俺と天狐の異世界四方山見聞録   作:黒い翠鳥

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前話以前の時間経過の表記を少し修正しました。
改めて確認したら予定よりも累積時間が長かったので。

当初予定していた話が時間軸的におかしい事に気付き、修正も上手くいかなかったので話を前倒ししたけれどしっくりこず、結局説明回になってしまいました。
この回も今後の話を書く上で必要な話ではあるのですが。
お待たせして申し訳ありません。


File No.20  『富は一生の宝、知は万代の宝』

「で、妖怪を構成する要素を大まかに分解すると、その正体たる『霊礎(いしずえ)』、性質を表す『霊柱(はしら)』、生態を決める『霊梁(はり)』、性格を指す『霊意(まとい)』の四つとなる。これらは人間側の認識に強く影響を受ける訳じゃ」

 

部屋にコンの話が響く。

 

一体何をしているのかというと、ミコトの妖怪の(くらい)を上げる為の修行の一環としてコンが講義をしてくれているのだ。

 

「例えば『霊礎(いしずえ)』であれば、それを人間がどのようなものと認識しておるか。器物なのか動物なのか、はたまた現象であるのか。正体を知っておるかどうかは関係なく、その正体をどのように思っておるかが妖怪の根底となる」

 

しかも、これは霊狐が修行の際に学ぶ妖怪の学問だ。

霊狐は妖怪の中では珍しく修行によって(くらい)を高めていくという特徴があり、その為の知識が学問として体系化されている。

 

ちなみに妖怪と関わるうえで知っておいた方がいいという事で、俺も昔コンに習った。

なので俺は内容は理解しているが、復習も兼ねて一緒に聞いている。

 

「では、他の『霊柱(はしら)』『霊梁(はり)』『霊意(まとい)』は人間のどのようなものに影響を受けるのか。タケル、答えてみよ」

 

「『霊柱(はしら)』は未知。『霊梁(はり)』は経験。『霊意(まとい)』は意思、どう思いどう接するかだな」

 

偶にこうやってコンの問いかけが飛んでくるので気は抜けないが。

 

「そうじゃ。未知の現象や行動を理解しようとする好奇心。現象や行動そのものが先にあり、それを起こす性質を持つものとして妖怪を想像する事で『霊柱(はしら)』は成る。どのような能力を持つかというのもここに由来するのぅ」

 

例えば『家鳴』という妖怪がいる。

 

家鳴りとは何もないのに家がギシギシなどと音を立てる現象で、科学的に言えば気温や湿度により木材や金属が膨張または収縮することによる軋みによって音が鳴るのである。

しかし、そんな事は知らない昔の人は、これが小鬼が家を揺らしているからだと想像した。

こうして『家鳴』は家を揺らす小鬼という霊柱(性質)を得たのだ。

 

「未知に由来する恐怖に(あらが)う、あるいは安心を得る為にその妖怪について自身の経験から想像する。これが妖怪の生態である『霊梁(はり)』を作る。弱点なんかもここじゃな」

 

『家鳴』の例で言えば、ただ木材などの軋みが原因で音を立てているのであり、家鳴りがしたからといって家が崩れるようなことは無い。

ならば何のために『家鳴』は家を揺らすのかと考えれば、中にいる人を驚かせて楽しんでいるからと想像するのはそうおかしな事ではないだろう。

 

よって『家鳴』は人を驚かすために家を揺らすが、驚かすことが目的なのでそれ以上の害は無いと()()()()()

これにより『家鳴』は悪戯好きで無害な妖怪という霊梁(生態)を持つ。

 

ちなみに、この未知と経験によって形作られたものが時を経て広まったのが伝承、すなわち妖怪への共通認識である。

 

「そしてその未知と恐怖に対してどのように向き合うのか。遠ざけるのか、立ち向かうのか、(なだ)めるのか。どう対応するかで妖怪の性格である『霊意(まとい)』は変わるのじゃよ」

 

