魔法科高校の被験者   作:エウイオア

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九校戦編です!
夏休みの課題に追われて、投稿がいつもより少し空いてしまいました。
8月中はこんな感じになるかもしれないです。すみません。


九校戦編
九校戦編 Ⅰ


 『全国魔法科高校親善魔法競技大会』 通称『九校戦』

 全国に九つ存在する魔法科高校に在校する生徒たちで魔法競技によって競い合う大きなイベントだ。

 そこでは毎年熱烈なバトルが繰り広げられ、多くの観客もいる。そこには、政府関係者、魔法関係者だけでなく、一般の企業や海外からのスカウトなどもあり、魔法科高校生にとっての晴れ舞台となる。

 今年ももうすぐその幕が上がる。

 

 一学期期末試験が終え、校内では、九校戦に向けた準備へと向かっていた。崇秀ももちろん選手として出ることになっていた。

ある日の昼休み、いつものように生徒会室で昼食をとっていたが、真由美はどうやら悩んでいるようだった。

「選手の方は十文字くんにも協力してもらってなんとか決まったんだけど...エンジニアがね...」

真由美はどうやらそのことについて悩んでいるようだった。選手の人選は部活連ではなく、生徒会が主体となって行う。

「まだ決まってないのか?」

と摩利は尋ねる。

「ええ、うちは魔法師志望が多いから、三年生は特に魔法工学関係は人材不足なのよ... 二年生はあーちゃんや五十里くんとかいるけれど、それでも足りないわ。」

と頭を悩ませていた。

「ねえ、リンちゃん。やっぱりエンジニアやってくれない?」と聞いたが、

「ダメです。私の腕では中条さんたちの足を引っ張るだけです。」と鈴音は断った。

達也が席を立ったとき、

「だったら、司波くんがいいんじゃ無いでしょうか?深雪さんのCADも司波くんが調整しているそうですし、一度見せてもらった時の技量も一流に劣らないほどの仕上がりでしたし。」

とあずさがいった

「盲点だったわ...!」

と真由美は嬉しそうに言い、真由美の視線は達也に向けられた。

「一年生がエンジニアのスタッフに加わった前例は?」

と達也は尋ねるが

「何事も最初は初めてよ。」

「前例は覆すためにある。」

と真由美と摩利に反論されてしまった。

「CADの調整には、ユーザーとの信頼関係が必要です。一年の、それに二科生の俺では色々と良く無いと思いますが...」

と言ったが、

「私は九校戦でもお兄様にCADを調整していただきたいのですが...ダメですか?」

と深雪の一言により達也は凍りつく。

「そうよね、やっぱり信頼できるエンジニアがいると心強いはよね!」

と真由美が追い討ちをかける。

「はい。お兄様がチームに加わっていただければ、私だけでなく、光井さんや北山さんも安心して試合に臨めると思います。」と言ったので、

「俺も、達也に調整を任したいな。」

と崇秀も勢いに乗った。またもや達也は引き下がれない状況にあった。

 

放課後、達也の技能もメンバーに認められ、無事にチームに加わった。

 

夜、崇秀は兵舎に戻ってきたとき、風間少佐に呼ばれた。

荷物を置き、風間少佐のとこへ向かう。

「少佐、今日はどう言ったご用件ですか?」

「特尉、君はどうやら九校戦に出場するようだな。それに大黒特尉もエンジニアとして参加すると聞いている。」

「...はい」

(情報が早いな...)と心の中で思っていた。

「会場は富士演習場南東エリア。これは例年と変わらないのだが...気を付けろ、崇秀。」

崇秀は名前で呼ばれたということは、ただ事ではないと察した。

「該当エリアに不穏な動きがある。不正な侵入者の痕跡も発見された」

「あそこは、軍の演習場ですよね?そこにですか?」

「実に嘆かわしいことだ。また、国際犯罪シンジケートの構成員らしき東アジア人の姿も近隣で何度も目撃されている。去年まではなかったことだ。時期的に九校戦が狙いだろうと思われる。」

「それと、知り合いの話ではおそらく香港系の犯罪シンジケート『無頭竜』の下部構成員ではないかとのことだ。情報が入り次第、また連絡する。」

「分かりました」

「それと、練習の方も頑張ってくれ。ま、あのことはできるだけバレない程度でな。」

「ありがとうございます。もちろん、その件は心得ております。」

「そうか」

「では、これで失礼します」

そう言って崇秀は部屋に戻った。あのことと言うのはおそらくベクトル操作のことだろう。

 

