鬼滅の忍   作:黒い野良猫

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第二話 鱗滝左近次

「ここは……」

 

 俺は目を覚ますと、辺りは真っ白な雪景色が広がっていた。もちろん雪も降っており、寒い。服はボロボロに破けており、寒さが全く凌げない。

 

 ──身体小さいし、お腹も空いた。このままだと凍え死ぬぞまじで……

 

 俺は蹲り、何とか寒さを和らげようとする。すると、奥から誰かがやってきた。

 その人は天狗のお面をしており、じっとこちらを見つめている。俺もその人を見つめていた。

 

「お前さん、名は」

「早島、佐助……」

 

 力のない声で答える。

 

「家族はどうした。住処は?」

 

 俺は首を横に振る。するとその人は俺に背中を向け、屈んだ。

 

「乗れ。一先ず儂の小屋に行こう」

「いいの……?」

「早くしろ。さもないとお前さんも死ぬぞ」

 

 確かに、ここで見捨てられたら俺の人生はデッドエンド。折角未来を救いに来たのに、そうなっては元も子もない。

 俺は言葉に甘え、その人の背中に乗る。

 

「軽いな。どれ程食べてない?」

「分からない……」

「そうか……」

 

 それ以降は何も聞いてこなかった。山道を登り続け、一つの小屋についた。

 

「ここが儂の家だ。名乗ってなかったな。儂は鱗滝左近次だ。育手をやっている」

「育手?」

「話は後だ。まずは中に入ろう。お腹も空いているだろう」

 

 すると俺の腹が可愛くなる。俺は顔を真っ赤にし、頷いた。

 小屋に入ると囲炉裏が目の前にあり、とても暖かかった。

 

「そこに座れ。食事を用意しよう」

 

 俺は言われた通り、囲炉裏の前に座る。とても暖かい。

 鱗滝さんが囲炉裏の真ん中に鍋を置き、野菜や肉を入れる。煮込まれたところでお椀にすくい、俺に渡してきた。

 

「ほれ、食え」

 

 俺はそれを受け取る。

 

「いただきます」

 

 俺はゆっくりとお椀を口に持っていき、汁を飲む。

 

「美味しい……」

「そうだろ」

 

 俺が呟くと、顔はお面で見えないが声は嬉しそうだった。

 そこから俺は箸を止めることなく食べ続けた。その時、鱗滝さんが声をかけてきた。

 

「佐助よ。一つ聞きたい。何故、あのような場所にいた」

 

 俺はお椀を置き、箸を置いて話し始めた。この時代の俺の過去の記憶は、女神様に植え付けられた。

 

「僕のお父さんとお母さんは、見たこともない化け物に食べられました。お父さんとお母さんは僕を庇って、食べられたんです。僕は怖くなって、逃げました。逃げて逃げて、気がついたらあそこにいたんです」

「そうか。すまんな、辛いことを思い出させてしまって」

 

 喋り方が子供っぽいのは、俺が未来からきたことを悟られない為だ。

 

「お前の両親を喰った化け物。あれは恐らく鬼だ」

「鬼?」

「あぁ。鬼は夜に活動し、人を食って生を得ている」

 

 女神様と言っていることが同じだった。

 

「……鬼が憎いか?」

「……憎い。大好きなお父さんとお母さんを食べた鬼が憎い」

「そうか。佐助よ。一つだけ、その鬼を殺す方法がある」

「なに?」

「鬼殺隊に入ることだ。鬼殺隊はその名の通り、鬼を殺す組織。そこに入れば、お前の両親を喰った鬼を殺す事が出来るぞ」

「……その鬼殺隊って、すぐに入れるの?」

「いや、すぐには無理だ。鬼殺隊に入るには、最終選別に行き、七日間生き残らなければならない」

「最終選別……」

「だが、今のお前では無理だ。そこで育手の登場だ」

「育手って、鱗滝さんの事?」

「そうだ。儂は最終選別に行かせる剣士を育てておる。佐助よ、剣士にならんか?」

 

 ここに来る前から、答えは決まってる。

 

「なるよ……僕、剣士になる!」

「いい返事だ。では明日から修行だ。今日はいっぱい喰って寝ろ」

「はい!」

 

 こうして俺は、鱗滝さん──じいちゃんの下で修行する事になった。

大正こそこそ噂話……

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