メスガキわからせおじさんとアナル以外最強のお嬢様、概念的にはだいたい同じようなものなのでどっちが強いのか闘わせてみました

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書いてと言われたので書きました


メスガキわからせおじさんVSアナル以外最強のお嬢様

その闘いは必然だった。

 

極まった武人同士が出逢えば死合うことが当然であるかの如く、一組の男女は出逢い、互いに意識を向けた時にどちらからともなく拳を繰り出し闘い始めた。

男の名は羽空瀬(わからせ)太郎丸(たろうまる)。旅人であった。

そして女の名は結夜輪(けつよわ)織城(おじょう)。彼女は智恵に満ちた、お嬢様であった。

達人同士の闘いは一瞬で着くというが、彼らはその戦闘力が余りにも拮抗し過ぎるが故に、一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

「ーーシィッ!」

 

太郎丸は左拳の突きによる肝臓、水月、右肺への三連打を撃ち込みながら距離を取り、相手再び睥睨する。

 

「ったく……クソッタレめ。ホントに人間かよテメェ。」

「あらあら…うら若き乙女を捕まえてとんでもない言い草ですわね。その言葉、そっくりそのまま返してあげましてよ。」

 

そう言いながら織城はその強靭なまでの脚力で大地を蹴り飛ばし、その反動で掴みかかりながら投げ飛ばす。

 

「はっ……散々鍛えたこの俺がこのザマだ、やっぱり魍魎の類だろお前。」

 

しかしそこは太郎丸もさるもの。軽口を叩きながら平然と空中で姿勢を整え、受け身をとりながら着地する。

 

「魍魎とはこれまた失礼ですこと。私はただ、天賦の才ならぬ、神賦の才を持つだけですわ。」

 

ーーそう、彼女は常人ならざる膂力と肉体強度という、それこそ神に祝福された如くの恵まれた肉体を持っていたのだ。

 

「けっ、才能ねぇ……羨ましいことで。」

 

太郎丸はそう言いながら拳と蹴りの連打を浴びせるも、しかして致命傷と呼べる程のダメージは生まれない。

しかしそれは太郎丸だけではなく、織城も同様であった。

 

「私の攻撃を全ていなしておきながら、何をいけしゃあしゃあとおっしゃるのかしら……」

 

ーーそう、太郎丸はその鍛え上げた審眼と俊敏性で、ほぼ全ての攻撃を無傷へといなしていたのだ。

故にこその一進一退。しかし、互いにつけ入る隙が存在しない訳では無かった。

 

ギリシャ神話のアキレウスは、母たる女神テティスにより不死身の肉体にされたが、踵だけはそうではなかった。そう、織城の肉体にも唯一、肛門という弱点があったのである。

だが、太郎丸が一方的に有利であるかと言うとそうでは無い。何故なら、太郎丸も弱点を抱えているからである。太郎丸が極めし武術の名は、大人流(たいじんりゅう)。最強の大人の武術であるが、しかし同時にただの強い大人であるが故に、メスガキには決して勝てないという業をも背負う武術であった。だからこそ、始祖はメスガキを打倒し、真の強い大人へと成る為の道程としてこの武術を生み出したのだがーーそれはそれ。現状はただの強い大人である太郎丸ではメスガキには勝てないのである。

 

故に、この一進一退の攻防は無限に続くかに思えたがーーここである切っ掛けが起きた。

 

「ーーそれにしても、なんて弱い拳かしら。こんな拳では幼い女の子にも勝てなさそうだわ。」

「……なんだと。」

 

そう、このままでは千日手であることを悟った織城が精神的な揺さぶりをかけ始めたのである。彼女は智恵に満ちたお嬢様である為、これ迄の闘いの中で太郎丸が大人流の使い手であることを見抜いていたのだ。

 

しかし、メスガキでもない相手が迂闊に大人流を煽るということは、怒りにより相手の肉体のリミッターを純粋に取り払うことに他ならない。大人流の武技は、肉体に刻み込まれたそれである為に怒りなど精神の揺らぎによる技のキレに差が生まれないのである。それ即ち、単なる怒りは相手の強化という愚策に他ならない。

 

「……そうかい、なら喰らわせてやるよ。本気の大人の力ってものをよ。」

 

言うが早いか先程までのパワーを遥かに凌駕する力で、しかして速度は落ちぬままの高速の連打、連撃が襲い来る。

 

「え、ちょ、まっ………ひんっ」

 

そしてそのうちのローキックが、織城を吹き飛ばしてバウンドさせながら、尻もちを付かせた。

上昇したパワーによる連撃は、いくら彼女と言えども腰を落として、下半身に力を入れ無ければ耐えにくい代物であったのである。だが、下半身に力を入れるとはそれ即ちいきむことであり、当然肛門付近にも力が入る。よってそこで喰らうローキックというものは、彼女の唯一の弱点である肛門を間接的に刺激し、体勢を崩すものとしては十分だったのだ。

 

そして、これにより織城は警戒を強め、太郎丸はその積み重ねた戦闘経験値により織城の弱点を本能的に理解する。よって決着はまもなく、先に弱点を付いた方ーーーとはならないのである。

 

何故ならば、2人とも弱点を理解はしてもそれに直接的なダメージを与えられる天敵でないのだ。織城はメスガキではなく(・・・・・・・・)、太郎丸は膂力で負けている為に織城を組み伏せることが出来ない(・・・・・・・・・・・・)

だからこそこのままでは千日手。

 

とはいえ、世界とはこの2人だけのものでは無い。互いが天敵同士でなかったとしても、別に天敵とは当然存在する。そしてこの自然界のヒエラルキーにおいて、天敵とは即ち捕食者であり、獲物が夢中になっているところに寄ってくるのは自然の摂理であった。

 

「おいおい、いいケツしてんじゃねぇかそこの姉ちゃん。」

「くすくす、女の子に必死こいて闘ってるなんて情けなぁ〜い。弱そ〜。」

「「アァん?」」

 

織城(アナル以外最強のお嬢様)と、太郎丸(メスガキわからせおじさん)を屈服させる天敵。

ーーすなわち、竿役おじさんとメスガキの襲来である。

 

「大人流の方……貴方との勝負の決着はしばしお預けですわ。私は無粋にも闘いに水を差したそこの礼儀知らずにマナーという物を叩き込んであげる必要がございますの。」

「……気が合うじゃねぇか。俺もアソコの目上に対する態度が分かってないガキにちょっとばかし礼儀を叩き込んであげる必要があってな。」

「へぇ……やる気かよ。けどよぉ姉ちゃん、マナーを叩き込んでやるのはどっちか教えてやるぜ!」

「ヤダぁ〜、おじさん大人なのに子どもに本気で殴りかかろうとするなんて大人気なぁ〜い。」

 

一触即発の空気。

ーーしかし、その結果は。定められた通りの必然であった。

 

「んほォォォォォォォ!!ケツはダメ、ダメですのォォォォォォォォォォォォ!!!!」

「くそっ、このっ、このっ、メスガキがよっ!!!」

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

天敵には気をつけよう!!

(BGM:ゆうさくのテーマ)



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