東方鉄聖竜~ブロントクエスト11 時すでに時間切れになった過去を求めて   作:F.Y

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お告げ

 銀白色の鎧を着込み、大きな剣と盾を持つ青年はこれから自分が儀式のために登る高い塔、通称『神の岩』を赤い瞳で見上げた。これに登り、頂上の景色を下で待つ人々に伝える。それが、この村の成人の儀式であった。

 

「ロト、緊張してるのかい?」村の村長が話しかけた。

 

「僅かに緊張していると言えばしている。まあ、一般論でね?こんなのとんずらでカカッと終わらせてくるから、村長は下で待っているべき」

 

「全く、あんたのその口調、ちっとも変わらないね」

 

「ブロントさん」

 

 続いてその青年に話しかけたのは、ブロントさんの幼馴染、ジェイクだ。彼とは5つほど年が離れている。

 

「ジェイクか。おもえも、いずれはこの儀式をすることになるんdisかね」

 

「僕にはまだ早いですよ。それよりも、塔の中には魔物が住み着き始めたらしいですよ。気を付けてくださいね」

 

「なあに、モンスなんてバラバラに切り裂いて、顔面には男女平等パンチを食らわせてやるんだが?」

 

「そうだ。ブロントさんにこれを渡そうと思っていたんですよ」

 

 ジェイクはブロントさんに袋を渡した。ブロントさんは、何故かさん付けで呼ばれることに常人では考えられない程の拘りを持っている。理由はわからないが、ブロントさんはそうなのだ。

 

「む、何disかね?」

 

 ジェイクはブロントさんに二つの袋を差し出した。

 

「薬草と毒消し草ですよ。確かにブロントさんはケアルが使えますが、魔力は少ないでしょ。だから、そんな時のために用意しておいたのですよ」

 

「ほう、経験が生きたな。素晴らしいフレだ素晴らしい!ほれ、ジュースを奢ってやろう」

 

 ブロントさんの袖の下から、まるで手品のようにジュースが入ったコップが現れた。それをジェイクが受けとる。

 

「ははっ、いつも不思議なんですが、考えるだけ野暮ですよね。ありがたく貰っておきます」

 

「俺のジュースをありがたいと思う奴は、本能的に長寿タイプだからな」

 

「では、気を付けて行って来て下さい」

 

「ほむ。では・・・・・・とんずらぁ!」

 

 ブロントさんは、その巨体に似合わない程の俊足で、塔の中へと向かったのだった。

 

 

 

 ブロントさんは塔の中を進んだ。塔の中、といっても、それは、巨大な岩山の中を螺旋状にくりぬいて作られた洞窟のようなものだった。

 

 やがて、何かがブロントさんに近づいてきた。青いゼリー状の体に尖った頭、二つの丸い目と口がある魔物、スライムだ。

 

「うざいなお前、喧嘩売ってるのか!?」

 

 ブロントさんの言葉を挑発と捉えたのか、スライムが飛びかかってきた。だがブロントさんは、その体当たりをほう、と皮の盾で受け流し、右手に持った銅の剣を振るう。

 

「ハイスラぁ!」

 

 スライムは見事に真っ二つになった。だが、敵は他にもいた。

 

「ぐっ!」

 

 後ろから飛びかかってきたのは、不気味な髑髏を足で持つ魔物、おおがらすだ。鋭い嘴は、鎧を貫きはしなかったが、ブロントさんの鎧の下の皮膚に大きな青アザを作った。

 

「汚いなさすがカラスきたない。俺はこれでカラスが嫌いになった。あまりにも卑怯すぐるでしょう?」

 

 ブロントさんは剣を振るった。おおがらすは飛び回ったが、いかんせん、その両足で持っている髑髏が重たいらしく、素早く飛ぶことができないでいた。

 

「バラバラに切り裂いてやろうか!?」

 

 ブロントさんが歩き去った跡には、ズタズタになった雑魚がいた。

 

「じゃあな、カス猿」

 

 いや、猿ではなく鳥だが、そんな野暮なことを言う人間はどこにもいなかった。

 

 今度は違う魔物が現れた。槍を持つ、二足歩行のネズミのようだ。そいつは槍を掲げ、ブロントさんに飛びかかってきた。

 

 ところが、ブロントさんは盾でその攻撃を軽くあしらい、後ろに跳躍する。

 

「バックステッポ!」

 

 再びそいつは槍でブロントさんに襲いかかる。槍の先が太い左腕を掠め、切り傷を作る。

 

「お前、ハイスラでボコるわ」

 

 その言葉通り、ブロントさんは剣を高く掲げ、おもいっきり振り下ろした。魔物は左肩から腰の右側まで大きく切り裂かれ、絶命した。

 

 だが、次から次に魔物はブロントさんに襲いかかった。またスライムやおおがらす、モコッキーが群がってくる。

 

「余りの粘着に、俺の怒りが有頂天なんだが!?」

 

