乃渡由比はバトスピテスターである 作:monochrome:黒
翌日、由比達一行は果たし状に書かれてあった「場取ヶ原」に足を運んだ。西武蔵は東武蔵と違い森林地帯や小高い山が点在しており少し田舎を連想させる。空は快晴、風が強く吹き荒び、場取ヶ原は側に河原がある故遮蔽物も無く広々としていた。
・・・こんな気持ちの良い天気に決闘するなんて一体誰が想像出来るだろうか?
「スタジアムは無いのでごじゃるか?」
「良いじゃないか、如何にも「決闘」って感じでワクワクするぜ!」
「まずS級同士ですからスタジアムでやる必要もないんでしょう。彼方も最初からストリートバトルの気でいますよ。________ほら、話をすれば宝緑院組のお出ましです。」
草の根を分けた先____河原の方で兼続率いる宝緑院組が待っていた。兼続は以前見た時と同じ腕を組み羽織りを肩に掛けて、紫の双眸で此方を見据えている。視線が刃の様に鋭く、力強い。距離を取っている筈なのに兼続から出る精錬された覇気が間近に感じられた。
「来たな。烈火幸村、乃渡由比。お前達なら来ると思っていたぞ。」
「あんな熱い果たし状を貰っては来ない選択肢なんてありませんからね。」
「強い相手とバトル出来るなら何処へだって行くさ。お前の力見せて貰うぜ。」
口角を上げ幸村が強気に笑う。
バトルがしたくて堪らない、言葉にせずとも嫌でもビンビンに伝わってくる。自分はそんな彼にフッと笑うと健闘代わりに肩をポンっと叩いて一歩下がった。先手は幸村に譲ろう、お手並み拝見だ。
「始めるとしようか。____来たれ!「緑風神」ッッ‼︎」
「来い!「轟天龍」ッッ‼︎」
お互いが肩から、腰から、デッキケースを取り出し上に掲げ叫ぶ。轟ッッッと言う音と共に現れる両者の専用マシン、兼続の専用マシンは緑をベースカラーとした蟷螂を象ったモノだ。専用マシンから推測されるデッキ系統はとどのつまり________【殻人】【殻虫】などの虫系緑デッキか。
「利家の専用マシンと同じで使用系統が解りやすいなぁ。」と呑気に思っているとお決まりの台詞と同時にバーチャルバトルフィールドが展開され、兼続対幸村戦が始まった。先攻は幸村だ。
「行くぜ!ドローステップ、メインステップ!『イクサトカゲ』をLv1で召喚!ターンエンドだ。」
「……?」
(0コストのスピリットを召喚しただけでターンエンド…?手札が重いのかな幸村君…。)
幸村がこのターンで1体しかスピリットを出さなかった事に胡乱げな面持ちで見つめる。手札が芳しく無いのか、それとも単なる布石なのか。いつもなら『ジンライドラゴン』も出ておかしくは無いので一抹の不安を抱いてしまった。さて、昨日一昨日のバトルでどう出るか……次は兼続のターンだ。
「コアステップ、ドローステップ、メインステップ。ネクサス『吹き荒ぶ旋風』を配置。」
「『吹き荒ぶ旋風』……?」
「防御向きの緑ネクサスですよ佐助君。Lv1の時点で自分のエンドステップ時にスピリットを2体回復、Lv2で自分のスピリットを破壊されたら相手のスピリット又はアルティメットを疲労させる効果を持ってます。」
「先ずはネクサスで地の利を高める作戦でごじゃるか。」
「ターンエンドだ。」
ネクサスの配置によって兼続のフィールドには緑の風が吹き上がる。4コストのネクサスを配置した後何もせずにターンエンド、リザーブにはコアが1つ残っているがそれは次、自身のターンが回って来た時にスピリットを出す為の力とする気なのだろう。
だがこれでデッキ系統が確実に解った。
宝緑院兼続のデッキは【殻人】【忍風】中心の緑デッキだ。以前由比が幸村とのバトルで使った「焔忍法帖」デッキでも緑のスピリット達は【忍風】持ちであった。まさかこんなところで同系統のバトラーと会い見えるとは思いもしなかったが。
「俺のターン!コアステップ、ドローステップ。……よし、『サムライ・ドラゴン』を召喚!」
(『イクサトカゲ』を不足コスト確保の為に消滅させてコスト5のスピリットを召喚……成程、元々軽減確保の為に召喚したんだ。)
「挨拶代わりだ!行け『サムライ・ドラゴン』!」
「ライフだ。」
『サムライ・ドラゴン』が背に背負っている太刀を引き抜き、そのまま兼続のフィールド目掛けて地を蹴り猛スピードで突進する。ブロッカーのいない兼続は無論ライフで受けるしか無く『サムライ・ドラゴン』の刃が兼続のライフを斜めに斬りさき砕け散らせた。これで相手のライフは残り4つ、しかし幸村のスピリットは『サムライ・ドラゴン』しか居ない為このままターンエンドとなる。
幸村の「ターンエンドだ。」の言葉と同時、由比はやや険しい顔をした。ライフを削った、それで良い。だが緑属性の特徴を鑑みれば"ここからが本番"なのだ。
(次はどう動く?宝緑院兼続!)
