某国が管理局に参加するようです   作:ryanzi

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オルセア分割

高町なのはが曾孫のリューリクを迎えに精神病院に行っている頃、

八神はやては地球と交信を行うことにした。

何しろリューリクの報告は最低限のものだったので、地球情勢がわからないのだ。

既に地球側も通信準備を整えていたので、会議はスムーズに始まった。

地球側の出席国はカナダ、EU、アフリカ連合、インド、ASEAN、中国、ロシアであった。

以下は会議の抜粋である。

 


 

八神はやて ずいぶんと国家の数が少なくなったんやな。

 

カナダ代表 ええ、アメリカは我が国に併合されたので。

 

EU代表 私達もだいぶ統合が進みましたから。

 

アフリカ連合代表 どこもそんな感じですね。

 

ロシア代表 変化がないのは我が国ぐらいのものですな!ハハハ!

 

八神はやて そうみたいやな。アレのお孫さんかい?ずいぶん顔が似てますなあ。

 

ロシア代表 いえいえ、私はまだくたばってませんよ!*1

 

八神はやて えっ?・・・・まあ、いいでしょう。ところで、中国は少し大きくなったようですな。

 

中国代表 ・・・。

 

八神はやて まさか、私の故郷が自治区になっとるとは夢にも思ってもいませんでしたわ。

 

中国代表 一応、平和的に・・・。

 

八神はやて まあ、ええわ。なんかチベットとウイグルが地図から消えとるようだけど。

 

インド代表 ・・・。

 

八神はやて おや、どうしましたか?

 

インド代表 本土の人口が13000000000000を超えてしまいまして・・・。移住できる世界は・・・。

 

八神はやて ・・・ちょうどオルセアという国があるんですけどね。

 


 

八神はやてにはある思惑があった。

オルセアはずっと不安定な世界なうえに、管理局を拒絶したりする世界でもあった。

ちょうど都合のいいことに、この後、カナダとEUもオルセアの治安維持の申し出をしてくれた。

さらに、カナダとEUは変わった条件で管理局の加盟を約束してくれた。

カナダは自国がオルセアの管理局派との同盟を結べることを条件に。

EUはオルセアの反管理局主義者との不可侵条約を条件に。

はやては狂喜した。中国を管理局に引き入れるのはおぞましいが、ヨーロッパは別だ。

そのヨーロッパが、自ら管理局に入りたいと望んでいるのだ。断る理由はないだろう。

喜んでいるうちに、彼女は眠りに落ちてしまった。

 

 

はやては久しぶりに明晰夢というものを体験していた。

これが夢だとはっきり理解できているのだ。

そんな彼女の目の前に、今は亡きギル・グレアムが立っていた。

 

「はやて、久しぶりだな」

 

「お久しぶりですね。グレアムおじさん」

 

「・・・私の故郷がどこかは知っているだろう?」

 

「確か、地球のイギリスっていう国でしたよね?今はカナダの一部のようですが」

 

グレアムは不気味な笑った。

 

「そうだ。イギリスなんだよ。私は、あの悪魔の国で生まれたのだ。ハハハ・・・」

 

「グレアムおじさん・・・?」

 

「はやて、忘れるな。所詮、カナダも悪魔の子なのだよ。大陸もだ。ハハハ・・・」

 

そう言うと、グレアムは静かに消えていった。

 

 

目が覚めると、はやては汗でびっちゃりと濡れていた。

彼女はしばし考えた。グレアムは何を伝えたかったのだろうか?

彼女は薄れつつあった幼少期の記憶を必死に遡った。

そして、彼女はグレアムの言わんとしたことを理解してしまった。

 

「・・・最悪やないか!」

 

彼女は執務室から立ち上がって、今すぐ部下を呼ぼうとした。

だが、立ち上がった瞬間に、腰に痛みが走った。ヘルニアだ。

いくら姿が若かろうと、それでも老いから逃れることはできない。

彼女は倒れてしまった。

 

 

オルセアの管理局派はカナダの援軍を心待ちにしていた。

今まで、管理局は軍隊をめったに派遣してくれなかった。だが、カナダは違った。

管理局に入った途端、彼らは管理局派に手を差し伸べてくれたのだ。

だが、カナダの剣はオルセアの鞘に収まりきるものではなかった。

彼らの上空に出現したのは、管理局の航行艦を遥かに凌駕する巨大な要塞だった。

管理局派は悟った。全ては終わってしまったのだと。

さて、反管理局主義者の勢力はまだ終わりを悟っていなかった。

むしろ、逆の意味で終わりを悟っていた。EUは自分たちに好感を持っている。

しかも、管理局に入っている。彼らはこう考えた。

EUは管理局内部に働きかけて、自分たちを勝利に導くのだろうと。

そんなのは都合のいい妄想だった。数百隻のEU次元艦隊が上空に出現したのだ。

もちろん、EUは支援という名目で艦隊を派遣した。しかし、読者の諸君は察しただろう。

数時間後、今度はインドによってオルセア各地にコロニーが建設された。

オルセアは考えるのをやめた。意外と彼らのほうが良い統治をしてくれたからだ。

管理世界の市民はカナダとEUとインドの行動を賞賛した。

彼らは一瞬でオルセアを平和に導いたのだから。

この事件は後にオルセア分割と呼ばれることになる。

ちなみに、オルセアの人口は十倍に膨れ上がった。

*1
余計な詮索をするな。シベリアに行きたいのか?

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