ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.Extra 友達と遊びます!

 

 

「わぁぁ!」

 

 

 アーシアが、目の前の光景を見て、驚きと憧憬が入り交じった表情で目を輝かせていた。

 

 俺、士騎明日夏が現在いる場所は近所のゲーセンだ。

 

 アーシアがオカルト研究部の部員となった数日後の休日、俺たちはアーシアとの約束通り、遊びに来ていたのだ。

 

 俺とアーシア以外のメンバーは、あのとき約束したメンバーのイッセーと千秋。そして──。

 

 

「いいのか? 私まで同伴して?」

 

 

 先日からうちで泊まってる夜刀神槐だった。

 

 せっかくなのでと、俺が誘ったのだ。

 

 アーシアもイッセーも千秋も快くOKしてくれた。

 

 本当は他のオカルト研究部の部員にも声をかけたのだが、あいにくと都合がつかなかったのだ。

 

 

「スゴいですぅぅ!」

 

 

 アーシアはいまだに目を輝かせていた。

 

 この反応だけでも、来たかいがあるな。

 

 ちなみに、いまのアーシアの服装だが、部長が用意してくれた私服姿だった。

 

 部長がコーディネートしただけあって、よく似合っていた。

 

 

「それにしても、話には聞いて想像はしていたが・・・・・・想像以上に騒々しいな」

 

 

 槐がふと、そんなことを口にした。

 

 

「あれ、夜刀神さんって、ゲーセンに来たことないんですか?」

 

「名前で呼び捨てで構わないぞ、兵藤さん。敬語もいらない」

 

「じゃあ、俺もイッセーでいいよ」

 

「では遠慮なく。で、イッセー、おまえの質問の答えだが、近所にはこういうのはなくてな」

 

 

 槐が通っている学校は山奥にある全寮制の学校なのだ。

 

 買い物とかも、もっぱら通販らしい。

 

 だから、こういうゲーセンとかに来ようと思うと、少し遠出しなければならない。

 

 ハンターの仕事で都会に出ることはあっただろうが、そうまでして来たいと思うほど、槐も興味がなかったのだろう。

 

 そんな槐に俺は言う。

 

 

「じゃあ、今日がゲーセンデビューだな?」

 

「ああ、そういうことになるな」

 

 

 すると、槐が唐突にため息を吐いた。

 

 

「苦手か、こういうところ?」

 

 

 俺が聞くと、槐は慌てて違うと手を振った。

 

 

「驚きこそはしたが、楽しそうだとも思っているぞ。いまのため息は・・・・・・兄上がな・・・・・・」

 

「なんか言われたのか?」

 

「いや、せっかくなのだから、めいいっぱい楽しんでこいとはしゃぐものでな・・・・・・」

 

「あぁ・・・・・・」

 

「・・・・・・まったく、いつまでも子供扱いして・・・・・・」

 

「・・・・・・その気持ちはわかるぞ」

 

 

 お互い、過保護気味な兄貴に苦労してるんだな・・・・・・。

 

 

「おーい、二人とも! 何してるんだ!」

 

 

 いつのまにか、俺と槐以外のメンツがメダル交換所にいて、イッセーが手を振って俺と槐を呼んでいた。

 

 

「ま、とりあえず、楽しもうぜ」

 

「ああ、そうだな」

 

 

-○●○-

 

 

「峠最速伝説イッセー!」

 

「速いです! 速いです、イッセーさん!」

 

 

 レーシングゲームで、見事なハンドル裁きで相手の車抜き去っていくイッセー。

 

 

『WIN!』

 

 

 イッセーの勝利を告げる文字が画面に映し出される。

 

 

「──ああ、また世界の速度を縮めてしまった・・・・・・」

 

 

「・・・・・・何カッコつけてんだ、おまえは」

 

「スゴいです、イッセーさん!」

 

「へへへ。今度はアーシアがやってみろよ」

 

「えッ!? 私がですか? できますでしょうか?」

 

「まあ、やってみようぜ」

 

