魔法科高校の被験者   作:エウイオア

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プロローグ編の最終話です。少し長くなりました。

そうです、あの兄妹が出てきます。


プロローグ Ⅲ

 翌日から、俺は本格的に活動するようになった。特尉といっても、俺は2年近く運動をしていないため、魔法を使っていない状態では歩くことが精一杯だった。筋肉増極の能力も、ベクトル操作を使用して踏み込む時などに、足に負担がかかるのを抑えるために温存しておかなければならなかった。そのため、魔法を使わない体術の練習もしておかなければならなかった。

 なので平日の昼間は、訓練兵と一緒に体づくりに励んでいた。訓練兵の中に混ざるのは違和感があったが、仕方ないないことだと思い、あまり気にはしなかった。

 また、厳しそうと思うかもしれないが実は全部が全部縛られてるわけではない。訓練の時間以外は基本自由で、外出もいくつかの条件を守ればすることもできる。

 

 そうしているうちに2週間ほど経った。今日はの日曜日なので訓練は休みだったが、ある人物に会うために、俺は独立魔装大隊の本部に呼ばれていた。中に入ると、風間少佐とその隣にはどうやらその人物もいた。そして二人のいる所まで来ると

 

「早乙女特尉、せっかくの休みの日に呼び出してすまない。」

 

「いえ、とんでもないです。それで少佐、その隣の方はもしかして...」

 

「ああ、こちらが、この前話をした大黒特尉だ。」

風間はそう言って隣の大黒竜也特尉が

「紹介に預かりました、大黒竜也特尉です。同じ部隊の一員としてよろしくお願いします。早乙女特尉」

彼そう言った。

 

「初めまして。自分は早乙女崇秀特尉です。こちらこそよろしくお願いします。」

俺もそう言った。

 

「それで何だが早乙女特尉、第一高校の入学の件について、君にいろいろ話しておこうと思ってな。それで、その件については同じ第一高校に入学志望の大黒特尉からいろいろ聞くと良い。」

 

「よ、よろしくお願いします。」

 

「いえ、早速ですがいろいろ説明したい事があるので、あちらの部屋で二人でゆっくりと話しましょう。」

そう言って、俺と大黒特尉は奥の会議室に入った。

 

 部屋に入り、お互い向かい合わせで席についた。そして、

「改めて、大黒竜也こと司波達也だ。国防軍の任務遂行時以外は、タメ口で構わない。それと俺のことも達也と呼んでくれ。」

さっきとは全く違う雰囲気になっていた。

「了解、達也。俺はそのまま早乙女崇秀、崇秀で構わない。」

 

「わかった。それでだが、俺は崇秀の事について色々聞きたい。これは、仲間としてではなく、一人の友人となって、な。」

 

「友人...ね。俺も達也のことは色々気になっていてな。ならこれからは一人の友人として、よろしく頼む。」

そう言って俺は、達也に握手を求めた。

 

「ああ。よろしく」

そして、達也と握手を交わした。

「なら早速、お互いちゃんとした自己紹介といこうか。」

俺はそう言って達也と話を始めた。俺は達也に自分の過去のこと、ベクトル操作の魔法についても話した。ベクトル操作の魔法は独立魔装大隊の隊員はある程度は把握している。今更話そうが、話さまいが同じことなのだ。

 

 

だから俺は、達也の得意とする魔法についてなどを聞いた。分解の魔法についてはもちろん、再生の魔法には驚いた。

 

「再生...つまり達也は、怪我なんかも一瞬で直してしまうのか。」

 

「まあ、そういうことだ。」

 

「...これは驚いた。人間業ではねーな。」

 

「ベクトル操作なんてのも、相当なものだとはは思うがな。」

 

 

 互いのことについては終わり、俺は本題の第一高校についても、色々話を聞いた。

 

「なるほどな。入学試験では、実技試験の方が重要視される訳か。」

 

「そうだ。崇秀ならおそらく今の実力でも実技の成績はトップクラスだろうな。」

 

「...その言い方だと、達也の方はどうなんだ?」

 

「さっき説明したように実技の項目は、魔法の発動速度、魔法式がエイドスを書き換える強さ、キャパシティ、それらを合わせた総合的な魔法力の四つの観点で評価される。俺は先天的に分解と再生が魔法演算領域を占有している影響で、魔法力が普通の魔法師よりも劣っているんだ。だから実技の成績はおそらく芳しいものではないだろう。」

