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お館様に言われ、ツーマンセルを組むことになった俺と岩柱の悲鳴嶼さん。移動中は特に会話なく、ただ目的地に向かっていた。
だが、流石に痺れを切らした俺は、悲鳴嶼さんに話しかける。
「それにしても凄いですね。鬼殺隊に入って一年で柱になるなんて」
「君も凄い。十歳で鬼殺隊に入るなんて」
「俺にはやるべきことがあるんです。その為にも、進まなければならない」
「……復讐か?」
「まぁ、そんなとこです」
「あぁ。可哀想に……」
そんな会話をして、目的地へと向かった。
☆☆★☆☆
「やめて……来ないで……」
ある屋敷にて、何者かに狙われてる人物が二人。
「お父さん、お母さん……」
妹と思われる人物は涙を流していた。目の前で父と母が喰われたのだ。
「安心しろ。お前達ももうすぐ連れてってやる」
「なぁ早く喰っちまおうぜ。腹減って仕方ねぇんだ」
「まぁそう焦るなよ。俺達三人でゆっくり食べようぜ」
そう。鬼だ。鬼が三体現れたのだ。
「姉さん……」
「大丈夫よしのぶ。私が守るわ」
「かぁ~素晴らしいね姉妹愛! 二人仲良く、逝かせてあげるよ!」
──あぁ。私もここで終わりなのね。せめてしのぶだけでも……
諦めかけて目を瞑った、その時だった。
「ぐはぁっ!」
少女を食べようとした鬼が吹き飛ばされたのだ。少女達はうっすらと目を開ける。
「悲鳴嶼さん。今回の目的地はここで良いのか?」
「あぁ。ここで間違いない様だ。だが、間に合わなかった……」
二人の目の前には、二人の剣士がいた。
一人はとても大柄で、もう一人は少女と大して年齢が変わらなかった。
「二人共、早く逃げろ。これから見たくない物見ることになるぞ」
「佐助よ。彼女達を連れて行け」
「……分かりました。こっちにこい」
佐助は二人を立たせ、巻き込まれない様にその場から離れた。
「あなた達は鬼狩り様ですか?」
姉と思われる少女が佐助に話しかける。
「その通りだ。因みにあの人は柱。鬼殺隊の上の存在だ」
「因みに、あなたは?」
「俺は二年前に鬼殺隊に入った。歳は十二」
──十二歳!? 私より一つ上……それより、十歳で鬼殺隊に入ったの……?
そんな会話をして、屋敷より離れた所から、別の鬼が数体やって来た。恐らく血を嗅いできたのだろう。
──悲鳴嶼さんが言ってた事は、こういう意味だったんだな。
彼女達だけを逃がさなかった理由。それは別の鬼が来ると踏んでいたのだ。
「人間だぁ! 人間を喰わせろぉ!!」
「うるさいよ」
一瞬だった。前にいた鬼の頸がいつの間にか斬れていたのだ。それを見た他の鬼達が恐怖で震えあがる。
「お、鬼狩りだぁ!」
「逃げろ! 殺されるぞ!」
「逃がすわけないだろ」
佐助は右手に雷を纏わせると、それを一体の鬼に向けた。
すると雷は鬼に向かって一直線に伸び、貫くとそこを中心に雷の槍が広がって行った。
「千鳥鋭槍」
すると雷の槍は鬼を次々と貫いていく。すると鬼は頸を斬られていないにも関わらず、灰になって消滅した。
そして気付いたら、辺りに鬼はいなくなっていた。
☆☆★☆☆
俺は新たに来た鬼を退治した。千鳥に形態変化を加えた千鳥鋭槍も使い、楽に倒せた。この二年でチャクラ量も増え、千鳥だけは印を結ばなくても繰り出せるようになった。
「取り敢えず鬼はいないな。大丈夫か、お前達」
俺は写輪眼で辺りを見渡し、鬼がいないことを確認する。
「あの、助けて下さり、ありがとうございます」
背の高い少女が頭を下げてきた。
「気にするな。鬼狩りはそれが仕事だ。だが、お前達の両親を救うことが出来なかった。すまない」
今度は俺が頭を下げる。大切な家族を救うことが出来なかった。
「頭を上げてください。気にしてないと言えば嘘になります。ですが、私達は救われました。それだけで充分です」
「そうか。そう言ってくれるだけでありがたい」
そういう少女の表情は、少し曇っていた。隣にいた妹と思われる少女は今にも泣きそうだった。
「佐助。そちらは終わったか」
すると悲鳴嶼さんがこちらにやって来た。悲鳴嶼さんの方も終わったのだろう。
「こっちは終わりました。悲鳴嶼さんもお疲れ様です」
「うむ。それで、彼女達はどうする」
悲鳴嶼さんは彼女達を見る。彼女達の両親はいなくなってしまった。二人だけで生きて行くには、厳しいだろう。
「……俺の所で預かります」
「良いのか?」
「はい。二人の両親は亡くなってしまった。罪滅ぼしとはいきませんが、二人の安全は確保したい」
「佐助がそう言うなら、良いだろう。彼女達を送って行きなさい」
「ありがとうございます」
そう言って俺は悲鳴嶼さんと別れ、二人──胡蝶カナエと胡蝶しのぶを連れて狭霧山に連れて行った。
「あの、鬼狩り様……」
「その鬼狩り様って言うのは止めてくれ。俺は早島佐助だ」
「佐助様──」
「様は止めてくれ。俺達は歳が近いんだし、普通でいいよ」
狭霧山に向かう途中、俺とカナエは話していた。しのぶは鬼に襲われた恐怖から解放され安心したのか、今は俺の背中でぐっすり寝ている。
「じゃあ佐助君。今から行く場所は、私達以外にもいるの?」
「あぁ。じいちゃんは面倒見の良い人でな。家族を鬼に喰われて孤児となった子を拾っては育てている。俺も拾われた身だしな」
「そうなんだ……邪魔にならないかな」
「ならねぇよ。みんな立場は同じなんだ。だからそう気を張るな」
「う、うん……」
そして小屋が見えてきた。俺はしのぶを起こすと、目をこすって背中から起きた。
「ただいま」
俺がそう言うと、じいちゃんが出てきた。
「お帰り。彼女達が?」
「あぁ。手紙で言った二人だ」
俺はここに連れてくる前、予め鴉に手紙を渡し、じいちゃんに教えていた。
「儂は鱗滝左近次だ。胡蝶カナエとしのぶだな。話は聞いている。入れ」
「は、はい」
「姉さん……」
「大丈夫よしのぶ。私達は今日から此処でお世話になるの。鱗滝さん、宜しくお願いします」
「固くならんで良い。今日から儂らは家族のようなものだ。楽にしろ」
「ありがとうございます」
カナエとしのぶはじいちゃんに頭を下げた。
そこで俺はある事に気付く。
「あれ、真菰達は?」
真菰達がいなかったのだ。
「真菰、錆兎、義勇なら最終選別に行った」
「え? 俺何も聞かされてないんだけど?」
「お前は指令中だったろ。それに、お前を驚かせたいと言っていたぞ」
「因みにその真菰さん達はおいくつですか?」
カナエが聞いて来た。
「え、十一だけど」
「わ、私と同い年……」
その事を知って、カナエは何か思うことがあるようだ。だが、今は何も聞かないことにした。
こうして鱗滝ファミリーにカナエとしのぶが加わった。
明治こそこそ噂話!
佐助は此処数ヶ月、狭霧山に帰ってなくて、真菰が暴れていたそうだぞ!
錆兎と義勇は、それを止めるのに呼吸を使ったとか……