正体にもよるが、敬意を以って接すれば他の悪い妖怪から守ってくれたり、知恵や力を貸してくれる妖怪は結構いるのだ。

悪くてもちょっと驚かされる程度で済む場合が多い。

逆に悪意を以って接すれば善良な妖怪でも危害を加えてくる事がある。

 

送り犬という妖怪がいるが、これは夜の山道を歩いていると後ろからついてくる犬の妖怪で、何かの拍子に転んでしまうとたちまち食い殺されてしまうという恐ろしい性質を持つ。

しかし、転んでも「どっこいしょ」と言って座ったふりをしたり、「しんどいわ」とため息交じりに休憩するふりをすれば襲ってこないのだ。

 

そして送り犬を恐れず、害さず、歯向かわずにいれば山道で他の妖怪から守ってくれるありがたい妖怪になる。

その場合は山道を抜けたら「お見送りありがとう」と感謝を述べたり、何か一品送り犬に捧げてあげれば帰っていく。

 

同じ妖怪でも恐怖に駆られて転んでしまえば恐ろしい妖怪となり、落ち着いて冷静に対応すれば害のない妖怪となり、暗い夜の山道の連れとして感謝すれば他の脅威から守ってくれる頼もしい妖怪となる。

妖怪への接し方、つまりどの方向から見るかで妖怪は在り方を変え、その性格を変えるのだ。

 

もちろん妖怪によってそのやり方は異なるので、ある程度相手の性質を見極められるようになる必要がある。

 

それが難しい初心者の場合、一番簡単な対処法は意外にも「一服(一休み)する」事だったりするのだ。

特に飲み物や菓子などを持っていたら口にするといい。

そうして心を落ち着けて妖怪を意識から外す。

 

妖怪はこちらの意思によって在り方を変える──という事は、そもそもこちらの認識から外せば妖怪にとってもこちらはいないも同然になるのだ。

そうなれば妖怪はそこにいる意味を失い、去っていく。

 

何をされてもそれを貫き通せる自信があるのなら、妖怪が見えていないふりをするのもいい。

ただ、既に目をつけられていたり執着されていた場合はその限りではないが。

 

「コンさん、質問なのだ」

 

「なんじゃ?」

 

「これって幽霊にも当てはまるのだ?」

 

「いや、幽霊には当てはまらぬのぅ」

 

幽霊も妖怪と近しいものではあるのだが、正確に言えばこの二つは別物だ。

多少の差異がある場合もあるが、死者の霊が生前の姿を取っているものを幽霊と呼ぶ。

 

人間側の影響を強く受ける妖怪と違い、幽霊の性質はその霊魂に由来する。

性格は生前のものと変わらないが、死に際の感情に思考が染まりやすいというのが注意しなければならないところだ。

 

例えば誰かを恨んで死ねば恨み思考のまま行動するので、その相手に危害を加えようとするだろう。

反対に誰かの身を案じていれば、守護霊となって守る事もある。

何かに執着してしまえば、地縛霊となってそれから離れようとしなくなる。

 

幽霊にとって死に際の記憶とは何十年と経とうと薄れ難いものなのだ。

 

「じゃぁ、人の魂が妖怪の正体だったらどうなるのだ?」

 

「ああ、その場合はじゃな────」

 

同じ死者の霊でも生前とは異なる姿を取っている場合は妖怪に分類される。

 

有名どころでいえば『小袖の手』だろうか。

遊女の未練が形見の小袖に宿り、何かを求めるように手を伸ばす。

何を未練に思っていたかは諸説あるようだが、それにより霊魂が人としての在り方(かたち)を保つことが出来なくなってしまうと他の人間の認識の影響を受けるようになる。

こうなると最早幽霊とは呼べず、その在り方も妖怪に準ずるのだ。

 

なのでミコトの質問に答えるならば、『元人間の妖怪も霊礎(いしずえ)が人の魂というだけで他の妖怪と同じように霊柱(はしら)霊梁(はり)霊意(まとい)から構成され、人の認識によって影響を受ける』となる。

 

ちなみに俺が着ている小袖の手の霊礎(いしずえ)は小袖そのもの。

要するに小袖の付喪神である。

 

「────という感じじゃな」

 