 

「そうなのか...」

 

「だが、入試は実技が全てではない。魔法理論といった筆記試験は得意な方なだ。」

 

「筆記試験か...」

 

「筆記の方は自信がないのか?」

 

「俺は魔法についてはまだわからない事が山々だからな。それに、下手に自分の能力を使うことも魔法使用時に影響が出るかもしれないからな。」

 

「そうなのか。」

 

「ああ、いくら演算能力や記憶力が優れていると言っても負荷がかからないことはないからな。」

 

しばらく間が空いたが、崇秀はあることを思いつく。

「さっき達也は魔法理論が得意と言ったな?なら早速、友人の頼みとして俺に教えてくれたりはできないか?」

 

「...そういうことなら別に構わない。実はちょうど、同じ入学志望の妹の家庭教師もしていてな、二人くらいなら面倒も見ることもできるだろう。」

 

「妹...? しかも今年入学志望ということは双子なのか?」

 

「いや、よく言われるが実は違う。俺が4月生まれで、妹は3月生まれだ。今度会う時にでも紹介しよう。」

 

「そうか。まあ話を戻して、その今度会う日程なんだが、来週のこの日でも大丈夫か?」

 

「そうだな。崇秀も平日は訓練があるだろうし、俺も普段は中学に通っている中学生だ。そのあとはまたお互い話し合って決めようか。」

 

「ならそれで決まりだ。場所はどうする?」

 

「すまないが、俺の家は実はプライバシー面の問題で、他人を招くのはできなくてな... 都内のカフェなんかでも大丈夫か?」

 

「別に問題ない。家の事情が色々あるのは俺もわかる。それに俺の頼みだからな、達也が謝る必要はない。そうだな...ここなんかはどうだ?両方からでも行きやすいと思うが。」

 

「わかった。そこで構わない。それで、教えてもらいたい科目はあったりするか?日はないからそこを中心に教えることになるが。」

 

「俺は機械の扱いは苦手だからな。魔法工学とかはできるのか?」

 

「大丈夫だ。それに魔法工学は俺が得意とする分野だしな。」

 

「魔法工学もできるのか?あれだけの力があるのに、すごいな。」

 

「俺は魔工技師志望だからな。高校に通うのも、あそこでしか閲覧できない文献を読む為でもある。」

 

「そうなのか...まあそういう訳だ。俺からはもう無い、来週はよろしく頼む。」

 

「ああ。俺からも特に無い。今日はこれでお開きとするか。」

 

そう言って俺たちは部屋を後にし、俺は兵舎に、達也は家に帰った。

 

 

 

 そして日曜日、俺は都内の待ち合わせの場所に向かっていた。そこに向かうとすでに達也たちは待っていた。

「待たせて悪かったな。 で、隣にいるのがもしかして、妹か?」

 

「そうだ、俺の妹の司波深雪だ。」

 

「妹の司波深雪です。初めまして、早乙女さん。」

 

「ああ、初めまして。俺の名は知っていると思うが早乙女崇秀だ。よろしくな。」

 

俺は普通に返事をしたが、心の中では驚いていた。長い黒髪に、華奢な体型。この世のものとは思えないほどの完璧な清楚系の女の子だ。

俺は思わず達也に聞き返していた。

「...達也、本当に妹なのか?彼女とかではなくて?」

その時深雪が少し顔を赤くして喜んでいるような気がしたのは気のせいか。

「妹だ。」

 

「そうなのか。で、俺は司波さんのことはなんて呼べば良い?俺のことは任せるが。」

 

「私のことも、崇秀君が呼びやすいので構いません。」

 

「そうか。なら深雪って呼ばせてもらうよ。改めてよろしくな。」

 

「よろしくお願いします。」

 

そう言って俺たちは挨拶を交わした。

 

「挨拶も終わったことだし、そろそろ始まるか。」

達也がそう言って、俺たちは席に着き、勉強を始めた。

俺は魔法工学を中心に達也に教えてもらった。まだまだ分からないことだらけで俺はとても苦労した。深雪の方は俺よりもずっと出来ていた。

 

 そして、俺たちは夕方に勉強を終え、3人で駅に向かっていた。だが、俺はそこで違和感を覚える。

「なんか、色んな方向から妙な視線を感じるのだが気のせいか?」

 

