東方鉄聖竜~ブロントクエスト11 時すでに時間切れになった過去を求めて 作:F.Y
光に包まれたかと思ったら、いつの間にか見たことが無い場所に移動していた。到着先の祠の扉は開いており、白玉楼があった地方とは全く別の光景が広がっている。
「む・・・・・。こるは、そこにいたのにいなかったと感心が鬼なる。こるは一体どういうことなんdisかね?」
「ああ。これは"旅の扉"っていうものだ。大陸と大陸を繋ぐ、便利なものだぜ。物凄く昔に建造されたらしいんだけど、いつ、誰が、どうやって作ったのかは未だにわかっていないんだ。それから、これは誰にでも使えるわけじゃないで、起動には一定以上の霊力や魔力が必要みたいなんだ。それにしても、ここはどこなんだ?」
魔理沙は辺りを見回した。先ほどまでいた、草原や森林が広がる白玉楼がある地方とは真逆の荒涼とした岩山が広がっている。周囲には沼のようなものが点在し、それから湯気が立ち上っている。
「あれは・・・・温泉か?だとしたらここはホムスビ山地か?」
魔理沙は地図を広げた。
「む?オムスビ山地?」
「おむすびじゃないで、ホムスビ山地だぜ。この辺りはヒノノギ火山っていうひと際でかい火山と温泉で有名な場所でな。植物は殆ど育たない荒れ地なんだが、今言ったように温泉目当てでやってくる旅人は結構いるみたい・・・・・おっと、敵さんのお出ましだぜ?」
魔理沙が視線を向けた先にはオレンジ色のスライムと覆面を付けた二足歩行のウサギ、そして腐った死体がいた。どいつもこちらに向かって歩いてくる。
「ところ変われば、住んでる魔物も変わるみたいだな?」
魔理沙は八掛炉で魔力を圧縮して放った。八掛炉から無数の光の玉が飛び出し、魔物の足元に着弾して爆発する。その直後、ブロントさんの剣がうなり、腐った死体の左腕を切り落とす。続いて魔理沙が放ったのは氷のつぶてだ。二人の猛攻が終わった後は、モンスの死体だけが残っていた。
「よっと。ざっとこんなもんかな。だけど、この地方の魔物はちょっと強いな。気を抜いていると、あっという間にやられそうだから気を付けないとな」
「『確かにな』さて、この辺りに何か町があるんdisかね?」
「ホムスビ山地か・・・・・うーん。来たことはないからよくわからないが、町が無いってことは無いかもしれない」
魔理沙がそっちの方を見て言った。
「ほむ。それじゃ、まずは町か村を探すとするか。昔読んだ本に、新エリアを開拓するのが冒険者の醍醐味と書いてあったからな」
ブロントさんと魔理沙は道中でぽごじゃが湧いてきたモンスをボコボコにしつつ、村を目指した。そこら中に水たまりがあるが、その水からは湯気が立ち上りブクブクと泡立っている。
「これは・・・・温泉かな?だとしたら、あのでかい山は火山なのか」
魔理沙は北の方に聳え立つ山を見上げて言った。その山の中腹あたりからは白い煙が立ち上っている。
「むう」
「とにかく、この辺りに人里があるかどうか探してみよう。そこでちょっと休もうぜ」
「そうだな。ちょっとばかり歩きすぎて、腹も減ってきた感」
ブロントさんたちは山の麓に辿り着いた。そこには小さな集落がある。木で組まれた家屋が並び、向こうの建物の煙突から白い煙が立ち上っている。
「おっ、村があるみたいだな。ブロントさん、行ってみようぜ」
ブロントさんと魔理沙は『ホムラの里』という場所にたどり着いた。二人の他にも旅人が多く訪れているらしく、小さな集落ながらも活気に満ち溢れている様子だった。
まず、二人は装備を新調することにした。ブロントさんは地元の鉄鉱石を使って作られた盾、鎧、兜、剣の一式を揃え、魔理沙はボレロと帽子、短剣を買った。
「うむ。なかなか良い盾ではにいのか。ナイトにとっては、剣よりも盾の方が重要という事実」
「へへっ、装備を変えただけなのに、随分騎士らしくなったんじゃないのか?ブロントさん」
