乃渡由比はバトスピテスターである   作:monochrome:黒

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炎の虎vs白銀の獅子__参

フィールドに双子座の紋様が現れ、そこから不気味に笑いながら4つの腕を持ち前後で顔が違う道化師____12宮Xレア『魔導双神ジェミナイズ(RV)』が現れた。体躯を維持しているのかわざとなのかフラフラとしていて正に惑わす様なスピリットである。まぁ実際、このスピリットはこれから大きく惑わしていくのだが。

 

 

 

「ジェミナイズの召喚時効果、デッキから1枚ドローする。その後自分の手札にある系統【神皇】【十冠】【異魔神】を持つスピリットカード又はブレイヴカードをノーコストで召喚出来る!____気に食わぬ者共を全て屠れ‼︎それがお前の望みであるならば‼︎異魔神ブレイヴ『頭突魔神』を召喚!」

 

 

 

途端、ドゴォッ‼︎‼︎と言う耳朶を叩く音がフィールド内を響かせた。視線を滑らせれば頭部に大きな黒い角をいくつも持ち、黒い後光の様な部品を付けた一言に言えば獣の様な機械の形をした『頭突魔神』がフィールドの床を名の通りの頭突きで現れた光景がそこにあったのである。

 

白の異魔神ブレイヴ『頭突魔神』。

赤井の時に召喚した『魔神姫』とはまた別の異魔神ブレイヴだ。

 

だがジェミナイズの効果はこれだけでは終わらない。"手札の1枚に指を絡めて"由比は得意げな笑みで更にこう告げる。

 

 

 

「そしてここで『子の十二神皇マウチュー』をLv1で召喚!ジェミナイズのLv2,3の効果発揮!系統【神皇】【十冠】を持つ自分のスピリットをコストを支払って召喚した時、手札から召喚されたスピリットと同じ系統を持つスピリットをノーコストで召喚する事が出来る!」

 

 

 

これぞ召喚の踏み倒し。

マウチューの系統には【神皇】が入っている。ならば同じ【神皇】を持つこのカードを召喚してやろうではないか。

 

手札から由比が切ったカード、それは______

 

 

 

 

「……"ネメアの獅子とは英雄に挑みし果敢なる獣なり、月光に照らされる白銀の獅子とは即ち不動宮(フィックスト・サイン)より生み出される星座である!"____Lv1でノーコスト召喚!12宮Xレア『獅機龍神ストライクヴルム・レオ(RV)』‼︎」

 

 

 

 

ジェミナイズ同様フィールドに獅子座の紋様が浮き出る。ゴオオオオッ‼︎と紋様を中心に覆い隠す様に凍てつく吹雪が荒れ、それを掻き消す様にストライクヴルム・レオは現れた。

 

機械色が強い白銀色の獅子。

黒色の鋼の立て髪が咆哮と共に揺れ、辺りに共鳴する。まるでこのフィールドは己の縄張りだとそう示す様に、己の存在をスタジアムに居る全てのバトラー達に誇示する様に。

 

フィールドの支配権は炎の虎から白銀の獅子へ。

道化師によって現れた獣は此方を一度見ると考える事を理解しているのか肯定の意を示して頷く。それを受け取った由比はそのままメインステップを進めて行く。

 

まだだ。ここからが最後のお膳立てだ!

 

 

 

「『時刻む花時計』をLv2にアップ。不足コストはマウチューと『セイルフッシュ』から確保。よってマウチューと『セイルフッシュ』は消滅する。」

 

 

 

レベルが上がった事によって巨木を囲う花畑に花弁が舞い上がり、対する『セイルフッシュ』とマウチューはフィールドから消え去った。スピリットが2体消滅したがこれで良い。これもまた由比の予想の範疇である。そしてこの2体を最後に____

 

 

 

「ジェミナイズとレオを『頭突魔神』に其々左右に合体(ブレイヴ)!舞台は整った、ここからは私の独壇場!___アタックステップ!右合体(ブレイヴ)した『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』でアタック!」

 

 

レオは元々のBPと『頭突魔神』の加算で回復状態で顕在する利家のスピリット2体のBPを上回っている。だがしかし、由比がやりたいのはそこでは無い。『頭突魔神』が自身の頭を前のめりにしたが同時、自分は狙いを定める様にカードを持たない片方の手で銃のジェスチャーを作ってこう言う。

 

 

 

「『頭突魔神』の右合体(ブレイヴ)時効果発揮!相手のコスト6以下のスピリットを1体を破壊する!破壊した時このスピリットにコア1つを追加!よってLv2にアップ!…対象は勿論、貴方のキースピリットである『センゴク・タイガー』‼︎」