「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、____"『蜂王フォン・ニード』"召喚‼︎」
「Xレア……!そう来ましたか。しかもよりによって面倒なものを…。」
途端、兼続のフィールドにバチバチと雷音を響かせながら繭の様な球体が現れ、それを裂いて黄金色の巨大な人型蜂____『蜂王フォン・ニード』が顕現する。まさかの大型スピリットの登場。Lvは1だが緑属性にそれは"関係無い"。緑属性の特徴の1つ……由比がラッパンサーで行った事と同じ________
「召喚時効果発揮!」
「!」
「ボイドからコア3個をこのスピリットの上に置く!『蜂王フォン・ニード』Lv2にパワーアップ!」
「ボイドからコアを⁉︎」
コアが増えた事によりBP10000までパワーアップした『蜂王フォン・ニード』に佐助が目を見開いた。由比のバトルでも見た筈ではあるが、兼続の緑単色でのコアブーストの使い方に驚いてしまったのだろう。実際、このターンで10000のスピリットを出されては状況が苦しい。そしてこれこそ緑属性の恐ろしい特徴の1つだ。
「緑属性の特徴であるコアブースト…コアステップ以外でボイドからコアを増やす事の出来る効果です。緑属性は本来コアを増やし、軽量スピリットで戦うものですが………、」
「が?」
「『蜂王フォン・ニード』、アレが出て来ては少々厄介ですね。」
まるで本能で感じ取ったかの様に由比の険しい顔がより一層深くなる。ここへ来てのXレアだ。もしもキースピリットだったのであればこのフィールドは兼続に呑まれたのも同然となってしまう。『蜂王フォン・ニード』その効果とは、
「アタックだ!」
「ライフで受ける!」
「まだだ!『蜂王フォン・ニード』Lv2アタック時効果発揮!」
「何っ⁉︎」
「相手のライフを減らした時コア3個をトラッシュに送る事でこのスピリットは"回復"する!」
「出た……!」
コアがトラッシュに置かれた事でフォン・ニードが緑の気を纏わり回復する。Lv1になってしまったものの追撃を行うには十分だ。緑属性の特徴、回復効果。再びアタック可能になった黄金色の蜂の王は兼続のアタック宣言によって、もう1度その鋭利な槍を幸村のライフを砕き、奪う。これで幸村のライフは残り3つ、一気に押されてしまっている状態だ。
「でもこれでフォン・ニードは疲労状態だ!次のターンで逆転出来るぜ!」
「いや…そう簡単には行かないでごじゃる。」
「佐助君、私が『吹き荒ぶ旋風』の効果を説明した時エンドステップに何が出来ると言いました?」
「えっ?」
その答えは直ぐに出た。
フォン・ニードの系統は【殻人】、ネクサス『吹き荒ぶ旋風』のLv1の効果は…
「ターンエンドだ。『吹き荒ぶ旋風』の効果発揮、エンドステップで系統【殻人】を持つ自分のスピリットを2体まで回復させる。」
「嘘だろ……⁉︎」
「攻撃と防御、その両方に特化したバトル方法……西武蔵の大将さんだけあってやはり強いですね。」
これで相手のアタックステップでもブロッカーには困らない、そう言う意味だ。嗚呼…こう見ていると「緑属性を上手く使いこなすテスター」の事を思い出す。確か彼もまた、ネクサス『賢者の樹の実』を使いエンドステップ時に己のスピリットを全回復させていた。
黄金色の蜂の王がブロッカーとしている中、幸村は苦い顔をする処かフッと笑いこう言う。
