鬼滅の忍   作:黒い野良猫

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新たな物語
第一話 始まり


 時は令和。車や電車が走り、飛行機が飛び交う中、俺は危機的状況に陥っていた。

 

「はぁ、はぁ……何で、何でだよ……!」

 

 俺はある人物から逃げていた。いや、人物と言うには語弊がある。化け物と言ったほうがいいだろう。

 

「逃ゲルナァ……喰ッテヤル」

「何なんだよあの化け物! 見た事ねぇよ!」

 

 目が何個もあり、角が生えており、牙もある。涎を垂らして追ってきている。

 俺は必死に逃げた。だが体力の限界がきてしまい、小石に躓き転んでしまう。

 目の前には化け物。俺は察してしまった。

 

 ──俺、ここで死ぬんだな……

 

 そう思った時、頭の中に今までの景色が広がる。走馬灯だ。

 

 ──父さん、母さん、ごめん。先に逝く俺を許してくれ……

 

 そして俺の視界は真っ暗になり、首から下の感覚が無くなった。

 早島(はやじま)佐助(さすけ)。十七の若さにして、この世を去った瞬間であった。

 

「──ください。起きて下さい」

 

 その時、女性の声が聞こえた。俺は目を開けると、一面真っ白の空間にいた。

 

「目が覚めましたか」

「ここは……」

「ここは死後の世界。早島佐助さん。あなたは死んでしまいました」

 

 目の前には神秘のベールに包まれている女性がいた。

 

「私は女神。あなたにお願いがあり、この場所に呼びました」

「お願い……?」

「その前に、あなたを食べたあの生物についてお話ししなければなりません。こちらにお座り下さい」

 

 突如椅子が現れ、俺はそこに座る。女神様も俺と向き合う形で座った。

 

「まずあなたを食べた生物。あれは鬼と呼ばれるものです」

「鬼?」

「はい。今は昔、鬼という生物が存在しました。鬼は人を喰う事で、生を得ていたのです」

 

 真っ白だった空間に、映像が流れる。その映像は、色んな鬼が人を喰っている所だった。あまりにも衝撃的な映像に、俺は思わず目を瞑る。

 

「そんな鬼を倒すべく、政府非公認の組織が立ち上がります。名前は鬼殺隊。その名の通り、鬼を退治する組織です」

「童話でいう、桃太郎みたいな感じか……」

「はい。鬼殺隊は鬼の親玉である鬼舞辻無惨を殺すべく、奮闘しました。そして無惨を倒すことが出来たのです。──本来なら」

「本来なら?」

「ある人物によって、歴史が上書きされたのです。そして、鬼舞辻無惨が死んだという過去が、鬼殺隊が滅んだという過去になってしまった」

「そして、存在しないはずの鬼が、この時代にやってきた」

 

 俺の言葉に、女神様は頷く。

 

「で、俺にお願いというのは──」

「お察しの通りです。今から明治時代に行っていただき、鬼殺隊に入って鬼を滅ぼして欲しいのです。歴史を変えた元凶は歴史を変えた際に力を使いすぎ、消滅しました」

「何で俺が?」

「あなたには特別な力が宿っています。その力を、今こそ解き放つのです」

「特別な力だと?」

「はい」

 

 そして女神様は頭を下げてきた。

 

「お願いします。鬼を、鬼舞辻無惨を倒して下さい。このままでは鬼が増殖し、人々は滅んでしまいます」

 

 俺は悩んだ。俺がやれば、この時代に鬼がいたという事実は無くなるだろう。そうすれば、この時代の俺が死ぬという事実がなくなる。だが、俺にメリットはあるのだろうか。下手したら、死ぬ可能性だってある。そこまでして俺が未来を変える必要があるのだろうか。

 その時、両親の顔が浮かんだ。

 

 ──いや、違うだろ。メリット、デメリットでやるんじゃない。俺がやらなきゃ、大切な人が死ぬ。なら、答えは一つしかないだろ! 

 

「頭を上げて下さい、女神様」

 

 その言葉で頭を上げる女神様。

 

「俺に隠されている力で未来の人達を救えるなら、俺はやります」

「ありがとうございます……!」

 

 俺は転生する為、魔法陣の中に入る。

 

「今から行くのは明治時代。まだ英語が広まっていないので、くれぐれも外来語を使わないように」

「はい」

「あなたは孤児という設定で、五歳の姿で転生させます」

「あ、この姿じゃないのね」

「あなたの力を発揮させるには、この方法しかありません。では、行きますよ」

 

 魔法陣が光だし、俺の体も光る。

 

「あなたの第二の人生に、良きご武運がございますように。行ってらっしゃい」

「行ってきます……!」

 

 こうして俺は、明治時代に飛ばされた。

 俺がいなくなった空間で、女神様は一人呟く。

 

「お願いしますよ。あの子に力を……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──うちはサスケ。

大正こそこそ噂話……

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