ある場所に時と空間を操る竜、時空竜がいた。その竜は幾つもの世界を巡り、元の世界に戻ってきた時、自分のかつての住処で一人の赤ん坊を拾った。
赤ん坊は白い髪に青い瞳をした男の子であり、竜はどうしたものかと悩んでいたが、態々再び捨てる様なことはしたくないし、かと言って喰らうというのもどうかと思い、竜は拾った子供を、一時の戯れとして育てる事にした
〇☆〇☆〇☆
『さて、育てると決めたは良いですが人を育てたことはない‥‥ううむ‥‥』
私、クローゼリアは竜であり人ではない。だからこそ育てるとしたものの、どうしていけばいいか分かっていなかった。
一先ず‥‥
『名前、付けてあげないと』
とはいえ、すぐに思い浮かぶわけもなかった。ただ、適当な名前にはしたくなかった。名付けるのならこの赤子は自分の息子も同然なのだから。
『‥‥‥』
私はひたすら考えた。考えに考えて2日後、良さげな名前を思いついた。
『ルクス・クロスヴィア。これが貴方の名前です』
私がそう告げると赤子は嬉しそうに笑った。言葉を理解しているわけではないだろうに、その名前が気にいったかのように笑っていた。
『ふふっ』
そんな笑顔を見ていたら、こちらも釣られて笑っていた。そして、名付けたからだろうか。この子の事が少しばかり愛おしく思えてきたのだ。
『存外、私は貴方の事を気に入っていたみたいですね』
そういえば、イグニールやメタリカーナたちと計画したアレ。その時がきたとも考えられますね、今の状況は。
『‥‥貴方には過酷な運命を背負わせることになるかもしれない。私に出来ることは貴方を死なないように鍛えることだけです』
しかし、一方的に決めてしまうのは気が引けますね。‥‥私の力を最大限に使って限界まで鍛えましょうか。
〇☆〇☆〇☆
『そうではなく、もっと腹に力を入れるんです』
「もっとお腹に‥‥時竜の咆哮!」
『‥‥まぁ、覚えたてだから仕方がないと言えば仕方がないですよ、ルクス』
クローゼリアの言葉はもっともだが、納得できるかと言われれば納得出来なかった
「でも、この威力は流石に‥‥」
俺の咆哮は近くの木に軽く削れるだけであったから
『鍛錬あるのみ。私たちには時間に猶予を作れますから』
「それはそうだけど‥‥」
そう、時空を、というか時を操る魔法を扱うことが出来るクローゼリアのお陰で足りない時間を補うことが出来ていた。
クローゼリアによると、時を扱う魔法はドラゴンだから制限なく使えるけど、俺みたいな人間が使おうとすると命を削らないといけないらしい。けど、滅竜魔法として覚えるとそういった代償は要らないとも言っていた。
詳しい事はよく分からないけど、どうにも時の属性を持つ滅竜魔法を体得する事が要因みたいだ。
『そんな曖昧なものじゃないですよ。滅竜魔法の特性、体を私たちと同じドラゴンに変質させる事を応用し、時の魔法を使う時にあなたの全身を変質させている。簡単に言うと、私の教える時の魔法全てを滅竜魔法としているんです。教える教えないの選択はこちらで決めますが』
「‥‥もしかして、さっきの考え口に出てた?」
『えぇ、バッチリと』
不味い、授業モードだ。クローゼリアは教えるのは上手いから分かりやすいし、結構すぐに覚えられるんだけどスイッチ入るとスパルタになる上にいつ終わるとも分からない解説が延々と続くんだよな‥‥
『とはいえ、貴方はどこまでいっても人の子である事には変わりません。魔力の関係上、生物に対する時の魔法は最低10秒、最高は1分かそこらが限界でしょう。こればかりはどうしようも無い事実。課題はその制限時間内であれば時の魔法を使えることを利用して魔法を生み出すことです。その為には‥‥』
「‥‥‥」
こういう時は黙って頷いて話半分で聞くに限る。全部理解しようとしたら頭沸騰するからな、情報量多すぎて‥‥
結局その日は、それから4、5時間ほど休憩無しで話をされた。
こんな経験はもうゴメンだと思った
次の日から、特訓、魔法開発、勉強をローテーション、偶に一日休憩といった具合の日程で回し数年たったある日。
いつものように寝て、起きると何故か森の中にいた。
「ここ何処だ‥‥?」
辺りを見渡せどもクローゼリアは居らず、木々が見えるだけであった。
「なんで‥‥」
思考が停止した。それまで一緒にいた親であるドラゴンのクローゼリア、そんな彼が居なくなった。そんな事は無い、きっとどこかに居る。そう思って探すが、一日かけてあちこちを探しても見つからなかった。
疲れ果てて座り込むと、途端に涙が溢れてきた。
「クロー‥‥ゼリア‥‥」
涙が止まらなかった。涙ともにクローゼリアは本当に居なくなったのだという実感が湧いてきてどうしようも無かった。
その日、俺はずっと泣き続けていた。そして泣き疲れて寝てしまい、起きた時は朝だった。
「‥‥‥」
一晩中泣いて、寝てしまったからだろうか。頭が少しスッキリしていた
「そうだよな。別に死んでしまったわけじゃないんだ。なら‥‥クローゼリアを探す旅に出よう」
思い立ったが吉日とばかりに俺は立ち上がり、歩き出した。が、重要なことを忘れていた
「そういえば俺、お金持ってねぇ‥‥」
何時だったかクローゼリアが言っていた。人として暮らす時にはお金が必要だと。何か物を得るには基本的にはお金が必要だと。
「‥‥頑張ろう」
出鼻をくじかれた感じだったが、一先ず森を抜けるべきなので歩き出した。
これが旅の始まりだった。
それからというもの、あちこちを旅して行った。
ある時は怪物を倒し、ある時は城を抜け出したなんて言う緑髪の少女と出会い、またある時は青髪の少年と少女の二人と一時旅をしたり、またある時は何故かそんなに年の変わらない子の師匠をしたり、ギルドと呼ばれる組織に入る事になったり、似た境遇の奴と友達になったり、色んなことをしていった。
そして‥‥
〇☆〇☆〇☆
「‥‥またか、またなのか、あのお姫様は」
「ね〜。いつも思うけどもっとまともな理由で呼んで欲しいよね〜」
「ホント、切実にそう思うわ。‥‥はぁ」
一人の青年と猫がとある依頼書を見ながら喋っていた。
青年の名はルクス・クロスヴィア。猫の名前はルビー。
「国王からの依頼なんだから行かないとな。ルビー、行くぞ」
「は〜い」
これはとあるギルドに所属する一人の滅竜魔導士の物語
今回は本当に短いですが、これから長くなったりします。
早めに出すつもりではいますが不定期気味になるかもしれません
今日発売のFAIRY TAILのゲーム。買おうかどうか迷ってます。皆さんは買いました?
主人公の容姿は、考えてる時に青眼の白龍が頭をよぎった事で決定しました。
クロスオーバーとしてますが、他作品のキャラとかって出した方がいいですか?作者自身迷ってるんですけど、どちらの場合でも書けるので気軽に答えてもらって構いません。期限は鉄の森編が終わるまでです
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