな弁当箱のようなものを清澄のメンバーに差し出した。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

咲は一番に感謝する。しかし、咲はあることに気づく。

 

「あれ?この小さい箱は?」

 

美穂子の持ってきた大きな弁当箱の隣に小さい箱が置かれている。

 

「これは、須賀 京太郎さんに…この前のお礼にお弁当作ってきたの。」

 

美穂子は少し照れくさそうに話す。

 

「ええ!キャプテンもですか?実は私もあの時のお礼に京太郎に…」

 

華菜は驚きと恥ずかしさが混ざったような顔で鞄から小さな弁当を取り出す。

 

「京太郎には、私すごい悪いことしたし。だから、謝罪を込めてだけどな!」

 

「でも、今日は須賀さんは風邪でお休みですよ。」

 

「そうなんですか。残念ね。」

 

和の言葉に少し美穂子は肩を落とす。

 

「京太郎、いつの間にこんなにモテるようになったんじゃ?」

 

まこは不思議な現象に首を傾げていた。

 

「京太郎の代わりに私が食べてやるじぇ!」

 

優希が雀卓から元気に立ち上がった。とりあえず、皆で美穂子の差し入れを広げて食べる。

 

「なあ、咲。一つ聞くけど…京太郎って宇宙人か何かなのか?」

 

「えっ?どういうこと?」

 

華菜の質問に咲は頭に「?」が浮かんだような表情を見せる。

 

「だって、金色のアーマー着て変な怪物と戦っているところを私、見たんだし!本当だよ。」

 

「そうなんですか!?私も見ました。京ちゃんが変身してました。アーマーは赤かったけど怪物と戦うところも!」

 

「須賀さんが宇宙人?そんなオカルトありえませんよ。」

 

和は盛り上がっている二人の会話に突っ込みを入れる。そして、久がため息混じりにこうまとめた。

 

「あのねえ。いくら須賀君にそんな能力があっても麻雀には何の役にも立たないでしょ…。」

 

 

 

 

 

「「ジャガーイマジン、撃破」と。これじゃ、電王を鍛えてるだけじゃないの。もう少し頑張ってほしいわね。駒として…」

 

赤い髪の女性は今度は風越女子高校の屋上から電王とジャガーイマジンの戦いを見ていた。

 

「私は帰らなきゃいけないわ……にね。体を借りてるんですもの。」

 

赤い髪の女性はまたすうっと消えてしまった。

 




『敵イマジン図鑑 No.3』
「ジャガーイマジン」
・池田 華菜と契約したイマジン。モチーフはたぶん「強そうなネコ」を池田がイメージしたんだろう。俊敏な動きで敵を翻弄する戦い方が得意。足も速く、ジャンプ力も高いが弱点は防御力が極端に低いこと。そのためアックスフォームに殴られただけで満身創痍になってしまった。武器は二本の短剣。

(作者あとがき)
キンタロス編を読んでくださってありがとうございました。自分の好きなキンタロスをカッコ良く書きたいと意気込みましたが、何か安っぽいお涙頂戴感バリバリになってしまったことを反省しています(汗)
今回のテーマを表に表すと
『本命…美穂子×池田
対抗…キンタロス×美穂子
大穴…キンタロス×池田』
だと思います。あなたはどのコンビが好みですか?

さて、次回はお待たせしましたみんなの人気者、ウラタロス編を予定しております。お楽しみに!
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