「わかったのだ」

 

なお、冒頭から俺が独白(モノローグ)をしている間はコンがそれぞれの項目について詳しく解説していたのであしからず。

妖怪向けの説明なので人間の感覚ではちょっと分かりづらいものだったから解説をいれさせてもらった。

 

「では続きじゃが、この『霊礎(いしずえ)』『霊柱(はしら)』『霊梁(はり)』『霊意(まとい)』の四つを併せた妖怪の在り方を構成する要素を『魄様(はくよう)』と呼び、それと対となる人間側の認識・未知・経験・意思を併せて『魂様(こんよう)』と呼ぶのじゃよ」

 

魄様(はくよう)魂様(こんよう)はお互いに影響を与え合う関係であり、その関係が魂魄(こんぱく)に似ている事からこのような名前で呼ばれている。

なので魄様(はくよう)魂様(こんよう)自体は魂魄と直接的な関係は無い。

 

この知識はあくまで妖怪側の学問の話なので、人間側だとこれを何と呼んでいるのかは知らないが。

 

「ふむ、良い時間じゃし、今日はここまでとしようかの」

 

「ありがとうございましたなのだ」

 

どうやらこれで今日のお勉強タイムは終わりらしい。

 

「分からぬところがあれば遠慮なく聞きに来て良いからのう」

 

「はぁい!」

 

コン曰く、ミコトは学問においても優秀で、物覚えが良く理解力も高いそうだ。

思えば料理についての知識が皆無の状態から、教えられればすぐにこなせるようになっていた。

これは俺もうかうかしていられないな。

 

ちなみにヤシロさんも学問を習い始めているが、こちらはまだ初歩の初歩なので同席してはいない。

 

「ぬ、耶識路姫から精神感応じゃな」

 

どうした?

 

「フェルドナ神が来たようじゃな。フォレア神も一緒じゃ」

 

ああ、そういえばそのうち連れてくるって言ってたな。

邪気溜りの一件の後もフェルドナ神は何度か来ていたが、フォレアちゃんが来るのは初めてだ。

それじゃ、迎えに行きますか。

 

 

 

 

 

「ふう、やっぱりマヨイガの中は気候がいいわね。あ、キツネツキくん。こんにちは」

 

「こんにちはなのです」

 

玄関まで迎えに行くと、玄関先で服についた雪を払っているフェルドナ神とフォレアちゃん、そして二柱を案内してきたらしいヤシロさんがいた。

 

「いらっしゃい。外は雪ですか」

 

「ええ、寒いったらないわね」

 

マヨイガ内はマヨイガの意思の気分で季節が変わるが、春先くらいの過ごしやすい気候にしてある事が多い。

周囲の山々(背景)は外の季節に合わせて変えてくれているので、過ごしやすいながらも季節感は忘れずに済んでいる。

 

今は冬という事で周囲の山々(背景に)は雪化粧が施されているが、流石に外の天気までは反映されていない。

 

「では何か暖かいものでも用意いたしましょう」

 

コンがヤシロさんに指示を出すと、相変わらず緊張しているヤシロさんは台所の方へ向かっていく。

結構場数を踏んできているとは思うのだが、神様のお相手はまだ慣れないようだ。

 

「さ、上がってください」

 

「お邪魔するわ」

 

「おじゃまします」

 

事前に説明されていたのか、フォレアちゃんもしっかりと履物を脱いで玄関に上がる。

そのまま皆でいつもの座敷へ向かったのだが、フォレアちゃんは日本屋敷が初めての為か物珍しそうにあたりを見回していた。

 

 

 

今日はプライベートという事で、特に席次を気にせずに座卓の周りに座る。

 

それからすぐにヤシロさんが甘酒を持ってきた。

ブドウ糖をはじめとする豊富な栄養を含み、体を芯から温めてくれる熱々の甘酒は、冷えた体を存分に癒してくれるだろう。

 

余談だが、甘酒は名前に「酒」とついているがお酒ではない。

 

