こちらから見ても問題ない構成にはなっていますが、前話をお見逃し無いようご注意ください。
また、(壱)とありますが、『File No.19』は今話で最後です。
(ふむ、こんなところで良かったかの)
十分だよ。
天狐からの声に返事をする。
タケル君なら大丈夫だと思っていたけど、もともと予定していた以上の結果が出ている。
(せめてもう少し情報が欲しかったんじゃが。あれは吸血鬼ではなく憑き物の
広義的に言えば吸血鬼でもあるさ。
彼女自身は悪魔憑きと呼んでいたようだけど。
(まぁ、理由も分かる故、これ以上は言わんがの。タケルが血を飲ませたときに
ああ、あれには驚いたよ。
変質した理由は分かる。
タケル君が彼女を吸血鬼だと認識したからだ。
ただ、フェルドナ神の時も思ったけど
いかに変質への抵抗がほとんど無くなっているとはいえ、あれは早すぎる。
(そりゃぁ、まぁ。タケルじゃからのう)
タケル君だから?
(そうじゃよ。タケルは人間でありながら半歩、妖怪の世界を歩いておる。故に妖怪、そして神の本質に触れることが出来る。これはあやつが幼少の頃に
タケル君が妖怪の側に踏み込んでいるのは知っていたし、本質に触れる事が出来るのも知ってはいた。
だけど、それだけであれ程まで変質させられるほど、妖怪というのは脆くない。
あと、幼少時に妖怪に取り憑かれたって話は初耳。
(変質させられるのではない、変容しようとしてしまうんじゃよ。あやつの信仰は、在り方は、意志は妖怪にとって心地よく、
魅せられるが故に近づこうとしてしまう……か。
なるほど、ならあの変質……いや、変容速度も道理か。
(そういう訳じゃよ。ところで、一応確認しておくが
そうさ。
先日この事を伝えた時に推薦されたよ。
確かに
(じゃろうな。結果的に呼ばれた人間にも、マヨイガにも、タケルにも益があった。三方良し……いや、間接的にルミナ神にも利がある事を考えると四方良しか)
そうだね。
しかもある程度の影響力を持ちつつ、大勢には影響しない。
今の状況であれば正に丁度良い人選だ。
(初手としては理想的じゃな。で、あと何度、茶番を演じるつもりじゃ?)
あのさぁ、何でわかるんだよ。
(謀り事には向いとらんな。隠すつもりがあるならせめて惚けてみせよ)
うぐっ。
はぁ、まあいいや。
最低でもあと二回。
無条件でとはいかないからね。
(もはや、早いか遅いかの違いでしかないと思うがのう)
そんな事はいい。
この事、タケル君には言ってないだろうね。
(言っておらぬよ。これはお
ならいい。
次も頼むよ。
(任せておくがよい)
『本妖に魅せられた自覚がないというのが、タケルの凄まじい所なんじゃよな』
ん? 何か言ったかい?
(ただの独り言じゃよ)
最初はタイトルを『誰かの記憶』にしようかと思ったけど、誰か謎のまま書くことが出来なかったので変更。