東方鉄聖竜~ブロントクエスト11 時すでに時間切れになった過去を求めて 作:F.Y
ブロントさんと魔理沙が神殿に向かってる途中、南の方で煙が上がっているのを確認した。
「何だあれは?」
「魔理沙、ちょっと待つべき!死にたくなければそうすべき!あれは、まさか・・・・・・・」
「どうしたんだ?ブロントさん。あれが気になるのか?」
「あるは、まさか」
魔理沙はブロントさんを乗せ、その煙が立ち上っている方へと向かった。そこは、ブロントさんが住んでいた村だった。
「これはひどすぎるな。一体、何があったんだ?」
「村長!ジェイク!」
ブロントさんは、村にあったはずのひと際大きな家へと向かった。しかし、それは無残にも破壊され、燃やされていた。
「まさか、白玉楼の連中がこれをやったっていうのかよ!」
魔理沙は周囲を見回した。建物も水車も瓦礫となり、火が燃えている。だが、奇妙なことに、村人たちの死体は無い。
「村人はどこに行ったんだ?あまり言いたくは無いが、その割には死体が無いな」
「くそっ・・・・・」
魔理沙は一人で辺りを家探しし始めた。そして、村長の家を暫くサポシしていた時だった。
「ブロントさん!これを見てくれ!」
「む・・・・・・」
魔理沙は小さな箱をブロントさんに差し出した。ブロントさんはその箱を開ける。その中には畳まれた紙切れが入っていた。それはかなりの時間が経って、紙が変色し始めていたが、文字を読むことはできた。
「何だこれは。手紙か?」
ブロントさんはその手紙を開いた。
【ブロント この手紙は未来のあなたに宛てたものです。
既に知っているでしょうが、この手紙をあなたが読んでいるとき、私はこの世にはいません。
あなたは白夜の騎士として邪悪なる者を滅ぼす運命に生まれたようです。
その意味については良くわかりませんが、この世界にとって、とても重要な意味を持っていることだけはわかっています。
その反面、あなたは魔物たちには目障りな存在として狙われることになるでしょう。
あなたが成長したとき、私の盟友である、白玉楼の西行寺幽々子に騎士としての修行をさせるよう頼んでいます。
そして、そこで修業を積み、一人前の騎士となった時、あなたはどんな邪悪な存在にも負けない人となるでしょう。
一つだけ心残りがあるとしたら、一人前の騎士になったあなたを決して見ることができないということです。
どうか、くれぐれも体にだけは気を付けて下さい。
ブロントの母】
「これは、ブロントさんの母親の手紙なのか・・・・・」
魔理沙はその内容を確かめた。
「白夜の騎士・・・・・・私がお告げで聞いた言葉と同じだ。だけど、邪悪なる者っていうのは・・・・・・?」
「そうか。だから、村長は俺を白玉楼に・・・・」
「ブロントさん・・・・」
「いや、ここでネガを吐いても無意味なのは確定的に明らか。そうしている間にも時代は既に進んでいるんだが?今はそれよりも大事なことがあるでしょう?」
「うん。でも、大丈夫か?ブロントさん」
「む?決して平気ではないぞ。だけど、こんなところでネガっている場合では無いと思った。まあ、一般論でね?」
「そうか。ブロントさんは、強いな」
魔理沙は辺りを見回した。
「だけどな、ブロントさん。どうも引っかかるんだ。どうして白玉楼の幽々子がブロントさんの母親の盟友なら、どうして悪魔の子だなんて呼んで、牢屋にぶち込んだりしたんだ?普通に考えて、親友の息子をそんな風に扱うだなんて普通じゃないだろ」
「むう・・・・・・それがわからにぃ」
「これは、何か裏がありそうだな。何となくだが、白玉楼の裏で動いている奴がいるような気が・・・・・・ああ、これは私の個人的な考えだからあまり気にしないでくれ」
「魔理沙、それよりも大事な用事があるのではにぃか?」
「そうだな・・・・・・件の神殿はここから北東に行ったところだ。それにしても、だいぶ暗くなってきたな。今日はここで・・・・というのは難しいな。ちょっと村の外に出よう。もしかしたら、この辺に・・・・」
「む?何があるんdisかね?」
「ああ、心配しなくても大丈夫だ。野宿しても大丈夫な場所があると思うからな」
魔理沙がブロントさんを案内したのは、村の東の森で、その入り口には大理石でできていた女神像が立っていた。その周囲にはどうやら結界が張られているようで、魔物が近寄れないようになっているようだった。
「冒険者のために、こういうのを立ててくれている人がいるのさ。どこの誰なのかは知らないけど、とにかく、この女神像が視界に入る場所ならば結界が作用して、魔物が入って来れないようになっているのさ」
「ふむ。見事なメイン盾だと感心が鬼なるが、柵も小屋も無いのが僅かばかり不安なんdisがね」
「ああ。ブロントさんはこれを見るのは初めてだったかもしれないが、私は旅の途中で何度もお世話になっているからな。ほら、見て見ろよ」
魔理沙が見た先には、びっくりサタンやバブルスライム、メソコボルトといった魔物がうろついているが、ブロントさんと目を合わせても一向に近寄ってくる気配がない。
「とにかく、この女神像から一定距離までは魔物は入って来れないから、安心していいってことさ」
魔理沙はそう言って毛布にくるまり、すぐに寝息を立て始めた。ブロントさんは立ち上がると剣を鞘から抜き、その銀色に輝く刃を火に照らしてじっと見た。
「母ちゃん、俺は、白夜の騎士が何なのかちっともわからにぃ。もっと言えば、俺を生んだ母ちゃんの顔や声すら知らないというあるさま。でも、そんな今でも時代は進んでいることだけはわかるぞ。俺は今まで、この村の中のことしか知らずに生きてきたが、今は違うんですわ?お?そのおかげで、村の外にはえごく広い世界が広がっていることも分かったし、なにより、大事なフレもできたんだが?俺は、ナイトとして、フレも世界も守らなければならなくなっちまった。だけど、俺は、そのことをちっとも後悔なんてしてにぃ!今は、フレであるまるサがナイトの助けを必要としてるんだが?明日は、そのオーブとやらを探さねばならないのは確定的に明らか。じゃ、闇系の睡眠があるからこれで」
ブロントさんは、魔理沙とたき火を挟むような位置で横になった。ここは、結界とかいう見えないが、えごいメイン盾が張られているという。安心して眠ってもよさそうだ、とブロントさんは判断した。