Fate/grand order 仮面ライダーW 体験クエスト 作:通りすがり
「俺の切り札であるグーが…負けただとぉ!?」
「二人とも、伏せろっ!」
「あれが、今回の反逆者かね?」
戦況は一瞬で混沌としていた。
「うぉ────!??!? なんだあの筋肉???? えっ、何者??」
……主に翔太郎が
すかさず立香が声をかける。
「翔太郎さん……あれは俺が喚んだ助っ人です! 英雄、スパルタクス! 詳細は後で! 今は早く変身を!」
「お、おう。そうだった。出番だ、フィリップ」『Joker!』
手早くベルトを装着しながら翔太郎はジョーカーメモリを起動させる。
『翔太郎……? これは……!』『Cyclone!』
どこかウキウキとした様子でフィリップはサイクロンメモリを起動、装填していく。
「Cyclone」「Joker」
軽快なメロディーと共にダブル サイクロンジョーカーへと変身
「『さぁ、お前の罪を──』」
いつもの決め台詞を言う────
「聞くが、コレが今回の圧制者かね?」
途中にスパルタクスから突然問いかけられる。
「んぉ? あっせいしゃ? よく分からんが、敵なのはそうじゃねぇのか」
その問いに面食らいながら答える翔太郎。
『圧制者か、もしかして君は』
「うむ、では征こう!!」
筋肉の塊────スパルタクスはそう言うや否や受け止めていたバイオレンスの左手(鉄球)をぶん回す。
「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
『うぉわあぇtwn6s:3prc2!???!??』
ぶん回されるバイオレンスはなぜそこそこの質量があるはずの自分を振り回せているのか疑問に思う暇もないほど。
「スパルタクス! このまま次もバスターで行こう!」
ほぼ最前線に近い所で立香はスパルタクスに無駄だと思いつつ指示を出す。
尤も、彼の『思考が一番困難な選択肢を行う』思考のせいで助言くらいにしかならないが。
『……翔太郎、所でこの御仁はなんなんだい、彼が呼んでいるから大体察しが付くけどね』
「あぁ、なんか立香が呼び出した助っ人らしいぜ、なんだっけな……スパルタクス?」
『…………叛逆の英雄、スパルタクス。史実のスパルタクスは優秀な指揮官でもあったと聞くがもしかすると
「いや感心してる場合じゃねぇだろ!? どーすんだよこの状況!!」
『翔太郎、ここは待ちの姿勢と行こう。彼がバイオレンスをある程度、振り回して離れたタイミングに合わせてマキシマムといこう。ルナトリガーにメモリチェンジだ』 『Luna』
「おうよ」『Trigger!』
『Luna!』『Trigger!』
ダブルはルナトリガー(以下LT)になるとトリガーメモリを装填、何時でも撃ち出せる体制を整え、タイミングを窺う。
『Trigger Maximum Drive!』
『翔太郎、僕が合図するからその時に』
「あぁ!」
幻想の銃撃手はその時が来るまで待ち続ける。
その頃、スパルタクスは復帰したバイオレンスとがっぷり4つに組み合い、押し負けつつあった。
『オイオイ嘘だろ!? バイオレンスはかなり出力も高いって聞いたのに何なんだこのバケモノは!?』
「これは日々の叛逆の賜物である、この程度で音を上げるのは叛逆が足りないのでは無いのかね?」
『ウルッセェ! 訳分からん事ゴチャゴチャとおおォォォォォォ!!!!』
思わぬ煽りになったのかバイオレンスは怒りに任せて膠着状態を抜け出すために組んだ腕を離す。
と、同時にスパルタクスに左手の鉄球で複数ラッシュを当てにかかる。
比較的鈍重なバイオレンスにしてはかなりの速度だ。
最後は地面に叩きつけた為に土煙で見えなくなってしまう。
『オラオラオラオラァ! ……ハァ、ハァ、ハハッどうだ!』
どれか打ち所が良かったのか仰け反ったまま動かなくなったスパルタクスを見ながらバイオレンスは息を切らしながら呟く。
だが次の一言で凍りついてしまう。