 ブロントさんは剣を振り回してモンスを切りつけ、魔物の群れを退ける。戦いの後には、ズタズタになった雑魚がいた。

 

「これにて完全決着!もう勝負ついてるから」

 

 だが、ブロントさんも無事とは言い難かった。体のあちこちに切り傷や擦り傷、青痣ができている。

 

「ケアル!」

 

 ブロントさんがそう唱えた直後、体は白い光に包まれ、傷があっという間にふさがり、痣が消える。

 

「お前、調子ぶっこき過ぎた結果だよ?」

 

 まるで自らへの戒めであるかのように呟き、カカッと神の岩の頂上を目指すのであった。

 

 

 ブロントさんは更にモンスを退け、カカッと頂上付近までやってきた。その時だった。

 

「う、うわぁぁぁ!誰かー!はやくきてー、はやくきてー」

 

「む?」

 

 どうやら、誰かが魔物に襲われているらしい。声からするに、子供のようだ。

 

「たいていならば、ここで無視する奴が大半だが、俺は無視できなかった。一気に行くぜ・・・・・・とんずらぁ!」

 

 ブロントさんは、猛烈な勢いで助けを呼ぶ声の方へと駆け出した。

 

 

 ブロントさんは中の洞窟を抜け、途中にある外の通路に飛び出した。すると、煙状の魔物に子供が襲われているのを見た。

 

「おいィ!ナイトが相手なんだが!?」

 

 その煙状の魔物、スモークがブロントさんの方を見た。そいつは不気味な笑い声を上げながら飛び掛かってくる。だがブロントさんは敵の攻撃をほぅ、と受け流し、切り付ける。だが、スモークは嘲笑うように攻撃を躱した。

 

「お前、絶対忍者だろ」

 

 だが、少なくともこれでタゲは取れた。2体のスモークはブロントさんに向かって笑いながら再び向かって来た。ブロントさんは剣を振り回し、その霧のような魔物に斬りかかる。スモークは体を霧散させて、消滅した。

 

「おいィ、なんでおもえはこんなところにいるんdisかね?」

 

「ご・・・・ごめんよ。ちょっとここを見て見たかったから」

 

「むう。普通なら、ここで無視する奴が大半だろうが、俺は無視できなかった。と、いうことで、すぐに村に帰るべき。死にたくなければそうすべき」

 

「わ、わかったよ」

 

 少年は村に向かい、ブロントさんは頂上を目指した。そうこうしているうちに、ようやく頂上に来た。ここから、村の外の世界が広がっていた。どこまでも広がる平原や森、そして広い川が流れている。

 

「ほう、素晴らしい景色だ素晴らしい!」

 

 ブロントさんは周囲を見回した。今日は天気が良いのが幸いして、地平線の向こうまで景色を見渡すことができる。

 

(・・・・・ロント)

 

「む?」

 

(・・・・・・ブロント・・・・・)

 

「何いきなり話しかけてきてる訳?」

 

 しかし、周囲には誰もいない。

 

(・・・・・ブロント、聞こえますか。あなたは運命を背負って生まれてきた存在。私の言葉を、村の人々にも伝えるのです)

 

「さんを付けろよ!デコ助ぇ!」

 

 その声はブロントさんの言葉を無視し続けた。

 

(ブロント、この世界は闇に覆われようとしています。しかし、それに気づいている人間はほとんどいません。しかし、あなたにはそれに対抗できる力を持っています。何故なら、あなたは"白夜の騎士"の生まれ変わりだからです。後は、私の言葉を村長、メリアたちにも伝えるのです)

 

「おいィ?説明が全然足りていない不具合があるんだが!?」

 

(私の言葉はここまでです。ブロント、世界を頼みましたよ)

 

 

 

 

ブロントさんは途中モンスを退けながらカカッと村へ帰り、ブン、ブン・・・・なテンポで村長になんとか塔の頂上であった事を伝えたのだった。

村長はその言葉を聞き、しばらく何やら考え込んでいたが、重い口を開いた。

 

「ブロントさんや。どうやら、隠している時は過ぎたようだね。あんたは大昔に邪神を倒した英雄"白夜の騎士"の生まれ変わりのようなんだ。時が来たら、あんたの生みの親から伝えるように言われてね」

 

村長は北の空を見上げた。

 

「明日、旅立ちな。行き先は・・・・・ここから北の地、白玉楼だ。そこの主はあんたの生みの親の古い知り合いだ。私が親書を書いておくから、それを渡せば白玉楼の主に会えるだろう。必要な武具や道具は明日までに用意しておくよ。それでは、今日はゆっくりと休みな。なにせ、この村で過ごす最後の夜になるかも知れないんだからね」

 

「むう・・・・・わかった。俺はとにかく寝るぞ。不良だから、寝るのは9時間でいい」




作者が某東方有頂天作品に影響され過ぎたた結果だよ?まあ一般論でね?
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