「そうでなくっちゃ面白くない!こう言う強い相手を倒さない限り天下を取る事なんて出来ないからな!」
「あはは…何処までも強気ですね。まぁ怖気付かれるよりはよっぽど良いですが。」
まだまだやれる。その闘志は折れていない。
烈火の炎の如く彼の瞳には信念たる煌きがあった。
……が、そんな彼に兼続は一度沈黙すると一拍空けてこう幸村に対して問い掛けた。それはある意味においてその真を突く様な言葉で
「……それがお前の目的か。ならば聞こう、天下を取ってお前はどうする?お前が"天下を目指す理由"はなんだ?」
「理由…?」
「答えられねば所詮お前もこの地を荒らした無法者と同じ!ただ強さを求め、その証を得る為だけにバトルをする愚か者だ!!!」
「愚かだと!?」
流石の幸村もそこまで言われて黙っていられなかったらしい。反発するように声を上げ兼続を睥睨する。
対して兼続はそれがあると言う。戦う理由があるのだと。戦わねばならない理由が確かに存在すると。
「見るがいい、これが俺がバトスピに懸ける思いだ!!!」
「あ、愛……????」
羽織をバッと宙に投げ、兼続が見せた背には緑の生地に赤い筆文字で書かれた「愛」の一文字。しかも心の部分がLOVEと書かれている。つまり愛の中の愛であった。
幸村勢が思わぬ事で頭がフリーズしていると兼続は憂う様に昔の西武蔵の事を話し始めた。曰く、佐助の言った事と同じでかつての西武蔵は強者が弱者を虐めるような無法地帯であったらしい。ただ力を求めバトルをする……そんな無法者達に、そんな西武蔵に悲しみを覚えた兼続は彼等をバトスピで圧倒させ、「愛」の道を示したのだ。
そんな兼続の話に兼続の下っ端基宝緑院組の人間達(かつては無法者であった者達)が涙を流しながら、
「兼続様のおかげで俺達の目は覚めた!そして俺達も誓ったんだ!」
「この人と共に戦おう!この人に着いて行こうと!」
「「「「「押忍!!!」」」」」
(いやこれ最早「更生」の域では?熱苦しいしムサいなぁ…。)
共感出来るかと言えば由比的にはNOである。
きっと彼等にとっては兼続は西武蔵の安寧の為に勝ち続けるヒーローの様な存在なのだろうがここまで熱苦しいバトスピ愛を見せられると逆に引く。
「バトスピ愛か……だがバトスピに懸ける思いなら俺だって負けないぜ!」
「えぇ……張り合うんですか幸村君…。」
「幸村もある意味熱い男、張り合いたくなるのでごじゃろう。由比はどうでごじゃるか?」
「えっ、私ですか?バトスピは好きですし愛が無いと言えば嘘になりますけど…ここまで熱苦しいとなると…ねぇ…。」
そんな話をしている内に幸村のターンで彼のキーカードである『戦国龍ソウルドラゴン』が召喚され、そのままアタックステップで『サムライ・ドラゴン』と共にアタックした。
兼続は何方もライフで受け残りライフ2つ。迷いの無いライフでの選択にバトルしている幸村が口角を上げているのが解った。予想だが「流石兼続だ。」とか相手に感嘆しているに違いない。
「ターンエンドだ。」
「……!」
「なんで幸村は【覚醒】を使わなかったんだ!?」
「もう1つ兼続のライフを削るチャンスだったのに!」
「これじゃソウルドラゴンにソウルコアを置いた意味が無いじゃんか!」
幸村のプレイングに佐助達は慌てる様に声を上げた。
確かに【覚醒】を使えばもう一度くらい兼続のライフを削れるだろう。だが幸村はそれをしなかった。