「そうか?深雪といる時はいつもこんな感じだ。」

達也のその一言で俺は察した。深雪のモデル級の美貌(いや、モデルなんかも相手にならないくらい)は街中で注目を浴びるのは。しかも、深雪に視線を送るのは、男性だけでなく、女性ですらも見惚れてしまう程だ。だが、同時に男性の視線は次に達也のほうに来る。それも嫉妬のような感じの視線だ。だが、その気持ちもわからなくはなかった。深雪は達也の手を握って歩いているからだ。俺は勉強しているときにもなんとなく感じていたのだが、深雪は重度のブラコンであるのでは、と思っていたがここでそれが確信に変わった。

「いろいろ苦労するんだな。」

そう言って俺にとっては複雑な感じのまま駅まで向かっていた。

 

 それから俺は達也たちが空いている日曜日は、勉強に付き合ってもらった。平日の夜も、出来る限り自主勉強するようにしていた。

 

そして、遂に入学試験の時が来た。実技の方は自信があるが、筆記に関しては魔法工学以外は、ある程度できた。そんなとこだ。

 

試験が終わった帰り、俺は達也と深雪と途中まで帰っていた。

「そういえば、達也は体術とかはどうなんだ?受験があったから終わったら聞こうと思っていたんだが。」

 

「今はある有名な古式魔法師の元で体術の稽古を受けているよ。その方は俺だけでなく、風間少佐の師匠でもある。」

 

「そうなのか。なら相当な凄腕なんだな。」

 

「ああ、俺もまだまだあの人には敵わないね。そうだな、毎朝寺で稽古をしているから暇な時に見に来るか?挨拶くらいなら出来ると思うが。」

 

「本当か?なら日が決まったら連絡する。」

 

そう言って俺は達也たちと別れた。

 

 数日後、俺は達也がいつも鍛錬に励んでいるという九重寺に来た。

少し遠かったため、俺が着いた頃にはもう達也は稽古を始めていた。

その光景を見て、俺は驚いた。自らの体術だけで、3.4人を相手にしているからだ。その様子を見ていると、突然横から話しかけられた。

「君が、達也君の言っていた子だね。」

俺は横から突然話しかけられて、思わずびっくりした様子を見せてしまった。人の気配がしなかったからだ。そこには法衣を坊主のいかにも寺の住職ような人がいた。

 

「あ、初めまして。早乙女崇秀です。」

 

「うん、僕の名は九重八雲。ここの住職をしてるよ。そして、達也君の師匠でもある。」

 

「達也の師匠ですか...」

そう言いながらまた達也の方を見ていたが、達也の体術は、俺なんかとは比べものにならないくらいのものだと言うのに、それを超える... もう自分でもよく分からなくなっていた。

「そうだ、一体俺にバレずにどうやってここへ...?」

 

「僕は忍びだからね。」

 

それだけ言って、詳しいことは話さなかった。

 

 

達也の稽古も終えたとかで、3人で話をしていた。

「ほーう、達也は3年前からここで稽古をしているのか。」

 

「ああ、風間少佐の紹介でな。」

 

「いやーそれにしても、達也君にはもう体術だけだはきついくらいだよ。」

 

そんな会話をしていた。試しに組み手の相手をするかと聞かれていたが、やっと本格的に軍の訓練で体術の稽古をしている俺は今回は遠慮しておいた。

 

 春休み(学生にとって)の間にそんなこともあって、いよいよ新学期になり、試験の結果も返ってきた。俺の総合成績は学年3位。実技は満点近くを取り、学年トップだった。(深雪は僅差で2位)

だが筆記は所々点数を落としてしまい、7位だった。(筆記は原作同様達也と深雪でワンツーフィニッシュ)

 

 俺は高校への入学も無事決まり、新たな生活が幕を開けようとしていた。だが、それは波乱万丈な日々の始まりでもあった。

 




プロローグ編が終わりました。まあプロローグというか、崇秀の過去編といったところでしょうか。なので、プロローグ編では崇秀視点で話を進めていたので、「俺」という一人称を使っていましたが、次回からは崇秀のことも名前で呼ぶことになります。でも主人公は崇秀なので、崇秀を中心に話を進めていくのであまり変化はありませんが。
次はいよいよ入学編です。入学編は結構サクッと終わるかもしれないです。8月中には九校戦まで入るつもりなので、よろしくお願いします。
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