「は、はい!」

 

 

 今度はアーシアがレースに挑戦する。

 

 

「ひゃあぁっ!? 危ないです!? きゃあぁぁぁ、回ってしまいますぅぅぅっ!?」

 

 

 結果、他の車にぶつかりそうになり、慌てて避けたら壁にぶつかり、さらにスピンしてしまった。

 

 

『LOSE!』

 

 

 アーシアの敗北を告げる文字が画面に映し出される。

 

 

「ううぅ・・・・・・」

 

「初めてだから仕方ないよ。俺も最初からあんなに速かったわけじゃないしな。アーシアも慣れれば速くなるさ。今度は──」

 

 

 アーシアを励ましつつ、他のゲームの方に向かおうと、いろいろ廻る。

 

 今度はガンシューティングゲームをやることにした。

 

 

「ひゃあああああああああっ!?」

 

 

 画面に出てきた敵のゾンビを見て盛大に悲鳴をあげるアーシア。

 

 

「くっ・・・・・・こ、この!」

 

 

 射撃が苦手なのか、悪戦苦闘する槐。

 

 

「なんか、新鮮だな、こういうのを見ると」

 

「そうだな」

 

「うん」

 

 

 そんな二人の光景を眺めて微笑む俺とイッセーと千秋。

 

 次のゲームをやろうと、廻っていると、アーシアがクレーンゲームの前に張り付いていた。中の景品を見てみると、人気キャラクターのラッチューくんの人形があった。ネズミがもとのかわいいマスコットキャラで、日本発ながら世界中で人気がある。

 

 

「ラッチューくん、好きなの?」

 

「えっ!? あの・・・・・・そ、その・・・・・・はい・・・・・・」

 

 

 イッセーの問いにアーシアは恥ずかしそうに頷いた。

 

 

「よし、俺が取ってやるよ!」

 

「えっ!? で、でも・・・・・・」

 

「いいから、いいから」

 

 

 そう言い、イッセーはコインを投入した。

 

 

「こう見えても、帰宅部のころは松田と元浜、明日夏と千秋で近所のゲーセンを駆け抜けたものさ!」

「わあぁ!」

 

 

 見事、イッセーは一発ゲットでゲットした。

 

 

「ほら、アーシア」

 

「ありがとうございます! このラッチューくんはイッセーさんたちとの出会いが生んだ宝物です!」

 

 

 相変わらず大袈裟だな。

 

 

「ええい! この!」

 

 

 格ゲーでも悪戦苦闘している槐。

 

 槐が使用しているキャラは、刀を武器にしてるキャラだった。自分も日本刀を扱うから刀を扱うキャラにしたのだろう。

 

 ・・・・・・でも、そのキャラ確か、コンボが繋げにくくて、かなり玄人向けキャラだったような。

 

 当然、初心者の槐に使いこなせるはずもなく、あっさりとCPUのキャラに負けた。

 

 

「ぐぅぅぅ・・・・・・」

 

「ま、初心者なんだから、そう気を落とすな」

 

「よし、次はあっちに行こうぜ!」

 

「はい!」

 

 

 その後も、俺たちはいろいろなゲームをやりこんだのだった。

 

 

-○●○-

 

 

 次にやって来たのは、ボーリング場だった。

 

 

「あのー、ボーリングってなんですか?」

 

 

 イッセーが取ったラッチューくんのぬいぐるみを抱き締めながら、アーシアが首を傾げながら聞いてきた。

 

 

「ま、口で言うよりも、見たほうが早いな」

 

 

 俺は手頃な重さのボールを持って構える。

 

 

「ふッ!」

 

 

 勢いよく転がしながら投げられたボールは、真っ直ぐピンのもとに向かい、すべてのピンを薙ぎ倒していった。

 

 

『ストライク!』

 

 

 戦績表にストライクの文字が映し出されたのを見たあと、アーシアのほうに向き直り言う。

 

 

「こうしてボールを投げて、ピンを倒し、倒したピンの数を競うスポーツだ」

 

