あれから数ヶ月が経った。カナエとしのぶは剣士になるため鱗滝に鍛錬を付けて貰っている。佐助達は時間が空けば稽古をしている。
そんなある日、佐助達は合同の任務に出ていた。どうやら一つの小さな里が火事で全焼したという。佐助達はその現場を調査するという指令が来ていた。
「これは酷いな……」
見た目は酷い有様だった。そこに里があっただろう場所は焼け焦げていて、所々人の遺体が目に入る。
「これは人の仕業? それとも……」
「これが人の仕業とは思えない。見ろ、コレ」
佐助は地面に指さし、真菰達に見せる。そこには人間とは思えない足跡があった。
「この足跡が人の物とは到底思えない。という事は──」
「十中八九、鬼……」
真菰の言葉に頷く佐助。
「兄さん」
「どうした義勇」
「ちょっと来てくれ」
佐助は義勇に連れられて、里の入り口まで来た。
「ここ、明らかにおかしくないか」
「あぁ。確かにな」
二人が見ているのは里の入り口の地面。里の方は焼け焦げているのに、里の外には焼けた跡が一つもないのだ。
──考えられるとしたら、この里を襲ったのは二体以上。一体はここを燃やした鬼。そしてもう一体は、里人を閉じ込める様に村全体を囲った鬼……ただ、一つ疑問がある。何故、里全体を焼くように襲ったのか……今までの鬼なら、そんな事はしなかった。一体何のために……
そう思いながら佐助は調査を続ける。
「お兄ちゃん!」
すると真菰が何かを見つけたのか、佐助の所にやって来た。
「これ、お兄ちゃんのと同じ奴だよね?」
真菰が渡してきたのは、ボロボロになっていた一枚の手裏剣だった。
「これ、どうした?」
「落ちてたんだ。他にもクナイ? って奴が落ちてたよ」
──手裏剣やクナイが落ちているって事は……ここは忍の里だったのか?
「な、何だこれは……」
すると奥から三人忍者らしき服を着た人達がやって来た。
「これは君達がやったのか?」
一人の男性が、佐助達に聞く。
「俺達はここの調査に来たものです。鬼殺隊の早島佐助と言います」
「同じく、真菰です」
「冨岡義勇です」
「鬼殺隊? 君達みたいな若いのが……」
「所で、あなたは?」
「あぁ。すまない。私は忍の里の長、宇随忍次郎だ。後ろの二人は私の妻だ」
──妻って……一夫多妻制かよ……
「所で、どうしてここに?」
「実はこの里は私達忍の里と交友関係にあったのだ。久々に顔を出しに来たんだが、この有様だ」
宇随は辺りを見渡し、悲しい表情を浮かべる。
「恐らく、これをやったのは鬼かと思われます」
「何だと……?」
「しかも二体以上。ここは集中的にやられたんでしょう」
「そんな……何故……」
「それは分かりません。でも、理由もなしにここまでするとは思えない。何かしらの目的がある筈……」
「もしかしたら、忍の里も……」
「危険かもしれませんね。今すぐ厳重警戒した方が良いでしょう。そして俺達鬼殺隊もそちらに行きます。近くの里は、そこしかありませんから」
「ありがとう。すぐ帰るぞ」
そう言って佐助達は、宇随が治める忍の里に行った。忍の里に行くと、宇随はすぐさま他の忍者を呼んだ。
「今から厳重警戒報を発令する。お前達は里の外を隈なく監視しろ。怪しい動きがあったら、すぐ知らせろ」
「御意!」
「里の者は外に絶対に出すな。良いな!」
そう言って散らばる忍者。すると鐘の音が響き渡り、里の人達は一斉に家の中に入る。先程まで賑やかだった大通りが、一気に静かになった。
「さて、私の屋敷に案内しよう」
「ありがとうございます」
案内される佐助達。屋敷に到着すると、九人の子供達がいた。
「親父。どうしたんだそいつら」
「この人達は鬼狩りだ。訳あって、家に来てもらった」
「俺は宇随天元だ。宜しくな」
天元は佐助達に言う。佐助達も、自己紹介をした。
「それにしても佐助殿。君は今いくつだい?」
「十三になります。真菰と義勇は十二です」
「十三か……いつから鬼狩りに?」
「十の時になります」
「そっか……君だけ服が違うのは、何か関係あるのかい?」
「まぁ、こっちの方が動きやすいって言うのと、俺は忍術を使うんでそれに耐えきれる服を──」
「忍術だって!?」
その時、宇随は声を上げる。かなり驚いたようだ。
「君は、忍なのかい?」
「忍術が使えるから忍かって聞かれたら、答えははいです。ただ、皆さんがどのような人物を忍と捉えているか分かりませんから、答えは分かりません、が正解ですね」
「そうか……因みに、どんな忍術を? やっぱり隠れ身の術とか、変装の術とかかい?」
「確かにそれも出来ますが……そうですね、例えば──」
そう言って佐助は印を結び、姿を真菰に変えた。変化の術だ。
「このように姿を変える、変化の術」
「ま、真菰殿が二人……」
「どうなってんだ……」
天元も目を見開き、驚く。
「そして実体を増やす、影分身の術」
次は真菰がもう一人増えた。今この場に、真菰が三人いる。
「という風にできます。他にもありますが、そうするとこの屋敷が壊れる可能性があるので、やめておきます」
そう言って影分身と変化を解く佐助。
その後、天元と組手をすることになったが、佐助の勝利。天元は悔しそうだった。
その日の夜。佐助は見回りに行くと言い、外に出ていた。真菰と義勇も一緒だ。天元達は寝ている。
「見つけたよ……例の子」
「作戦、開始だ」
災いが今、忍の里に振りかかろうとしている。
次回
「下弦の鬼」
報告
明日より、投稿頻度が愕然と下がります。申し訳御座いません。