「うむ、良い反逆であった」
『…………冗談だろ、今のでKOしないのかよ』
半ば唖然と立ち尽くすバイオレンス。
かなりの無防備である。
その時は来た。
『今だ!』「『トリガーフルバースト!!!!』」
LTによって撃ちだされた幻想の弾丸は分裂し軌道を変えつつも、正確にバイオレンスを撃ち抜かんと四方八方から殺到する。
『げっ! うぉわっ!』
直後、無数の弾丸は標的に命中する。
バイオレンスは盛大に爆散、メモリが飛び出し…………
──────それを遠くで見ている影があった。
『おーおーおーおー、サーヴァントってのは強いなぁ。アレにまだ奥の手の宝具って言うやつもあるンだよな……くぅ~楽しみだぜ〜!』
『とりあえず回収しなくちゃなァっと』
矢印が飛び出しすぎて頭髪みたいになっている怪しげな影は徐ろに爆炎に飛び込んでいく。
爆炎から出てきたのはボロボロになったバイオレンスだったドレッドヘアの男。
「っしゃあ! どんなもんよ!」
『……いや、待った翔太郎』
「んだよ、倒せたんだから良いだろ」
『メモリが転がってこない』
「あん? そういやいつもなら転がってくるはずなんだが……?」
二人が周りをキョロキョロと探していると
『お探しのモノはコイツかい?』
何故か
全身にカラフルな矢印が飛び出さんとばかりに刻まれた
細身の無気味な怪人
「……っ! 新手か!」
『ん、何者だ……?』
咄嗟にトリガーマグナムを構える翔太郎
『おっと、今はやるつもりは無いぜ。オレの目的はそこの坊ちゃんの喚ぶサーヴァントなんだからよ』
「(…………!)オレは藤丸立香だ、坊ちゃんじゃない」
名指しされて咄嗟に詰まるがハッとして言い返す。
『OKOK、藤丸クンよ。オレの目的はアンタなんだ、まぁ今回は
怪人は手に持ったバイオレンスメモリを振って指し示す。
『何故だ、何故メモリブレイク出来ていない! それじゃあ……まるで……まるで!』
フィリップが叫ぶ
『
「Type……1.5だと!? どういう事だ、T2ガイアメモリは全て俺たちが破壊したはずだ」
『そこはオレに言われても困る、開発者に聞いてくれ。実際こうして数本流通してるンだ、どうにかしたンじゃねーの?』
誤魔化すように怪人は言う。
『翔太郎、これ以上は無駄だ。戦うしかない』
「あぁ、行くぜ」
覚悟を決めたかのようにWはトリガーマグナムを構え、引鉄を引く。
数発の弾丸がうねりながら標的に向かう。
『えっ、嘘ちょっと何で撃っちゃうンだよォ!』
弾丸は曲がりながら確実に当た────らなかった。
あり得ない事にLTの撃った黄色の弾は怪人の身体にある矢印沿って、周りを
その矢印も先程の模様だったときと違い常に細かく動いている。
しかも段々と弾丸は速度を増しているようにも見える。
「えっ?」『はっ?』「!?」
これにはWも立香も思考が止まってしまう。
『ひゃーあぶねーあぶねー、オラ
言うが早いが怪人は三人に弾丸を足元に撃ち込み、土煙を発生させる。
土煙が舞う中、怪人の暢気な声が響く。
『ンじゃあ、仮面ライダー、そんでもって立香サンよォ、一旦はここでお開きだ。次の次辺りで会おう』
「待てっ! お前は一体何者なんだっ!」
見えない中気になる事を聞く翔太郎。
『あぁ、名乗ってなかったな。……まいっか、オレは
そう言うと謎のドーパントは地面が陥没せんとばかりに踏み込み、跳躍しながら消えていった。
──────────────
「フィリップ、今の……」
『あぁ、信じられない事だが……僕らの弾丸を曲芸みたいに保持して撃ち返したみたいだ、あんなの見た事がない! あのベクトルメモリの効果だろう。恐らく物体のエネルギーの向きを体表面で操作したんだ。そんな強力なメモリが存在していたなんて……!』
「……つまり、どういうこった?」
『要は僕達の攻撃が効かないって事さ』
LTが撃った弾は確かに当たった。
だが、それをお手玉のように転がし、こちらに向けて返したのだ。
