鬼滅の忍   作:黒い野良猫

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第五話 真菰

「ねぇねぇ鱗滝さん」

「ん? どうした?」

「この袴誰の? 鱗滝さんのじゃないよね?」

 

 少女が取り出したのは、三年前、鱗滝が拾った子供の袴だった。

 

「……その袴はな、お前の兄弟子の物だよ」

「へぇ! 私以外に弟子いたんだ! その人は今どこにいるの?」

「アイツは今、修行に出ておる。強くなるために」

「鱗滝さんの弟子じゃないの? 何でここで修行しないの?」

「アイツは呼吸が使えない。でも、それとは他に別の力を持っている。その力を引き出せる奴の下にいるんだよ」

 

 少女は玄関に座り、足をパタパタさせながら袴を空に掲げ眺める。

 

「会ってみたいなぁ、兄弟子に」

「なぁに、時期に会えるさ」

 

 ☆☆★☆☆

 

「ハァ……ハァ……」

「修行はここまでだ。よく耐えたな」

 

 あれから三年。俺はサスケさんの下、チャクラを上手く使える様に修行した。もちろんチャクラだけではない。体術の基本となる組手や手裏剣術も教えてもらった。

 

「今日は狭霧山に帰る約束だろう。早くじいさんにお前の成長した姿を見せてやれ」

「おっす……」

 

 八歳となった俺は体格が変わった。昔より体力と筋肉がついた。これも成長した証だろう。

 

「まだお前に教えたいことはあるが、それは向こうでも出来る。早く帰るぞ」

 

 俺は埃を払い、立ち上がる。今来ている服は、サスケさんが幼少期に来ていた服だ。背中にうちわのマークがある。

 

「その服はお前にやる。忍術を覚えたお前が着物を着ると、術に耐えきれなくて着物が破れたり燃える可能性があるからな」

「ありがとう。大切にするよ」

 

 こうして俺とサスケさんは狭霧山に帰る。

 

「じゃあ俺はここで別れる。また会おう」

 

 そう言ってサスケさんは姿を消した。俺は狭霧山の麓まで歩いていく。まだ数ヶ月しか過ごしていないが、見慣れた小屋を見つけた。

 だが、小屋の目の前には見慣れない少女とじいちゃんがいた。

 

 ──じいちゃん、遂に人を攫ったか……? 

 

 少女は俺を見つけると、じいちゃんに俺の方を指さす。

 

「じいちゃん!」

「佐助!」

 

 じいちゃんは俺を見つけると、駆け寄って抱きしめてくれた。

 

「よく……よく帰って来た……!」

「帰ってくるに決まってるじゃん。ここ、俺の家でもあるんだから」

「そうだな。佐助、デカくなったな」

 

 そう言って頭を撫でるじいちゃん。まだじいちゃんと数ヶ月しか過ごしてないが、凄い嬉しい。

 

「俺もう八歳だぞ。デカくなるに決まってるさ」

「生意気言いやがってこのぉ!」

 

 そう言って撫でる手を強くする。すると俺と少女の目が合った。

 

「じいちゃん。この子は?」

「こいつもお前と同じ孤児だ。儂が見つけ、保護した」

「そっか」

「鱗滝さん。この人が兄弟子?」

「そうだ。佐助。この子はお前の妹弟子になる」

「俺は早島佐助。五歳の時にじいちゃんに拾われた」

「私は真菰! 宜しくねお兄ちゃん!」

「お、お兄ちゃん!?」

「だって私の兄弟子なんでしょ? それに私の方が年下だし。ならお兄ちゃんじゃん!」

 

 真菰は笑顔でそう言ってくる。俺は一人っ子だったため、お兄ちゃんと呼ばれるのは何だかムズムズする。だが、嫌ではない。

 

「それで佐助よ。お前はどれ程強くなった?」

「付いてきて」

 

 俺はそう言ってじいちゃんと真菰を滝壺のある所まで連れてくる。

 

「見ててよ」

 

 俺は滝壺に向け、印を結んだ。

 

「【火遁・豪火球の術】」

 

 口から放たれる火力は大きかった。一面を火の塊が覆い隠す。

 

「おぉ……」

「鱗滝さん。今のは?」

「今のは忍術。俺は呼吸が使えない代わりに、忍術を習得した」

 

 真菰は初めて見た光景に、はしゃいでいた。

 

「凄い凄い! 真菰も出来る?」

「いや、真菰は出来ないよ。これは俺とサスケさんしか出来ない」

「サスケさん?」

「俺に忍術を教えてくれた人だよ」

「え~ズル~い」

 

 真菰は自分は出来ないと知ると、頬を膨らませ顔をしかめる。

 

「真菰。俺と真菰はじいちゃんの弟子だ。でも、俺は呼吸法を身に付けられなかった。だから、真菰は俺の身に付けられなかった呼吸法を身に付けてくれ。そして一緒に、鬼を倒そう」

 

 そう言って俺は真菰の頭を撫でる。真菰は目を細め、気持ちよさそうにした。

 

「任せてよ! お兄ちゃん!」

「よし。早速修行だ!」

「おー!」

 

 こうして俺に出来た新たな妹弟子、真菰と一緒に修行に励むのだった。

大正こそこそ噂話……

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