独立魔装大隊の隊員たちが出てきます。
それぞれの隊員の喋り方などが、原作と異なるかもしれません...笑
そうして俺はこの第八研究所研究所を破壊し、脱出した。だが俺は今後どうしようか悩んでいた。家族のいない俺には行くあてはなかった。それに、このCADとやらは充電式だ。あまり無闇に使うことはできない。
俺は魔法協会の支部がある横浜方面に向かうことにした。魔法のことはあまり勉強していなかったが、適当に読んでいた文献で魔法協会は京都と横浜にあることは分かっていた。朝になればキャビネットも動くだろう。金は研究員から奪ったマネーカードだけで足りるだろうか。
なぜ京都ではなく横浜に向かうかというと、ただ何となく潜伏しやすいのは首都圏の方だろうと思っていたからだ。
朝になり、俺は博多から個型列車に乗り込んだ。途中、京都で降りて飯でも食べようと考えていた。
京都で降り、ひとまず街中で飯を食おうと歩いていると、突如、人目が少なくなったそのときだ。俺は、武装した集団に囲まれた。人目が少なくなったのは、俺を誘うために魔法か何かが働いたのだろう。
そんなことしても無駄だとは思っていた。どんなに銃弾を浴びせられようが反射するだけ、そう考えていた。
「ナニモノだ?」
「国防軍だ。君を捕らえるよう命令が来た。それだけだ。」
俺の存在をよっぽど隠したいのかどうかは知らんが、これほどを力を持った魔法師を放っておくことは出来ないのだろう。
その後も追手は増えるばかりで追手は魔法を使うことのできる魔法師ばかりいた。
このまま戦い使い続けていると、CADのバッテリー切れで俺は捕らえられる。いや、それが狙いなのだろう。
その時俺はあることを思いついた。軍は俺のことを必要としている、そんで俺は行くあてを探している。ならばいっそのこと俺の能力を国防軍の戦力として使い、国防軍に所属すれば良いのではないのか?軍にはきっと住居もあるし、何より軍の技術があれば俺のCADを見ることもできるだろう。そう考えた俺は、抵抗するのをやめ追って来る部隊に
「国防軍が俺をそこまで必要としていることは分かった。一先ず話をしたいからそちらも攻撃を仕掛けて来るのはやめてくれないか?」
そういうと、向こうも抵抗をやめ部隊の1人が前に出て俺に話しかけてきた。その男は俺の反射の攻撃に柔軟に対応していた者だった。
「僕は国防陸軍第101旅団に所属している、柳だ。今回の作戦部隊の隊長だ。」
「作戦?その作戦とやらは俺を捕らえることか?」
「まあそんな感じだ。君の使うベクトル操作術式はどうやら国防軍も放っておけないからな。それに、その術式を使用できるのは君1人と聞いている。未知数の力を持つ魔法師を国防軍もただ見逃すことはできないからね。それで、国防軍と話をしたいというのは具体的にどういうことだ?」」
「ああ、俺はこのままいても行くあてなんてないからな。だから国防軍なら俺の住居なんかも用意してくれるかもしれないと思って、話だけでもしようかと考えた。」
「そうか。用件は分かった。俺たちはお前の身柄を確保するのが目的だからな。でもその用件については、ここにいる隊員だけではどうしようもできない。基地までついて来てもらって、そこにいる方たちとも交えてゆっくり話そうじゃないか。」
「なるほど。目的は大体理解できた。俺はお前たちについて行く。その代わり拘束したりなどなにかと仕掛けてきたら俺も容赦はしない。それで良いか?」
「分かった。なら魔法協会の近くにあるビルの屋上のヘリポートに俺たちが乗って来た軍用ヘリがある。そこから霞ヶ浦基地まで一緒に来てもらうか。」
「霞ヶ浦か。ちょうどそっちに向かおうとしていたとこだ」
そう言って、俺はついて行くことにした。
基地まで向かう途中に、柳とは色々話をした。俺が疑問に思ったことがいくつかあったので、そのことについて聞いていた。
「何故、他の隊員は俺の攻撃に苦戦していたのに、お前だけは避けることができたんだ?」