だとすると全てを物理に頼るWの攻撃は効かないことになるのかもしれないのだ。
「へー、そうなのか。ってそれはヤバくないか!? どーやって攻略すんだよ!」
『少し黙っていてくれないか! 僕も混乱しているんだ!』
「っと、すまねぇ。それもそうだったな」
『いや、こっちこそ済まない。ベクトルについては検索しておくよ、何か分かるかもしれない』
お互い謝りつつベルトを戻し、
幸いベクトルドーパントの攻撃は目くらましだったらしく、誰も怪我はしていない。
そこへ立香が駆け寄ってくる。
「翔太郎さん! スパさん! 大丈夫ですか!?」
「おう、こっちは大丈夫だ。しかしなぁ…………してやられたぜ」
「うむ、まさか横入りされるとは此方も叛逆が足りなかったと見える」
「(なぁ立香、もしかしてこのデカイの……会話通じてないのか?)」
「(えぇ、まぁ。会話しているように見えてほぼ成立していません)スパさん、ありがとう。送還します」
「応!! 次こそは仕留めてみせよう!」
そう言うとスパルタクスは消えていく。
「……とまぁこういう風に一戦闘毎に喚び出せるんです。一時的なものなのでずっと限界するには誰か一人でもこの風都にはぐれサーヴァント居るといいんですが……」
「…………ほー、凄えもんだ。なぁ、フィリップ。…………フィリップ?」
『(これが英霊召喚システム『フェイト』、実際に英霊一人を出現させて送還させたから信じはできるが全く理解が出来ない。だがしかし大きな力が圧として感じられたし僕達と共闘できいやそもそもあのドーパントは一体ブツブツ……)』
「こりゃ暫くは無理そうだな……」
「あのー……今日はもう帰っても……?」
「おー、切絵ちゃん。無事だったか。アンタも一旦帰った方が良い。送ってくか?」
「い、いえそんな。一人で帰ります」
「そうか……無理は言わねぇが、困ったら連絡してくれ、力になるぜ」
「はい、ありがとうございました」
パタパタと切絵は去っていく。
「さてと……亜樹子になんて言い訳しよう。依頼人を危機に晒しちまったからなぁ……しこたま怒られる」
「翔太郎さんも大変ですね……」
「お前さんも分かってくれるか……!」
「自分のいるカルデアにも個性のあるサーヴァントが色々いるので」
「そうか……また聞かせてくれよな」
そういう翔太郎の背中は、どこか小さかった。
────────────────風都にある寂れた研究所
錆びついた研究所の様だが電源は通っているらしく、明かりが少しついていた。
ここはタキシードの男がその上から白衣を着てベクトルドーパントを出迎えていた。
『帰りましたよっとなー』
「おっ、どうだった仮面ライダーとサーヴァントは」
『俺らみたいなのは相当やり慣れてますね。やりがいがありそうっすわ。ほい、これメモリ』
言いながらベクトルドーパントはメモリを手渡す。
「おー、これで少しは進展するなぁ。後はあの子はどうやろ?」
『まぁまぁじゃないっすかね、なんか上手いこと馴染んでましたし、待ちでしょ』
「楽しみだねぇ、『B』のメモリ」
『えぇ、楽しみっすねぇ』
「じゃ、今日も
『おうよ』
ベクトルドーパントは両手をボクシングの様に構える。
「よーし」『Aero』
タキシードの男は白衣を椅子に掛け、メモリを起動。
全身に噴出口が備えられたエアロ・ドーパントは変化した余波で大量の空気を吐き出す。
『書類めっちゃ飛んでない?』
『止めて挿した時に気づいたんだからさぁ!?ええいやるぞ!』
そうして自然体でゆったりとエアロは動き出す。
次の瞬間、連続した打撃と蹴撃が延々と続く。
次回、Fate/Grand Order 仮面ライダーW体験クエストは!
「キーワードが足りないな……何かあるかい?」
「自分にもできる事はあるはずです」
「ったく有象無象が、薙ぎ払うぞ!」
これで決まりだ!
はい、遅くなりました。
毎度書いててこれどこへ向かうのやら……
んじゃ良いお年を