発足式も終え、崇秀や深雪たちは、エンジニア兼作戦の指揮をとる達也と共に放課後に九校戦に向けた練習をしていた。だが達也の担当する選手は、崇秀以外は全員一年の女子だった。他の男子の選手は達也の枠を女子に譲ったためだ。

そのため崇秀は女子の選手に圧倒され、達也とあまり練習できなかったが、崇秀の出場するクラウド・ボールの作戦はすでに完成に近かった。

 

 そうして月日が経ち、八月一日。

九校戦へ出発する日になった。一高は例年試合の前々日に宿舎入りをする。

真由美が家の事情で遅れたため、予定より一時間半遅くなったが、一行は出発した。選手は一つのバスに、技術スタッフ(エンジニア)は作業者となっている。

服装は自由だが、一年生は殆どが制服だった。だが崇秀は、上のブレザーは脱ぎ、ネクタイを外した状態で寝ていた。

 

そうして無事に到着した。途中、車が突っ込んでくる事故があったが、克人と深雪、それに達也の活躍により大事にはならなかった。

 

今日の夜の懇親会まで、崇秀はまた部屋で寝ていた。ルームメイトである一年の男子とは仲が悪いわけではないが、あまり話さないため部屋では一人だ。

 

 懇親会の会場に着くと、やはり多くの生徒がいた。生徒の種類も様々で、三百人強と言ったところだろうか。

だけど、崇秀は達也と二人で会場の隅にいた。深雪やほのかに雫、それに従業員のアルバイトをしているエリカと、達也の同じクラスである幹比古と話したが、深雪たちは1Aの方へ、エリカや幹比古は仕事にもどっていった。

達也に、

「崇秀は、クラスのとこへ行かなくて大丈夫なのか?」と聞かれたが、

「俺はモノリスのような団体競技に出るわけじゃないし、暑苦しいとこは嫌いだ。それに現代でこの姿はなかなか目立つしな。」

と返した。

そして、来賓である九島烈の挨拶も終えた。登場したときに、一瞬こちらの方を見たので、二人は目礼をした。

(あれが老師と呼ばれる九島烈....現役時代は世界最強の魔法師と呼ばれた一人か。)

と考えながら話を聞いていた。

 

 

 試合開始前日の昨日で最終調整を終え、九校戦は開幕した。

初日は本戦の『スピード・シューティング』全試合と『バトル・ボード』の予選までだ。

崇秀達は女子の試合を観戦していた。スピードシューティングには真由美が、バトルボードには摩利が出場する。特に真由美のスピードシューティングは『エルフィン・スナイパー』の異名を持つ(本人はこの呼び名を嫌う)ほどの実力だ。そのためファンも多い。本人にとって最後の年も見事優勝した。

摩利の滑りもなかなかのもので、決勝を明日に控えて終わった。

女子は好調だったが、男子があまりだったらしい。服部がバトルボードでなんとか決勝に進んだくらいだそうだ。だが、一高は幸先の良いスタートを切れたみたいだ。

 

そして二日目、崇秀は一人で女子クラウドボールの試合を観に来ていた。達也は真由美のCADの調整の手伝い、深雪たちはアイス・ピラーズ・ブレイクの試合の観戦へと行った。

崇秀が一人でここに来ているのは、クラウドボールは自分の出る競技だからだ。それに、女子の試合なのは真由美がクラウドボールで使う魔法、「ダブル・バウンド』は崇秀も使うからだ。

ダブルバウンドとは日本語で言うと『運動ベクトルの倍速反転』となる。対象の物体の速さを二倍にし、ベクトルの向きを逆にする、いわばベクトル反転術式の応用の一つだ。

 

そして、真由美はクラウドボールも優勝で終わった。

だが、男子のクラウドボールは不調で終わった。

 

三日目、この日はバトルボードの準決勝から決勝までとピラーズブレイクの決勝までが行われる。

だが、バトルボードで思わぬアクシデントが起こってしまった。

それは摩利の出る試合で、七高の選手がオーバースピードにより、摩利の方へと突っ込んだ。摩利はその選手のボードに移動魔法、自分が選手を受け止めたときに飛ばされないよう加重系・慣性中和魔法を使ったが、バランスを崩し、両選手場外へと飛ばされてしまった。摩利は全治一週間の怪我を負い、バトルボードともう一つ出る予定だったミラージ・バットは棄権した。ミラージ・バットには、深雪が代役として出ることになった。

 

 そして、摩利がバランスを崩したのは水面を不自然な流れにする妨害が何者かによって行われたことが後に達也たちが調べて分かった。

後に出場する選手たちはこの何者かにも警戒しながら戦わなければならない状況に陥った。

 

 

 




今回は崇秀の出番はあまりありませんでした...
次からは頑張ってもらいます。(笑)
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