「お前の演算能力でいずれ俺の能力もバレるだろうし、特別に話しておこうか。俺は対人戦闘が得意でな。体術の中に古式魔法の結印の動作を交えて戦う古式魔法師なんだ。それに、俺のような白兵戦技を得意とする人間は相手の運動ベクトルを先読みして戦うのが得意だ。用は経験ってわけだ。」
「さすが軍人ってとこだな。それで、その古式魔法というのは何なんだ?俺は聞いたことがない。」
「古式魔法っていうのは、お前の使う現代魔法と原理はあまり変わらない。古式魔法は現代魔法よりも前に存在している魔法で、種類も豊富にある。でも古式魔法の習得にも時間がかかる。それに古式魔法の多くは伝統を守るためか、効率よりも秘匿性を重視するものも多い。魔法の展開も遅いものだと1分以上かかるのもある。」
「そうなのか。ならばCADを使ってなんとかならないのか?」
「古式魔法師はCADを使わない魔法師も多い。俺もそのうちの1人なんだ。でも特化型CADを使ったりはする。」
「なるほどな。」
俺は魔法についてあまりにも知らないんだとこの時改めて思った。
そうしているうちに霞ヶ浦の基地に着いた。国防陸軍第101旅団は霞ヶ浦基地に本部があり、また柳はその中でも独立魔装大隊に所属している。この独立魔装大隊は十師族をはじめ、民間の有力な魔法師たちに対抗できる部隊を作る目的で創設された。
基地の中に入り俺は、会議室のような部屋に案内され、そこで待っていた。
しばらくすると、部屋に2人の軍人が入って来た。1人は見た目からして、只者ではないのが分かるほどの体格の男性。話さなくても上の階級なのだろうと分かった。もう1人はその男の秘書的な役割をしているのだろうか。そう思った。
やがて席に着き、男性の方が口を開き、
「私の名は風間玄信。国防陸軍第101旅団所属、そして独立魔装大隊の隊長を務めている。それで、どうして君の方からこちらに...」
「どうしても何も、いきなり武装した集団で襲いかかったくせに謝罪の一言もないのか。まあそんなことは終わった話だからどーでも良い。俺はただある取引をしに来ただけだ。」
「その件については申し訳ないことをした。それで、取引と良いのは国防軍に加わりたい件のことか?」
「ああ、そうだ。」
「その件については、実は上層部の方と話をつけている。既に承諾を得ており、君の承諾も得ることができれば、おそらく国防陸軍第101旅団・独立魔装大隊に配属されるだろう。」
「そんなにあっさり決めて大丈夫なのか?」
「君の使うベクトル操作は使い方次第では驚異的なものになる。場合によっては国家の安全にも関わることだからな。これには軍も見過ごすわけにはいかないからな。そんな君の方から軍の配下に入り、戦力になると言うのだから、軍の方も承諾したのだろう。」
「そうか。だが、俺が軍の配下になるにはいくつか俺の条件を聞いてもらう。」
「聞こう。」
「まず一つは、俺の居住スペースの確保だ。手持ちも少なく、あてもない俺は宿がない。」
「それについては、この近くにある兵舎の空き部屋を与えるよう話はしていた。」
「それはありがたい。なら後2つ用件を聞いてもらおうか。一つは俺のこの首につけているCADの調整だ。俺はCADのことはおろか、機械すらまともにいじれないからな。」
「それについても、こちらで対応する。実は、君のいた第八研究所のデータベースの一部が残っていてね。そこに残っているデータを私の隣にいる藤林のハッキングスキルで取得した。」
「ええ、そのデータの中には君のCADについてのこともあってね、そのデータを参考にうちの開発部で調整するわ。」
と風間に続き、今まで口を開かなかった藤林が話した。
「ほう。どおりで俺のことを知っていると思ったら、そんな訳か。国防軍と言うのは、単なる戦力意外にも優れているのか。ならCADの件も任せるが、最後の一つを聞いてもらおうか。」
「なんだ。」
「国立魔法大学付属高校に進学したい。俺は魔法について、あまりにも知らないことが多すぎる。だから、魔法師のいる高校に行けば、何か学べるものも増えると思ってな。場所はここから一番近いところで良い。」
