「ねぇねぇ鱗滝さん」
「ん? どうした?」
「この袴誰の? 鱗滝さんのじゃないよね?」
少女が取り出したのは、三年前、鱗滝が拾った子供の袴だった。
「……その袴はな、お前の兄弟子の物だよ」
「へぇ! 私以外に弟子いたんだ! その人は今どこにいるの?」
「アイツは今、修行に出ておる。強くなるために」
「鱗滝さんの弟子じゃないの? 何でここで修行しないの?」
「アイツは呼吸が使えない。でも、それとは他に別の力を持っている。その力を引き出せる奴の下にいるんだよ」
少女は玄関に座り、足をパタパタさせながら袴を空に掲げ眺める。
「会ってみたいなぁ、兄弟子に」
「なぁに、時期に会えるさ」
☆☆★☆☆
「ハァ……ハァ……」
「修行はここまでだ。よく耐えたな」
あれから三年。俺はサスケさんの下、チャクラを上手く使える様に修行した。もちろんチャクラだけではない。体術の基本となる組手や手裏剣術も教えてもらった。
「今日は狭霧山に帰る約束だろう。早くじいさんにお前の成長した姿を見せてやれ」
「おっす……」
八歳となった俺は体格が変わった。昔より体力と筋肉がついた。これも成長した証だろう。
「まだお前に教えたいことはあるが、それは向こうでも出来る。早く帰るぞ」
俺は埃を払い、立ち上がる。今来ている服は、サスケさんが幼少期に来ていた服だ。背中にうちわのマークがある。
「その服はお前にやる。忍術を覚えたお前が着物を着ると、術に耐えきれなくて着物が破れたり燃える可能性があるからな」
「ありがとう。大切にするよ」
こうして俺とサスケさんは狭霧山に帰る。
「じゃあ俺はここで別れる。また会おう」
そう言ってサスケさんは姿を消した。俺は狭霧山の麓まで歩いていく。まだ数ヶ月しか過ごしていないが、見慣れた小屋を見つけた。
だが、小屋の目の前には見慣れない少女とじいちゃんがいた。
──じいちゃん、遂に人を攫ったか……?
少女は俺を見つけると、じいちゃんに俺の方を指さす。
「じいちゃん!」
「佐助!」
じいちゃんは俺を見つけると、駆け寄って抱きしめてくれた。
「よく……よく帰って来た……!」
「帰ってくるに決まってるじゃん。ここ、俺の家でもあるんだから」
「そうだな。佐助、デカくなったな」
そう言って頭を撫でるじいちゃん。まだじいちゃんと数ヶ月しか過ごしてないが、凄い嬉しい。
「俺もう八歳だぞ。デカくなるに決まってるさ」
「生意気言いやがってこのぉ!」
そう言って撫でる手を強くする。すると俺と少女の目が合った。
「じいちゃん。この子は?」
「こいつもお前と同じ孤児だ。儂が見つけ、保護した」
「そっか」
「鱗滝さん。この人が兄弟子?」
「そうだ。佐助。この子はお前の妹弟子になる」
「俺は早島佐助。五歳の時にじいちゃんに拾われた」
「私は真菰! 宜しくねお兄ちゃん!」
「お、お兄ちゃん!?」
「だって私の兄弟子なんでしょ? それに私の方が年下だし。ならお兄ちゃんじゃん!」
真菰は笑顔でそう言ってくる。俺は一人っ子だったため、お兄ちゃんと呼ばれるのは何だかムズムズする。だが、嫌ではない。
「それで佐助よ。お前はどれ程強くなった?」
「付いてきて」
俺はそう言ってじいちゃんと真菰を滝壺のある所まで連れてくる。
「見ててよ」
俺は滝壺に向け、印を結んだ。
「【火遁・豪火球の術】」
口から放たれる火力は大きかった。一面を火の塊が覆い隠す。
「おぉ……」
「鱗滝さん。今のは?」
「今のは忍術。俺は呼吸が使えない代わりに、忍術を習得した」
真菰は初めて見た光景に、はしゃいでいた。
「凄い凄い! 真菰も出来る?」
「いや、真菰は出来ないよ。これは俺とサスケさんしか出来ない」
「サスケさん?」
「俺に忍術を教えてくれた人だよ」
「え~ズル~い」
真菰は自分は出来ないと知ると、頬を膨らませ顔をしかめる。
「真菰。俺と真菰はじいちゃんの弟子だ。でも、俺は呼吸法を身に付けられなかった。だから、真菰は俺の身に付けられなかった呼吸法を身に付けてくれ。そして一緒に、鬼を倒そう」
そう言って俺は真菰の頭を撫でる。真菰は目を細め、気持ちよさそうにした。
「任せてよ! お兄ちゃん!」
「よし。早速修行だ!」
「おー!」
こうして俺に出来た新たな妹弟子、真菰と一緒に修行に励むのだった。
大正こそこそ噂話……
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やってほしい
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やらなくてもよい