「それほどでもない」
「謙虚だなー、憧れちゃうなー。さて、次は薬草と毒消し草を買わないとな」
「うむ。このPTには僧侶がいないという事実。回復手段が無いPTに未来はにい」
二人が武器屋を出ようとした時、店の扉が開き、魔理沙よりは背が若干高いものの、小柄な少女が入ってきた。彼女は大きな赤いリボンを頭に付け、やや変わった赤い服を着ている。肩まで伸びた髪は黒く、手には大幣を持っていた。
彼女は何やら武器屋の店主に聞いているようだった。だが、少しだけ話を聞くとかぶりを振って外に出た。
「おかしいわねー。これだけアテが外れるなんて、滅多に無いんだけど」
「む・・・・・・?」
ブロントさんは先ほどいた武器屋から出てきた少女の方を見た。
「あいつ、何か困り事かな?」
「うむ。こんな時こそナイトの出番なんだか?」
ブロントさんが少女に近づく。
「おいィ?何か困り事か?」
「あなた・・・・・誰ですか?」
少女が少し戸惑った様子でブロントさんを見返す。
「俺の名はブロント。謙虚だからさん付けで良いぞ。それよりも、思うにおもえは困り顔が鬼なるオーラがひゅんひゅんしているのではにぃか?」
「私は霧雨魔理沙だ。まあ、なんだ。ブロントさんの相棒ってところだ」
「ブロントさんに・・・・・魔理沙?」
「やはり忍者よりナイトの方が頼りにされていた!俺はイシの村から・・・・・・」
以下、カカッと省略。
「なるほど。ここに来る途中に仲間とはぐれて、探していたけど、見つからずに聞き込みをしてたって訳か」
魔理沙が茶が入ったコップを傾けた。カフェを兼ねた宿屋の主人が出してくれたものだ。
「ま、そんなところよ。まあ、本来はもっと違う人を探していたんだけど・・・・・どうやら見つかったみたいだし」
「む?」
「ところで、さっきまで私とブロントさんでその仲間のことを聞き込みしてみたんだが、その小鈴っていうのか?そいつの特徴に合う子を見かけたっていう話は聞かなかったな」
「うむ」
魔理沙は件の巫女のような格好をした少女、博麗霊夢を見て言った。
そんな中、旅の商人が宿屋に入ってきた。何やら慌てた様子で青白い顔をして、汗を流している。
「だ、誰かここに戦えるような人はいないのか!?戦士とか、魔法使いとか!?」
「む?」
ブロントさんがその商人の方を見る。
「どうやら、私らの出番みたいだな、ブロントさん」
魔理沙が立ち上がり、その商人に近寄った。
「おっさん、どうしたんだ?そんなに慌てて」
「ああ。さっき、外を歩いていたら、この村に向かっている女の子を見たんだが、いきなり魔物たちが現れて、その子を拐って行ったんだ!」
「む・・・!」ブロントさんの目が鋭くなる。
「ねぇ、ちょっと!その子、茶髪で黄色いエプロンを着て、緑色の袴を履いていなかった!?」霊夢がその商人に訊く。
「ああ!そうだ!確かに、そんな格好をしていた!」
「大変・・・・・・、ブロントさん、手を貸してくれるかしら?」
「む?当然なんだが。レイモのフレは今頃、汚いモンスに誘拐されてはやくきてー、はやくきてー、と泣きが鬼なってるに違いにぃ!カカッととんずらできょうきょ駆けつけるべき!死にたく無ければそうすべき!」
「それで、魔物連中は何処へ行ったのかしら?」
「西の方だ!あっちには、確か、洞窟があったはずだ!」
「よし、行こうぜ、ブロントさん!」
3人はすぐに宿屋の外に出た。
「全く、こんな事になるなんて。ブロントさん、飛べる?」
「そ、そるが・・・・」
「ブロントさんは私の箒に乗せて行くさ!」
「それなら問題無いわね。それじゃ、西の洞窟の方まで早速飛んで行きましょう」
「という訳なら、ほら。ブロントさん、乗りな」
「むう・・・・・・」
と、いう訳で、誘拐された少女を救出すべく、ブロントさんは魔理沙の箒に乗り、霊夢と共に西に向かった。