そう言った途端、2人の表情が変わったような気がした。
国立魔法大学付属高校。全国に9カ所存在する国立の高等魔法教育機関だ。第一、第二、第三高校は一学年200人、それ以外は一学年100人となっている。入学試験では、魔法の実技試験、一般科目の筆記試験で決まる。評価は魔法実技の方が重要視される。崇秀ほどの実力のある魔法師ならば、実技は満点近くの点数を取ることができるだろう。
「この条件は飲まないか?」
「いや、実はうちの隊にも来年入学を希望する者がいてだな... それでできないことはないが、それには少し、こちらからも条件を出すことになる。」
「ここに俺と同じ年齢の奴がいるのか?それはおもしろいな。で、その条件ってのはなんだ?」
「簡単なことだ。軍人であることを隠す。非常事態の時には一部に正体を明かすことにはなることもあるが、そのときは俺たちが対応する。」
「わかった。それでここから近いとこはどこだ?」
「ここから近いとこだと確か、八王子にある第一高校だ。ちょうど、さっき話した者も、第一高校志望だ。よければ後で紹介しよう。」
「そうね。高校の件については、特尉にも話しておくわ。受験については、こちら側で対応しておきます。」
「そうか。なにかと何まですまないな。」
「言っておきたいことは他にないか?」
「ああ、俺からはもうない。いつでもここに加わるのは大丈夫だ。」
「そうか。それでだが、こちらからはなしておきたいことがあってな。」
「なんだ?」
「実は、さっき言ったデータの中に君の過去に関するものもたくさんあってだな、君が覚えていない情報もあることが分かった。」
「情報...?」
「ああ。例えば、君の実験前の頃の名前とかな。」
「!?」
この時俺は前に名前があるのを思い出した。
「君は今、自分のことを実験の計画から取った一方通行であると思っている。でも、それは違う。
「じゃあ本当はなんなんだ?」
「『早乙女崇秀』これが君の本当の名前だ。」
「早乙女...崇秀... どこか聞き慣れたような感じがするな。」
「だがその名前がわかったところでどうなる?俺は死んだことになってたりしないのか?」
「君以外の家族の人は事故で亡くなったことになっているけど、君は行方不明者となっている。だから届出を出せばこの名前で生活することもできるが、どうする?」
「そうだな。このままってのもアレだし、その名前が良いな。亡くなった家族のためにも。」
「そうか、ならあとはこちらで手続きを行なっておこう。」
「いろいろすまないな。」
「問題ない。それと階級なんだが、君には今日から特尉として、国防軍に加わってもらう。特尉の階級は国防軍でも大黒特尉に続き君が2人目だ。」
「大黒...それがあいつの名前か?」
「いや、独立魔装大隊で任務にあたる時の名前であって、戸籍上は別の名前だ。詳しくは本人と顔を合わせてから話そう。」
「そうか。」
「では、君を今日から特尉に任命する。改めてよろしく頼む。特尉は基本的には緊急事態の時以外は任務にあたることはない。なにせ、進学希望というのなら学業優先になるだろう。だが、緊急時にはこちらの任務を最優先してから、そのつもりでいてくれ。」
「分かった。」
「よろしくお願いしますね。ですが特尉にはしばらく、昼間は訓練に参加してもらいます。いくら魔法師であっても、軍人には魔法を使わない体術なども必要ですからね。それと、目上の人には敬語を使うように、しっかりと教育いたしますから。」
「....」
こうして俺は、国防陸軍第101旅団・独立魔装大隊に所属することで話が終わり、今日は用意された部屋で休むことにした。
今年は新型コロナウイルスの影響で、例年よりも夏休みスタートが遅れました。勉強との両立になりますが、できる限り進めようと思っております。
次でプロローグ編は終わります。いよいよ次回はあの兄妹が出てきます。
はやく入学編を見たいという方、申し訳ないです