甘酒には米麹(こめこうじ)を使ったものと、酒粕(さけかす)を使ったものがある。

このうち、米麹を使って作った甘酒にはアルコールが一切入っていない。

なので米麹の甘酒は、いくら飲んでも酔っぱらったりすることは無いのだ。

 

更に「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価が高く、美容に良い成分も豊富に含まれている。

もちろん飲み過ぎは体に良くないので、飲むのなら1日にコップ1杯くらいの量を目安にするといいだろう。

 

対して酒粕を原料にして作った甘酒は、酒粕自体にアルコールが含まれる事もあり、1%未満の微量なアルコールを有している。

しかし、日本の法律ではアルコール含有率が1%未満の場合はお酒ではなく清涼飲料水として扱われるのだ。

 

当然の事だが1%未満であってもお酒に弱い人は酔う場合があるし、多量に飲めばお酒を飲んだ場合と変わらない量のアルコールを摂取する事になる。

だからお酒じゃないからいくら飲んでも大丈夫って訳じゃないからな。

その状態で車とか運転したら、飲んだ量にもよるが普通に飲酒運転になるし。

 

ちなみにラクル村(正確にはラクル村の所属している国)では法によって飲酒できる年齢が制限されていないので、子供でもお酒を飲むこと自体はできるらしい。

 

今回ヤシロさんが持ってきたのは米麹の甘酒の方。

俺達の分も持ってきてくれたので口をつける。

うん、甘酒の優しい甘さが堪らないな。

 

 

 

「ところで、相談があると聞きましたが」

 

二柱が甘酒を飲み終えたのを見計らってそう切り出す。

 

座敷に来るまでに、簡単にだが要件は聞いている。

それによると俺に頼みがあって来たらしい。

 

「ええ、今この子(フォレア)にも神の役目(仕事)を少しずつ教えているのだけど、それを少し手伝って欲しいの」

 

フォレアちゃんはフェルドナ神の娘であり、神としての立場はフェルドナ神の眷属神という事になる。

 

生まれ方にもよるが、ミルラト神族は誕生の瞬間からある程度の知識と知性を備えている。

これは以前説明した、妖怪化の際にある程度の知識が刷り込まれる現象と理屈は一緒だ。

生まれたばかりでも子供ではなく、神としての役目を果たす義務がある。

 

とはいえ、知識はあっても経験が無い新神(しんじん)である事に変わりはない。

なので今は色々な経験をさせて出来る事を増やしている段階だという。

今回、マヨイガに連れてきたのもその一環だとか。

 

俺個神(わたしこじん)としては吝かではありませんが、あまり力にはなれないと思いますよ」

 

なんせ一応俺も神格を持つに至った身ではあるが、神の役目なんてやっていないのである。

 

これは俺が異世界で信仰されているにも関わらず、信仰されている世界に領域を持たない異界神だからだ。

閉じた世界の神であるが故に、成すべき役目そのものが存在しないのである。

 

……というのが表向き。

 

実際には異界神なのに異界では神ではないからやる事も無いだけだが。

 

「手ずからフォレアに何か教えて欲しい訳じゃないわ。今後、この子を使者として遣わす事も出てきそうだから、キツネツキ君にその練習相手をして欲しいの」

 

それでも、異界では神でなかろうとフェルドナ神にとって俺は異界神である。

キツネツキ呼びをしているという事は、彼女は俺を神として見ているという事。

ならば俺も異界神として応じるのが筋だろう。

 

ちなみに、禰宜呼びした場合は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)に仕える者として、タケル呼びした場合は普通に人間として応じる。

後者は滅多にないけどな。

 

俺的には構わないが、マヨイガ的にはどうなの?