 

 その後、俺たちはボーリングで競いあった。

 

 ただ、アーシアは運動神経がお世辞にもよくなかったため、ガーターを連発してしまい、槐は槐で変な回転をかけてしまっていたのか、これまたガーターを連発してしまい、二人の得点は0点となってしまい、結局、俺とイッセーと千秋の三人の対決という形になってしまった。

 

 その結果、アーシアと槐は目に見えて落ち込んでしまっていた。

 

 ちなみに勝負の結果は僅差で俺の勝利で終わった。

 

 

「ねーねー、カーノジョ♪」

 

 

 二人組の若い男性が落ち込んでいたアーシアと槐に話しかけてきた。

 

 二人とも、髪を染め、ピアスをして、派手な服装をしていた。

 

 

「もしよかったらぁ、俺たちがボーリングのやり方を教えてあげようかぁ?」

 

「ていうか、こっちの金髪の子、チョーかわいくね!」

 

 

 やれやれ、ナンパか。

 

 それを見たイッセーが四人の間に割り込む。

 

 

「おい、アーシアに手を出してんじゃねぇぞ!」

 

 

 イッセーが来たことで、困っている様子だったアーシアがイッセーの後ろに恥ずかしそうに隠れる。

 

 

「なんだ、このガキ! 邪魔すんな!」

 

「そうそう、そんな冴えない奴なんかといるよりも、俺たちといたほうが何万倍も楽しいぜ♪」

 

「そうだぜ。俺たちに教われば、メキメキと上達するぜ♪」

 

 

 男たちはアーシアと槐に言うが、アーシアはますます困惑するだけであり、槐は目に見えて嫌悪感を丸出しにしていた。

 

 

「結構だ。貴様らのような下心しかない軽薄な男に教授してもらいたいことなどいっさいない」

 

 

 槐は淡々と告げた。

 

 それでも、男たちは引き下がらない。

 

 

「そう言わずにさぁ♪」

 

 

 一人が槐に、一人がイッセーを押し退けようと手を伸ばす。

 

 その手を俺は掴む。

 

 

「な、なんだ、てめぇ!?」

 

「ツレが困ってるんだ。店側にも迷惑だし、とっとと失せろ」

 

 

 そう言いつつ、男たちの手首を捻ってやる。

 

 

「「いてててててててててっ!?」」

 

 

 手首を捻られた男たちが悲鳴をあげ、しばらくしてから俺は男たちの手をはなしてやった。

 

 

「お、覚えてろ!?」

 

「ちくしょぉ!?」

 

 

 捻られた手首を押さえながら、男たちは一目散に逃げ出していった。

 

 

「やれやれ」

 

「あのぉ、すみません。私たちのせいで・・・・・・」

 

「アーシアたちのせいじゃねえから、気にするな。それよりも、気分転換するために、別のところに行くか?」

 

 

 俺の提案に皆賛成し、俺たちはボーリング場をあとにした。

 

 

-○●○-

 

 

「あぁー、流石に遊びすぎた・・・・・・」

 

「そうだな・・・・・・」

 

 

 あのあと、俺たちはカラオケに行き、時間が許す限り歌いまくった。

 

 ・・・・・・一日中遊び倒して、すっかりクタクタになってしまった。

 

 

「でも、とても楽しかったです。こんなに楽しかったのは、生まれて初めてです!」

 

 

 アーシアはラッチューくんのぬいぐるみを愛おしそうに抱き締めながら、目尻に涙まで浮かべて笑顔で言った。

 

 ま、アーシアのこの笑顔を見るためと思えば、心地のいい疲れか。

 

 

「私もとても楽しかったぞ。こうして友人たちとあのような施設に赴くことがこんなに楽しいとはな。これなら、少し苦労して遊ぶために遠出してみるのも悪くないかもしれないな」

 

 

 槐も大変満足そうだった。

 

 

「それじゃ、私はここで。送っていただいて、ありがとうございます」

 

