鬼滅の忍   作:黒い野良猫

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訂正:前回の次回予告の題名を変えました。

☆10:norihashi 様
☆9:ニャルラト 様
☆1:ハルマゲ丼 様

評価ありがとうございます!


第十六話 血を撒く者

「まさか、私達が一緒に指令を受けるなんてね〜」

 

 移動中、真菰が行ってきた。今回の任務は俺と真菰と錆兎と義勇の四人で受けた。

 始まりは数刻前に遡る。お館様──もとい耀哉に呼ばれ産屋敷家に呼ばれた俺達四人。因みに名前呼びの理由は耀哉がそうしろと言ってきた。上司と部下という関係より友人の関係を築きたいと言ってきたのだ。二人きりだけならという条件で、俺は了承した。

 

「君達は鬼がどの様に生まれるか知っているかな?」

「鬼舞辻無惨が人間に血を分け与えてる、ですよね?」

 

 耀哉の質問に錆兎が答える。

 

「その通りだよ錆兎。鬼舞辻の血を与えられた人間は凶暴な鬼に成り下がってしまう。だがここ最近、鬼の出現が頻繁でね。鬼舞辻が無闇やたらに血を与えているとは思えないんだ」

「鬼舞辻とは他の存在が血を与えてる可能性がある。そう言いたいんだな?」

「佐助の言う通りだ。そこで君達にお願いしたい。その血を撒いている脅威の根源を調査して欲しい」

「まってくれ。そういう内容は基本的に柱がやる様なやつだろ。俺は別に良いとして、三人は剣士になったばかりだぞ。荷が重すぎる」

「柱も既に動いている。それに、鱗滝や君が育てた剣士なら大丈夫だと、私は判断した」

「何を根拠に──」

「ここ最近の三人の仕事ぶりを見てさ。三人は優秀だ。他に何かあるかい?」

「──分かったよ」

 

 これ以上何を言っても無駄だと判断した俺は諦め、立ち上がった。

 

「佐助」

 

 立ち去ろうとした時、耀哉に呼ばれた。

 

「最悪戦闘になる可能性がある。その時は佐助、君が守るんだ」

「……分かってるよ」

 

 そう言って、今度こそその場を去った。

 

「それにしても、お館様ってとても優しい方だったね〜」

「貫禄があった。流石鬼殺隊を纏めているだけのことはある」

 

 真菰と義勇はそんな事を言う。

 

「着いたぞ」

 

 そんな話をしていると、目的の場所に着いた。

 場所は御成山。最近ここで鬼が頻繁に出現していると他の隊員から報告を受けたそうだ。

 

「行くぞお前達。気を引き締めろ」

 

 俺の言葉に、三人は頷く。俺達は御成山に足を踏み入れた。

 辺りは静寂が広がる。聞こえるのは俺達の足音と風で揺れる葉っぱの音だけだった。

 俺は写輪眼で辺りを見渡し、鬼がいないか確認する。だが、鬼どころか他の隊員の姿もない。

 

 ──おかしい。あまりにも静かすぎる。しかも、嫌な静けさだ。嵐の前の静けさとはまさにこの事か……

 

「新しい人形、見ぃつけた」

 

 突然その様な声が響き渡る。俺は驚きが隠せなかった。

 

「参ったね。囲まれてるよ、俺ら……」

 

 写輪眼で改めて見渡す。すると先程まで何もなかったが今は何十もの赤いオーラが俺達を囲んでいた。

 すると一体の鬼が襲ってきた。

 

「くそっ!」

 

 俺は直ぐ様刀を抜き、頸を斬る。それが合図になったのか、他の鬼達も襲ってきた。

 

「行くぞお前ら!」

 

 俺がそう声をかけると、全員鬼に向かって行った。

 

「水の呼吸・壱ノ型、水面斬り!」

「水の呼吸・参ノ型、流流舞い」

「全集中、水の呼吸・拾壱ノ型、凪」

 

 三人はどんどん鬼の頸を斬っていく。俺も負けずにどんどん斬っていくが、数が中々減らない。

 そんな時、見知った顔を見つけた。

 

「矢場!?」

 

 同期の矢場だった。だが、こちらの声は届かない。何故なら──

 

「グアァアアア!」

 

 彼は既に、鬼になっていたのだ。

 

 ──まさか矢場も鬼になってるなんてな……鬼になった以上、情けは無用。同期の俺が、葬ってやる……! 

 

 俺は矢場に向かって行く。そして俺は矢場の頸を斬った。

 斬る瞬間、矢場が言っていた。

 

「あり、がとう……」

 

 その瞬間、怒りと悲しみが湧いた。数少ない同期を鬼にした元凶に怒りが、同期を自分の手で、そして死んでいった悲しみが。二つの感情が一気に俺を鼓舞する。

 

「いやいやいやいや、よくやるねぇ君達」

 

 すると俺達四人の前に、上半身裸の鬼が現れた。

 

「私の人形達をよくもここまで……」

 

 その言葉で、すべて分かった。こいつが血を撒いて鬼にしている元凶だと。

 

「私はあの方の血を人間に与え、鬼を増やす役割を担っているのです。それなのにあなた達は、私の人形を斬ってしまうなんて……そんな事されては、私は十二鬼月になれないじゃないですかぁ」

 

 するとその鬼の背後から針の様な物が数本出てきた。

 

「でも、あなた達を鬼にすれば、関係ないですねぇ。申し遅れました。私の名前は針鬼。あなた達の上司になる鬼ですよぉ」

「誰がなるかよ。お前達、奴の背中から出ている針には気をつけろ。あれに刺されれば、恐らく鬼の血を流される。そうすれば、鬼になる事間違いなしだ」

「針に気をつけながら、頸を斬る……骨が折れるね」

「今まで斬ってきた鬼とは全く違うことが分かった」

「それにまだ他の鬼もいる。そちらも相手にするとなると……」

 

 三人は額に汗を垂らす。やはり、まだ三人には早かった。あそこで断っておけばよかった。

 

「お前ら、危険だと思ったらすぐに山を降りろ」

「えっ……」

「お前達を守りながらこの数を相手にするのは、流石の俺でもキツい。だから、逃げてくれ」

 

 そう言って俺は構える。すると、俺の前に三人が出てきた。

 

「私達は逃げないよ、お兄ちゃん」

「兄さん。俺達はいつまでも守ってもらえる存在じゃない」

「少しは俺達を信じてくれ」

「お前ら……」

 

 ──成長したな、お前ら……

 

 俺は三人の横に立つ。

 

「……生きて、必ず帰るぞ!」

「「「おう!」」」

 

 こうして針鬼との戦いが始まった。




明治こそこそ噂話!

ココ最近、耀哉は佐助を呼び出しては普通にお茶するらしいぞ!

次回
「針鬼」
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