 

(歓迎する。との事じゃ)

 

コンに確認を取ってもらおうとしたら、すぐに答えが返って来た。

マヨイガも乗り気らしい。

 

「それぐらいでしたら構いませんが」

 

「ありがとう。うちの近くだとフォレアより神格の高い神がいないから、格上の神への礼節を実践する機会が中々なくてね」

 

フォレアちゃん、新神ではあるが神格は結構高い。

というのも、フェルドナ神の神格がラクル村周辺の神々の中では桁外れに高くなったのが主な要因だ。

 

サツマイモの神として大出世を果たした彼女だが、実はミルラト神族全体で見ればその神格は中の下といったところでしかない。

神格の高さと神々の数の関係はピラミッド型になる為、平均値や中央値よりは上だそうだが。

 

これは単純にサツマイモが広まった地域がまだ少ないからだ。

ルミナ神の情報戦略(フェルドナ神を題材にした劇)などで名は広まっているものの、その恩恵を実感しているのはミルラト神話圏の総人口からすればごく僅かでしかない。

 

もっともこれはあくまで時間の問題でしかなく、そう遠く無いうちにサツマイモはミルラト神話圏全体に広まるだろうというのがルミナ神の見立てだ。

その頃にはフェルドナ神も上位の神の仲間入りだろう。

 

むしろ元々辛うじて下の中くらいだった畏怖(神格)信仰(神威)を僅か半年で、それもほとんど自力でここまで高めたのは偉業と言ってもいい。

 

話が逸れたが、ラクル村周辺で見れば桁外れの神格を持つフェルドナ神の眷属神ともなれば、それ自体が高い神格を与えられる理由となる。

ちなみに俺の神格が高いのもこれと同じ原理で、ルミナ神の友神という肩書が神格を引き上げているのだ。

 

しかもフォレアちゃんは神威 1,600という自身の神格に相応しい実力を兼ね備えている。

ぶっちゃけラクル村周辺に限ればフォレアちゃんを止められるのは実力的にも権威的にもフェルドナ神だけなのだ。

 

補足しておくと、この場合のラクル村周辺という言葉は守護神であるフェルドナ神の活動圏内という意味。

 

村などの守護神であれば両手で数えられる程度。

あくまでその範囲にいるだけの自然神も合わせれば、優に百を超える神がいる。

もちろん、異界であるマヨイガは含まれない。

 

「失礼します、甘味をお持ちしました」

 

丁度ここでおやつを取りに戻ったヤシロさんが帰ってきた。

人数が多いからかお盆ではなく岡持ち(食べ物を運ぶための桶)を使ってる。

確かあの岡持ちもいっぱい入る系の妖怪だった筈だ。

 

ヤシロさんは岡持ちの上蓋を取り外し、中から団子や饅頭、煎餅に落雁など多種多様な菓子を取り出す。

 

あ、金平糖がある。

そういえばあの妖怪菓子箱は和菓子しか出せないものの、元々は海外から入って来た菓子であっても日本で独自の発展を遂げたものであれば和菓子扱いになる為、出すことが出来るそうだ。

 

しかし、やけに種類が多いな。

取り皿やフォークなどの食器も一緒に配っている辺り、好きなのを取ってくれという事か。

 

「お好きなものをお召し上がりください」

 

俺がそう促すと二柱は一言二言返し、それぞれ思い思いに手を伸ばす。

特にフォレアちゃんは並べられたお菓子を前に目を輝かせている。

フェルドナ神へのお土産に持たせた事は何度もあるが、これだけの量のお菓子を見るのは初めてだろう。

 

フェルドナ神の抜け殻から生まれたフォレアちゃんは、フェルドナ神の嗜好を受け継いでいる可能性が高い。

甘い物好きなフェルドナ神と同じように、フォレアちゃんも甘いお菓子が好みなのだろう。

 

話しているのは神の役目(仕事)の事でも、今日のフェルドナ神はプライベート。

存分に甘味を楽しみながらでも問題はあるまい。

 

まぁ、そんな訳で。

美味しそうにお菓子を頬張るフォレアちゃんを眺めながら、俺たちは今後の予定を話し合うのだった。

 




前半の妖怪の学問は創作……正確には私の妖怪観になります。
霊柱(はしら)』や『魄様(はくよう)』などの単語は(同名の単語があるかもしれませんが)基本的に私の造語です。


『富は一生の宝、知は万代の宝』

財産は一代限りの宝だが、優れた知識は当人のみならず後世の人々にとってもかけがえのない永世の宝となるという意味。

そんな宝物を私たちも代々受け継いでいるのです。
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