鬼滅の忍   作:黒い野良猫

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第二十六話 消えていく隊士

「隊士からの連絡が次々と途絶えている?」

 

 ある日。佐助は耀哉に呼ばれ産屋敷邸に向かい、耀哉からそう言われた。

 

「あぁ。隊士達は鬼の目撃情報が多いと言われる山に行ってもらっているが、そこに向かった隊士達の連絡が来なくなってるんだ」

「だからこれは柱である俺の出番だと」

「その通りだ。佐助、行ってくれるかい?」

「了解だ。彼奴らも連れて行って良いんだろ?」

「勿論だ」

 

 そう言って佐助は産屋敷邸を後にした。そしてすぐに屋敷に帰り、継子である真菰達に状況を説明する。

 

「と言うわけで、お前達にもついてきてもらう。しのぶは主に負傷した隊士の治療を頼む」

「わかりました」

「それにしても、久々の任務だね。お兄ちゃん、鈍ってない?」

「バカ言うな。今までお前達の稽古をしてきたのは誰だと思っている」

「そうだぞ真菰。兄さんが鈍っているわけないだろ」

「そういう冨岡君は、大丈夫かしら?」

「問題ない。それこそ、胡蝶達の方こそ大丈夫か? 姉は何度か任務に行っているが、妹の方は経験がまだ浅いだろ」

「お構いなく冨岡さん。佐助兄さんのお役に立てるよう頑張りますから」

「じゃあ行くぞ」

 

 ある程度会話し、佐助達は出発した。

 山の名前は鬼灯山。そこに向かう隊士達の連絡が次々途絶えている。

 佐助達は進んでいくと途中で大きな鳥居があり、その先はどんどん霧が濃くなっていく。

 鳥居の前に来ると、佐助は足を止めた。

 

「どうしたの? お兄ちゃん」

 

 佐助は鳥居をまじまじと見る。

 

「兄さん?」

「この鳥居、幻術が掛けられているな」

 

 佐助は写輪眼を発動して鳥居を見ていた。

 

「恐らく、ここを通った奴に幻術を掛けて、眠らせた所を襲う算段だろう。連絡の取れなくなった隊士達はここを通って、見事に幻術に掛かった訳だ」

「じゃあ、別の道から行けばいいのね?」

「そうとは限らない。この幻術、鳥居から囲うように掛けられている。つまり──」

「何処から入っても幻術に掛かってしまう……という事ね」

 

 しのぶの言葉に佐助は頷く。

 

「じゃあどうするの?」

「簡単な話だ。その発生源を壊せば良い」

 

 そう言って佐助は鳥居の上に上り、鳥居の上真ん中に飾られている神額を壊した。すると鳥居から囲うように掛けられていた幻術は消え、霧も晴れた。

 

「よし。これで大丈夫だろう」

 

 佐助は下りると、その鳥居を潜って行った。真菰達も、後を追うように潜る。

 山の中に入って行った佐助達は行方不明になった隊士達の捜索をしていた。

 

「今日、俺達以外にこの山に入った隊士は?」

「報告によると、俺達より先に五人入ったそうだ」

「それは夜明け前か? 後か?」

「夜明け後だと思うが……」

 

 ──待てよ……今はまだ昼時だ。もしあの鳥居を通って幻術に掛かったなら、鬼は活動出来ないからその場に残っているはずだ。だが、そこにはいなかった。もしかして、眠らせる幻術ではなく、自我を奪う幻術だったのか? 

 

 そう思う佐助達の目の前に、一人の隊士がいた。

 

「あ! 漸く見つけた!」

 

 そう言って真菰が隊士に近付こうとした時、その隊士が襲ってきた。

 

「きゃっ!」

「真菰!」

 

 義勇は真菰を引き寄せ、隊士と距離をおく。だが、隊士は襲うのをやめない。

 佐助はすぐさま隊士と真菰達の間に入り、隊士の攻撃を防ぐ。

 

 ──こいつ、幻術に掛けられてる……? 

 

 佐助は隊士の眼が虚ろだという事に気が付いた。

 すると佐助は背後に回り、隊士を気絶させる。

 

「この人は一体……」

「こいつは幻術に掛けられていた。だから俺達を襲ったんだろう」

 

 そう言って佐助はその隊士の肩に手を置き、試しに幻術を解く。

 

 ──……ん? 

 

「んん……ここは……」

 

 すると隊士は目を覚ました。

 

「大丈夫か?」

「あ、あなたは忍柱様! どうしてここに……」

「隊士達の連絡が次々と途絶えたと聞いて、やって来た。それで、今までの記憶はあるか?」

「鳥居を潜った所までは覚えています。ですが、それ以降の記憶は曖昧で……」

「そうか……ありがとう」

 

 そう言って隊士を下山させ、他の隊士を探す。

 

「このままでは埒が明かない。三つに分かれるぞ」

 

 佐助は影分身を二体だし、真菰としのぶ、カナエと義勇で組み合わせ、そこに影分身を一体ずつ付かせる。

 

「真菰達は西、義勇達は東、俺はこのまま北に進む。もうすぐ日が沈む。そうなれば鬼との戦闘になるのは免れないだろう。あまり無理はするな。散!」

 

 そう言って三つに分かれた佐助達。一つでも多くの命を救う為、佐助達は山の中を駆け巡る。

 そして佐助達は今日山に入ったであろう隊士を全員見つけ、下山させた。

 

 ──この幻術、本当に鬼が仕掛けたものなのか……? 鬼が仕掛けた幻術なら、鬼を倒さないと解けないはずだ。だが、俺が解くことが出来た……

 

「もしかしてこの山には、鬼や鬼殺隊以外の誰かがいるのか……? 」

 

 佐助はそう呟き、真菰達と合流するため先を急いだ。

 その様子を遠くから見ていた、一つの影。

 

「──流石は早島佐助。俺と殺るのは、せいぜいあいつ等を倒してからだ。瞳力を使いすぎた時を狙い、君のその眼を頂くよ」

 

 その影の眼は赤く、三枚刃の手裏剣型に光っていた。




次回
「下弦の鬼、集結」
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