「ここでいいのか?」

 

 

 イッセーがアーシアに訊いた。

 

 なんせ、俺たちがいまいるのは、駒王学園の門の前なのだからだ。

 

 

「はい。いま、私は旧校舎に住んでまして。部長さんが私の入居先を用意するまでのあいだということで」

 

 

 なるほどな。

 

 

「アーシア。また遊ぼうな!」

 

「はい!」

 

「私は明日にはこの町を去ってしまうが、機会があればまた。今度は私の学友も連れてこよう」

 

 

 そこで、俺たちはアーシアと別れた。

 

 

「さて、俺たちも帰るか」

 

「ああ、そうだな」

 

「うん」

 

「うむ」

 

 

 帰り道、なんてことのないことを話していると──。

 

 

「あ、士騎くんに兵藤くん」

 

 

 ばったりと霧崎と会った。

 

 手には買い物袋を持っているので、買い出しの帰りなのだろう。

 

 

「明日夏、彼女は?」

 

「ああ、彼女は霧崎美優。俺とイッセーのクラスメイトだ」

 

「そうか。はじめまして、夜刀神槐という」

 

「あ、うん、はじめまして、夜刀神さん」

 

 

 槐と霧崎が軽く挨拶をすると、霧崎が訊いてくる。

 

 

「士騎くん。もしかして、夜刀神さんって、士騎くんの彼女さん?」

 

「「違う」」

 

「・・・・・・見事に息の合った即否定だね」

 

 

 俺たちのあまりに息の合った即答ぶりに霧崎が苦笑していた。

 

 

「それよりも、こんな時間まで何してたの?」

 

「ああ、最近ダチになった子と一日中遊び倒してたんだ」

 

「子、ってことは、女の子?」

 

「ん、まあな」

 

 

 俺と霧崎のやり取りを見ていた槐がふと訊いてくる。

 

 

「仲がいいんだな?」

 

「ん、ああ、家事好き同士で気が合ってな」

 

「うん。学校でもよく意見交換するし、お買い物してるときにもよく会うんだよね」

 

「なるほど」

 

 

 そんな感じで、他愛のない話をしながら、途中まで霧崎と一緒に帰った。

 

 その際、槐と霧崎は気が合ったのか、すっかり仲よくなり、ケータイの番号やメアドの交換をしていた。

 

 こうして、俺たちの楽しい休日が終わった。

 

 

-○●○-

 

 

「こんな朝早くから行くのか」

 

「ああ、あまり長居しているわけにはいかないからな」

 

 

 早朝、俺はこの町から去ろうとする槐を見送っていった。

 

 

「レンや桜花さん、竜胆さんによろしくな」

 

「ああ」

 

 

 いま俺が口にした名前のヒトたちは槐の兄貴と姉貴たちのことだ。

 

 むろん、三人とも槐と同じ賞金稼ぎ(バウンティーハンター)で、兄貴と竜胆さんは親友でもある。

 

 

「次に会うのはいつになるだろうな?」

 

「さあな」

 

 

 住んでる場所がかなり離れているから、そう頻繁に会えるわけじゃないからな。

 

 

「ま、電話なんかでいつでも話しはできるけどな」

 

 

 イッセーとも昨日の会合で仲良くなって、番号とメアドを交換してたしな。

 

 

「おまえと千秋がハンターになった暁には、頻繁に会うことになるかもしれないな」

 

「まだまだ先の話だけどな」

 

「なに、おまえたちなら、すぐに上位ランカーになれるだろう」

 

「そうかねぇ」

 

 

 ま、上位ランカーのこいつが言うなら、そうかもしれないか。

 

 

「では、そろそろ行くぞ。昨日は本当に楽しかったぞ」

 

「ああ。また、機会があれば、皆で遊ぼうぜ。今度は部活の仲間も加えてな」

 

「ああ、そのときが来るのを楽しみにしているぞ」

 

 

 俺たちは軽く握手し、槐はこの町から去っていった。

 

 

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