…………さて、その意図を汲む事が出来る人間がどれだけいようか。幸村がやりたい事、狙っている事。それを理解出来る「バトラー」は由比以外誰も居るまい。何故ならあれだけ幸村に対兼続戦の戦い方を扱いたのは紛れもない自分自身なのだから。
「信念のなきお前ごとき俺の愛が負ける訳が無い!行くぞ!コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ!『蜂王フォン・ニード』をLv2に!____更にもう1体『蜂王フォン・ニード』を召喚!」
「『蜂王フォン・ニード』をもう1体……?」
もう1体出て来た黄金色の蜂の王に由比は心の中で違和感を覚えた。「キースピリット」がもう1体?利家も、幸村も、早雲も、自らのキースピリットはたった1枚のみだった筈だ。由比の様なテスター達はキースピリットでも3枚はデッキに入れるが……もしかしなくとも兼続の「キースピリット」は____
「一気に決めてやる!行けフォンニード!」
「ライフで受ける!」
「まだまだ!アタック時効果発揮!このフォン・ニードを回復!更にアタック!」
「ぐうっ!」
新たに召喚されたフォン・ニードの効果でコアブーストしLv2にパワーアップしアタックを仕掛けて来た。幸村のブロッカーは現在0、ライフは先のアタックを全てライフで受けた為に残り1。フォン・ニードの効果は「相手がライフで受けた時に回復する」……つまり計4回アタック可能と言う事だ。そんな事をされれば幸村のライフは0になる。
「これで終わりだ!我が愛の前に砕け散れ!」
「絶対絶命の大ピンチ」、追い討ちをかける様に残った蜂の王が幸村のライフを削りにかかる。誰もが「もう駄目だ」と絶望的観測をしかかったその時____________烈火の炎は静かに押し殺していた分を噴き出す様に声を張り上げた!
「"フラッシュタイミング"!【覚醒】!」
「何っ⁉︎」
「ソウルコアが置かれた事で『サムライ・ドラゴン』が回復!「ブロック」だ!」
回帰を体現した燃え盛る炎が『サムライ・ドラゴン』の身を包み、向かって来た蜂の王の鋭利な槍を太刀で弾き返した。耳朶を叩く様な金属同士が擦れ合う音がフィールドに届く中、佐助が驚きつつも声を上げる。
「『サムライ・ドラゴン』の【覚醒】を防御に使った⁉︎」
「……やっぱり。そう使って来ましたね幸村君は。」
「由比も気付いていたでごじゃるか。」
「ええ勿論。幸村君はフォン・ニードと言う強力な2度アタック出来るスピリットに対してソウルコアを温存していた………【覚醒】を「攻撃の為の防御」とする為にね。」
「あれだけ私相手に対緑属性の戦い方を学んでいたんですからこれぐらいやって貰わないと困ります。」と由比は得意気に笑って言う。『サムライ・ドラゴン』にソウルコアが乗る事でBP+5000、つまり計BP11000。フォン・ニードのBP10000をギリギリ超えられる見事なまでのカウンターだ。
これこそスピリットとのバトルを重視する烈火幸村らしい攻めの防御。「攻撃は最大の防御」と言う言葉は今目の前で広がっているバトルを表現するのに相応しい。
「俺だって負けられない。こんなところで______________負ける訳にはいかないんだあぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
(幸村君…?)