 

 

「なっ⁉︎『センゴク・タイガー』‼︎‼︎」

 

 

 

『頭突魔神』の頭部の刺の様な角がドシュウッ!!と言う音と共に白い煙を立てながら発射され、『センゴク・タイガー』目掛けて雨の様に降り注いだ。無論無慈悲な角の雨に炎の虎は為す術なく身を貫かれ爆発の花を盛大に咲かせた。

 

キースピリットを失った利家はその現状に目を見張らせるも、それでも尚強気にこう言う。

 

 

 

「『センゴク・タイガー』を倒したところで俺のライフは5、ブロッカーも2体いる。破壊する対象を間違えたな!」

 

 

「いいえ?間違ってなんかいませんよ。……『時刻む花時計』のLv2〈封印時〉効果発揮!異魔神ブレイヴと合体(ブレイヴ)している時このスピリットはコスト7以下のスピリット又はアルティメットから「ブロックされない」!!」

 

 

「何っ!?ブロックされねぇだと!?」

 

 

 

宣言した瞬間、利家のフィールドに回復状態で健在していた『オードラン』2体の足下に花が咲き始め、まるで動く事を許さない様にその四肢を絡めとって行く。

 

『時刻む花時計』の効果は〈星座封印〉するだけじゃない。異魔神ブレイヴに合体(ブレイヴ)している限り自分のスピリットはコスト7以下のスピリット/アルティメットからブロック「されない」効果を持つ。相手にかかる「ブロック出来無い」ならまだ対策法はあるものの、「されない」効果は自分にかかる効果だ。つまり何が言いたいかと言うと_____

 

 

 

「このアタックは"回避不可能"!合体(ブレイヴ)スピリットはダブルシンボル、よってライフを2つ砕く!」

 

 

「チッ‼︎ライフだ‼︎」

 

 

「続けてジェミナイズでアタック!同じくネクサスの効果で異魔神ブレイヴと合体(ブレイヴ)しているスピリットはコスト7以下のスピリット又はアルティメットからからブロックされない!」

 

 

「ライフで受ける‼︎だが残念だったな、それでも俺のライフを削り切る事は出来ねぇぞ!」

 

 

 

合体(ブレイヴ)したジェミナイズによってライフを2つを砕かれ、残りライフが1つになった利家。確かに由比のフィールドには異魔神ブレイヴと合体(ブレイヴ)したスピリットが2体。削れるシンボル数も4つだ。これでは利家のライフを0に出来無い。相手にターンを移して此方のライフを全て打ち砕かれるのが関の山だ、とそう考えるのが普通だろう。

 

だが由比はその言葉に口角を吊り上げた。

_____忘れてはないだろうか?白銀の獅子座が"ある効果"を持っている事に。

 

わざわざスピリット2体を消滅させてまでネクサスをレベルを上げたのはブロックされない効果を使う為だ。それは合っている。だが、そうだからって、自分は削り切れ無いのに2体のスピリットを並べる程阿呆では無い。

 

アタックでジェミナイズは"疲労した"。

では、ストライクヴルム・レオは?

 

 

 

「『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』のLv1,2,3の効果、このスピリット以外の系統【神皇】【十冠】のスピリットが疲労した時このスピリットは"回復する"!今一度立ち上がれ!白銀の獅子よ!」

 

 

「回復⁉︎まさかこれを狙ってやがってたのか⁉︎」

 

 

「御明察。私は「バトスピテスター」……単純なプレイミスなんて決してしない。そして____炎利家、貴方に次のターンは無い!合体(ブレイヴ)した『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』でアタック‼︎『頭突魔神』の合体(ブレイヴ)時効果、『オードラン』を破壊してコアブースト!」

 

 

 

由比の言葉に呼応する様に白銀の獅子が利家のフィールド目掛けて駆け出した。片方の『オードラン』を『頭突魔神』が槍の雨の如く自らの角を発射し、容赦無く爆発の花を咲かせる。

 

獅子が猛虎の虎使いに鋭利な両爪を突き立てた。

 

嗚呼、最早この勝負誰が見たって理解出来てしまった事だろう。

 

 

 

「最後のライフ、頂きます。」

 

 

「クソッ!!ライフで受ける!!___ぐああっ!!!!」

 

 

 

 

『獅機龍神ストライクヴムル・レオ』が利家の最後のライフを砕く。この勝負、由比の勝ちである。

 

 

 

炎利家のライフ:0

勝者:乃渡由比

 

 

 

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