一瞬、幸村の深い緑色の瞳が誰かを思うようなそんな様に見えた。「天下を取る」……その思いはきっと単純なものでは言い表せない何か。彼にとって"天下を取った先に"何かがある様な気がすると由比は何故だか確信を覚えた。
BPが上回っている『サムライ・ドラゴン』がフォン・ニードを迎え撃つ。太刀と槍がぶつかり「ギィィン‼︎」と言う音が辺りに大きく響いた。これで1体は屠る事が出来る______と思いかけたその時、
「おのれ……!効かん!効かんぞ!この背に背負った「愛」に懸けて俺は負けん!______"フラッシュタイミング"‼︎『風遁之術』‼︎」
「なっ⁉︎」
「『風遁之術』……BPを底上げしてくるつもりですか!」
「『風遁之術』はこのターン自分のスピリット1体にBP +5000する‼︎」
フォン・ニードの周りに緑の風が吹き上がり、まるで力を与えるが如く黄金色の蜂の王の身に風が纏う。これでフォン・ニードのBPは15000。最早圧倒的BP差で上回られた『サムライ・ドラゴン』は拮抗状態から押し返され、太刀を弾き返されて蜂の王の槍撃をまともに喰らい爆発の花を咲かせた。
カウンターからのカウンター。
正に由比が幸村とバトルした時に双方がマジックを使った時と同じような状況だ。BPを底上げしたら更に相手がそれを上回って来る。バトルではよくある事、だがこの破壊は彼にとっては少々痛手かもしれない。
「『サムライ・ドラゴン』‼︎」
「ここでマジックとは……!」
「私が幸村君とバトルした時と同じですね…しかしここでフラッシュタイミングを使って来るなんて…。これだから緑属性は恐ろしいんですよ。」
兼続が「ターンエンド。」と宣言した事で何とか首の皮1枚繋がった様なものの、ネクサスの効果で2体の蜂の王は全回復だ。だがここが好機とも言える。まだ幸村は負けていない、
「幸村君!」
「由比…?」
「まだ負けてません!私とのバトルで培った経験値を存分に使えば勝てます!だから安心してこのターンで決めて下さい!私が保証します!」
「……ああ、解った!まだ俺には最後の"切り札"が残ってるんだ!」
首の皮1枚、圧倒的不利な状況でも幸村は瞳に強い心を宿したまま兼続を見据える。相手には回復状態のスピリットが2体?"上等だ"。いいや………その方が「好都合」であり「勝利」へと繋がるんだ!
幸村が己のターンを宣言する。コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ________ソウルドラゴンをLv3、BP13000にパワーアップさせた幸村はこれ以上のスピリットの召喚をせず、そのままアタックステップでソウルドラゴンをアタックさせた。無論、アタックさせたのであれば___
「アタック時効果【連刃】発揮!ソウルドラゴンのソウルコアをトラッシュに置く事で相手は必ず2体のスピリットでブロックしなければならない!同時バトルだ!」
「フォン・ニード!」
強制ブロックを強いられた2体の蜂の王は主の呼び掛けに合わせて跳躍し、四翼の翅を広げ宙を飛んだ。それに合わせてソウルドラゴンも宙を飛びフォン・ニードを討つが為に相克する。1体の蜂の王が槍で討とうとするがソウルドラゴンは自らの槍で弾き返す。蜂の王達はならば同時で如何だと槍を振り下ろすが、ギィィン‼︎と言う音と共にソウルドラゴンがソレを易々と受け止めてしまう。
既に兼続にはBPを底上げするようなマジックは持っていない。BP10000vsBP13000、どちらの勝利かなんて火を見るよりも明白だった。
「お前が「愛のバトル」なら、俺は「魂のバトル」だぜ!おぉぉぉぉぉぉぉ‼︎燃えろ!俺の魂!燃えろ!ソウルドラゴンッッッ‼︎」
(行け!幸村君!)
幸村の意思に呼応する様に槍を受け止めていたソウルドラゴンが弾き返して、槍と自らの太刀を引き抜いてフォン・ニードを一閃し見事に美しいと思える程の紅の花を咲かせた。
【連刃】はスピリットを破壊した分だけ相手のライフを削る貫通効果。故にソウルドラゴンの槍は兼続のライフ目掛けて投擲され、そして、
「っ……!俺の愛は決して揺らぎはしない‼︎___うああああああああああああああああああああああッッッッ‼︎‼︎」
兼続のライフを______残らず削り切った。
この勝負、烈火幸村の勝利である。
宝緑院兼続のライフ:0
勝者:烈火幸村